高分子の表面改質序論 小川俊夫 |
1 表面改質の必要性 1 |
2 表面処理 2 |
2.1 化学的処理 2 |
2.2 物理的処理 4 |
3 表面解析技術 4 |
4 おわりに 5 |
第1章 表面処理 |
1 化学的処理とプライマー処理 柳原榮一 7 |
1.1 はじめに 7 |
1.2 化学的処理の手法と概要 8 |
1.3 化学的処理の具体的な手法とその効果 9 |
1.3.1 ポリオレフィン(PO:PE,PPなど) 9 |
1.3.2 ポリアミド(PA) 9 |
1.3.3 フッ素樹脂(PTFE,PFAなど) 11 |
1.3.4 ポリフェニレンエーテル(PPE) 12 |
1.3.5 ポリアセタール(POM) 13 |
1.3.6 ポリエーテルエーテルケトン(PEEK) 14 |
1.3.7 ゴム・エラストマー 14 |
1.4 プライマー処理 15 |
1.4.1 ポリアミド(PA) 15 |
1.4.2 ポリオレフィン(PO:PE,PPなど) 17 |
1.5 JISの手法 18 |
1.6 おわりに 18 |
2 プラズマ放電処理 稲垣訓宏 21 |
2.1 はじめに 21 |
2.2 プラズマによる表面改質の原理 21 |
2.3 プラズマを照射すると,高分子表面で何が起こるか? 22 |
2.3.1 化学組成の変化 22 |
2.3.2 表面形態の変化 24 |
2.4 プラズマ処理にはプラズマの何が寄与しているのか 26 |
2.5 機能性プラズマ処理(その1)-リモートプラズマ処理- 27 |
2.6 機能性プラズマ処理(その2)-選択的なインプランテーション- 28 |
2.7 まとめ 30 |
3 コロナ処理 小川俊夫 32 |
3.1 まえがき 32 |
3.2 装置 32 |
3.3 コロナ処理条件と表面官能基 36 |
3.4 コロナ放電による表面処理例 39 |
3.4.1 ポリプロピレン 39 |
3.4.2 ポリエチレンテレフタレート(PET) 40 |
3.4.3 芳香族ポリイミド 43 |
3.5 おわりに 45 |
4 グラフト化技術 坪川紀夫 47 |
4.1 はじめに 47 |
4.2 表面グラフト化の方法論 47 |
4.3 多分岐ポリマーのグラフト化 48 |
4.3.1 多分岐ポリアミドアミン(PAMAM)のグラフト 48 |
4.3.2 多分岐ポリフォスファゼンのグラフト 49 |
4.4 ナノカーボンの縮合芳香族環を用いるグラフト化 51 |
4.4.1 ラジカル捕捉性 51 |
4.4.2 配位子交換反応 52 |
4.5 溶媒を用いない乾式系におけるグラフト 52 |
4.5.1 多分岐ポリアミドアミンのグラフト 53 |
4.5.2 ビニルポリマーのラジカルグラフト 54 |
4.5.3 カチオングラフト重合 55 |
4.6 イオン液体中におけるグラフト反応 55 |
4.6.1 Grafting from系 55 |
4.6.2 Grafting onto系 56 |
4.7 リビングラジカル重合法によるグラフト 57 |
4.7.1 Grafting from系 57 |
4.7.2 Grafting onto系 58 |
4.8 生理活性物質をグラフトしたナノ粒子の特性 59 |
4.9 表面グラフト化の新展開 60 |
5 電子線処理 木下忍 63 |
5.1 はじめに 63 |
5.2 EB処理装置 64 |
5.2.1 EBの特性 64 |
5.2.2 EBの特長と物質への作用 66 |
5.2.3 小型EB処理装置紹介 66 |
5.3 高分子のEB処理 69 |
5.3.1 重合処理 69 |
5.3.2 グラフト重合処理 70 |
5.3.3 架橋処理 72 |
5.4 おわりに 74 |
6 大気圧プラズマ処理 上原徹 76 |
6.1 はじめに 76 |
6.2 エチレンのセロハン上での重合 77 |
6.2.1 試料,大気圧プラズマ処理および接触角測定 77 |
6.2.2 セロハンの表面自由エネルギー 77 |
6.2.3 赤外吸収スペクトル 78 |
6.2.4 X線光電子分光分析 78 |
6.3 紙のプラズマ処理 80 |
6.3.1 試料,プラズマ処理および物性評価 80 |
6.3.2 ステキヒト・サイズ度試験 81 |
6.4 木材表面のはっ水性化 82 |
6.4.1 実験方法 82 |
6.4.2 木材のはっ水性 82 |
6.4.3 耐水試験 82 |
6.4.4 色差 84 |
6.4.5 木材処理の特殊性 85 |
6.5 大気圧プラズマによる綿布帛への透湿防水性付与 85 |
6.5.1 試料および処理 86 |
6.5.2 綿布帛のはっ水性 86 |
6.5.3 綿布帛の透湿性 86 |
6.6 ガラス表面の処理 87 |
6.7 ポリエチレンの親水性化 88 |
6.7.1 実験方法 88 |
6.7.2 ポリエチレンの表面自由エネルギー 89 |
6.8 ポリエチレン上でのメタクリル酸メチルの重合 89 |
6.8.1 実験方法 89 |
6.8.2 赤外吸収スペクトル 90 |
6.9 おわりに 91 |
7 レーザービーム法(溶着) 坪井昭彦 93 |
7.1 緒言 93 |
7.2 プラスチックの接合方法 93 |
7.2.1 超音波溶着(Ultrasonic Welding) 93 |
7.2.2 摩擦溶着(Friction Welding,Spin Welding) 94 |
7.2.3 振動溶着(Vibration Welding,Linear friction welding) 94 |
7.2.4 熱板溶着(Hot Plate Welding) 94 |
7.3 レーザーによるプラスチック溶着の特徴 94 |
7.3.1 非接触レーザー溶着(Non-contact Laser Welding) 94 |
7.3.2 透過レーザー溶着(Through-transmission Laser Welding) 95 |
7.3.3 溶着プラスチック材料の特性 96 |
7.3.4 接合形態 97 |
7.3.5 加圧 97 |
7.3.6 TTLW法の特徴 98 |
7.4 利用されるレーザー装置 98 |
7.4.1 光源 98 |
7.4.2 照射方法 99 |
7.5 レーザー樹脂溶着の実施例 99 |
7.5.1 自動車産業 99 |
7.5.2 その他産業 101 |
7.6 まとめ 101 |
第2章 表面解析技術 |
1 X線光電子分光法(XPS,ESCA)による高分子表面・界面の解析 高橋久美子,中山陽一 104 |
1.1 はじめに 104 |
1.2 X線光電子分光法 104 |
1.3 解析例 105 |
1.3.1 理論計算を用いたスペクトルの解析 105 |
1.3.2 表面・界面分析 105 |
1.3.3 深さ方向分析 110 |
1.4 おわりに 112 |
1.5 付記 112 |
2 走査プローブ顕微鏡法による高分子鎖の構造解析 篠原健一 115 |
2.1 はじめに 115 |
2.2 走査トンネル顕微鏡(STM)によるキラルらせんπ共役高分子鎖1本のイメージング 115 |
2.3 原子間力顕微鏡(AFM)によるキラルらせんπ共役高分子鎖1本のイメージング 119 |
3 TOF-SIMS法 萬尚樹 125 |
3.1 はじめに 125 |
3.2 TOF-SIMSの原理と特徴 125 |
3.3 TOF-SIMSで得られる高分子の情報 125 |
3.4 TOF-SIMSによる高分子の分析 126 |
3.4.1 高分子表面の劣化解析 126 |
3.4.2 気相化学修飾法を用いた官能基の分布観察 128 |
3.4.3 精密斜め切削法による有機物の深さ方向分析 129 |
3.5 多原子イオンによる有機物の高感度化 131 |
3.6 おわりに 132 |
4 赤外反射吸収分光法 寺前紀夫 133 |
4.1 概要 133 |
4.2 原理 133 |
4.3 応用 137 |
5 微小切削法による表面・界面の解析 木嶋芳雄,西山逸雄 142 |
5.1 はじめに 142 |
5.2 微小切削法とは 142 |
5.3 SAICASの原理 143 |
5.4 切刃について 145 |
5.5 切削 146 |
5.5.1 ベクトル 146 |
5.5.2 せん断強度 147 |
5.5.3 せん断角について 148 |
5.6 剥離について 148 |
5.6.1 マイクロギャップ 149 |
5.6.2 剥離における水平力成分 149 |
5.6.3 剥離強度 149 |
5.6.4 水平力パターンと切削・剥離現象 149 |
5.7 各種測定例 150 |
5.7.1 多層膜の剥離(非定常型剥離) 150 |
5.7.2 磁気カードの磁気層の剥離(定常型剥離) 151 |
5.7.3 薄いフィルムの測定例 151 |
5.7.4 温度可変測定 151 |
5.7.5 表層分析の前処理(長距離斜め切削) 152 |
5.8 おわりに 155 |
6 赤外・ラマン分光法による高分子の表面解析 佐藤春実 156 |
6.1 はじめに 156 |
6.2 赤外・ラマン分光法を用いる利点 156 |
6.3 薄膜化した生分解性ポリマーの結晶配向の観察 157 |
6.4 ラマンマッピング法を用いた高分子の表面解析 160 |
6.5 最後に 164 |
7 表面・界面解析のためのX線回折法 小寺賢 166 |
7.1 はじめに 166 |
7.2 視斜角入射X線回折法 167 |
7.3 マイクロビームX線回折法 172 |
7.4 おわりに 175 |
第3章 表面改質応用技術 |
1 生体適合性付与 鈴木嘉昭 178 |
1.1 はじめに 178 |
1.2 生体適合性 178 |
1.2.1 生体適合性とは 178 |
1.2.2 血液適合性 179 |
1.2.3 組織適合性 179 |
1.2.4 その他医療材料に必要とされる条件 179 |
1.3 イオンビーム照射による生体適合性の制御 179 |
1.3.1 イオンビーム照射(イオン注入法) 179 |
1.3.2 イオンビームによる材料改質 180 |
1.3.3 細胞・血小板接着制御 180 |
1.4 人工臓器への応用 184 |
1.4.1 人工硬膜への応用 185 |
1.4.2 脳動脈瘤治療用材料への応用 187 |
1.5 医用材料の表面改質の今後の展望 188 |
2 接着性の改良 小川俊夫 190 |
2.1 まえがき 190 |
2.2 表面処理 191 |
2.3 表面処理による接着力の改善 191 |
2.3.1 ポリエチレン(LDPE)とポリエチレンテレフタレート(PET)の接着 191 |
2.3.2 LDPEとその他ポリマーとの接着 196 |
2.3.3 銅箔と芳香族ポリイミドの接着 196 |
2.3.4 ポリプロピレン(PP)の塗料接着性の改良 199 |
2.4 グラフト重合による接着性の改善 200 |
2.5 シランカップリング剤による接着性の改善 200 |
2.6 おわりに 202 |
3 超撥水/撥油性の付与 辻井薫 203 |
3.1 はじめに 203 |
3.2 濡れを決める二つの因子 204 |
3.3 粗い(凹凸)表面の濡れ 204 |
3.3.1 Wenzelの取り扱い 204 |
3.3.2 Cassie-Baxterの取り扱い 205 |
3.3.3 濡れのピン止め効果 205 |
3.4 フラクタル表面の濡れ 206 |
3.4.1 フラクタル表面の濡れの理論 206 |
3.4.2 超撥水表面の実現 207 |
3.4.3 超(高)撥油表面の実現 211 |
3.5 おわりに 212 |
4 帯電防止 後藤伸也 214 |
4.1 はじめに 214 |
4.2 界面活性剤を応用した帯電防止剤 214 |
4.3 ブリード挙動 216 |
4.3.1 環境温度とブリード 218 |
4.3.2 樹脂との相溶性 218 |
4.4 薄膜の重要性とその解析 220 |
4.4.1 帯電防止剤複合の例 220 |
4.4.2 フレーム処理(コロナ放電処理)の効果 223 |
4.4.3 凝集の防止 223 |
4.5 即効性を得るために 224 |
4.5.1 押出成形 225 |
4.5.2 射出成形 225 |
4.6 おわりに 226 |
5 バリア性向上 大谷寿幸 227 |
5.1 ガスバリアフィルム 227 |
5.2 アルミニウム蒸着フィルム 227 |
5.2.1 真空蒸着装置 228 |
5.2.2 蒸着源 228 |
5.2.3 バリア性能 230 |
5.3 透明蒸着フィルム 231 |
5.3.1 酸化ケイ素蒸着フィルム 231 |
5.3.2 酸化アルミニウム蒸着フィルム 233 |
5.3.3 酸化ケイ素-酸化アルミニウム混合蒸着フィルム 233 |
5.3.4 CVD法による酸化ケイ素蒸着フィルム 237 |
5.4 まとめ 237 |
6 防曇性付与 指田和幸 238 |
6.1 はじめに 238 |
6.2 防曇性付与方法 238 |
6.3 プラスチック表面の親水化方法 239 |
6.4 界面活性剤について-防曇剤としての利用- 239 |
6.5 防曇剤の構造及び性能 242 |
6.5.1 食品包装材 242 |
6.5.2 農業用フィルム 243 |
6.6 防曇剤の性能 244 |
6.7 おわりに 245 |