序章 本書の目的と構成 1 |
本書の目的 1 |
本書の構成 3 |
第1部 インターネット社会における<世論>の諸問題 |
第1章 インターネット社会における<世論>とは何か 10 |
はじめに 10 |
1. オートポイエーシスとしての社会 11 |
2. <世論>とは何か 12 |
3. 規範概念としての「世論」 12 |
4. 記述概念としての「世論」 13 |
5. 規範―記述の反響としての「世論」 14 |
6. 個人と<世論> 14 |
7. メディアとアジェンダ設定 16 |
8. メディアのステレオタイプ 18 |
9. インターネットの社会的埋め込み 19 |
第2章 コミュニケーション・メディアとしてのインターネット 22 |
はじめに 22 |
1. 環境としてのメディア空間 22 |
2. メディアと間主観性,そして<世論> 25 |
3. メディア(テクノロジー)と間主観性 27 |
4. メディアの機能と変容 28 |
5. インタネットというメディア 29 |
6. 個人による<情報>の流通と再生産 30 |
第3章 インターネットと<公共圏>―象徴権力の正統性をめぐる闘争 33 |
はじめに 33 |
1. 近代(マスメディア社会)における<公衆>と<群衆> 34 |
2. インターネット社会における<公衆>と<群衆> 37 |
3. 「インターネット社会の光と影」論 37 |
4. <群衆>は<公衆>となるか? 40 |
5. 熟慮型世論(デリバティブ・ポール)の試み 42 |
6. <世論>,<公衆>/<群衆>概念と象徴闘争 44 |
第4章 インターネット社会における<群集>―カオスの縁としての<公共圏> 46 |
はじめに 46 |
1. 都市の遊歩者たち 46 |
2. <群衆>とはいかなる存在か? 48 |
3. <群衆>=遊歩者としてのインターネット住人 48 |
4. ハーバマス「公共性」概念の再検討 51 |
5. メディアは単一ではない 51 |
6. 公共圏から多層化した小公共圏群へ 52 |
7. 混沌としてのコミュニケーション行為 53 |
8. <公共性>のダイナミズム 53 |
9. 物理的共在からメディアを介した共在へ 55 |
10. 間メディア環境における共存性―コミュニケーションの擬身体化 56 |
11. グローバリティとローカリティ 57 |
12. 公共圏・私的生活圏・私事圏 59 |
第5章 メディア複合環境における間メディア性の諸様相―インターネットとマスメディアの相互参照 60 |
はじめに 60 |
1. インターネットが<世論>を喚起するとき 60 |
2. 間メディア性における虚と実―塩爺サイトの盛衰と外部波及 61 |
3. インターネットとマスメディアの擬似的対抗関係―田中眞紀子更迭事件 67 |
4. マスメディアによる集合現象としてのネット言説批判 72 |
5. 少年事件とインターネット―ネオむぎ茶事件 72 |
6. 偽善と偽悪―嫌韓問題と湘南ゴミ拾いオフ 84 |
おわりに―間メディア性における言説の連鎖と抗争 88 |
第6章 インターネットとマスメディア―インターネットの<ジャーナリズム>機能と二次的共在性 90 |
はじめに 90 |
1. マスメディアとしてのインターネット 91 |
2. 新聞ジャーナリズムとインターネット 97 |
3. インターネットを介したオルタナティブ・ジャーナリズム 104 |
4. オルタナティブ・パーソナル・マスメディアとしてのインターネット 106 |
5. ネットセレブとジャーナリズム 110 |
おわりに 112 |
第7章 インターネットにおける個人/集合的コミュニケーションの構造―日記とうわさ 114 |
はじめに 114 |
1. 個人サイト/ブログの間の社会的<関係>―「私事」の連鎖と抗争 115 |
2. インターネットにおける匿名の情報集積とジャーナリズム―口コミサイトの意味 121 |
3. インターネットとうわさ 124 |
4. 巨大掲示板群という<場>―グラフィティ・コミュニケーション 127 |
おわりに 132 |
第8章 インターネット・コミュニケーションと<現実>の相互連結―クリエイティブ・モブのハイパーリンク 134 |
はじめに 134 |
1. インターネット―<現実> 135 |
2. クリエイティブ・モブ―インターネット・ユーザと文化実践 145 |
おわりに 148 |
第9章 インターネットにおける文化実践と<世論>―公共性を連結する異物 149 |
はじめに 149 |
1. インターネットとテキスト文化―『朝のガスパール』から『電車男』まで 149 |
2. インターネットにおけるマルチメディア文化実践 154 |
3. ネットを介した文化実践が身体性を見いだすとき―ムネオハウス・ムーブメント 159 |
4. ネットを媒介とした集合的パフォーマンス―ネタオフとフラッシュ・モブ 160 |
5. 社会性を帯びたネタオフ 162 |
6. 連結する異物―文化実践の<公共性> 163 |
7. インターネットは<世論>を形成するのか? 168 |
おわりに 172 |
第II部 現場からの報告 |
第10章 日本のブログと<間主観性>について―イラク戦争をめぐるインターネット上の<世論> 176 |
はじめに 176 |
1. イラク戦争とブログの発展 177 |
2. ココログとイラク戦争 180 |
3. ココログと間主観性 182 |
おわりに 189 |
第11章 佐世保事件におけるマスメディア報道とインターネット―間メディア性から立ち現れるマスメディア<世論> 190 |
はじめに 190 |
1. 社会的影響とマスメディア報道 191 |
2. 個人情報の流出をめぐるマスメディアと2ちゃんねるの相互作用 195 |
3. 佐世保事件は「ネットの事件」か? 197 |
4. マスメディア報道による<世論>の空洞化 200 |
おわりに 202 |
第12章 マスメディアがブログと出会うとき―「ブログ=ジャーナリズム」論をめぐって 204 |
はじめに 204 |
1. マスメディアとブログの関係 205 |
2. マスメディアにおけるブログの紹介 207 |
3. 共同通信記者のブログ騒動 209 |
4. コメントとトラックバックの意見分析 212 |
おわりに 217 |
第13章 多極化の岐路に立つ韓国のオルタナティブ・ジャーナリズム―オーマイニュースとプレシアンの成功と今後の展開 218 |
はじめに 218 |
1. 韓国のオンライン・ジャーナリズムの特性と現況 219 |
2. オルタナティブ・メディアがもつ意味 221 |
3. オーマイニュースとプレシアン 222 |
4. オルタナティブ・メディアと<世論>の両極化 227 |
おわりに―オルタナティブ・ジャーナリズムの行方 229 |
第14章 Winny問題とネット―<悪意>の連鎖がもたらすもの 231 |
はじめに 231 |
1. 事実経過 232 |
2. オンライン言説に潜む<悪意> 234 |
3. <悪意>の連鎖は何を生み出すのか 241 |
おわりに 243 |
第15章 電車男の物語―いかにして好意的<世論>は形成されたか 245 |
はじめに 245 |
1. 電車男の物語と2ちゃんねる文化 248 |
2. いかにして好意的<世論>は形成されたか 252 |
おわりに 255 |
第16章 東アジアの「インターネット・ナショナリズム」―消費文化と開発主義のはざまから 257 |
はじめに 257 |
1. 「インターネット・ナショナリズム」 258 |
2. 消費文化としてのナショナリズム―「均質化」と「個人化」 261 |
3. 日本の事例―「会社以後の社会」における若年層の位置 264 |
4. 開拓と排除―上からの消費社会化の両義性 267 |
おわりに―「経済発展のアジア」と「歴史問題のアジア」 269 |
第III部 「2ちゃんねる」という問題 |
第17章 社会現象としての「2ちゃんねる」―社会学者と管理人の視点から(対談 : 遠藤薫(学習院大学教授)×西村博之(2ちゃんねる管理人)) 272 |
第IV部 インターネットと<世論>,そして社会変動 |
終章 現代社会とメディア問題―<世論>の背後にあるもの 300 |
はじめに 300 |
1. コンピュータ・メディアに媒介された共在の時代の<世論> 301 |
2. 現代日本の社会システムと自己アイデンティティ 305 |
3. 危険社会としてのインターネット社会 307 |
4. インターネットとナショナリズム 312 |
5. インターネット社会における<文化><公共圏> 315 |
おわりに 318 |
あとがき 319 |
注 321 |
参考文献 337 |
索引 349 |