序 山本雅之、五十嵐 和彦 |
概論 転写研究の古くて新しい諸問題について 五十嵐 和彦、山本雅之 18(1418) |
1. 転写反応の概略 |
2. クロマチンとエビジェネティクス |
3. 転写因子の構造と機能 |
4. 転写因子システムの全貌と課題 |
第1章 分子機構論 |
1. クロマチン形成と再構築 伊藤 敬 31(1431) |
1. クロマチン形成とヒストンシャペロン |
2. クロマチン再構築因子 |
3. クロマチン再構築のメカニズム |
4 クロマチン再構築とヌクレオーソムの破壊 |
2. ヒストンシャペロン 奥脇 暢、小松哲郎、永田恭介 36(1436) |
1. ヒストンシャペロンの分子機能 |
2. ヒストンシャペロンの生理機能 |
3. 転写装置シグナリング 大熊芳明 46(1446) |
1. メディエーター複合体による核内シグナルの統制 |
2. pol IIのよる転写シグナル受容と構造変換 |
4. 転写伸長研究の最前線 山口雄輝、半田 宏、和田忠士 53(1453) |
1. 伸長制御のメカニズム |
2. 転写伸長と他の過程の共役 |
3. 伸長制御の生物学的役割 |
5. LCRによる嗅覚受容体遺伝子の発現制御 西住裕文、熊坂耕平、坂野 仁 60(1460) |
1. LCRを用いた単一発現の制御 |
2. セブラフィッシュを用いたマウスH領域の解析 |
3. H領域のノックアウト解析 |
6. 分子構造を基盤とした転写制御因子の活性制御機構 緒方一博 69(1469) |
1. エンハンサーへの複数の転写制御因子の協調的な結合 |
2. 転写制御因子の活性制御と分子構造の揺らぎ |
3. 分子変異による機能制御異常と疾患 |
7. 転写制御における協同性の構造メカニズム 皿井明倫、河野秀俊 77(1477) |
1. 遺伝子発現制御における協同性の重要性 |
2. 転写因子のよるDNA配列配列認識の特異性-直接認識- |
3. 転写因子のよるDNA配列配列認識の特異性-間接認識- |
4. 認識における協同性 |
第2章 転写因子複合体 |
1. c-fos遺伝子の転写誘導時に起こるヒストンH3リン酸化の制御機構 嶋田美穂、中太智義、福田 綾、久武幸司 85(1485) |
1. ヒストンH3のリン酸化 |
2. ヒストンのリン酸化とアセチル化の関係 |
3. c-fos遺伝子誘導時でのヒストンH3のリン酸化 |
4. ヒストンH3のリン酸化酵素MSKの構造と機能 |
5. ヒストンH3リン酸化の制御 |
6. ヒストンH3のS10リン酸化が果たす役割 |
2. ポリコーム複合体によるクロマチン構造制御と細胞機能 宮城 聡・岩間厚志 90(1490) |
1. PcG複合体 |
2. PcG複合体の多様性 |
3. 肝細胞らしさを特徴付けるクロマチン構造“bivalent domain” |
4. PcG遺伝子による幹細胞制御と癌 |
3. クロマチン構造変換を介した核内受容体転写制御システム 北川浩史、藤木亮次、吉村公宏、加藤茂明 97(1497) |
1. 核内受容転写制御メカニズムにおけるクロマチン構造変換 |
2. クロマチンリモデリングにおけるwsrfの機能 |
3. クロマチン構造変換とリガンド依存性転写制御メカニズム |
4. 未知複合体の関与と未知クロマチン修飾因子の関与 |
4. ヒストンのリジンメチル化による生命機能の制御 立花 誠 105(1505) |
1. ヒストンリジンメチル化酵素 |
2. メチル化ヒストン特異的結合タンパク質-エフェクター分子 |
3. 生体内でのメチル化状態(モノ、ジ、トリメチル)の調整機構 |
4. H3K4メチル化による転写の制御 |
5. H4K20メチル化によるDNA損傷修復反応の制御 |
5.心臓の形態形成や機能維持におけるヒストンのアセチル化とメチル化 白土治己、竹内 隆 110(1510) |
1. ヒストンアセチル化・脱アセチル化と心臓発作 |
2. ヒストンメチル化・脱メチル化 |
3. Jumonji (Jmi)による増殖抑制とヒストンメチル化 |
6. DNAメチル化を介したエピジェネティック制御機構 日野 信次朗、渡邉 すぎ子、中尾光善 118(1518) |
1. DNAメチル化の機序 |
2. DNAメチル化を伴う転写抑制機構 |
7. DNA脱メチル化と遺伝子応答 村山明子、柳澤 純 124(1524) |
1. DNA脱メチル化機構 |
2. 時間特異的・組織特異的DNA脱メチル化現象とその分子機構 |
第3章 転写因子ネットワーク |
1. 大腸菌ゲノムの転写包括制御 ─ひとつの生物のすべての転写因子の調節機能同定を目指して 石浜 明 131(1531) |
1. 大腸菌ゲノムの全体像 |
2. ゲノム全遺伝子の転写の包括制御 |
3. 転写因子の転写調整機能 |
4. 転写因子制御ネットワーク |
5. 大腸菌の環境応答転写制御 |
6. 大腸菌「細胞個性学」の幕開け |
2. アルギニンメチル化を介した細胞機能の制御 加香 孝一郎、金 俊達、新谷 奈津美、深水昭吉 139(1539) |
1. アルギニンメチル化とは? |
2. タンパク質のアルギニンメチル化によって制御される細胞 |
3. 熱ショック転写因子HSFと高次生命現象 中井 彰、藤本充章、井上幸江 147(1547) |
1. HSF1とDAF-16はともに寿命とタンパク質フォールディングにかかわる |
2. HSF1はストレスによる細胞の生死のシグナルのバランスを制御する |
3. HSFは生殖細胞の成熟に必須である |
4. HSFは脳神経形成に重要な役割を担う |
5. HSFは感覚器の維持に必須である |
4.転写因子ネットワークによる赤血球・巨核球分化制御 北島健二 154(1554) |
1. 転写因子による細胞系列特異的な遺伝子発現制御 |
2. 造血系転写因子による分化系列決定 |
3. 造血系転写因子間の相互作用による分化制御 |
4. 造血系転写因子と分化多様性 |
5. 液性免疫応答を制御するBach2転写因子ネットワーク 五十嵐 和彦、武藤哲彦、落合恭子 162(1562) |
1. Bリンパ球の週末分化 |
2. CSRにかかわる転写制御の概要 |
3. Bach2からみるBリンパ球終末分化 |
4. Blimp-1によるBリンパ球終末分化の制御 |
5. Bリンパ球終末分化を制御する転写因子ネットワーク |
6. 今後の展望 |
6. Soxファミリーによる軟骨分化制御メカニズム 工藤寛枝、浅原弘嗣 168(1568) |
1. SOXファミリー |
2. 軟骨形成におけるSoxファミリー |
3. クロマチンを介したSox9の転写調節機構 |
4. Sox9の標的遺伝子 |
5. 臨床医学領域のおけるSOX |
7. カスパーゼが誘導する増殖因子転写のメカニズム 近藤 周、岡部正隆、三浦正幸、広海 健 175(1575) |
1. アポトーシスが誘導する代償性細胞増殖 |
2. 代償性細胞増殖の分子メカニズム |
3. カスパーゼの下流 |
4. 将来の展望 |
8. 神経活動依存的な遺伝子発現ネットワーク 津田正明、福地 守、田渕明子、原 大智 180(1580) |
1. 神経活動依存的な遺伝子発現制御系 |
2. BDNFとPACAP |
3. PACAP遺伝子発現制御系と情報交換的役割 |
4. 二次的に誘導される遺伝子発現ネットワーク |
5. クロマチンを介したBDNF遺伝子発現制御系 |
6. 環境と個性的行動を結ぶ役割 |
9. Hesオシレーションから広がる分節時計のメカニズム 丹羽康貴、影山 龍一郎 186(1586) |
1. 分節時計のメカニズム |
2. 分節時計とオシレーション研究の展望 |
10. 生殖細胞発生の鍵を握るユニークな転写とクロマチンの制御 松居靖久 192(1592) |
1. 始原生殖細胞の分化運命決定における転写制御 |
2. 始原生殖細胞分化に伴う遺伝子発現の、DNAおよびヒストンのメチル化による制御 |
3. 減数分裂を制御するDNAとヒストンのメチル化 |
第4章 遺伝情報発現と疾患 |
1. p53による癌抑制システムと発癌 田中信之 199(1599) |
1. p53によるアポトーシスの誘導機構 |
2. p53による細胞老化の誘導 |
3. p53タンパク質の制御 |
4. オンコジェニックストレスによるp53の誘導 |
5. p53による抗腫癌効果の新たな解析 |
2. Maf転写因子の生理機能と疾患・発癌 片岡浩介 205(1605) |
1. Maf転写因子の構造と基本的機能 |
2. Mafの生理機能と疾患との関連 |
3. なぜMafの機能はこれほど多様なのか? |
4. Mafと発癌との関連 |
5. 残された謎は? |
3. ATF3の細胞運命制御と疾患とのかかわり 北嶋繁孝 212(1612) |
1. 細胞抑制シグナルによるATF3誘導 |
2. 細胞増殖シグナルによるATF3誘導 |
3. 癌抑制、発癌とのかかわり |
4. 癌転移、治療とのかかわり |
4. 血小板形成を支える転写制御機構と血小板異常症 本橋 ほづみ 218(1618) |
1. NF-E2は血小板形成の鍵因子である |
2. NF-E2をモデル系にした二十体制御因子の活性調節機構に解析 |
3. NF-E2の血小板形成における役割 |
4. 血小板生成機構の異常による疾患 |
5. Keap1/Nrf2による酸化ストレス応答と疾患 伊東 健 224(1624) |
1. Nrf2の構造と機能 |
2. Nrf2の標的遺伝子セットとその制御機構 |
3. Nrf2の活性化機構 |
4. Nrf2ノックアウトマウスの表現型 |
5. Nrf2活性化による疾患の防御 |
6. Nrf2とヒト疾患とのかかわり |
6. ビタミンK作用と疾患 ─核内受容体を介する発現調節機構への新展開 堀江 公仁子、井上 聡 231(1631) |
1. γ-カルボキシル化を介するビタミンK作用と疾患 |
2. 骨代謝に関与するビタミンK依存性Glaタンパク質 |
3. ビタミンKとステロイドX受容体 |
4. 骨におけるSXRを介したビタミンK作用と疾患における意義 |
●索引 238(1638) |
序 山本雅之、五十嵐 和彦 |
概論 転写研究の古くて新しい諸問題について 五十嵐 和彦、山本雅之 18(1418) |
1. 転写反応の概略 |