序章 RNA入門(中村義一) |
1. はじめに 1 |
1.1 RNAの研究の歴史 1 |
1.2 RNAルネッサンス 2 |
1.3 RNA医工学と疾患 4 |
1.4 展望 5 |
2. RNAとは(RNAの物性と代謝)(稲田利文) 7 |
2.1 RNAの共有結合構造 8 |
2.2 修飾塩基 9 |
2.3 生合成 9 |
2.4 加工 10 |
2.5 分解等 12 |
2.6 RNaseを用いた解析 14 |
2.7 RNAの構造と機能 16 |
3. 非翻訳型RNA(ncRNA)(中村幸治) 18 |
3.1 生体内で安定に存在するncRNAの探索 18 |
3.2 ゲノムワイドなスクリーニングによる新規ncRNAの同定 20 |
3.3 真正細菌における機能性ncRNAの遺伝子発現制御機構 22 |
3.4 病原細菌におけるncRNAの機能解析 23 |
3.5 アロステリックなリボスイッチによる遺伝子発現制御機構 25 |
第1章 RNA interference(RNAi)とmicroRNA(miRNA) |
1. 概論(三好啓太,塩見美喜子) 30 |
1.1 はじめに 30 |
1.2 RNAiのメカニズム 31 |
1.3 miRNAによる翻訳制御機構のメカニズム 34 |
1.4 siRNAとmiRNAによる生体内プロセスの制御 36 |
1.5 おわりに 38 |
2. 線虫(C.elegans)におけるRNAiの応用(飯田直子,杉本亜砂子) 41 |
2.1 はじめに 41 |
2.2 線虫RNAiの概説 41 |
2.3 RNAiを用いた線虫遺伝子の網羅的機能解析 43 |
2.4 実験プロトコール 46 |
2.4.1 プロトコール1:dsRNAの合成 46 |
2.4.2 プロトコール2:dsRNAの導入と表現型の観察 48 |
3. ショウジョウバエ(D.melanogaster)におけるRNAiの応用(高橋邦明,上田龍) 52 |
3.1 はじめに 52 |
3.2 RNAiハエバンクについての概要 52 |
3.3 ショウジョウバエ誘導型RNAiの原理 53 |
3.4 UAS-IR transgene構築 56 |
3.5 おわりに 66 |
4. RNAiによる哺乳動物個体レベルでのノックダウン(蓮輪英毅,岡部勝) 67 |
4.1 はじめに 67 |
4.2 合成siRNAの投与によるマウス個体におけるRNAi 67 |
4.2.1 ハイドロダイナミクス法を用いたsiRNAの導入 67 |
4.2.2 siRNAの化学修飾による安定化と高効率な導入 67 |
4.2.3 27塩基の2本鎖RNAの可能性 68 |
4.3 ベクターによるsiRNA(dsRNA)の発現系を用いたマウス個体におけるRNAi 68 |
4.3.1 pol IIIプロモーターを用いたRNAiトランスジェニックマウスの作製 68 |
4.3.2 pol IIプロモーターを用いたRNAiトランスジェニックマウスの作製 70 |
4.4 実験例(実験プロトコール) 71 |
4.4.1 実験材料および実験機器 71 |
4.4.2 プロトコール 72 |
5. RNAiの神経疾患への応用(横田隆徳,仁科一隆) 77 |
5.1 はじめに 77 |
5.2 siRNAの特異性:変異遺伝子特異的なsiRNA 77 |
5.3 siRNAの特異性:Off-Target効果などの副反応 78 |
5.4 神経疾患への応用:ウイルス性,免疫性疾患 78 |
5.5 神経疾患への応用:遺伝性神経変性疾患 79 |
5.6 神経疾患への応用:弧発性神経変性疾患 82 |
5.7 siRNAのin vivoへのデリバリー 83 |
5.8 実験プロトコール 84 |
5.8.1 Hydrodynamics法を用いたマウスへのsiRNA発現プラスミドDNAの投与 84 |
5.8.2 臓器の採取とRNAi効果の評価 84 |
5.9 おわりに 86 |
6. アテロコラーゲンによるがん治療を目的としたsiRNAのin vivoデリバリーシステム(竹下文隆,落谷孝広) 88 |
6.1 はじめに 88 |
6.2 siRNAのin vivoデリバリー 88 |
6.3 がんモデル動物を用いての研究 89 |
6.3.1 アデノウイルスベクター 90 |
6.3.2 カチオニックリポソームなどの導入試薬 90 |
6.3.3 shRNA発現プラスミドベクター 90 |
6.3.4 抗体結合型 90 |
6.4 アテロコラーゲン 91 |
6.4.1 アテロコラーゲンの性状と核酸との複合体の形成 91 |
6.4.2 アテロコラーゲンによる核酸医薬のin vivoデリバリー 91 |
6.5 アテロコラーゲンによるsiRNAのin vivoデリバリーの実験プロトコール 92 |
6.5.1 プロトコール 92 |
6.5.2 局所投与の実験例 93 |
6.5.3 全身投与の実験例 94 |
6.6 おわりに 94 |
7. miRNAと疾患(神津知子) 97 |
7.1 はじめに 97 |
7.2 miRNAと疾患 97 |
7.3 miRNAのクローニング(Ligation-mediated法) 99 |
7.4 実験プロトコール 101 |
8. 効率的なsiRNAの設計(内藤雄樹,山田智之,程久美子,森下真一,西郷薫) 104 |
8.1 はじめに 104 |
8.2 効率的なsiRNAの配列規則性 104 |
8.3 siRNA設計ウェブサイト 109 |
8.3.1 ヒトvimentin遺伝子に対するsiRNAの設計例 110 |
8.3.2 siRNA設計オプション 112 |
9. miRNAと標的遺伝子の予測(櫻井仁美,ロベルト・バレロ,五條堀孝) 114 |
9.1 はじめに 114 |
9.2 miRNAのコンピューター予測 115 |
9.3 動物のmiRNA標的遺伝子の予測アルゴリズム 117 |
9.4 ウェブサーバー・データベースの紹介と比較 118 |
9.4.1 miRNA Registryの概要 119 |
9.4.2 名前の意味 121 |
9.4.3 miRNA判定基準 121 |
9.4.4 その他のデータベース 122 |
9.4.5 標的遺伝子データベース 122 |
10. siRNA医薬品の現状と今後の展望(山田佳世子,水谷隆之) 126 |
10.1 はじめに 126 |
10.2 創薬関連遺伝子のスクリーニング 126 |
10.3 治療薬の開発 128 |
10.3.1 HIV治療への応用 129 |
10.3.2 HBV/HCV 132 |
10.3.3 冠動脈疾患(CAD) 132 |
10.3.4 AMD 133 |
10.4 薬物送達法の改善 134 |
10.4.1 vehicle 134 |
10.4.2 キャリアの利用 135 |
10.4.3 oligo末端修飾 136 |
10.4.4 その他外力を用いた透過促進方法 136 |
10.5 off-target等の副作用 136 |
10.6 おわりに 137 |
第2章 アプタマー |
1. 概論(大内将司) 139 |
1.1 はじめに 139 |
1.2 アプタマーとは 139 |
1.2.1 SELEX法 139 |
1.2.2 アプタマーの特徴 141 |
1.3 SELEX法におけるさまざまな選別プロセス 141 |
1.3.1 一般的な選別方法 142 |
1.3.2 標的の切り替えをともなう選別方法 142 |
1.3.3 精密測定装置を用いた選別方法 143 |
1.3.4 光架橋を応用した選別方法 144 |
1.3.5 アロステリック・セレクション 144 |
1.3.6 複雑な標的を用いた選別方法 146 |
1.4 アプタマーの応用技術 146 |
1.4.1 標的分子精製への応用 147 |
1.4.2 ホットスタートPCRへの応用 148 |
1.4.3 機能解析ツールとしての応用 148 |
1.5 アプタマーを用いた検出システム 148 |
1.5.1 アプタマー・チップ 148 |
1.5.2 アプタマー・ビーコン 149 |
1.5.3 近接効果を利用した検出方法 149 |
1.5.4 生細胞を用いた検出方法 150 |
1.6 アプタマー医薬品 151 |
1.6.1 抗血管内皮細胞増殖因子アプタマー 151 |
1.6.2 抗血液凝固因子アプタマー 152 |
1.6.3 その他 153 |
1.7 おわりに 153 |
2. 翻訳開始因子に対するアプタマーによる制がん戦略(小黒明広) 155 |
2.1 がんと翻訳開始因子 155 |
2.2 翻訳開始因子に対するRNAアプタマー 157 |
2.3 SELEXのプロトコール 158 |
2.3.1 RNAプールの作製 158 |
2.3.2 標的に結合するRNAの選択 161 |
3. Efficient methodologies for RNA aptamer selection, and the isolation of antiviral aptamers and their application in novel diagnostic platform development(Penmetcha K.R. Kumar) 167 |
3.1 Introduction 167 |
3.2 Aptamer selection 168 |
3.2.1 Aptamer selection methods 168 |
3.2.2 Aptamer selection by SPR 169 |
3.3 Anti-viral aptamers 172 |
3.4 Modulating aptamers 174 |
3.5 Conclusion 176 |
第3章 リボザイム |
1. 概論(井上丹) 180 |
1.1 はじめに 180 |
1.2 Large ribozyme(ラージリボザイム) 181 |
1.3 構造解析 182 |
1.4 活性発現のメカニズム 183 |
2. 人工リボザイム 185 |
2.1 はじめに(井川善也) 185 |
2.1.1 リガーゼ・リボザイム 185 |
2.1.2 自己切断リボザイム 186 |
2.1.3 タンパク合成に関わるリボザイム 187 |
2.1.4 その他の人工リボザイム 188 |
2.2 アミノアシルtRNA合成機能をもつ人工リボザイムとその技術的応用(菅裕明) 191 |
2.2.1 アミノアシルtRNA合成リボザイムの重要性 191 |
2.2.2 人工ARSリボザイムの創製 191 |
2.2.3 翻訳への応用:遺伝暗号の拡張 193 |
2.2.4 PCR・試験管内転写 195 |
2.2.5 フレキシレジンの調整 196 |
2.2.6 アミノアシル化 196 |
2.2.7 無細胞翻訳系 196 |
2.3 RNAアーキテクチャ(RNA建築学)と人工リボザイム創製への応用(井川善也) 198 |
2.3.1 分子骨格を利用した人工酵素創製リボザイム創製 198 |
2.3.2 分子骨格からの人工酵素創製リボザイム創製 199 |
2.3.3 RNAアーキテクチャ(RNA建築学) 200 |
2.3.4 RNAアーキテクチャからの人工リボザイムの進化 201 |
2.3.5 DSLリガーゼ・リボザイムのin vitroセレクション(実験プロトコール) 202 |
第4章 RNA工学プラットホーム |
1. アンチセンスRNAテクノロジー(舩渡忠男,高橋美奈子) 205 |
1.1 はじめに 205 |
1.2 アンチセンス法 205 |
1.3 ナチュラルアンチセンスRNA(naturally occurring antisense RNA) 206 |
1.4 Non-coding RNAs(ncRNAs) 208 |
1.5 インプリント遺伝子 209 |
1.6 アンチセンスRNAの臨床応用 210 |
1.7 実験例 210 |
1.8 おわりに 213 |
2. RNase PおよびtRNase Zの遺伝子治療への応用(羽生勇一郎,黒崎直子,高久洋) 215 |
2.1 はじめに 215 |
2.2 実験プロトコール 217 |
2.2.1 標的部位の選択およびEGSのデザイン 217 |
2.3 実験例 223 |
3. リボソームの立体構造と抗生物質の作用機序(北原圭,鈴木勉) 225 |
3.1 はじめに 225 |
3.2 タンパク合成のメカニズム 225 |
3.3 30Sの立体構造と暗号解読の分子機構 227 |
3.4 誤翻訳を誘発する抗生物質:アミノグリコシド系 229 |
3.4.1 パロモマイシン 229 |
3.4.2 ストレプトマイシン 230 |
3.5 Aサイトへの結合を阻害する抗生物質:テトラサイクリン 230 |
3.6 50Sの立体構造 231 |
3.7 ペプチド転移反応を阻害する抗生物質 233 |
3.7.1 ピューロマイシン 233 |
3.7.2 クロラムフェニコール 233 |
3.7.3 リンコサミド 235 |
3.8 ペプチド脱出トンネルに作用する抗生物質:マクロライド系 235 |
3.9 新規抗生物質デザイン 236 |
4. 核酸医薬の安定化戦略(和田猛,宮川伸) 238 |
4.1 はじめに 238 |
4.2 リボース部位修飾 238 |
4.2.1 2'-修飾核酸 238 |
4.2.2 LNA 240 |
4.2.3 3'-N-ホスホロアミデートDNA 240 |
4.2.4 4'-S-RNA 240 |
4.2.5 シュピーゲルマー 240 |
4.3 バックボーン修飾 241 |
4.3.1 ホスホロチオエートDNA/RNA 241 |
4.3.2 ボラノホスフェートDNA/RNA 242 |
4.3.3 ペプチド核酸 242 |
4.3.4 モルホリノホスホロジアミデート 242 |
4.4 塩基部修飾 243 |
4.5 RNAの末端修飾 243 |
4.6 RNAアプタマーの修飾 245 |
5. 核酸医薬品のデリバリーシステム(北村義浩) 250 |
5.1 ウイルス系デリバリーシステム 250 |
5.1.1 レトロウイルス 250 |
5.1.2 レンチウイルス 252 |
5.1.3 アデノウイルス 254 |
5.1.4 アデノ随伴ウイルス(Adeno-associated virus,AAV) 255 |
5.1.5 センダイウイルス(HVJ) 255 |
5.2 非ウイルス系デリバリーシステム 256 |
5.2.1 電気穿孔法 256 |
5.2.2 膜融合型リポソーム法 256 |
5.2.3 非膜融合型キャリア法 256 |
5.2.4 DEAE Dextran法 257 |
6. 人工RNA結合ペプチド(原田和雄) 259 |
6.1 はじめに 259 |
6.2 人工RNA結合ポリペプチドを候補ポリペプチドのライブラリーから同定するためのアプローチ 259 |
6.2.1 RNAはポリペプチドによってどのように認識されているか? 259 |
6.2.2 RNA-ポリペプチド相互作用検出系の比較 260 |
6.2.3 ライブラリーのデザイン 261 |
6.3 ファージλNタンパク質によるアンチターミネーションを利用したRNA結合ペプチドの同定 264 |
6.3.1 アンチターミネーション法の原理 264 |
6.3.2 LacZレポーターを用いたHIV RRE結合ペプチドの単純な(Low-Complexity)ライブラリーからの「スクリーニング」 265 |
6.3.3 NPT IIレポーターを用いたHIV RRE結合ペプチドの複雑な(High-Complexity)ライブラリーからの「セレクション」 266 |
6.4 おわりに 267 |