はじめに i |
I 形態と分類 |
第1章 形態・分類・自然誌 3 |
1.1 ホヤ類の体制と分類 3 |
1.1.1 ホヤ類―その分類学的位置 3 |
1.1.2 ホヤ類の体制の概要 4 |
1.1.3 ホヤ類の分類 6 |
1.2 ホヤ類の形態と自然誌 8 |
1.2.1 単体と群体(その1)―無性生殖をめぐって 9 |
1.2.2 単体と群体(その2)―有性生殖と幼生の行動をめぐって 12 |
1.2.3 被嚢―セルロースを含む生きた組織 17 |
II 発生 |
第2章 生殖細胞形成と受精 25 |
2.1 生殖細胞の形成 26 |
2.1.1 卵成熟 26 |
2.1.2 精子形成 27 |
2.2 受精 29 |
2.2.1 精子の卵黄膜への結合と自己・非自己認識 29 |
2.2.2 精子の卵黄膜通過 35 |
2.2.3 精子と卵との細胞膜融合と多精拒否 38 |
第3章 自己・非自己認識 41 |
3.1 自家不和合性 41 |
3.2 認識の場 42 |
3.3 自家不和合性にかかわる因子 44 |
3.4 卵成熟における自家不和合性の獲得 47 |
3.5 自家不和合性の遺伝的背景 48 |
第4章 初期発生と形態形成 52 |
4.1 発生の概要 53 |
4.2 幼生―その器官と組織 55 |
4.3 細胞系譜 56 |
4.4 細胞分化のメカニズム 59 |
4.4.1 表皮細胞 59 |
4.4.2 中枢神経系 60 |
4.4.3 内胚葉細胞 61 |
4.4.4 間充織細胞 62 |
4.4.5 体幹側細胞 62 |
4.4.6 筋肉細胞 62 |
4.4.7 脊索 63 |
4.5 発生にかかわる母性因子 64 |
4.5.1 組織分化決定因子 64 |
4.5.2 決定因子と誘導―ホヤ胚の前後軸について 67 |
4.5.3 原腸陥入決定因子 68 |
4.5.4 卵割パターン決定因子とCAB 68 |
第5章 発生における遺伝子発現 73 |
5.1 遺伝子発現からみたホヤの発生 73 |
5.2 筋肉細胞分化のカスケード 75 |
5.2.1 筋分化決定因子 75 |
5.2.2 筋分化制御因子 76 |
5.2.3 筋肉特異的構造遺伝子の発現制御 77 |
5.3 母性因子の分子的実体へのアプローチ 78 |
5.4 ホヤにおける接合子遺伝子発現の開始 82 |
5.5 原腸形成から神経管形成―ホヤにおける形態形成と遺伝子発現 83 |
5.6 中枢神経系における領域化 87 |
5.7 変態後の遺伝子発現 89 |
第6章 神経系の形成 93 |
6.1 オタマジャクシ幼生神経系の形態 93 |
6.1.1 感覚胞とその周辺 94 |
6.1.2 運動神経節 95 |
6.1.3 尾部神経管(神経索) 96 |
6.1.4 末梢神経系 97 |
6.2 幼生の神経系の形成過程と細胞系譜 97 |
6.3 誘導による幼生の神経系の発生 98 |
6.3.1 神経誘導能の所在 99 |
6.3.2 反応能(competence) 99 |
6.3.3 時間依存的な誘導 100 |
6.3.4 神経誘導の機構 101 |
6.3.5 色素細胞分化における相互作用 102 |
6.3.6 運動神経細胞の分化 102 |
6.4 イオンチャネル電流の変化 103 |
III 進化と種分化 |
第7章 脊索動物の起源と進化 109 |
7.1 脊索動物の起源と進化に関する分子系統学的解析 110 |
7.1.1 18SrDNA 110 |
7.1.2 アクチン 112 |
7.2 脊索動物の起源への分子発生学的アプローチ 113 |
7.2.1 脊索形成 113 |
7.2.2 鰓嚢形成 117 |
7.2.3 内柱形成 118 |
第8章 種分化へのアプローチ 121 |
8.1 配偶子放出時期と時刻の異なるマボヤの3つの種内群 122 |
8.2 Molgula oculata と Molgula occulta 127 |
IV 生理 |
第9章 重金属の濃縮機構 135 |
9.1 バナジウムの発見 135 |
9.2 金属イオンと生命体 136 |
9.3 バナジウムとは 137 |
9.4 ホヤに含まれるバナジウムの分析 138 |
9.5 バナジウムを濃縮するホヤの謎 139 |
9.6 バナジウムを濃縮する血球―バナドサイト 141 |
9.7 バナドサイトのモノクローナル抗体 142 |
9.8 バナドサイトに含まれるバナジウムの化学形 143 |
9.9 バナジウムの還元物質 144 |
9.10 極端な酸性細胞とバナドサイト 145 |
9.11 バナジウム濃縮のエネルギー 145 |
9.12 ペントースリン酸回路の存在 147 |
9.13 バナジウム結合タンパク質 148 |
第10章 免疫系の進化と自己・非自己認識 153 |
10.1 免疫の基本原理とクローン選択説 153 |
10.2 免疫系の進化に関する Burnet の仮説 154 |
10.3 哺乳類における免疫系の複相構造と無脊椎動物でみられる免疫反応 157 |
10.4 下等脊椎動物における抗原認識分子の存在―分子生物学からのアプローチ 160 |
10.5 哺乳類の NK 細胞による細胞傷害と無脊椎動物の自己認識 162 |
10.6 無脊椎動物の自己認識に関与する細胞の分化とアロ認識機構のモデル 163 |
10.7 マボヤにおけるアロ認識反応―NK 様細胞傷害性 165 |
10.8 マボヤ同種異個体反応に関与する細胞表面抗原の同定 167 |
第11章 生体防御機構 170 |
11.1 ホヤ類の生体防御機構の概念 170 |
11.2 ホヤの体のしくみと血液(体腔液) 171 |
11.3 マボヤ体腔液中の液性防御物質 173 |
11.3.1 レクチン(赤血球凝集素) 174 |
11.3.2 抗菌性物質 175 |
11.3.3 その他の生理活性物質 176 |
11.4 マボヤ血球の細胞性防御反応と異物認識機構 177 |
11.4.1 血球凝集と A74抗原 177 |
11.4.2 食作用および被包化作用 178 |
11.4.3 マボヤの原始補体系 179 |
11.4.4 自己・非自己識別反応 181 |
11.4.5 その他の細胞性防御反応 182 |
11.5 マボヤ血球の生体防御機構における機能分担 182 |
11.6 まとめ―マボヤの生体防御機構 184 |
第12章 脳で感じる光感覚 188 |
12.1 オタマジャクシ幼生の遊泳行動 189 |
12.2 ホヤの幼生の脳と視覚 189 |
12.3 ホヤの幼生の眼点の光受容体 192 |
12.4 ホヤの幼生の光遊泳行動 194 |
12.5 成体の光行動 196 |
V 群体形成 |
第13章 芽体形成のメカニズム 203 |
13.1 無性生殖 203 |
13.2 芽体形成と多能性組織 204 |
13.3 多能性細胞の動態 208 |
13.4 形態形成の基本戦略 211 |
13.5 芽体の軸決定 214 |
13.6 芽体形成の分子的背景 217 |
第14章 群体特異性の発現 223 |
14.1 群体特異性とは 223 |
14.2 イタボヤ類について 225 |
14.3 群体特異性の遺伝的背景 228 |
14.4 群体特異性の発現 230 |
14.4.1 ミダレキクイタボヤの癒合・非癒合反応 230 |
14.4.2 群体特異性の発現様式の多様性 233 |
14.5 非癒合反応の発現のメカニズム 235 |
14.6 不適合癒合の存在 238 |
おわりに―ホヤにおける萌芽的研究 その苦悩と歓喜 245 |
事項索引 251 |
生物名索引 257 |
執筆者一覧 260 |