第1章 トライボロジーの基礎 |
1.1 トライボロジーの発展 |
1. 技術の誕生-動物の進化に学ぶ- 3 |
2. 農業革命と技術の発展 3 |
3. 科学革命-宗教との決別 4 |
4. 産業革命-科学と技術の交差点 5 |
5. 実用法則の蓄積と工業技術 6 |
6. トライボロジー運動の提案 7 |
7. トライボロジーとマイクロトライボロジー 8 |
8. ふたたび生物の進化に学ぶ-環境と技術の調和- 8 |
【河野 彰夫】 |
1.2 摩擦現象 |
1. 摩擦の法則 10 |
2. 摩擦の機構 10 |
3. real contact area (有効接触面積)の測定 12 |
4. 分子間力の性質 13 |
5. 各種の材料の摩擦係数の違いについて 14 |
6. 清浄面での凝着とJunction Growth (焼き付きの機構) 14 |
7. 付着すべりとすべり出しの摩擦 15 |
8. 高速の摩擦 16 |
1.3 摩耗機構 |
1. はじめに 18 |
2. アブレシブ摩耗 19 |
3. 凝着摩耗 20 |
4. 疲れ摩耗 25 |
5. 耐摩耗技術 25 |
【三科 博司】 |
1.4 ころがり要素 |
1. ころがり摩擦 27 |
1.1 ころがり摩擦の実験 27 |
1.2 ころがり摩擦の定義 27 |
1.3 すべりを伴うころがり摩擦 28 |
2. ころがり軸受 29 |
2.1 ころがり軸受の分類と用途 29 |
2.2 ころがり軸受の弾性接触 31 |
2.3 弾性流体潤滑理論 31 |
2.4 ころがり軸受の寿命 33 |
2.5 ころがり軸受の音・振動 34 |
2.6 ころがり軸受のトルク 35 |
【赤松 良信】 |
1.5 流体潤滑理論 |
1. 流体潤滑のメカニズム 36 |
1.1 運動形態と圧力分布 37 |
1.2 広がりくさびがある場合 37 |
2. 流体潤滑方程式 (Reynolds方程式) 38 |
3. キャビテーションと境界条件 40 |
4. すべり軸受の基本特性 40 |
4.1 スラスト軸受の負荷能力 41 |
4.2 ジャーナル軸受負荷能力 42 |
4.3 すべり流体潤滑の摩擦特性 42 |
5. 弾性流体潤滑 (EHL) 43 |
6. その他の影響 45 |
6.1 熱の影響 45 |
6.2 多孔質材の軸受 45 |
6.3 乱流潤滑 45 |
6.4 非ニュートン性 46 |
【中原 綱光】 |
1.6 固体潤滑 |
1. はじめに 48 |
2. 固体潤滑剤の歴史 48 |
3. 固体潤滑剤の定義とその種類と分類 49 |
3.1 固体潤滑剤の定義 49 |
3.2 固体潤滑剤の分類 49 |
4. 固体潤滑剤の特徴 50 |
5. 固体潤滑剤の応用 51 |
6. おわりに 52 |
【川邑 正男】 |
1.7 表面形状の計測技術 |
1. はじめに 54 |
2. 触針による測定法 55 |
3. 光学的測定法 57 |
3.1 焦点エラー法 57 |
3.2 光波干渉法 59 |
4. SEMによる測定法 60 |
5. SPMによる測定法 61 |
6. おわりに 62 |
【鏡 重次郎】 |
1.8 表面粗さ計測法 |
1. まえがき 64 |
2. 干渉法による面形状の評価 65 |
2.1 干渉の原理 65 |
2.2 干渉計 67 |
2.3 縞解析の原理 67 |
3. 高精度干渉法 69 |
3.1 ヘテロダイン干渉法 70 |
3.2 縞走査干渉法 70 |
3.3 サブフリンジ法 72 |
4. 表面粗さ測定法 73 |
4.1 接触式の表面粗さ測定法 73 |
4.2 光学的表面粗さ測定法 74 |
4.2.1 顕微干渉計による方法 74 |
4.2.2 高精度干渉法の利用 75 |
4.2.3 等色次数干渉法 76 |
5. 光プローブ法による表面粗さ測定法 76 |
6. あとがき 77 |
【谷田貝豊彦】 |
1.9 ラングミュア膜による境界潤滑の基礎的研究 |
1. まえがき 78 |
2. 実験方法 79 |
3. 実験の結果と検討 80 |
3.1 表面粗さの選定 80 |
3.2 パラフィン油で潤滑した場合 81 |
3.3 ラングミュア膜で潤滑した場合 82 |
4. まとめ 84 |
【杉浦 学,河野 彰夫】 |
1.10 Atomic Force Microscopy (原子間力顕微鏡法) |
1. 原子間力顕微鏡 (AFM)の原理 85 |
2. 原子間力顕微鏡の測定量 85 |
3. 接触状態での原子間力顕微鏡測定 87 |
4. 二次元摩擦力顕微鏡測定 87 |
4.1 格子周期を持つ二次元摩擦力顕微鏡像 88 |
4.2 二次元摩擦力像を構成するノコギリ形の原因 89 |
4.3 二次元摩擦力像を構成する矩形波の原因 90 |
4.4 二次元摩擦力波形の振幅 (変位) の定量的検討 91 |
4.5 格子周期を持つ二次元摩擦現象のモデル 92 |
5. 原子間力顕微鏡の分解能 92 |
5.1 溶液中での原子間力顕微鏡の分解能 93 |
5.2 超高真空中での原子間力顕微鏡の分解能 93 |
【森田 清三,菅原 康弘】 |
第2章 電気材料のトライボロジー |
2.1 総論 |
1. まえがき 99 |
2. 鉄は銅に勝つか? 100 |
3. 特異な摩耗現象 101 |
4. 油と集電 101 |
5. 集電摺動摩耗とアーク放電 102 |
6. 集電における比摩耗量 103 |
7. ソウル地下鉄の集電コンサルティング 103 |
8. 鋼芯トロリ線と離線 104 |
9. あとがき 104 |
【岩瀬 勝】 |
2.2 金属ブラシ |
1. 金属ブラシの特性 105 |
1.1 接触電気抵抗 105 |
1.1.1 収れん抵抗 105 |
1.1.2 皮膜抵抗 106 |
1.2 極性 107 |
1.3 接触圧力 109 |
1.4 雰囲気 109 |
1.4.1 気体中 109 |
1.4.2 水中 110 |
1.4.3 ガソリン中 111 |
1.5 潤滑材 111 |
1.6 フレッティング 112 |
2. 貴金属ブラシ 113 |
3. 卑金属ブラシ 114 |
4. 金属基複合材ブラシ 115 |
4.1 クラスタダイヤモンド分散金属基複合材ブラシ 115 |
4.2 金属基複合材ブラシ 116 |
5. 非接触金属ブラシ 116 |
【岡田 勝蔵】 |
2.3 電車の集電系 |
1. まえがき 118 |
2. 架線・パンタグラフ系の概要 118 |
2.1 架線とパンタグラフの構造 118 |
2.2 集電用材料の条件 119 |
2.3 トロリ線の種類 119 |
2.4 パンタグラフすり板の種類 120 |
2.5 トロリ線とすり板の接触条件 120 |
2.5.1 接触面積 120 |
2.5.2 押付力 120 |
2.5.3 しゅう動速度 120 |
2.5.4 トロリ線の偏位 120 |
2.5.5 集電電流 120 |
2.5.6 環境条件 1210 |
3. 集電系の摩耗に関連する要因 121 |
3.1 要因の作用概念 121 |
3.2 要因ごとの影響 122 |
4. トロリ線の摩耗状況と軽減策 123 |
4.1 トロリ線の摩耗状況 123 |
4.2 トロリ線摩耗面の状況 123 |
4.3 トロリ線の摩耗軽減策 124 |
4.3.1 すり板の材質改良 124 |
4.3.2 トロリ線の材質改良 124 |
4.3.3 潤滑 124 |
4.3.4 パンタグラフ数の削減 125 |
4.3.5 架線構造の整正 125 |
5. 集電系におけるその他の事項 125 |
5.1 ステンレスの功罪 125 |
5.2 絶縁材の摩耗特性 125 |
5.3 今後の課題 125 |
【長沢 広樹】 |
2.4 離線と接触電気抵抗 |
1. まえがき 127 |
2. 離線 127 |
3. 接触電気抵抗 128 |
4. 接触電圧降下 129 |
5. しゅう動中の接触電気抵抗変化 130 |
6. 皮膜と離線 131 |
7. あとがき 132 |
【森 正美】 |
第3章 電子材料のトライボロジー |
3.1 半導体のトライボロジー |
1. はじめに 137 |
2. 半導体-金属の接触 137 |
3. 半導体の摩擦 138 |
4. 半導体の摩耗 141 |
3.2 電気粘性 |
1. はじめに 145 |
2. 電気粘性研究の歴史 145 |
3. 電気粘性効果 146 |
3.1 誘電分極 146 |
3.2 電気二重層 147 |
3.3 電気粘性効果の基本特性 149 |
4. 電気粘性流体の応用研究 150 |
4.1 車両用ショックアブソーバへの応用 150 |
4.2 回転機械用スクイーズフィルムダンパへの応用 150 |
4.3 エンジンマウントへの応用 151 |
4.4 クラッチへの応用 151 |
4.5 ブレーキへの応用 151 |
4.6 可変減衰形動吸振器への応用 151 |
5. おわりに 152 |
【森下 信】 |
第4章 磁性材料のトライボロジー |
4.1 磁気テープの気体潤滑 |
1. はじめに 157 |
2. 回転ドラム上での基礎特性 157 |
2.1 基礎式 158 |
3. 潤滑特性に影響を及ぼす種々の要因 160 |
3.1 フォイル曲げ剛性の影響 160 |
3.2 有限幅の影響 160 |
3.3 圧縮性の影響 161 |
3.4 すべり流れの影響 161 |
3.5 ドラマ表面溝の影響 162 |
4. 回転ヘッド上での特性 162 |
4.1 回転ヘッド上での磁気テープの変形 162 |
4.2 回転ヘッドと磁気テープのすきま特性 163 |
4.2.1 理論解析 163 |
4.2.2 実験によるすきま計算 164 |
5. まとめ 164 |
【谷 豊文】 |
4.2 ハードディスクにおける超低スペーシング走行方式とトライボロジー |
1. はじめに 166 |
2. コンタクト方式におけるスペーシング損失因子 167 |
3. コンタクトスライダの設計指針 167 |
4. コンタクト方式における機械的スペーシングの微小化方法 168 |
5. コンタクト方式の潤滑剤設計 169 |
6. コンタクト方式における摩擦の低減 169 |
7. コンタクト方式における摩耗低減 170 |
8. おわりに 171 |
【柳沢 雅広】 |
第5章 薄膜材料のトライボロジー |
5.1 薄膜の組成と構造 |
1. はじめに 175 |
2. 膜形式の初期過程 176 |
3. 構造欠陥 177 |
4. 結晶粒の成長 178 |
5. 作製法と薄膜構造 179 |
6. 蒸着膜の構造と表面ラフネスの組成による制御 181 |
【馬場 茂】 |
5.2 薄膜潤滑の基礎 |
1. 表面の熱力学 184 |
1.1 分子間力の存在 184 |
1.2 表面エネルギと凝着 184 |
2. AFMを利用した分子間力の測定 185 |
3. 実在表面の力学的性質 186 |
3.1 接触と表面の硬さ 186 |
3.2 表面凹凸と有効接触面積 187 |
3.3 摩擦と潤滑 188 |
4. 薄膜潤滑 189 |
5.3 薄膜の硬さ評価 |
1. はじめに 191 |
2. 超微小硬さ計 192 |
3. 表面の特性 192 |
3.1 くぼみ深さから求まる硬さ 192 |
3.2 弾性変形率 193 |
3.3 深さ方向硬さ分布 193 |
4. 薄膜の硬さ 194 |
4.1 基板の影響 194 |
4.2 膜の厚みの影響 195 |
4.3 膜の密着性の影響 195 |
4.4 測定例 195 |
5. 測定条件の最適化 196 |
5.1 くぼみの大きさ 196 |
5.2 試験片表面の粗さ 197 |
5.3 圧子形状 197 |
5.4 荷重の大きさと負荷速度 197 |
5.5 セラミックス材料の硬さ 198 |
5.6 圧子の先端曲率とくぼみの底上がり 199 |
【金沢 憲一】 |
5.4 薄膜の付着強度 |
1. 付着強度 200 |
2. 付着性の試験法 200 |
3. 付着強度データの信頼性 202 |
4. 臨界荷重と耐久性 204 |
5. 極薄膜の新しい付着性試験方法の比較 205 |
5.5 薄膜の耐摩耗性評価 |
1. はじめに 207 |
2. 薄膜の耐摩耗性試験 207 |
3. 接触面顕微鏡を利用した薄膜の耐摩耗試験 208 |
3.1 測定原理について 208 |
4. 金属薄膜および窒化物薄膜の摩耗試験結果 208 |
4.1 ニッケル蒸着膜 208 |
4.2 窒化ケイ素薄膜 209 |
5. AFMを使用した薄膜の耐摩耗性評価 212 |
6. おわりに 213 |
5.6 DLC膜のトライボロジー |
1. DLC膜とは 214 |
1.1 DLC膜の構造 214 |
1.2 DLC膜の一般的性質 214 |
2. DLC膜の作成法 215 |
3. DLC膜のトライボロジー特性 216 |
3.1 作製法・作製条件の影響 216 |
3.2 雰囲気の影響 216 |
3.3 摩擦相手材料の影響 217 |
3.4 速度,荷重の影響 218 |
3.5 異種元素の影響 219 |
4. DLC膜の応用 219 |
4.1 磁気ハードディスク装置 219 |
4.2 ビデオテープレコーダ 220 |
4.3 複写装置 221 |
4.4 半導体製造装置 221 |
【田中 章浩】 |
5.7 フロッピーディスク装置 |
1. はじめに 223 |
2. フロッピーディスク装置の概要 223 |
2.1 フロッピーディスク装置の基本構成 223 |
2.2 キャリッジの構造 224 |
2.3 磁気ヘッドスライダの構造 224 |
2.4 ディスクカートリッジの構造 225 |
2.5 フロッピーディスクの磁性層の構造 226 |
3. ヘッド・媒体インターフェース 227 |
3.1 フロッピーディスクの変形・振動問題 227 |
3.2 混合潤滑問題 229 |
3.2.1 表面粗さのある接触理論 229 |
3.2.2 表面粗さのある空気膜潤滑 230 |
3.2.3 混合潤滑モデル 230 |
4. おわりに 231 |
【村富 洋一】 |
5.8 接点材料のトライボロジー |
1. はじめに 233 |
2. 電気的ノイズについて 234 |
3. 省電力化に伴う問題点 235 |
3.1 定常電流法によるフリッティング現象について 235 |
3.2 方形波パルス電流法によるフリッティング現象 237 |
4. しゅう動接触と誘導雑音について 238 |
5. 電気的雑音対策について 239 |
5.1 しゅう動材料の改良 239 |
5.2 新しいしゅう動材料の開発 240 |
5.2.1 層状固体潤滑剤の低摩擦について 240 |
5.2.2 しゅう動接点としての固体潤滑剤 242 |
5.2.3 潤滑性能改善の研究 244 |
【渡辺 克忠】 |
5.9 摩耗低減に必要な最小油量 246 |
【笹田 直】 |
5.10 爆発溶射による超硬質膜 |
1. はじめに 253 |
2. 爆発溶射法の原理および操作 253 |
2.1 溶射の原理 253 |
2.2 溶射の操作 254 |
2.2.1 パウダー 254 |
2.2.2 前処理 254 |
2.2.3 マスキング 254 |
2.2.4 コーティング 254 |
2.2.5 仕上げ 255 |
3. 溶射の特性 255 |
3.1 接着強度 255 |
3.2 密度 255 |
3.3 機械的性質 255 |
3.4 耐摩耗性 256 |
3.41 アブレシブ摩耗 256 |
3.4.2 凝着摩耗 256 |
3.4.3 エロージョン 257 |
3.4.4 コロージョン 257 |
4. 応用例 258 |
4.1 航空機部品 259 |
4.2 鉄鋼関連機器 259 |
4.3 繊維機械部品 260 |
4.4 石油化学関連機器 260 |
4.5 樹脂成型関連設備用部品 261 |
【佐々木 哲】 |
5.11 AFM超微小硬度計 |
1. はじめに 262 |
2. AFM超微少硬さ試験機 262 |
3. タングステンとS25C炭素鋼の超微少硬さ試験結果 263 |
4. シリコンウェーハ,液晶用ガラス,アルミ薄膜への適用 266 |
5. おわりに 267 |
【松岡 三郎】 |