■第Ⅰ章 運動発現の脳内機構■ |
1. 脊髄 (尾崎繁・工藤典雄) 2 |
中枢神経系の運動調節 2 |
運動中枢の階層性と脊髄神経回路網 2 |
α運動ニューロンと骨格筋:主動筋と拮抗筋 3 |
運動単位とその機能分化 4 |
筋収縮力の増大と運動単位の漸増 5 |
反射運動 7 |
反回抑制 12 |
歩行運動 13 |
脊髄運動中枢内の統合 13 |
脊髄下行路 14 |
脊髄上行路 16 |
2. 脳幹 (伊佐正) 17 |
脳幹の構造 17 |
脳幹を起源とする脊髄下行路 19 |
反射と pattern generation 20 |
脳幹を介する運動反射 21 |
歩行運動の pattern generation 22 |
眼球運動の制御 24 |
姿勢の調節 28 |
筋緊張の調節 30 |
3. 小脳 (柳原大) 32 |
小脳のマクロの構造 32 |
小脳皮質の神経回路の構造と働き 34 |
小脳のコンパートメント 36 |
ミュータントマウスと小脳の形態形成異常、機能失調 38 |
反射運動と小脳 39 |
歩行運動と小脳 40 |
目標到達運動と小脳 46 |
4. 大脳基底核 (木村實) 50 |
大脳基底核の運動機能 50 |
運動手続きの学習 51 |
強化学習仮説 58 |
5. 大脳皮質運動関連領野 (川島隆太) 61 |
大脳皮質運動関連領野 61 |
非侵襲的脳機能検査法 62 |
運動と同側の一次運動野の活動 62 |
一次運動野の中の機能的細領野 64 |
記憶に基づく運動と前補足運動野の活動 66 |
■第Ⅱ章 運動認知における感覚情報処理■ |
1. 視覚による運動の認知 (小松英彦) 72 |
さまざまな感覚入力 72 |
前進運動の視覚的認知 72 |
姿勢の制御 75 |
オプティカルフローのもつ情報 76 |
回転運動による視覚刺激 77 |
視覚神経系と視運動情報処理 80 |
MT野と視運動情報処理 81 |
MST野と前進運動の認知 82 |
MST野と追跡眼球運動 84 |
2. 前庭感覚による運動の認知 (渡邉悟・水野義雄)88 88 |
前庭感覚のあらまし 88 |
前庭器官の刺激テストと機能 89 |
反射 93 |
3 体性感覚による運動の認知と制御 (岩村吉晃) 97 |
手の触覚受容器 97 |
摘み時の皮膚触覚受容器の応答 98 |
視覚や記憶の役割 99 |
体性感覚野と手指触運動の制御 99 |
手運動時に先行して発火する体性感覚野ニューロン 100 |
体性感覚野ニューロンの受容野の形と手運動の制御 100 |
機能面と手の随意運動 101 |
機能面と特徴抽出ニューロン 103 |
触識別と記憶にかかわる体性感覚野ニューロン 104 |
体性感覚野の注意関連ニューロン 104 |
体性感覚野破壊による手指の拙劣化 105 |
体性感覚野へのムシモル注入による手指運動の障害 105 |
4. 筋固有受容器による運動の知覚と反射 (小宮山伴与志) 110 |
筋紡錘の構造 110 |
筋紡錘の活動パターン 112 |
運動の知覚に関する筋紡錘の役割 116 |
伸張反射 117 |
相反性抑制 119 |
■第Ⅲ章 運動の適応制御・学習とシナプス可塑性■ |
1. 大脳皮質運動野のシナプス可塑性 (宮下英三) 126 |
大脳皮質運動野の機能地図の再構築 126 |
神経細胞特性の可塑性 129 |
シナプス可塑性の機能的意義と今後の課題 134 |
2. 小脳のシナプス可塑性 (柳原大) 137 |
小脳長期抑圧 137 |
運動の適応制御と小脳可塑性 141 |
3. 無脊椎動物アメフラシのシナプス可塑性 (遠藤昌吾) 145 |
学習モデルとしてのアメフラシ 146 |
感作に関与する神経回路 148 |
感作を引き起こす訓練手法 149 |
感作に伴って起こる神経系の変化 151 |
4. シナプス可塑性の数理モデル (加藤英之) 157 |
なぜシナプス可塑性の理論を探求するか 157 |
理論研究の手順 158 |
モデルの解析とその動作原理の理解 158 |
5. 運動の適応制御 の数理的・工学的理解 (伊藤聡) 165 |
運動制御のモデル化 165 |
環境の変化と適応制御 166 |
運動における適応の一数理モデル 168 |
6. 発育発達と運動の制御 (多賀厳太郎) 177 |
運動発達の現象論と古典的神経学 177 |
新生児の生得的な能力と発達における動的変化 178 |
胎児の運動の複雑さ 179 |
自発運動と非線形ダイナミクス 179 |
接触運動のU字型現象 181 |
プレリーチングとリーチング 181 |
聴覚と運動の統合 183 |
歩行の発達 184 |
運動発達における3回の革命 185 |
■第Ⅳ章 関連諸科学への応用・貢献■ |
1. 神経移植による運動機能の再建 (石田和人・西野仁雄) 188 |
Parkinson病への神経移植 189 |
脳虚血・梗塞の治療への応用 195 |
脊髄損傷動物への神経移植 195 |
2. リハビリテーションによる運動機能回復 (久保田競) 199 |
リハビリテーションによって梗塞後の運動機能が回復する 199 |
梗塞後、運動しないと運動野の働きは低下し運動(再現)部位は縮小する 204 |
一側の脳損傷後、上肢の不動化が運動(再現)地図と運動に与える影響 206 |
制約運動療法について 209 |
3. 老人医療への貢献 (神田健郎) 211 |
高齢者の運動特性と運動制御系の変化 212 |
Parkinson病の病態と治療法の基礎 215 |
4. ロボット工学への応用 (宇野洋二) 221 |
到達運動と計算問題 221 |
内部モデルを用いた運動学習 222 |
運動軌道の計画 225 |
ヒューマノイドロボットへの展望 229 |
5. 体育・スポーツ科学への応用 (大築立志) 232 |
熟練スポーツ動作の筋活動特性 233 |
出力のグレーディング 234 |
出力の再現性 235 |
遠心性協同筋抑制 235 |
運動に対する時間的準備の効果 237 |
運動指令の素早い実行 238 |
運動指令の素早い修正 240 |
索引 244 |