1章 環境問題の歴史と現状 |
1. 環境問題の歴史について 1 |
「環境」とは何か 1 |
自然環境だけが環境ではない 1 |
公害問題と環境問題 2 |
環境問題は原始時代に始まる 3 |
転機としての産業革命 4 |
工業生産は必ず環境インパクトを伴う 5 |
生産活動に伴う環境インパクトの具体的な形 6 |
環境問題の歴史区分 7 |
第一期以前(産業革命から19世紀半ばまで) 7 |
第一期(明治維新から第一次世界大戦まで) 12 |
第二期(第一次世界大戦から第二次世界大戦まで) 12 |
第三期(第二次世界大戦終了から高度経済成長期前半まで) 13 |
第四期(高度経済成長期後半) 13 |
第五期(環境庁設置から地球環境問題以前まで) 14 |
第六期(地球環境問題への注目以降、現在まで) 15 |
2. 現在の環境問題と地球の危機 16 |
現代の環境問題の構図 16 |
主な地球環境問題 16 |
地球温暖化のしくみ 18 |
オゾン層破壊のしくみ 19 |
酸性雨のしくみ 20 |
地球環境問題の本質 21 |
地域の環境問題の重要性 22 |
窒素酸化物汚染と光化学汚染 22 |
ダイオキシン問題とは何か 24 |
環境ホルモン問題とは何か 24 |
人間活動と人類の危機 25 |
2章 環境問題が発生するしくみ |
1. 生命を育む星・地球 27 |
唯一生命が存在する天体としての地球 27 |
地球の化学的構造とその変化 28 |
地球のエネルギーバランス 28 |
地球はエネルギー的開放系 29 |
地球は物質的閉鎖系 30 |
閉鎖系と熱平衡 31 |
エネルギーの保存法則 31 |
エネルギーの質の変化 32 |
生命を保持するための開放系 33 |
物質を循環させる生態系 34 |
熱エネルギーの廃棄を担う水の循環 35 |
2. 地球の構造と特性―物質的閉鎖系がもたらす環境問題 37 |
物質的閉鎖系と環境問題のつながり 37 |
地球温暖化と物質的閉鎖系 37 |
その他の環境問題はどうか 38 |
3. 人間活動と環境インパクト 39 |
環境問題の根源は人間活動 39 |
人間活動と不要物 39 |
不要物はどこから出てくる? 40 |
市民生活による環境インパクト 41 |
市民生活と大気汚染 42 |
室内に広がる汚染物質 42 |
室外にもまき散らされる汚染物質 43 |
間接的な排出も重要 44 |
市民生活と水質汚濁 45 |
市民生活と騒音 46 |
市民生活と悪臭 47 |
ライフスタイルの変革の必要性 47 |
3章 環境問題に対する3つのアプローチ |
1.環境問題への対策を考える前に 49 |
環境問題の多面性と複雑性 49 |
2. 技術的アプローチ 50 |
環境問題と科学技術の関係 50 |
排出防止技術―汚染物質を出さないようにする 50 |
低公害型装置―汚染物質をできにくくする 51 |
水質浄化設備―汚染物質を処理する 52 |
新規技術の導入―生産活動の方式や道具・材料を変える 53 |
環境管理技術―環境の状況を見極める 54 |
科学技術は環境を救っているのか 54 |
3. 規制的アプローチ 55 |
環境問題を法的に抑え込む 55 |
日本における環境法設備の歴史 55 |
環境アセスメントの法的整備 57 |
環境法制度の枠組み 58 |
法によらない規制的アプローチ 59 |
4. 社会的アプローチ 59 |
環境問題と社会のしくみ 59 |
4章 循環型社会はなぜ必要か |
1. 現代社会における「豊かさ」の基準 61 |
アダム=スミスと国の豊かさ 61 |
経済成長と廃棄物の増大 62 |
真の豊かさとは何か 63 |
2. 循環型社会とは何か 64 |
近代の生産システムの問題点 64 |
一方通行を解消するためには 65 |
リサイクルとゼロエミッション 66 |
リサイクルは万能ではない 66 |
3Rに向けて 68 |
大量生産・大量消費・大量廃棄からの脱却と循環型社会 69 |
3. 市場経済のしくみと非循環構造 70 |
経済の循環とは 70 |
ものの流れとお金の流れ 71 |
物質の循環と経済の循環を両立するために 72 |
4. 循環型社会と経済システムの関係 74 |
循環問題を経済学の立場から眺める 74 |
環境問題における費用と便益 74 |
経済成長と環境問題 75 |
経済学的に見た環境問題 76 |
環境便益はどのように評価するのか 76 |
環境と資源の価値をどうまとめて扱うか 77 |
循環型社会における経済システムの役割 78 |
5. 循環型社会の形成に向けて望まれる技術 79 |
さまざまな技術開発 79 |
地球温暖化防止に向けて 79 |
オゾン層破壊防止に向けて 80 |
窒素酸化物汚染や酸性雨防止に向けて 81 |
リデュースやリュースの促進に向けて 82 |
リサイクルの促進に向けて 82 |
廃棄物処分技術の高度化 83 |
循環型社会の形成に向けた技術の貢献 84 |
5章 循環型社会の実現をめざした取り組み |
1. ドイツの例に学ぶ 85 |
環境問題における日本と諸外国の比較 85 |
世界では有数の日本の公害対策技術 86 |
日本における環境に対する意識面の遅れ 86 |
なぜドイツなのか 87 |
ドイツの特徴的な廃棄物処理制度 88 |
グリューネプンクトの効果 89 |
家庭ゴミ回収有料化の効果 90 |
グリューネプンクトと家庭ゴミ有料回収制度があればうまくいくか 90 |
2. 日本での動き 91 |
日本における循環型社会への潮流 91 |
リサイクル法の制定 93 |
環境基本法の制定 93 |
環境アセスメント法の制定 94 |
リサイクル関連法の整備 95 |
循環型社会基本法への動き 97 |
循環型社会基本法以降の個別法 97 |
3. 循環型社会基本法のあらまし 98 |
循環型社会基本法の制定の経緯とねらい 98 |
循環型社会基本法における循環型社会の定義 99 |
循環型社会基本法の対象―廃棄物と循環資源の定義 99 |
対策の優位順位 100 |
個人、行政、企業の役割分担 100 |
循環型社会形成推進基本計画の策定 101 |
循環型社会形成のための施策 102 |
循環型社会基本法の問題点 103 |
4. 日本での先進的な事例 103 |
ゼロエミッションへの取り組み 103 |
先進的な取り組みを続ける国母工業団地 105 |
経済産業省のエコタウン事業 108 |
エコタウンをめざす北九州 109 |
ゼロエミッションから循環型へ 111 |
6章 循環型社会と個人、行政、企業の役割 |
1. 循環型社会と日常生活―日常生活の中での個人の役割 115 |
ライフスタイルと環境インパクト 115 |
ライフスタイル変革の必要性 116 |
日常生活と環境問題 117 |
リデュースの実践 117 |
リュースの実践 118 |
リサイクルの実践 118 |
電力消費の節減による環境インパクトの低減 119 |
日常生活の中にたくさんある循環型社会の入り口 120 |
個人と行政のかかわり 121 |
個人と企業のかかわり 122 |
2. 循環型社会に対する行政の役割 122 |
高度経済成長の時代と行政の役割 122 |
混沌とした時代の行政 123 |
施策決定と公共事業における留意点 125 |
庁舎活動における取り組み 126 |
民とのパートナーシップ 127 |
3. 循環型社会に対する企業の役割 128 |
企業活動に対する評価の変化 128 |
生産者としての責任 129 |
環境に配慮した製品の開発 130 |
企業の技術面での責任 132 |
ライフサイクルアセスメント(LCA) 132 |
環境マネジメントシステムとISO14001 134 |
環境情報の提供と消費者とのパートナーシップ 136 |
環境ラベルによる情報提供 136 |
環境報告書と環境会計 137 |
7章 循環型社会を支えるものは何か |
1. 環境問題を正確に把握するために―総合環境影響評価 139 |
問題を認識するための方法 139 |
ドイツの環境首都コンテスト 141 |
循環型社会と総合環境影響評価項目 142 |
豊かさを持続するためのプラス項目とマイナス項目 143 |
評価項目と重み付け 144 |
重み付けの意味1―他人が何を大切と考えているかを知る 145 |
重み付けの意味2―最適行動の選択 146 |
最適な行動選択とは 146 |
総合環境影響評価項目の現状と今後 147 |
2. 多様な価値観の共存と私たちの行動 148 |
循環型社会と人間の生き方 148 |
価値観の違いと相互理解 148 |
合意形成のために 149 |
コミュニティーの行動選択 150 |
3. 循環社会における情報の役割と情報基盤整備 151 |
循環型社会と情報 151 |
「情報」の意味 152 |
情報基盤が支える情報化社会 153 |
情報化社会と循環型社会 153 |
循環型社会を後押しする情報流通―環境行政の情報化の初期 154 |
行政から環境情報の提供 155 |
環境教育の必要性と役割 155 |
循環型社会に必要な情報の源 156 |
おわりに―私たちは何をすべきか 157 |