はじめに |
プロローグ 構造改革という落とし穴 1 |
急上昇する失業率 |
誤った前提に立つ小泉構造改革 |
小泉改革は「合成の誤謬」の固まり |
「木を見て森を見ない」国民負担論 |
第1章 いまこそ必要な不況の経済学 13 |
需要後退を心配するアメリカ |
不況の原因は需要不足にある |
不況の理論を持たない構造改革派 |
構造改革が陥る危険 |
倹約してもおカネはたまらず、不況が続く |
購買意欲が好況を生む |
おカネへの欲望からバブルが生まれた |
不安心理の同調とバブル崩壊 |
不況が貨幣保有願望を満たす |
景気変動を増幅させるメディアや識者の論調 |
大衆に迎合する政府 |
人びとの心理が生み出す不況と好況 |
エコマネーは使われ、貨幣は取引を止める |
悪貨が使われる |
いまの不況は需要型不況 |
「米百俵」の勘違い |
弱者に冷たい成功者 |
成功者にとって迷惑な失業者 |
第2章 民間企業の構造改革が進むほど、景気は悪化する 49 |
個々の企業は必死にリストラ |
企業のリストラが不況を深刻化させる |
一見わかりやすい構造改革派の考え方 |
市場原理は弱肉強食を意味しない |
景気が悪ければ新産業も育たない |
好況時の廃業と不況時の倒産を混同してはいけない |
理解されていない、国の経営と企業の経営の違い |
為替レートの調整を無視した国際コスト競争論 |
国際競争力の低下は景気悪化にともなう円高のせい |
昔の常識に引きずられた景気の国際波及論 |
世界同時不況は必然か |
構造改革では見えない回復のシナリオ |
いまの日本に必要なのはT型フォードのような技術革新 |
消費意欲を向上させるIT革命を |
第3章 財政政策は、 おカネの視点から物の視点へ 83 |
そもそも経済政策の目的とは |
無駄な公共事業と社会保障の充実は同じ |
ボランティアと比べると公共事業の本質が見えてくる |
的はずれな「くだらない公共事業批判」 |
戦争はなぜ景気を回復させるか |
地域振興券や戻し減税も意味がない |
バラマキ積極財政と緊縮財政は実は同じこと |
公共事業の名目的効果 |
バブル期にはうまい話が実現していた |
不況期にはクラウディング・アウトは存在しない |
公共事業は入手不足をもたらさない |
非効率部門の温存は、不況期には新産業立ち上げの障害にならない |
政府事業は中身と時期が大切 |
おカネの視点から物の視点へ |
財政政策の決定基準 |
民間と政府の役割分担 |
第4章 国債負担論は誤解だらけ 119 |
「失業を増やしても国債削減を」では本末転倒 |
国債の国民負担という間違い |
国民負担の本質は分配問題 |
国債を持っている人は得をしているわけではない |
増税と国債発行は同じこと |
国債の国際取引をめぐる誤解 |
誤解が生み出した財政構造改革 |
親のツケを子が払うというのも誤解 |
中高生におカネが分配されても若者の負担になるわけではない |
構造改革は経済政策の根本原理を忘れた議論 |
増税してでも働く場を作るべき |
不毛な「積極財政対緊縮財政」論争はいいかげんにやめよう |
国債発行の本当の弊害 |
現状での優先課題 |
国債の信用低下は長期利子率ではなく国債利子率を上げるだけ |
国債価格への警告とバブルつぶしの共通性 |
第5章 危うい調整インフレ論、 景気とは関係ない不良債権処理 153 |
金融政策の効果はほとんど期待できない |
金融緩和と投資 |
おカネはかならず民間に回っている |
リストラのもとでは、おカネは投資に回らないのがあたりまえ |
不況のいまは貨幣と国債だけが支え |
危険なのは円と国債の信用を失うこと |
調整インフレに実現の可能性はない |
無理なインフレ調整では貨幣の信用お失う |
日銀の国債購入も効果はない |
金融緩和による円安では国際競争力は上がらない |
安易な金融緩和ではなく、地道な労働力活用を |
不良債権処理で変わるのは資産と負債の分配だけ |
不良債権処理と景気は関係ない |
安易な正義感が生む本当の国民負担 |
不良債権処理とバラマキ財政政策は本質的に同じもの |
敗者にはペナルティーよりも活躍の場を |
第6章 おカネを配るだけでは景気は回復しない 185 |
景気対策とおカネの分配 |
失業補助金よりも働く場を作るべき |
セーフティーネットでは景気は回復しない |
ワークシェアリングも再分配政策のひとつ |
構造改革の正しい順序は、 まず雇用の創出から |
雇用のミスマッチを嘆く前にまず仕事を作るべき |
第7章 不況のときの特殊法人改革は害あって益なし 199 |
特殊法人整理の実態は穴掘り公共事業の推進 |
政府事業にとっての採算性は民間のそれとは違う |
必要なのは規模縮小ではない効率の追求 |
好況のときこそ民営化すべき |
道路四公団を整理統合しても「国民負担」は減らない |
高速道路整備を凍結すれば国民負担は増える |
高速道路料金に本当の国民負担はない |
政府は長期的事業こそ考えるべき |
場当たり的雇用を増やす構造改革 |
エピローグ いまやるべきことは何か 221 |
いまこそ政府の出番だ |
切り捨て構造改革から人材を活用する政策へ |
不況は宿題解決お好機 |
注 229 |
参考文献 233 |
あとがき 237 |