まえがき 5 |
第1章 人の死と脳の死 16 |
「おじいちゃん眠ってるの……」 16 |
死という現象はない? 18 |
個体の死と臓器の死・細胞の死 20 |
「生きたからだに死んだ脳」 21 |
脳死は必ず個体の死につながる 24 |
脳死とは脳全体の死 26 |
脳死についての誤解 28 |
第2章 脳死はどのようにして発生するのか 32 |
一次性脳障害と二次性障害 32 |
脳死への道すじ 35 |
脳死への進行を阻止できるか 38 |
脳細胞は自己融解をおこす 44 |
第3章 脳死状態の脳はどうなるのか 47 |
自己融解する脳 47 |
脳のたんぱく質が変性する 51 |
脳死状態でも脊髄は生きている 55 |
第4章 なぜ今、脳死が問題なのか 57 |
心臓移植の衝撃 57 |
脳死状態への関心 61 |
臓器移植と脳死 64 |
脳死の判定法をめぐって 65 |
第5章 脳死はどのくらい発生するか 71 |
全死亡者数の一パーセント弱? 71 |
脳血管障害では高い発生率 73 |
五〇歳代に多く、男に多い 74 |
調査対象で異なる原因疾患 76 |
脳死から心停止までの期間 79 |
前向き調査と後ろ向き調査 81 |
第6章 脳死をどう判定するか 83 |
なぜ判定基準が必要か? 83 |
理想的な判定基準の条件とは? 85 |
脳死判定の対象 88 |
子供や薬物中毒は判定対象から除く 90 |
自発呼吸はあるか?(生命徴候) 92 |
脳が死ねば反応しない(神経症状) 96 |
欠かせない脳波検査(補助検査) 102 |
基準以外の手がかり-他の補助検査 107 |
念には念を入れる 115 |
判定者は二人以上の医師 118 |
第7章 国による判定基準の違い 120 |
世界的統一基準はない 120 |
死の概念にまで踏み込んだ米国の判定基準 121 |
臓器移植の際は再確認-カナダの基準図 124 |
脳幹死を土台とする英国の基準 126 |
その他の国の判定基準 128 |
第8章 蘇生術に限界はあるか 132 |
進歩する蘇生術 132 |
分秒を争う蘇生術 134 |
蘇生術の効果と限界 135 |
切迫脳死が限界 136 |
蘇生術の内容 139 |
脳死状態における集中治療の適応 142 |
どんな場合に蘇生術が成功したか 146 |
第9章 脳死と個体死を考える 149 |
ハイチでの出来事 149 |
死の容認を拒絶する家族 151 |
医師にまかされてきた死の判定 152 |
医学的判断と社会的認知 153 |
これからの死の判定 154 |
法医学上の問題点 155 |
第10章 脳死状態と植物状態とはどう違うか 159 |
カレン事件 159 |
人工呼吸器をはずして九年 163 |
植物状態とは? 165 |
めざめと睡眠のリズムはある 168 |
脳のどこが障害を受けたのか? 170 |
回復の見込みはないか? 172 |
脳死より重大な社会問題 175 |
植物状態、その後 177 |
おわりに 179 |
未解決の問題点 186 |
関連・参考文献紹介 191 |
さくいん 206 |