序章 複雑な世界を読み解く新しい方法 |
意思あるものは法則にしたがうか 9 |
なぜ世間はこんなにも狭いのか 12 |
オットセイが減れば魚が増えるというのはほんとうか 17 |
歴史上初めて科学者が手に入れた「方法」 21 |
第1章 「奇妙な縁」はそれほど奇妙ではない |
知り合いの知り合いに出会う頻度 29 |
世間の狭さを示すミルグラムの実験 32 |
ケヴィン・ベーコンまでの距離を測る 36 |
世界の秘密をネットワークから読み取れるか 41 |
第2章 ただの知り合いが世間を狭くする |
スモールワールドとエルデシュ数 47 |
二四人の知り合いがいれば世界は一つになる? 50 |
友だちの友だちはたいてい直接の友だちだという問題 53 |
世間を狭くしているのは「たんなる知り合い」の関係 58 |
修飾のつてはだれから得られるのか 64 |
科学革命までの長い道のり 68 |
第3章 スモールワールドはいたるところにある |
なぜホタルたちは同時に光を放つことができるのか 71 |
スモールワールドとホタルの関連 76 |
わずかな不規則性がネットワークの性質を変える 79 |
俳優のネットワークと電力系統のネットワークでの検証 84 |
スモールワールドで情報処理するホタルと神経細胞 87 |
第4章 脳がうまく働く理由 |
モジュールの集合としての脳 93 |
脳もスモールワールド構造になっている 97 |
ニューロンの同期発火と意識 101 |
脳はなぜ素早く大量の情報をあつかえるのか 106 |
「隠れた設計図」を読み解く手がかり 109 |
第5章 インターネットがしたがう法則 |
スプートニク・ショックが生んだ研究機関ARPA 113 |
冷戦下の恐怖がインターネットを作った 115 |
急成長するインターネットがもたらすもの 118 |
無計画に拡大したインターネットの地図を作る 122 |
サイバースペースは「べき乗則」にしたがう 127 |
スモールワールドの作り方は一つではない 133 |
第6章 偶然性が規則性を生み出す |
歴史の中に法則は見いだせるか 139 |
鍋のなかに突然パターンが出現する 144 |
突然のパターン出現は実験室の外でも起きている 147 |
あらゆる河川に見られる「べき乗則」のパターン 152 |
河川の規則性はごく単純な理由から生じていた 156 |
金持ちはより豊かに、長い腕はより長くなる法則 161 |
第7章 金持ちほどますます豊かに |
群集の行動予測が難しいことの単純な理由 165 |
人気のあるサイトほどますます知名度を得る 169 |
人気者に人気が集まるとスモールワールドができる 173 |
人々の行動を法則にしたがわせる原動力は何か 178 |
企業や研究者のネットワークもスモールワールド 183 |
平等主義的ネットワークと貴族主義的ネットワーク 187 |
第8章 ネットワーク科学の実用的側面 |
空港の混雑からネットワーク科学が学べること 191 |
平等主義的ネットワークが自然に出現する理由 195 |
スモールワールド研究の実用的側面 199 |
サイバーテロの脅威はどれほど大きいか 202 |
インターネットを効率よく破壊する方法 207 |
薬剤耐性菌との戦いにネットワーク科学を応用する 212 |
スモールワールド的思考法で世界を見る 219 |
第9章 生態系をネットワークとして考える |
クジラが減れば魚はほんとうに増えるのか 221 |
乱獲はどのくらい深刻な問題なのか 224 |
ほんとうに複雑で多様な生態系ほど安定しているのか 229 |
弱い結びつきが生態系の安全弁となっている 234 |
あらゆる生物が「二次の隔たり」でつながる? 239 |
生態系を支える要石となっている種を探せ 244 |
第10章 物理学で「流行」の謎を解く |
ソ連の秘密警察と理論物理学者ランダウ 251 |
ティッピング・ポイントという考え方 255 |
ほんの些細なことから感染症は蔓延する 259 |
問題は感染者が新たに何人に感染させるかだけ 262 |
氷ができる過程の物理とティッピング・ポイント 265 |
流行には必ずティッピング・ポイントが存在する 269 |
第11章 エイズの流行とスモールワールド |
スモールワールドでは感染症の脅威が増大する 273 |
HIVはどこからやってきたか 276 |
感染の拡大をシミュレーションする方法 281 |
長距離リンクが加わることでエイズは広がった? 285 |
多数のセックスパートナーをもつ人を免疫にすべし 290 |
新しいエイズ対策のあり方とはどのようなものか 294 |
第12章 経済活動の避けられない法則性 |
還元主義では説明できない社会的現象 297 |
「神の見えざる手」はどこから現れるのか 301 |
富の八割を二割の人々が所有するという法則 304 |
金儲けの才覚に関係なく貧富の差は生じる 307 |
貧富の差は投資により増大し税や売買により減少する 310 |
市場や政情の不安定が「悪徳資本家」を生む 315 |
第13章 偶然の一致を越えて |
ネットワークの科学から得られる教訓とは? 319 |
協力や服従を促す社会的絆のネットワーク 322 |
競争力のある強い集団は「強い絆」で結ばれている 327 |
「弱い絆」を欠く集団は潜在的能力を発揮できない 331 |
複雑さのなかに単純な法則を見出す知恵 337 |
訳者あとがき 339 |
図版出典 343 |
原注 357 |
序章 複雑な世界を読み解く新しい方法 |
意思あるものは法則にしたがうか 9 |
なぜ世間はこんなにも狭いのか 12 |
オットセイが減れば魚が増えるというのはほんとうか 17 |
歴史上初めて科学者が手に入れた「方法」 21 |
第1章 「奇妙な縁」はそれほど奇妙ではない |