はじめに ii |
目次 iv |
Ⅰ 宇宙創造とエネルギー、放射線-自然に学び、自然を真似る- |
(1) 自然に学び、真似る第1の視点 2 |
(2) 自然に学び、真似る第2の視点 3 |
第1章 宇宙と原子力 5 |
1.1 原子力が結ぶミクロ世界とマクロ世界 5 |
1.2 宇宙の誕生-エネルギーから物質へ- 7 |
(1) 赤方偏移と膨張宇宙 7 |
(2) 宇宙創造 7 |
1.3 星の誕生と元素の創生 8 |
(1) 星と銀河と鉄までの元素の創生 8 |
(2) 超新星爆発と鉄より重い元素の創成 9 |
1.4 ミクロ世界に潜む核エネルギー-原子核の結合エネルギー- 12 |
(1) 原子の大きさと構造 12 |
(2) 原子の質量と結合エネルギー 15 |
(3) 原子核反応 17 |
(4) エネルギーの単位 18 |
1.5 核融合と核分裂 19 |
(1) 核融合反応 19 |
(2) 核分裂反応 20 |
1.6 自然の核融合炉-太陽- 23 |
(1) 水素連鎖反応 23 |
(2) 太陽の内部 24 |
(3) 太陽エネルギーのスケール 25 |
1.7 地球にも原子炉があった-オクロの天然原子炉- 26 |
(1) 発見の端緒 26 |
(2) 天然原子炉は軽水炉 26 |
(3) 天然原子炉の創り上げられた過程 29 |
(4) 天然原子炉の運転 30 |
(5) 天然原子炉の残した教訓 31 |
第2章 放射線と物質 33 |
2.1 放射性物質と放射線 33 |
(1) 元素,核種,同位体 33 |
(2) 放射線,放射能,放射性物質 34 |
2.2 放射性核種の崩壊 35 |
(1) 放射性崩壊 35 |
(2) 放射能と半減期 37 |
2.3 原子のエネルギー状態 38 |
(1) ボーアの原子模型 39 |
(2) 原子の殻構造 42 |
(3) ハイゼンベルグの不確定性原理 44 |
2.4 原子核のエネルギー状態 45 |
(1) 原子核の液滴モデル 46 |
(2) 原子核の殻モデル 47 |
2.5 放射線と物質の相互作用 48 |
(1) 衝突,励起,電離 48 |
(2) 放射線のエネルギー損失 48 |
2.6 荷電粒子と物質の相互作用 49 |
(1) 弾性散乱と非弾性散乱 49 |
(2) イオンの線阻止能と飛程 50 |
(3) 電子の線阻止能と飛程 54 |
2.7 光子と物質の相互作用 55 |
(1) 光電効果 56 |
(2) コンプトン散乱 56 |
(3) 電子対生成 58 |
(4) 光子のエネルギー損失と消滅 58 |
2.8 中性子と物質の相互作用 60 |
(1) 中性子の散乱と吸収 60 |
(2) 中性子の弾性散乱によるエネルギー損失 61 |
2.9 自然界の放射性物質と放射線 64 |
(1) 宇宙線で生成される放射性物質 64 |
(2) 地殻中に存在する天然の放射性物質 66 |
Ⅱ 核エネルギーの解放と反応の維持-宇宙エネルギーは原子力- |
第3章 核反応の継続と炉の概念 70 |
3.1 核分裂と核融合 70 |
(1) 核エネルギーの解放 70 |
(2) 核エネルギーから熱エネルギーへ 71 |
3.2 炉の概念とエネルギー収支 72 |
(1) 1次エネルギーの解放と変換 72 |
(2) エネルギーペイバック:炉におけるエネルギー収支 74 |
3.3 反応継続の可能性 75 |
(1) エネルギーバランスによる反応継続 76 |
(2) 粒子バランスによる反応継続:核分裂炉 77 |
3.4 核分裂炉の特徴-中性子が支配する世界- 79 |
(1) 中性子束と衝突断面積 79 |
(2) 中性子の減速 81 |
(3) 中性子の吸収と核分裂反応 82 |
(4) 中性子の拡散と漏洩 83 |
(5) 中性子束の空間分布 84 |
(6) 境界における中性子束の扱い 85 |
(7) 反射体節約 87 |
3.5 連鎖反応と臨界 88 |
(1) 核分裂反応の連鎖と臨界:無限倍増率k∞ 88 |
(2) 原子炉の形状と大きさ 90 |
(3) 中性子の収支と臨界 91 |
(4) 核分裂炉の臨界:一組拡散理論による説明 92 |
3.6 核燃料と化石燃料の比較-エネルギー密度と資源量- 93 |
(1) 核分裂炉 93 |
(2) 火力発電 94 |
(3) 核融合炉 95 |
第4章 連鎖反応の維持-原子炉の動特性と運転制御 96 |
4.1 反応継続条件の維持と運転制御 96 |
4.2 原子炉の動特性 97 |
(1) 即発中性子と遅発中性子 97 |
(2) 遅発中性子と原子炉の動特性 99 |
4.3 原子炉の自己制御性 101 |
(1) 自己制御性と制御棒 101 |
(2) 自己制御性を支える因子 102 |
4.4 原子炉の制御 104 |
(1) 原子炉の起動と停止 104 |
(2) 出力運転の維持と微調整 105 |
(3) 原子炉の緊急停止:制御棒のスクラム機能 106 |
4.5 燃料の燃焼にともなう反応度減少とその補償 106 |
(1) 運転にともなう反応度変化 106 |
(2) 原子炉での燃料の燃焼 107 |
(3) 運転にともなう実効増倍率の変化とその補償 112 |
4.6 初期炉心と平衡炉心 113 |
(1) 原子炉への初装荷燃料 114 |
(2) 取り替え燃料とシャフリング 114 |
(3) 平衡炉心 114 |
Ⅲ 核エネルギーの変換と物質の変換-核変換は現代の錬金術か- |
第5章 核エネルギーの変換-電気と水素を作る- 116 |
5.1 電気を作る-電気は安全で使いやすいエネルギー- 116 |
5.2 熱エネルギーからの出発 117 |
(1) 冷却水による熱エネルギーの取り出し 117 |
(2) 熱伝導と熱伝達 119 |
(3) 浮力と冷却水の流れ 121 |
5.3 熱エネルギーの力学エネルギーへの変換 122 |
(1) 熱力学の法則 122 |
(2) 状態変化とサイクル 123 |
5.4 力学エネルギーから電気エネルギーへ 127 |
5.5 水素を作る-ガソリンに変わる水素- 128 |
(1) 自由エネルギー 128 |
(2) 化学エネルギーへの変換と変換効率 129 |
(3) 水の分解による水素生産 130 |
(4) 炭化水素の改質 133 |
5.6 水素エネルギー-水素社会を迎えるために- 133 |
(1) 水素エネルギーの汎用性:1次エネルギー資源の互換性 134 |
(2) クリーンエネルギーの要請 134 |
(3) エネルギーの輸送と貯蔵 134 |
(4) エネルギーと資源の等価性 135 |
5.7 燃料電池-化学エネルギーの電気エネルギーへの直接変換- 135 |
(1) 燃料電池の構成と原理 135 |
(2) 燃料電池におけるエネルギー変換 136 |
第6章 核変換とリサイクル-原子力のからくりに挑む- 139 |
6.1 原子炉は中性子の運動場 139 |
(1) 原子炉内で起こる核反応 140 |
(2) 新しい核燃料の生産と燃焼 142 |
6.2 資源の有効利用 146 |
(1) 軽水炉への期待:熱中性子に何を期待するか 146 |
(2) 高速中性子への期待:長期にわたるエネルギー源の確保 150 |
6.3 放射性物質の処理・処分と環境保全 154 |
(1) 原子炉で生まれる放射性物質:使用済燃料の中身 154 |
(2) 放射性毒性によるリスク表示 156 |
(3) 放射性廃棄物のリスク構造 156 |
(4) 核分裂反応の財産の範囲で 159 |
6.4 エネルギー利用と廃棄物 160 |
(1) 放射性廃棄物と二酸化炭素:地球の自然 160 |
(2) 化石エネルギーと廃棄物 161 |
(3) 原子力と放射性物質 163 |
(4) 廃棄物発生量の比較 164 |
(5) 放射性廃棄物の非放射化と地層処分 165 |
Ⅳ 軽水炉システム-実用から熟成へ- 168 |
第7章 軽水型原子力発電 168 |
7.1 原子力発電システムの構成 168 |
7.2 軽水炉の炉心 168 |
(1) 出力密度 170 |
(2) 燃料棒と燃料集合体:均質と非均質 171 |
(3) 炉心での出力分布 172 |
(4) 冷却水の温度と流量 175 |
(5) 制御棒と制御棒駆動系 176 |
7.3 軽水炉の冷却系統 178 |
(1) 加圧水炉の冷却系統 178 |
(2) 沸騰水炉の冷却系統 182 |
7.4 軽水炉の主要構造物と機器 183 |
(1) 原子炉圧力容器 183 |
(2) 原子炉格納容器 185 |
(3) タービン,発電機 185 |
(4) 復水器,給水ポンプ,給水加熱器 187 |
7.5 日本における軽水炉の改良標準化 188 |
第8章 軽水炉の核燃料サイクル 190 |
8.1 核燃料サイクルとは 190 |
8.2 軽水炉サイクル 191 |
(1) 軽水炉サイクルの特徴 191 |
(2) ウラン濃縮と天然ウラン利用率 191 |
8.3 軽水炉サイクルの意義 193 |
(1) 新燃料と使用済燃料の比較 193 |
(2) 直接処分とリサイクル 195 |
(3) リサイクルと環境保全 196 |
(4) 軽水炉サイクルの輪 197 |
8.4 軽水炉サイクルの主要素 198 |
(1) 軽水炉サイクルのフロントエンド 198 |
(2) 軽水炉サイクルのバックエンド 204 |
Ⅴ安全最優先の原子力-安全の考え方とその実績- |
第9章 原子力システムの安全 214 |
9.1 「安全」とは 214 |
(1) 原子力の安全とは「放射性物資ないしは放射線に関する安全」 214 |
(2) 深層防護の考え方 215 |
9.2 原子炉事故と安全確保 217 |
(1) 原子炉の事故とは何か 217 |
(2) 「止める」「冷やす」 219 |
(3) 閉じ込める 222 |
9.3 核燃料サイクルの安全性 225 |
(1) 再処理施設の安全性 225 |
(2) 高レベル放射性廃棄物の貯蔵管理および地層処分の安全性 228 |
9.4 原子力施設外からの影響 230 |
(1) 地震の影響と安全確保 230 |
(2) 航空機の飛行に対する安全 234 |
9.5 放射線の防護と管理 235 |
(1) 放射線の防護と管理 235 |
(2) 放射線の線量と人体影響 236 |
(3) 自然放射線の影響 240 |
第10章 原子力事故と放射線の人体影響 243 |
10.1 原子力システムの安全評価 243 |
(1) 決定論的安全評価 243 |
(2) 原子力システム立地の適性の評価 245 |
(3) 放射性物質漏洩の制限 247 |
(4) 確率論的安全評価 248 |
(5) 安全に関する議論の変還 253 |
10.2 原子力事故・故障の評価尺度 255 |
(1) 事故・故障の評価尺度 255 |
(2) 国内の事故・故障の評価例 257 |
10.3 原子力施設の事故と人体影響 259 |
(1) アメリカ・スリーマイル島原子力発電所の事故(レベル5) 259 |
(2) 旧ソ連・チェルノブイル原子力発電所の事故(レベル7) 260 |
(3) JCO・ウラン加工施設での臨界事故(レベル4) 265 |
10.4 原子力の軍事利用における放射線の人体影響-疫学調査 268 |
(1) 広島・長崎原爆被爆生存者調査 268 |
(2) 旧ソ連・セミバラチンスク旧核実験場周辺住民調査 272 |
10.5 放射線の人体影響のメカニズム 273 |
(1) 放射線による遺伝子・DNA障害メカニズム 274 |
Ⅵ 原子力の目指す方向-総合科学技術に成長する原子力- |
第11章 次世代原子力 |
11.1 次世代原子力システムに求められる要件 279 |
(1) 自然と調和 279 |
(2) エネルギーの有効利用と廃熱の低減 280 |
(3) 資源の有効利用と環境保全 282 |
(4) 安全の確保 284 |
11.2 究極の姿を展望 284 |
(1) 「利用から調和へ」 284 |
(2) 究極的な原子力システムのイメージ 285 |
(3) 次世代炉の研究開発の方向 287 |
11.3 次世代軽水炉の開発 287 |
(1) 都市近接立地の条件 287 |
(2) 単純で分かりやすい安全論理と中小型炉 288 |
11.4 高温ガス炉 289 |
(1) 高温ガス炉の特徴 290 |
(2) 高温ガス炉による水素生産 291 |
(3) 発電炉としての特徴 291 |
(4) トリウムサイクル 291 |
(5) 高温ガス炉の安全性 292 |
(6) 高温ガス冷却高速炉 293 |
(7) 高温ガス炉の開発状況 293 |
11.5 高速炉の開発 295 |
(1) 高速炉の特徴 295 |
(2) 高速炉の炉心 295 |
(3) 高速炉のシステム構成 296 |
(4) 高速炉の安全性 298 |
(5) 安全研究とその成果 299 |
(6) 高速炉の開発状況 301 |
第12章 総合科学技術に成長する放射線応用 305 |
12.1 放射線の先進利用 306 |
12.2 放射線,放射性物質を作る 306 |
(1) 加速器 307 |
(2) レーザー 312 |
(3) 原子路 315 |
12.3 放射線,放射性物質を使う-社会に貢献する放射線- 316 |
(1) 医療分野 316 |
(2) 食品照射:微生物との戦い,殺菌,減菌,発芽抑制 319 |
(3) 農業分野:品種改良,害虫駆除 319 |
(4) 工業分野:半導体,紙,鉄,タイヤ 320 |
(5) 環境分野:排煙浄化等 323 |
(6) 分析、解析分野 324 |
12.4 先端加速器への期待 326 |
(1) がんに挑戦する:HIMAC 326 |
(2) 生命科学:タンパク質の解明に挑む:Spring-8 328 |
(3) 原子核の構成,構造を探る:RIBF 332 |
(4) ビックバンの謎に迫る:J-PARC 334 |
第13章 核融合炉の研究開発 337 |
13.1 核融合炉の燃焼継続条件 337 |
13.2 核融合炉の炉心 340 |
13.3 磁場閉じ込め方式 341 |
(1) トーラス磁場による閉じ込め 341 |
(2) ミラー磁場による閉じ込め 346 |
13.4 慣性閉じ込め 348 |
13.5 核融合炉の出力密度 349 |
13.6 核融合炉からのエネルギー取り出し 350 |
13.7 核融合炉の燃料サイクル 353 |
(1) 核融合炉での燃焼 354 |
(2) 初期トリチウム生産 356 |
13.8 核融合システム 358 |
(1) 必要とされる機能と要素 358 |
13.9 ITER計画と国際協力 359 |
(1) ITER計画 359 |
(2) ITERの概要 359 |
おわりに 362 |
参考文献と関連ホームページアドレス 364 |
索引 375 |
はじめに ii |
目次 iv |
Ⅰ 宇宙創造とエネルギー、放射線-自然に学び、自然を真似る- |
(1) 自然に学び、真似る第1の視点 2 |
(2) 自然に学び、真似る第2の視点 3 |
第1章 宇宙と原子力 5 |