①アミノ酸とペプチド 相本三郎 3 |
1.アミノ酸とペプチド 3 |
2.ペプチド・タンパク質の化学構造 6 |
■Frederick Sanger博士 16 |
②ポストゲノム時代のタンパク質科学 夏目徹 19 |
1.はじめに 19 |
2.バイオロジカル・マススペクトロメトリー 21 |
3.タンデム質量分析計によるアミノ酸シークエンス 23 |
4.定量プロテオミクス:ゲルvs.LC 24 |
5.機能プロテオミクス:タンパク質相互作用ネットワーク解析 26 |
6.タンパク質解析の壁 28 |
7.プロテオミクス研究の目指すもの 29 |
■田中さん受賞の思い出 31 |
①タンパク質のX線結晶構造解析-二次構造,三次構造,高次構造-中迫雅由 33 |
1.はじめに 33 |
2.物質によるX線散乱 34 |
3.タンパク質のX線結晶構造解析 35 |
4.タンパク質立体構造の特徴 40 |
■夢のタンパク質-分子X線構造解析 40 |
■1962年度のノーベル賞受賞者生命科学のかがやき 44 |
②多次元NMR 星野大 47 |
1.はじめに 47 |
2.多次元NMRの基礎 48 |
3.二次元NMRスペクトルの外観 48 |
4.各スペクトルから得られる情報 50 |
5.連鎖帰属法 51 |
6.立体構造決定法 52 |
7.高分子量タンパク質への挑戦 56 |
8.おわりに 56 |
■残余双曲子結合(resial dipolar coupling) 55 |
■Kurt Wuthrich博士 58 |
③電子顕微鏡 永山國昭 61 |
1.電子線結晶解析法 61 |
2.単粒子解析法 64 |
3.レプリカ-分子解析法 66 |
4.電子線断層法 68 |
5.位相差電子顕微鏡法 70 |
④タンパク質の分類と構造ファミリー 中村春木 75 |
1.タンパク質の機能による分類 75 |
2.タンパク質の構造による分類 80 |
■特別なフィールド名称の由来 83 |
⑤タンパク質の構造予測 金城玲・西川建 87 |
1.タンパク質の構造予測とは? 87 |
2.構造予測法の概観 88 |
3.配列比較 90 |
4.-次元構造予測 93 |
5.立体構造予測 96 |
6.構造予測の展望 99 |
①タンパク質リガンド相互作用とアロステリック転移 石森浩-郎 101 |
1.はじめに 101 |
2.金属酵素におけるタンパク質リガンド相互作用 103 |
3.ヘムタンパク質におけるタンパク質リガンド相互作用 103 |
4.アロステリック転移 106 |
5.ヘモグロビンにおけるアロステリック転移 106 |
6.タンパク質リガンド相互作用の制御によるアロステリック転移タンパク質の分子設計 113 |
7.おわりに 114 |
②タンパク質-タンパク質相互作用 今田勝巳・難波啓- 115 |
1.はじめに 115 |
2.高次構造形成による機能の拡張 116 |
3.ドメイン構造とサブユニット構造 117 |
4.複合体形成の進化的な側面 117 |
5.集合体の分類 118 |
6.集合の制御 119 |
7.タンパク質同士を結びつける力 120 |
8.相互作用面の性質 121 |
9.複合体の形成と対称性 123 |
10.サブユニットの等価・準等価・非等価な関係 125 |
11.シンメトリーミスマッチ 128 |
12.構造の柔軟性 129 |
③タンパク質-核酸相互作用 清水敏之・箱嶋敏雄 131 |
1.はじめに 131 |
2.DNAポリメラーゼの基本構造 132 |
3.塩基対のミスマッチはさまざまな機構により複製を止める 133 |
4.損傷乗り越え型DNAポリメラーゼ 135 |
5.DNAに酸化損傷が起きた場合 136 |
6.転写因子同士による協同性 137 |
7.インターフェロン制御因子(IRF) 137 |
8.IRF/ATF-2/c-JunによるDNA認識 138 |
9.IRF/ATF-2/C-Junによる協同性は認識領域の重なりによって生じる 138 |
10.おわりに 139 |
④タンパク質ネットワーク 谷口寿章 141 |
1.タンパク質ネットワークとは何か? 141 |
2.代謝ネットワーク 142 |
3.遺伝子発現ネットワーク 144 |
4.タンパク質問相互作用ネットワーク 145 |
5.結合の親和性とその調節 147 |
6.シグナル伝達ネットワーク 149 |
7.おわりに 151 |
⑤相互作用解析法-超遠心分析と表面プラスモン共鳴法-有坂文雄 153 |
1.はじめに 153 |
2.物理化学的相互作用測定法 154 |
3.超遠心分析 155 |
4.表面プラスモン共鳴法 165 |
①物理的相互作用-静電相互作用,ファンデルワールス力,水素結合,疎水相互作用,その他-曽田邦嗣 171 |
1.荷電粒子系の多重極モーメントと静電ポテンシャル 171 |
2.水-構造形成と機能発現の場 172 |
3.交換斥力と分散力およびファンデルワールス力 173 |
4.水素結合 175 |
5.静電相互作用 178 |
6.疎水相互作用 180 |
7.自由エネルギー,エンタルピー,エントロピー 183 |
②タンパク質の溶媒変化による変性-変性剤変性,PH変性,熱変性-新井宗仁 185 |
1.変性状態の構造 185 |
2.アンフォールディング転移 187 |
3.尿素.塩酸グアニジンによる変性 189 |
4.濃厚塩による変性 190 |
5.アルコール変性 191 |
6.移相自由エネルギー 192 |
7.pH変性 193 |
8.熱変性 193 |
9.モルテン・グロビュール状態 194 |
③タンパク質立体構造転移の熱量測定 城所俊一 197 |
1.はじめに 97 |
2.熱量測定法(カロリメトリー)の特徴 198 |
3.DSCによるタンパク質立体構造安定性評価 200 |
4.等温酸滴定熱量測定法(IATC)によるタンパク質安定性評価 204 |
■タンパク質の圧力変性 209 |
①構造とダイナミクスの実験 片岡幹雄 211 |
1.はじめに 211 |
2.タンパク質結晶構造と溶液構造の関係 212 |
3.タンパク質の動きを測る 214 |
4.おわりに 220 |
■中性子散乱 218 |
②構造ダイナミクスの理論とシミュレーション 木寺詔紀・池口満徳 221 |
1.タンパク質機能の問題設定 221 |
2.ダイナミックなタンパク質機能モデル 223 |
3.線形応答理論によるタンパク質機能像 225 |
4.線形応答理論の応用 227 |
5.平衡ダイナミクスから機能ダイナミクスへの接続 229 |
③機能発現とダイナミクスのシミュレーション 林重彦 233 |
1.タンパク質機能発現の基本過程 233 |
2.タンパク質の分子シミュレーションの詳細 235 |
3.シミュレーションによる機能発現機構の計算 238 |
4.おわりに 243 |
①フォールディング反応-速度論- 桑島邦博 245 |
1.背景 245 |
2.フォールディングの初期中間体 247 |
3.フォールディングの速度論 250 |
4.遷移状態解析 252 |
5.フォールディング速度と立体構造との関係 255 |
6.隠れたフォールディング中間体 257 |
■C.B.Anfinsen博士 259 |
②フォールディング反応-理論とシミュレーション- 高田彰二 261 |
1.タンパク質のエネルギー地形とファネル描像 261 |
2.相転移アナロジー 263 |
3.ファネル描像でみるフォールディング反応 264 |
4.フォールディング反応の速度論 264 |
5.フォールディング反応の遷移状態(核)アンサンブル 265 |
6.郷モデルによるフォールディングシミュレーション 266 |
7.全原子力場によるフォールディング分子動力学シミュレーション 269 |
8.揺らぐ変性状態観 271 |
9.タンパク質フラグメントの構造特性 272 |
■一分子フォールディング 274 |
③膜タンパク質のフォールディングとポリペプチド鎖の膜透過機構 阪口雅郎 279 |
1.はじめに 279 |
2.膜結合リボソームの形成 280 |
3.三種のシグナル配列 282 |
4.1型シグナルアンカーの興味深い機能 283 |
5.低疎水性月莫貫通セグメントの形成 284 |
6.膜透過の停止 285 |
7.フォールディングによる膜内セグメントの形成 286 |
8.ミトコンドリアへの標的化と小胞体回避 287 |
9.おわりに 288 |
④分子シャペロン 小池あゆみ・田口英樹 291 |
1.分子シャペロンの概念 291 |
2.リボソーム結合シャペロン 293 |
3.Hsp70システム 294 |
4.シャペロニンシステム 296 |
5.凝集体に作用するシャペロン 300 |
6.おわりに 301 |
①アミロイド線維形成 後藤祐児 303 |
1.はじめに 303 |
2.アミロイド線維の構造 306 |
3.アミロイド線維の物性 307 |
4.アミロイド線維の形成反応 30 |
5.アミロイド線維の危険性 310 |
6.おわりに 311 |
■透析アミロイドーシス 313 |
②プリオンタンパク質 桑田一夫 315 |
1.プリオンをめぐる現状 315 |
2.タンパク質ダイナミクスの一般概念 317 |
3.タンパク質のミスフォールディングによる疾患群 318 |
4.プリオンの正常と異常立体構造 320 |
5.プリオン病治療薬開発への挑戦 325 |
6.おわりに 327 |
■S.B.Prusiner博士 329 |
①抗体とファージディスプレイ・リボソームディスプレイ 熊谷泉 331 |
1.抗体概説 331 |
2.遺伝子型と表現型の対応づけ 332 |
3.ファージディスプレイ系 334 |
4.抗体断片のファージディスプレイ 335 |
5.新しい抗原定量法と抗原認識能変換への応用 337 |
6.リボソームディスプレイによる抗体分子の選択 337 |
7.おわりに 339 |
②非天然アミノ酸導入変異タンパク質の作製 宍戸昌彦 341 |
1.はじめに:タンパク質生合成機構とその拡張 341 |
2.種々の非天然アミノ酸の合成とタンパク質への導入 342 |
3.直交化tRNA 343 |
4.非天然アミノ酸によるtRNAのアミノアシル化 343 |
5.直交化aaRS/tRNA対を用いるアミノアシル化 343 |
6.aaRSサロゲート/直交化tRNA対を用いるアミノアシル化 345 |
7.単離tRNAとアミノ酸誘導体との反応によるアミノアシル化 346 |
8.四塩基コドンの導入によるコドン表の拡張 346 |
9.大腸菌細胞外生合成系によるタンパク質の高効率合成 347 |
10.非天然アミノ酸導入によるタンパク質の人工機能化 348 |
11.おわりに 350 |
③セルフプロセッシング 岡島俊英・谷澤克行 351 |
1.はじめに 351 |
2.ポリペプチド鎖の自己切断と再結合 352 |
3.ビルトイン型補酵素の自己触媒的生成 355 |
4.緑色蛍光タンパク質(GFP)における蛍光団の形成 360 |
5.おわりに 362 |
④人工タンパク質設計 磯貝泰弘・太田元規 363 |
1.はじめに 363 |
2.歴史的背景 364 |
3.4本へリックスバンドルの設計 365 |
4.計算機を利用した設計 366 |
5.ネガティブデザイン 368 |
6.人工グロビンのデザイン 370 |
7.分子機能の設計 370 |
①総論と基質認識機構 吉村徹・中山亨 375 |
1.酵素の特異性と活性部位の概念 375 |
2.酵素の触媒作用のエネルギー論的理解 377 |
3.酵素機能発現の普遍的な戦略 380 |
4.トランスアミナーゼの基質認識機構 382 |
②化学的解析に基づく反応機構 栗原達夫・江崎信芳 389 |
1.はじめに 389 |
2.官能基選択的試薬を用いた解析 390 |
3.基質による触媒中心アミノ酸残基の修飾と酵素反応中間体の解析 392 |
4.偽基質による触媒中心アミノ酸残基の修飾 394 |
5.アフィニティーラベル試薬による活性部位アミノ酸残基の解析 395 |
6.光アフィニティーラベル試薬による活性部位アミノ酸残基の解析 396 |
7.自殺基質による活性部位アミノ酸残基の修飾 396 |
8.ケミカルレスキューによる酵素反応機構の解析 398 |
③速度論的解析に基づく反応機構 林秀行 401 |
1.はじめに 401 |
2.定常状態の速度論 403 |
3.遷移相の速度論 406 |
4.同位体効果 414 |
■S.A.Arrhenius 417 |
④構造学的解析に基づく反応機構-動的構造解析,遷移状態アナログ- 加藤博章 419 |
1.はじめに 419 |
2.遷移状態アナログを用いた動的構造解析 420 |
3.ラウエ法を用いた時分割X線結晶構造解析 425 |
⑤ラジカル酵素の触媒機構とそれを支えるタンパク質分子装置 虎谷哲夫 431 |
1.はじめに 431 |
2.ラジカル酵素の触媒原理 432 |
3.コファクターが関与するラジカル酵素の構造と機能 433 |
4.タンパク質ラジカルを含むラジカル酵素の構造と機能 437 |
5.ラジカルの導入と再生 440 |
6.おわりに 444 |
①ATPase 二井將光・中西真弓 447 |
1.はじめに 447 |
2.F型ATPaseの構造と反応機構 449 |
3.F型ATPaseの回転機構 453 |
4.もう一つの回転するH+ポンプ-Ⅴ型ATPase 439 |
5.おわりに 461 |
■P.D.Boyer博士とJ.E.Walker博士 462 |
1.はじめに 465 |
2.好気的呼吸鎖の多様性 466 |
3.複合体Ⅰ 468 |
4.複合体Ⅱ 469 |
5.複合体Ⅲ 470 |
6.複合体Ⅳ 471 |
7.呼吸鎖複合体のスーパーコンプレックス 472 |
■フーリエ変換赤外分光法による全反射測定 473 |
③光合成 齊藤貴士・中山雅登.長谷俊治 475 |
1.光合成とは 475 |
2.光合成の電子伝達系 476 |
3.電子伝達複合体 478 |
4.光合成のエネルギー・代謝ネットワークの総合的理解に向けて 483 |
①タンパク質の膜透過装置 西川周一・遠藤斗志也 483 |
1.はじめに 485 |
2.さまざまな膜透過装置 486 |
3.膜透過装置の構造と機能 492 |
②リソソーム・エンドソーム・細胞骨格 和田洋 495 |
1.細胞における膜の重要性 495 |
2.エンドサイトーシスにおけるタンパク質相互作用 498 |
膜融合の制御とタンパク質相互作用 499 |
後期エンドソームにおける腰とタンパク質 500 |
細胞骨格とモータータンパク質・膜オルガネラの空間配置 502 |
③異物排出タンパク質,ABCトランスポーター 山口明人 505 |
1.異物排出タンパク質とは 505 |
2.細菌の異物排出タンパク質 506 |
3.RND型異物排出タンパク質の分子構造と異物を認識する仕組 509 |
4.異物排出タンパク質の発現制御機構 513 |
5.ABCトランスポーター 515 |
6.おわりに 517 |
①細胞内シグナル伝達機構:足場タンパク質とプロテインキナーゼ 黒田俊一 519 |
1.シグナル伝達機構とは 519 |
2.Gタンパク質共役型レセプターからPKAへ 522 |
3.GPCRからPKCへ 524 |
4.足場・アンカリングタンパク質 527 |
5.おわりに 530 |
②細胞内タンパク質分解 加藤晃一・坂田絵理・大隅良典 531 |
1.はじめに 531 |
2.ユビキチン/プロテアソーム系 532 |
3.リソソーム/液胞経路 540 |
③神経機能発現にかかわるタンパク質-視細胞の光情報変換機構- 橘木修志・河村悟 545 |
1.はじめに 545 |
2.二種類の視細胞-桿体と錐体 546 |
3.視細胞が光信号を電気信号へと変換するメカニズム 547 |
4.電気応答を停止する機構 548 |
5.桿体と錐体とで電気応答の違いが生じる仕組 549 |
6.電気応答の持続時間を調節する仕組 550 |
7.神経機能とタンパク質 553 |
④細胞外マトリックス分子と細胞接着 小川崇・宮崎香 555 |
1.はじめに 555 |
2.細胞接着とインテグリン 557 |
3.細胞接着性ECM分子:フィブロネクチンとラミニン 559 |
4.ラミニン5(1aminin-5:LN5) 562 |
5.おわりに 565 |
索引 567 |