ワトソン 遺伝子の分子生物学【第5版】 |
序-ⅲ |
監訳にあたって ⅶ |
詳細目次 xiii |
謝辞 xxx |
PART1 化学と遺伝学 1 |
1 メンデルの見た世界 5 |
2 核酸が遺伝情報を伝える 19 |
3 弱い化学的相互作用の重要性 41 |
4 高エネルギー結合の重要性 55 |
5 巨大分子の構造を決める弱い結合と強い結合 69 |
PART2 ゲノムの維持 93 |
6 DNAとRNAの構造 97 |
7 染色体,クロマチン,ヌクレオソーム 129 |
8 DNAの複製 181 |
9 DNAの変異性と修復 235 |
10 分子で見る相同組換え 259 |
11 DNAの部位特異的組換えおよび転位 293 |
PART3 ゲノムの発現 343 |
12 転写のしくみ 347 |
13 RNAスプライシング 379 |
14 翻訳 411 |
15 遺伝暗号 461 |
PART4 調節 479 |
16 原核生物における遺伝子調節 483 |
17 真核生物における遺伝子調節 529 |
18 発生過程での遺伝子調節 575 |
19 比較ゲノム科学から見る動物の多様性の進化 613 |
PART5 方法 643 |
20 分子生物学の研究技術 647 |
21 モデル生物 681 |
用語集 713 |
Index 737 |
索引 759 |
PART1 化学と遺伝学 |
CHAPTER 1 |
メンデルの見た世界 5 |
メンデルの発見 6 |
分離の法則 6 |
コラム1.1 メンデルの法則 6 |
優性でも劣性でもない遺伝子がある 8 |
独立の法則 8 |
遺伝子の染色体説 8 |
遺伝子の連鎖と交差 9 |
コラム1.2 遺伝子は染色体にのっている 10 |
染色体地図の作成 12 |
変異による遺伝的変動の起源 15 |
遺伝子の実体と働き方についての初期の考察 16 |
遺伝子とタンパク質の関係を探る予備的試み 16 |
まとめ 17 |
文献 18 |
CHAPTER 2 |
核酸が遺伝情報を伝える 19 |
Averyの爆弾宣言:DNAが遺伝的特異性を担っている 20 |
ウイルスの遺伝子もまた核酸である 21 |
二重らせん 21 |
コラム2.1 シャルガフの法則 23 |
DNAをつくるポリメラーゼの発見 24 |
DNA複製の際にらせんが分離することを示す実験的証拠 26 |
DNAは4種類のヌクレオチドの配列によって遺伝情報を伝える 28 |
DNAとは、タンパク合成に際して直接アミノ酸を並べる鋳型とはならない 28 |
コラム2.2 遺伝子がタンパク質のアミノ酸配列を決めるという証拠 29 |
RNAは化学的にDNAによく似ている 30 |
セントラルドグマ 31 |
Crickが提出したアダプター説 31 |
タンパク質の試験管内合成 32 |
非特異的に見えるリボソームの矛盾 32 |
メッセンジャーRNA(mRNA)の発見 33 |
DNAを鋳型とした酵素によるRNAの合成 33 |
遺伝暗号の解読 35 |
タンパク合成の向きの解明 37 |
開始と終止の信号もDNAにコドンとして入っている 38 |
ゲノム学の時代 38 |
まとめ 39 |
文献 39 |
CHAPTER 3 |
弱い化学的相互作用の重要性 41 |
化学結合の特徴 41 |
化学結合は量子力学の言葉で説明できる 42 |
化学結合が形成されるとき、エネルギーの形が変わる 43 |
結合の形成と切断の平衡 43 |
自由エネルギーの概念 44 |
Keqと4Gとの間には指数関数的な関係がある 44 |
共有結合は非常に強い 44 |
生体における弱い結合 45 |
弱い結合のエネルギーは1~7kcal/molである 45 |
生理的温度では、弱い結合はつねにできたり壊れたりしている 45 |
極性およ非極性分子の区別 45 |
ファン・デル・ワールスカー 46 |
水素結合 47 |
イオン結合のいくらかは水素結合である 47 |
弱い結合が安定するには、分子表面が相補的になっている必要がある 48 |
水分子は水素結合を形成する 49 |
水溶液中の分子間の弱い結合 49 |
コラム3.1 分子の独特な形と選択的付着という概念 50 |
水素結合をつくる有機分子は水に溶ける 51 |
疎水“結合”は巨大分子を安定化する 51 |
4Gが2~5kcal/molであることの重要性 52 |
弱い結合が酵素と基質を結びつける 53 |
タンパク質-DNA,タンパク質-タンパク質間の相互作用は弱い結合による 53 |
まとめ 53 |
文献 54 |
CHAPTER 4 |
高エネルギー結合の重要性 55 |
エネルギーを供給する分子は、熱力学的に不安定である 55 |
酵素が生化学反応における活性化エネルギーを低くする 57 |
生体分子の自由エネルギー 58 |
高エネルギー結合の加水分解は大きな負の4Gを伴う 58 |
生合成反応における高エネルギー結合 60 |
ペプチド結合は自然に加水分解する 60 |
負の4Gと正の4Gの共役 61 |
基の転移反応における前駆体の活性化 61 |
基の転移におけるATPの多彩なき働き 62 |
AMPの結合によるアミノ酸の活性化 63 |
P~Pにより活性化される核酸前駆体 64 |
核酸合成におけるP~P放出の意義 64 |
ほとんどの生合成反応にはP~Pの分解が含まれる 65 |
まとめ 66 |
文献 67 |
CHAPTER 5 |
巨大分子の構造を決める弱い結合と強い結合 69 |
分子内および分子間の相互作用で高次構造が決まる 69 |
DNAは規則的ならせん構造をとる 69 |
RNAはさまざまな構造をとる 71 |
タンパク質の構成単位の化学的性質 71 |
ペプチド結合 72 |
タンパク質の構造には4つの階層がある 72 |
二次構造で最も多いのがαヘリックスとβシートである 74 |
コラム5.1 タンパク質の構造決定 75 |
タンパク質の固有の構造は水素結合のパターンによって決まる 78 |
αヘリックスどうしが相互作用してより合わせコイルをつくる 80 |
タンパク質は通常2~3個のドメインからなる 81 |
タンパク質の構造モチーフは驚くほど少ない 81 |
コラム5.2 大きなタンパク質は小さいポリペプチド鎖の集合体である 82 |
さまざまなドメインの組合せで、タンパク質の違った機能が生まれる 82 |
弱い結合によって、タンパク質はDNA,RNA上の正確な位置に結合する 84 |
タンパク質は、 DNA上を移動しながら特異的結合部位を見つける 85 |
タンパク質がRNAを識別するいろいろな方法 86 |
アロステリック制御:形状変化によるタンパク質の機能の調節 87 |
アロステリック制御の3つの代表例:小さなリガンドの関与、タンパク質と゜うしの相互作用、タンパク修飾 88 |
タンパク質の調節がすべてアロステリックに行われるわけではない 91 |
まとめ 91 |
文献 92 |
PART2 ゲノムの維持 |
CHAPTER 6 |
DNAとRNAの構造 97 |
DNAの構造 98 |
DNAはポリヌクレオチド鎖からなる 98 |
塩基にはそれぞれ優勢な互変異生体がある 100 |
二重らせんの2本の鎖は塩基対形成によって逆平行になる 100 |
二重らせんの2本の鎖の塩基配列は相補的である 101 |
水素結合の形成は特異的な塩基形成にとって重要である 102 |
塩基は二重らせんから外向きに飛び出すことがある 102 |
DNAは通常は右巻きの二重らせんである 103 |
二重らせんには小さい溝と大きい溝がある 103 |
大きな溝は化学情報に富んでいる 103 |
コラム6.1 溶液中のDNAは10.5塩基対でらせんを1回転する:雲母を用いた実験 104 |
二重らせんはいろいろな構造をとる 106 |
DNAは左巻きらせんを形成することもある 107 |
DNA鎖は分離(変性)し、ふたたび再生できる 108 |
DNA分子には環状のものもある 111 |
DNAの位相幾何学 111 |
共有結合で閉じた環状DNAでのリンキング数は、変化しない位相幾何学的な性質である 112 |
リンキング数はねじれ数とよじれ数からなる 112 |
生理的条件下での完全に緩んだcccDNAのリンキング数をLk°という 114 |
細胞内のDNAは負の超らせんをもつ 114 |
真核生物ではヌクレオソームをつくるときに負の超らせんができる 115 |
トポイソメラーゼは超らせんのあるDNAを緩められる 115 |
原核生物はDNAに超らせんを導入する特別のトポイソメラーゼをもつ 116 |
トポイソメラーゼはDNA分子の結び目をほどき、もつれを解消する 117 |
トポイソメラーゼはDNA鎖の切断と再結合に、タンパク質-DNA間の共有結合を利用する 118 |
トポイソメラーゼは酵素による橋を架けてDNAを相互にくぐり抜けさせる 118 |
DNAトポイソマーは電気泳動で分離できる 120 |
エチジウムイオンはDNAの二重らせんをほどく 120 |
コラム6.2 DNAのらせんには、1回転が約10.5塩基対の周期性があることを、環状DNAの位相幾何学的性質から証明する 121 |
RNAの構造 122 |
RNAはリボースとウラシルを含み、通常は1本鎖である 122 |
RNA鎖はところどころで折り返して、DNAのA型に似た二重らせんを局所的につくる 123 |
RNAは折りたたまれて複雑な三次構造をとることがある 124 |
酵素として働くRNAもある 125 |
ハンマーヘッド型リボザイムは、2´、3´環状リン酸をつくってRNAを切断する 125 |
生命はRNA世界から進化してきたのか 126 |
まとめ 127 |
文献 128 |
CHAPTER 7 |
染色体,クロマチン,ヌクレオソーム 129 |
染色体の配列と多様性 130 |
染色体には環状と線状がある 130 |
あらゆる細胞で染色体数は固有の値に保たれている 131 |
ゲノムの大きさは生物の複雑さに関係する 133 |
大腸菌のゲノムはほぼ全体が遺伝子でできている 134 |
複雑な生物ほど遺伝子密度が低い 134 |
真核生物の遺伝子は、染色体DNAのごく一部分でしかない 135 |
ヒトの遺伝子間配列の大多数は反復DNAである 137 |
染色体の複製と分離 138 |
真核生物の細胞分裂で染色体を維持するには,セントロメア、テロメア、複製起点が必要である 138 |
真核生物の染色体の複製と分離は、細胞周期の別々の段階で起きる 141 |
真核細胞の分裂の際には染色体の構造が変化する 143 |
姉妹染色分体接着と染色体擬縮は、SMCタンパク質の働きによる 144 |
有糸分裂では親と同じ染色体数が維持される 146 |
細胞周期のG1期,G2期には,次の段階の準備や,前段階が正しく完了したかを確認する 146 |
減数分裂では染色体数が減少する 148 |
顕微鏡でさまざまな擬宿段階の染色体構造を観察できる 150 |
ヌクレオソーム 151 |
ヌクレオソームは染色体の構成単位である 151 |
コラム7.1 ミクロコッカスヌクレアーゼとヌクレオソームに結合したDNA 152 |
ヒストンは正の電荷をもつ小さいタンパク質である 153 |
原子レベルで見るヌクレオソームの構造 154 |
コアヒストンとDNAの結合には、DNAの塩基配列に依存しない相互作用が多数かかわっている 156 |
ヒストンのN末端尾部が八量体へのDNAの巻きつけを安定化する 159 |
クロマチンの高次構造 160 |
ヒストンH1はヌクレオソーム間のリンカーDNAに結合する 160 |
並んだヌクレオソームは、さらに複雑な30nm繊維という構造を形成する 161 |
30nm繊維の形成には、ヒストンN末端尾部が必要である 162 |
DNAをさらに圧縮するために、ヌクレオソームDNAが大きなループになる 162 |
ヒストンの変異体はヌクレオソームの機能を変化させる 163 |
クロマチン構造の調節 165 |
DNAとヒストン八量体の相互作用は活発に変化する 165 |
クロマチン再構築複合体はヌクレオソームを動きやすくする 166 |
in vivoで特定の位置に存在するヌクレオソームがある:ヌクレオソームの配置 168 |
ヒストンのN末端尾部の修飾が、クロマチンの接近許容度を変化させる 169 |
コラム7.2 細胞内のヌクレオソームの位置を決定する 170 |
ヒストンの修飾は特異的酵素が行う 173 |
ヌクレオソームの修飾と再構築が協同して、DNAを接近しやすい状態にする 174 |
ヌクレオソームの形成 175 |
ヌクレオソームはDNA複製の直後に形成される 175 |
ヌクレオソームの形成には、ヒストンの“シャベロン”が必要である 176 |
まとめ 179 |
文献 180 |
CHAPTER 8 |
DNAの複製 181 |
DNA合成の化学 182 |
DNA合成にはデオキシリポヌクレオシド三リン酸とプライマー-鋳型接合体とを必要とする 182 |
DNAはプライマーの3´末端の伸長によって合成される 183 |
ピロリン酸の加水分解がDNA合成の駆動力となる 183 |
DNAポリメラーゼの反応機構 184 |
DNAポリメラーゼは1つの活性部位を使ってDNA合成を触媒する 184 |
DNAポリメラーゼはプライマー鋳型接合体をつかむ手に似ている 186 |
DNAポリメラーゼは連続反応性酵素である 188 |
エキソヌクレアーゼが新たに合成されたDNAを校正する 191 |
複製フォーク 192 |
複製フォークでDNAの日本鎖が、同字に合成される 192 |
DNAの新しい鎖をつくり始めるにはプライマーRNAが要る 193 |
DNA複製を完成するにはプライマーRNAを取り除かなければならない 194 |
DNAヘリカーゼは複製フォークの前方で二重らせんをほどく 194 |
複製に先立って、一本鎖DNA結合タンパクが一本鎖になったDNAを安定化する 195 |
コラム8.1 DNAヘリカーゼの方向性を決定する 196 |
トポイソメラーゼは、複製フォークでのDNAの解きほぐしによって生じた超らせんを取り除く 198 |
複製フォークの酵素は、DNAポリメラーゼの基質の幅を広げる 199 |
DNAポリメラーゼそれぞれが細胞内で異なった役割を専門に担う 200 |
滑る留め金がDNAポリメラーゼの連続反応性を大幅に高める 201 |
留め金装着タンパクが滑る留め金を開き、DNAに取りつける 204 |
複製フォークでのDNA合成 205 |
コラム8.2 タンパク質の機能のATPによる制御:滑る留め金の装着の場合 206 |
大腸菌では、複製フォークタンパクどうしが結合してレプリソームが形成される 210 |
DNA複製の開始 212 |
特定のゲノムDNAの複製を開始させる 212 |
複製開始のレプリコンモデル 212 |
レプリケーター配列にはイニシエーター結合部位とほどけやすいDNAとが含まれる 213 |
結合と解きほぐし:イニシエータータンパクによる複製起点の選択と活性化 214 |
コラム8.3 複製起点とレプリケーターの同定 214 |
タンパク質どうしの相互作用とタンパク質-DNA相互作用が、複製開始課程を誘導する 217 |
コラム8.4 大腸菌のDNA複製はDnaA・ATPの量とSeqAによって調節されている 217 |
コラム8.5 複製工場仮設 221 |
真核生物の染色体は細胞周期あたり正確に1回だけ複製される 223 |
真核生物では、複製前複合体の形成が複製開始を誘導する 223 |
pre-RCの形成と活性化は、細胞周期ごとに複製が1回だけ起こるように調節されている 225 |
真核生物と原核生物の複製開始の類似点 228 |
複製の終了 228 |
娘DNA分子を分離するにはトポイソメラーゼ∥が必要である 228 |
ラギング鎖の合成方法では、線状染色体の末端は複製できない 229 |
テロメラーゼは新規なDNAポリメラーゼで、外来の鋳型を必要としない 230 |
テロメラーゼは染色体の3´末端を伸長することによって末端複製問題を解決する 232 |
まとめ 233 |
文献 234 |
CHAPTER 9 |
DNAの変異性と修復 235 |
複製の誤りと修復 236 |
変異の性質 236 |
複製の誤りのなかには、校正をすり抜けるものがある 237 |
コラム9.1 三塩基反復配列の伸長が病気の原因となる 237 |
誤対合修復系は、校正し損なった誤りを除去する 238 |
DNA損傷 242 |
DNAは自然に起こる加水分解や脱アミノ化によって損傷を受ける 242 |
コラム9.2 エイムス試験 243 |
DNAはアルキル化,酸化,放射線照射によって損傷を受ける 244 |
変異は塩基類似体や塩基間挿入剤によっても生じる 245 |
DNAの損傷の修復 246 |
DNAの損傷をそのまま元に戻す 247 |
塩基除去修復酵素は、損傷を受けた塩基を塩基はじき出し機構によって取り除く 248 |
ヌクレオチド除去修復酵素は、損傷の両側でDNAを切断する 250 |
DNAの切断は、無傷のDNAから塩基配列の情報を得て、組換えによって修復する 253 |
損傷乗り越えDNA合成では、DNAの損傷を通り越して複製が進められる 254 |
コラム9.3 YファミリーDNAポリメラーゼ 256 |
まとめ 257 |
文献 258 |
CHAPTER 10 |
分子で見る相同組換え 259 |
相同組換えのモデル 259 |
ホリデイモデルは、相同組換えの需要な段階を示している 260 |
二本鎖切断の修復モデルでは、多くの組換え反応がさらに正確に説明される 264 |
コラム10.1 2個のホリデイ連結をもつ組換え中間体の解離 266 |
二本鎖DNA切断はさまざまな原因で起こり、相同組換えを開始させる 267 |
相同組換えのタンパク装置 268 |
RecBCDヘリカーゼ/ヌクレアーゼは壊れたDNA分子を組換えに向けて分解処理する 269 |
RecAタンパクは一本鎖DNAに結合して鎖の侵入を促進する 272 |
RecA繊維内で、新たな塩基対形成の相手が決まる 274 |
あらゆる生物にRecA相同体が存在する 275 |
RuvAB複合体はホリデイ連結を特異的に識別し、分岐点移動を促進する 276 |
RuvCはホリデイ連結のDNA鎖を特異的に切断し、組換えを終了させる 276 |
真核生物の相同組換え 278 |
真核生物では相同組換えにさらに別の働きもある 278 |
減数分裂での染色体分離には相同組換えが必要である 279 |
減数分裂のプログラムには、DNAの二本鎖切断があらかじめ組み込まれている 279 |
MRXタンパクは、RecAに似た鎖交換タンパクが結合できるように、切断されたDNA末端を分解する 282 |
Dmc1は、減数分裂期組換えで特異的に働くRecA類似タンパクである 282 |
多くのタンパク質が共同して、減数分裂期組換えを進める 284 |
接合型変換は、部位特異的な二本鎖切断によって始まる 286 |
接合型変換は遺伝子変換の一種だが、交差は伴わない 286 |
総合組換え機構がもたらす遺伝情報への影響 288 |
遺伝子変換は組換えの際にDNAが修復されてできる 289 |
まとめ 291 |
文献 291 |
CHAPTER 11 |
DNAの部位特異的組換えおよび転位 293 |
保存型部位特異的組換え 294 |
保存型特異的組換えは標的DNAの特定のDNA塩基配列で起きる 294 |
部位特異的組換え酵素はDNAと共有結合した中間体をつくり、DNAを切断・再連結する 296 |
セリン型組換え酵素はDNAに二本鎖切断を導入してから鎖を取り替え、組換えを促進する 298 |
チロシン型組換え酵素はDNAの2本の鎖を一度に切断し再連結する 299 |
DNAに結合したチロシン型組換え酵素の構造からわかるDNA交換機構 300 |
コラム11.1 部位特異的組換えの遺伝子工学への応用 302 |
部位特異的組換えの生理的役割 302 |
λファージの組込みは酵素はファージゲノムの宿主細胞染色体への組込みと切り出しを促進する 303 |
λファージの切り出しにはDNAを折り曲げる別のタンパク質が必要である 304 |
Hin組換え酵素はDNAの特定領域を反転させ、別の遺伝子群を発現させる 305 |
Hinによる組換えには促進役のDNA塩基配列が必要である 306 |
組換え酵素は多量体構造になった環状DNA分子を単量体に変換する 307 |
特定のDNA領域に組換えを指示する機構はほかにもある 310 |
転位 310 |
転位によって染色体上の別位置に移動する遺伝因子がある 310 |
おもに3種類の転位因子がある 311 |
DNAトランスポゾンは転位酵素遺伝子をもち、その両側に組換え部位がある 312 |
トランスポゾンには自律因子と非自律因子とがある 313 |
ウイルス様レトロトランスポゾンとレトロウイルスは両末端に反復配列があり、組換えに重要な遺伝子を2個もつ 313 |
ポリAレトロトランスポゾンは遺伝子に似ている 314 |
切り張り式によるDNAの転位 314 |
切り張り式転位の中間体はすき間(ギャップ)を修復して仕事を終える 316 |
DNA転位の課程で非転移鎖を切る機構は複数ある 316 |
複数型機構によるDNA転位 318 |
ウイルス様レトロトランスポゾンとレトロウイルスはRNA中間体を利用して動く 320 |
DNA転位酵素とレトロウイルスの組込み酵素は同じタンパクスーパーファミリーに属する 321 |
コラム11.2 レトロウイルスがcDNAをつくる経路 322 |
ポリAレトロトランスポゾンは“逆転写”機構で動く 324 |
転位因子の例とその調節 327 |
IS4ファミリーのトランスポゾンは小さく機能的な因子で、コピー数制御機構を複数もつ 327 |
コラム11.3 トウモロコシの因子がトランスポゾン発見の端緒になる 328 |
Tn10の転位は細胞のDNA複製と共役している 329 |
Muファージはきわめてたくましいトランスポゾンである 331 |
Muファージは標的免疫を用いて自分自身のDNAへの転位を避ける 331 |
Tc1/mariner因子は真核生物で成功を極めたDNA因子である 334 |
酵母のTy因子はゲノム内の安全な場所に転位する 335 |
LINEは自分自身の転位を促進するほか細胞のRNAも転位させる 336 |
V(D)J組換え 337 |
V(D)J組換えの初期課程はトランスポゾンの切り出しに似た機構で起こる 339 |
まとめ 341 |
文献 342 |
PART3 ゲノムの発現 |
CHAPTER 12 |
転写のしくみ 347 |
RNAポリメラーゼと転写周期 348 |
RNAポリメラーゼにはいろいろな種類があるが、共通点が多い 348 |
RNAポリメラーゼによる転写は何段階もの反応を重ねて行われる 350 |
転写の開始には3つの段階がある 352 |
細菌の転写周期 353 |
細菌のプロモーターは強さも塩基配列もさまざまだが、共通した特徴をもつ 353 |
σ因子はポリメラーゼのプロモーターへの結合を 助ける 354 |
コラム12.1 コンセンサス配列 355 |
開放型複合体への移行にはRNAポリメラーゼとプロモーターの構造変化が伴う 356 |
RNAポリメラーゼはプライマーなしで転写を開始する 358 |
RNAポリメラーゼは伸長課程に入る前に数個の短いRNAを合成する 358 |
伸長段階にあるポリメラーゼはRNAの合成と校正をしながら進む装置である 359 |
コラム12.2 単一サプユニットからなるRNAポリメラーゼ 360 |
転写はRNA塩基配列中の信号によって終結する 361 |
真核生物での転写 363 |
RNAポリメラーゼ∥コアプロモーターは4種類の配列要素の組み合わせからなる 363 |
RNAポリメラーゼ∥は基本転写因子とともにプロモーター上に開始前複合体をつくる 364 |
TBPはDNAに結合し、βシートを小さい溝に入れてゆがませる 366 |
他の基本転写因子も開始にあたって特別の役割をもつ 367 |
in vivoでの転写開始には、介在複合体などのタンパク質が別に必要である 368 |
介在複合体は多くサブユニットからなり、一部は酵母からヒトまで保存されている 369 |
新規因子群がPol∥伸長能を促進しRNA校正機能を高める 370 |
伸長段階のポリメラーゼはさまざまなRNA加工に必要なタンパク因子群を結合している 371 |
RNAポリメラーゼⅠとⅢは独自の転写因子群を用いて独自のプロモーターに結合するが、それでもTBPを必要とする 374 |
まとめ 376 |
文献 377 |
CHAPTER 13 |
RNAスプライシング 379 |
RNAスプライシングの化学 380 |
RNA内の塩基配列がスプライシングの起きる場所を決める 380 |
イントロンはラリアット(投げ縄)の形で除かれて、両側のエキソンがつながれる 381 |
別々のmRNA分子由来のエキソンでもトランススプライシングでつなぎ合わされる 383 |
スプライソーム 383 |
スプライソームとよばれる大きな複合体がRNAスプライシングを行う 383 |
スプライシングの課程 385 |
スプライソームの会合、再編成、触媒作用:スプライシングの課程 385 |
自己スプライシング型イントロンは、RNAがRNAスプライシングを触媒できることを示す 387 |
グループ|イントロンは、ラリアットではなく線状のイントロンを遊離させる 388 |
コラム13.1 グループ|イントロンのリボザイムへの変身 389 |
スプライソームがスプライス部位を確実に見つけるしくみ 391 |
選択的スプライシング 394 |
1個の遺伝子から選択的スプライシングによって複数の生成物ができる 394 |
選択的スプライシングは活性化因子と抑制因子によって調節される 396 |
コラム13.2 アデノウイルスとスプライシングの発見 398 |
イントロンには、異なる組み合わせのsnRNPからなるスプライソソームによるスプライシングを受けるものがある 400 |
エキソンの混ぜ合わせ 400 |
エキソンは組換えによって混ぜ合わされ、新たなタンパク質をつくる遺伝子が生み出される 400 |
RNAの編集 404 |
mRNAの塩基配列を変える別の手段として、RNAの編集がある 404 |
mRNAの輸送 406 |
プロセシングの済んだmRNAパッケージされて核から細胞質へ送り出され、翻訳される 406 |
まとめ 408 |
文献 409 |
CHAPTER 14 |
翻訳 411 |
メッセンジャーRNA 412 |
ポリペプチド鎖は開いた読み枠によって指定される 412 |
原核生物のmRNAには翻訳装置を引き寄せるリボソーム結合部位がある 413 |
真核生物mRNAの5´末端と3´末端は修飾されていて、これが翻訳を促進する 414 |
運搬RNA 415 |
tRNAはコドンとアミノ酸をつなぐアダプターである 415 |
tRNAはクローバーの葉に似た共通の二次構造をもつ 416 |
tRNAはL字形の三次元構造をもつ 417 |
アミノ酸のtRNAへの結合 417 |
tRNAの3´末端のアデノシンヌクレオチドにアミノ酸が高エネルギーアシル結合を介して付加される 417 |
アミノアシルtRNA合成酵素は2段階反応でtRNAを付加する 418 |
アミノアシルtRNA合成酵素はそれぞれ1種類のアミノ酸を、1つあるいは複数のtRNAに結合させる 419 |
アミノアシルtRNA合成酵素は、対応するtRNAの構造の個々の特徴を見分ける 420 |
アミノアシルtRNAの構築はきわめて厳密である 421 |
アミノアシルtRNA合成酵素には、高精度でtRNAにアミノ酸を結合するために編集ポケットを使うものもある 422 |
リボソームはtRNAに正しいアミノ酸がついているかどうか見分けられない 422 |
コラム14.1 セレノシステイン 423 |
リボソーム 423 |
リボソームは大小2つのサブユニットからなる 425 |
大小のサブユニットは翻訳のたびに会合と解離を繰り返す 425 |
新しいアミノ酸は伸長中のポリペプチド鎖のC末端に付加される 427 |
伸長中のポリペプチド鎖が次のtRNAへ移る際にペプチド結合が形成される 428 |
リボソームRNAはリボゾームの構造と触媒作用を支える非常に重要な要素である 428 |
リボソームにはtRNAの結合部位が3か所ある 429 |
mRNAと伸長中のポリペプチド鎖は、リボソームを貫通する通路を通って出入りする 430 |
翻訳の開始 432 |
原核生物のmRNAはtRNAとの塩基対形成により、最初に小サブユニットに引き寄せられる 433 |
原核生物の小サブユニットには、修飾メチオニンをつけた特定のtRNAが直接結合する 433 |
3種類の開始因子がmRNAと開始tRNAを含む開始複合体を会合させる 433 |
真核生物のリボソームはmRNAの5´キャップによって引き寄せられる 435 |
mRNAの5´末端から下流へスキャンして開始コドンを探す 437 |
真核生物の翻訳開始因子はmRNAを環状にする 438 |
コラム14.2 uORFとIRES-例外は原則のある証拠 439 |
翻訳の伸長段階 440 |
アミノアシルtRNAは伸長因子EF-TuによってA部位に送り届けられる 441 |
リボソームはさまざまな方法で誤ったアミノアシルtRNAを除く 441 |
リボソームはリボザイルである 442 |
ペプチド結合の形成と伸長因子EF-GがtRNAとmRNAの転位反応を引き起こす 444 |
EF-GはA部位に結合したtRNAを追い出して転位反応を推し進める 445 |
新たな伸長反応に入る前に、EF-Tu-GDPもEF-G-GDPもGDPをGTPに交換しなければならない 446 |
ペプチド結合形成の1サイクルでGTP分子2個とATP分子1個を消費する 446 |
コラム14.3 GTP結合タンパク,構造の切り替え,翻訳反応の正確さと順序 447 |
翻訳の終結 448 |
終止コドンに応答して終結因子が翻訳を終結させる 448 |
クラス|終結因子の短い領域が終止コドンを識別して、ペプチド鎖解法の引き金を引く 449 |
GDP/GTP交換とGTPの加水分解がクラス∥終結因子の機能を制御する 450 |
リボソームのリサイクル因子はtRNAをまねる 450 |
翻訳に依存したmRNAの調節とタンパク質の安定性 452 |
SsrA RNAは離れたmRNAを翻訳しているリボソームを救い出す 452RNA |
コラム14.4 抗生物質は翻訳の特定の段階を阻害して細胞分裂を止める 453 |
まとめ 458 |
文献 459 |
CHAPTER 15 |
暗号は宿重している 461 |
暗号の構成に見られる周到な配列 462 |
アンチコドンの中のゆらぎ 463 |
3種のコドンがポルペプチド鎖を終結に導く 463 |
暗号の割り出し 464 |
合成mRNAによるアミノ酸の取り込み促進 465 |
ポリUはポリフェニルアラニンを指定する 466 |
混合型共重合体によってさらにコドンの同定が進んだ 467 |
運搬RNAの結合によるコドンの決定 468 |
繰り返し共重合体を用いたコドンの決定 468 |
遺伝暗号の3つの規則 469 |
3種類の点変異が遺伝暗号を変える 470 |
暗号が3塩基単位で読まれることの遺伝学的証明 471 |
サプレッサー変異は同一遺伝子に生じることも異なる遺伝子に生じることもある 471 |
遺伝子間サプレッションには変異tRNAが関与している 472 |
ナンセンスサプレッサーtRNAは正常な終止コドンも読み取る 474 |
遺伝暗号の妥当性の確認 474 |
暗号はほぼ全生物で共通である 475 |
まとめ 469 |
文献 478 |
PART4 調節 |
CHAPTER 16 |
原核生物における遺伝子調節 483 |
転写調節の原理 483 |
遺伝子発現は調節タンパクによって制御される 483 |
多くのプロモーターは、RNAポリメラーゼがDNAに結合するのを助ける活性化因子と、結合を妨げる抑制因子による調節を受ける 484 |
アロステリック効果によってRNAポリメラーゼの結合後の段階を調節する活性化因子もある 485 |
遠隔作用とDNAのループ形成 486 |
協同的結合とアロステリック効果は遺伝子調節においていろいろな役割をしている 487 |
抗転写終結とそれ以後の課程:遺伝子調節は転写開始段階に行われるとは限らない 487 |
転写開始の調節:細菌に見られる例 488 |
活性化因子と抑制因子が協力してlac遺伝子群を制御する 488 |
lacプロモーターへのRNAポリメラーゼの結合に対してCAPとLacリプレッサーは逆の作用をする 489 |
コラム16.1 DNA上のタンパク結合部位の検出 490 |
CAPの表面には活性化領域とDNA結合領域が別個に存在する 492 |
CAPとLacリプレッサーは共通の主要構造モチーフを用いてDNAに結合する 493 |
コラム16.2 活性化因子の迂回実験 493 |
LacリプレッサーとCAPの活性はシグナル分子によるアロステリック制御を受ける 496 |
コラム16.3 JacobとMonodが提唱した遺伝子調節の概念 497 |
組み合わせによる制御:CAPは他の遺伝子も制御する 499 |
互換的σ因子がRNAポリメラーゼに複数のプロモーターの1つを選ばせる 499 |
NtrCとMerR:招集をせずにアロステリック効果を及ぼす転写活性化因子 500 |
NtrCはATPアーゼ活性をもち、遺伝子とは離れたDNA部位から働く 500 |
MerRはプロモーターDNAをねじって転写を活性化する 501 |
RNAポリメラーゼを追い出さないでプロモーターに引き止める抑制因子もある 502 |
アラビノースによるaraBADオペロンの制御 503 |
転写開始後の遺伝子調節の例 504 |
アミノ酸生合成系のオペロンは転写を中途で終結して制御する 504 |
リボソームタンパクは自分自身の合成の翻訳段階で抑制因子として働く 506 |
コラム16.4 リボスイッチ 509 |
λファージの場合:重層的調節機構 512 |
遺伝子発現様式を切り替えて溶菌性増殖と溶原性増殖を制御する 513 |
調節タンパクとその結合部位 514 |
λリプレッサーは協同的にオペレーター部位に結合する 515 |
コラム16.5 濃度と親和性と協同的結合の関係 516 |
λリプレッサーとCroは結合部位の違いで溶菌性増殖と溶原性増殖を制御する 517 |
溶菌性の誘発にはプロテアーゼがλリプレッサーを切断する必要がある 518 |
リプレッサーが負の自己調節を行うには、遠隔相互作用と大きなDNAループが必要である 519 |
新しい宿主に感染すると、もう1つの活性化因子、λCllが溶菌性増殖か溶原性増殖かを決める 520 |
コラム16.6 溶菌か溶原化かの選択に関与する遺伝子の遺伝的同定法 521 |
大腸菌の増殖条件がCllタンパクの安定性を制御し、溶菌か溶原化かを決める 522 |
λファージにおける抗転写終結 523 |
逆調節:mRNA合成の制御と安定性の組み合わせでint遺伝子の発現が決まる 524 |
まとめ 525 |
文献 526 |
CHAPTER 17 |
真核生物における遺伝子調節 529 |
酵母から哺乳類まで保存された転写調節機構 531 |
活性化因子のDNA結合機能と活性化機能は別になっている 531 |
コラム17.1 2ハイブリッド法 533 |
真核生物の調節タンパクはいろいろなDNA結合ドメインを用いるが、DNAの識別の原理は細菌と同じである 534 |
活性化領域を明確に定義する構造はない 536 |
真核生物の転写活性化因子 537 |
活性化因子は転写装置を遺伝子に招集する 537 |
コラム17.2 クロマチン免疫沈降法 539 |
活性化因子はヌクレオソーム修飾酵素群も招集し、転写装置がプロモーターに結合するのを助ける 540 |
遠隔作用:ループとインスレーター 540 |
適切な調節に遺伝子座制御領域を必要とする遺伝子群がある 543 |
シグナル統合と組み合わせによる制御 544 |
複数の活性化因子が一体となって相乗的に働きシグナルを統合する 544 |
シグナルの統合:HO遺伝子は2つの調節タンパクによって制御され、一方はヌクレオソーム修飾酵素群を、もう一方は介在複合体を招集する 546 |
シグナルの統合:ヒトβーインターフェロン遺伝子における活性化因子の協同的結合 546 |
組み合わせによる制御は真核生物の複雑さと多様性の核心にある 547 |
出芽酵母の接合型遺伝子の組み合わせによる制御 548 |
転写抑制因子 549 |
シグナル伝達と転写調節タンパクの制御 551 |
シグナルはシグナル伝達経路を介して転写調節タンパクに伝えられることが多い 551 |
シグナルはさまざまなしくみで真核生物の転写調節タンパクの活性を制御する 552 |
活性化因子と抑制因子がばらばらになっていることがある 555 |
ヒストンとDNAの修飾による遺伝子“サイレンシング” 556 |
酵母のサイレンシングはヒストンの脱アセチル化とメチル化が媒介する 556 |
ヒストン修飾とヒストン暗号仮設 558 |
哺乳類細胞ではDNAのメチル化が遺伝子のサイレンシングに関連する 558 |
遺伝子の発現状態には開始シグナルが存在しなくなっても細胞分裂を通して受け継がれるものがある 560 |
コラム17.3 λファージの溶原状態と後成的切り替え 562 |
真核生物の転写開始後の段階での遺伝子調節 562 |
転写の開始ではなく伸長を制御する活性化因子がある 562 |
mRNA前駆体の選択的スプライシングにより、細胞の種類ごとに異なるいろいろなタンパク質がつくられる 563 |
酵母の転写活性化因子GCN4の発現は翻訳段階で制御される 565 |
遺伝子調節におけるRNAの役割 567 |
二本鎖RNAはそのRNAに相同な遺伝子の発現を阻害する 568 |
短鎖干渉RNA(siRNA)はdsRNAからつくられ、遺伝子発現を抑制する装置にさまざまな手段で指示を出す 568 |
発生過程でミクロRNAが遺伝子を制御することがある 570 |
まとめ 571 |
文献 572 |
CHAPTER 18 |
発生過程での遺伝子調節 575 |
発生過程で特定の遺伝子郡の発現を細胞に指示する3つの方法 576 |
卵や胚の内部では、一部のmRNAは細胞骨格固有の極性により局在化する 576 |
細胞接触と分泌型シグナル分子とが周囲の細胞の遺伝子発現を変化させる 576 |
コラム18.1 マイクロアレイ分析:理論と実際 577 |
分泌されたシグナル分子の濃度勾配のどこに位置するかによって、細胞は別々の発生経路をたどる 578 |
遺伝子発現に差をもたらす3つの方法の例 580 |
酵母の局在化したAsh1リプレッサーが、HO遺伝子を不活化して接合型を制御する 580 |
コラム18.2 細胞骨格:非対称性と伸長 582 |
ホヤ胚ではmRNAの局在化によって筋肉の分化が始まる 584 |
胞子を形成する枯草菌B.subtilisでは、細胞間接触が遺伝子発現の違いを誘導する 584 |
コラム18.3 ユウレイボヤCionaの発生 585 |
昆虫の中枢神経系では皮膚と神経の切り替えスイッチは、Notchシグナル伝達によって制御される 587 |
脊椎動物の神経管ではSonic hedgehogモルフォゲンの濃度勾配によってさまざまなニューロンの形成が制御される 588 |
ショウジョウバエの胚形成の分子生物学 590 |
ショウジョウバエの胚形成のあらまし 590 |
ショウジョウバエ胚ではモルフォゲンの濃度勾配が背腹軸の極性を決める 590 |
コラム18.4 ショウジョウバエの胚発生通覧 592 |
コラム18.5 活性化因子の相乗作用の発生における役割 597 |
分節形成は末受精卵の前極と後極に局在するRNAが開始する 599 |
Bicoidの濃度勾配に従って分節遺伝子の発現が調節される 601 |
Hunchbackの発現は翻訳段階でも調節される 602 |
Hunchbackリプレッサーの濃度勾配によって、ギャップ遺伝子の発現範囲がそれぞれ別々に決められる 603 |
Hunchbackとギャップタンパクによって遺伝子は体節を示す縞状に発現する 604 |
コラム18.6 複雑なエンハンサー同定のための生物情報科学の方法 605 |
ギャップリプレッサーの濃度勾配が遺伝子発現の縞を多数つくる 607 |
射程の短い転写抑制因子のおかげで、複雑なeve調節領域のエンハンサーはたがいに独立して作用できる 608 |
まとめ 609 |
文献 610 |
CHAPTER 19 |
比較ゲノム科学から見る動物の多様性の進化 613 |
ほとんどの動物は基本的に同じ遺伝子をもつ 614 |
遺伝子重複が生物学的多様性を生み出すしくみ 616 |
コラム19.1 遺伝子重複が関与する調節タンパクの進化の重要性 616 |
コラム19.2 グロビン遺伝子の重複は新しい発現パターンと多様なタンパク機能を生み出す 618 |
コラム19.3 細菌は新規遺伝子を創出しながら進化していく 618 |
進化の過程で遺伝子発現を変化させる3つの戦略 619 |
動物の形態を変える実験操作 620 |
Pax6発現の変化は場違いな眼をつくる 621 |
Antp発現の変化は触角を脚に換える 622 |
タンパク機能の重要性:ftzとAntpの相互変換 622 |
エンハンサーの塩基配列がわずかに変化するだけで新たな遺伝子発現パターンをつくり出せる 623 |
Ubxの異所発現はショウジョウバエの形態を変えてしまう 624 |
Ubxの機能を変えるとショウジョウバエの胚の形態が変わる 626 |
Ubxの標的エンハンサーの変化により遺伝子発現パターンが変わることがある 627 |
コラム19.4 ショウジョウバエのホメオティック遺伝子は染色体の特定領域に集まり遺伝子群を形成している 627 |
甲殻類と昆虫類の形態学的変化 630 |
節足動物は驚くほど多様である 630 |
Ubxの発現パターンの変化で甲殻類の外肢の違いを説明できる 630 |
昆虫類はなぜ腹肢をもたないか 631 |
飛翔肢は調節 DNAが進化して生じたのかもしれない 632 |
コラム19.5 進化的革新のための遺伝子ネットワークの徴用 633 |
ゲノムの進化とヒトの起源 635 |
ヒトの遺伝子は意外に少ない 635 |
ヒトゲノムはマウスのゲノムによく似ており、チンパンジーとはほぼ同じといってもよい 636 |
ヒトの言語能力の進化的起源 637 |
FOXP2がヒトの言語能力を育てるしくみ 637 |
比較ゲノム解析の将来 638 |
まとめ 639 |
文献 640 |
PART5 方法 |
CHAPTER 20 |
分子生物学の研究技術 647 |
始めに 647 |
核酸 648 |
DNA分子とRNA分子はゲル電気泳動で大きさに従って分離する 648 |
制限酵素はDNA分子を特定の部位で切断する 649 |
DNAハイブリッド形成を利用してDNA分子を同定する 651 |
電気泳動で分離したDNAとRNAにブローブを結合させて同定する 652 |
DNAの特定領域の単離 653 |
DNAクローニング 654 |
DNAをプラスミドベクターに組み込む 654 |
ベクターDNAを形質転換によって宿主生物へ導入する 655 |
クローニングによってDNA分子のライブラリーが炸裂できる 656 |
DNAライブラリー中のクローンの同定にハイブリッド形成を利用する 657 |
オリゴヌクレオチドの化学合成 657 |
ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)は、in vitroでDNA複製を繰り返してDNAを増幅する 658 |
DNAを段階的に長さの異なる断片にして塩基配列を読み取る 660 |
コラム20.1 犯罪学とポリメラーゼ連鎖反応(PCR) 661 |
細菌ゲノムのショットガン塩基配列決定法 663 |
ショットガン法で大きなゲノム配列を部分的に構築できる 664 |
コラム20.2 シークエネーターは高速で塩基配列を決定する 665 |
両末端を利用して大きなゲノムの枠組みをつくる 666 |
ゲノム全体にわたる解析 667 |
ゲノムの比較解析 669 |
タンパク質 672 |
細胞抽出液からタンパク質を精製する 672 |
タンパク質の精製にはそれぞれに合った分析が必要である 673 |
活性のあるタンパク質を含む細胞抽出液の調製 673 |
カラムクロマトグラフィーでタンパク質を分画する 673 |
アフィニティークロマトグラフィーによって迅速にタンパク質が精製できる 674 |
ポリアクリルアミドゲルを使ったタンパク質の分離 675 |
電気泳動で分離したタンパク質を抗体で検出する 676 |
タンパク分子のアミノ酸配列を直接決定できる 676 |
プロテオミクス 677 |
文献 679 |
CHAPTER 21 |
モデル生物 681 |
バクテリオファージ 682 |
ファージの定量 684 |
1段階増殖曲線 685 |
ファージの交雑と相補性決定 685 |
形質導入と組換えDNA 686 |
細菌 687 |
細菌の定量 687 |
細菌は、接合、ファージを介した形質導入、形質転換によってDNAを交換する 688 |
細菌のプラスミドはクローニングベクターとして使える 689 |
トランスポゾンを用いて挿入変異の炸裂や、遺伝子あるいはオペロンの融合ができる 689 |
細菌の分子生物学は、組換えDNA技術、全ゲノム塩基配列決定、転写パターンの解析によって研究が促進された 691 |
単純な細胞に対しては古典遺伝学や分子遺伝学の巧妙な方法を利用した生化学分析がとくに有効である 691 |
細菌は細胞学的分析もできる 691 |
ファージと細菌が遺伝子についての基本の大部分を教えてくれた 692 |
出芽酵母Saccharomyces cerevisiae 693 |
酵母には一倍体細胞と二倍体細胞があり、遺伝分析に役立つ 693 |
酵母遺伝子に計画どおりの変異をつくり出すのはやさしい 694 |
出芽酵母のゲノムは小さく、よく調べられている 694 |
酵母細胞は成長に従って形を変える 695 |
線虫Caenorhabditis elegans 696 |
線虫の生活環は周期が非常に短い 696 |
線虫の細胞数は比較的少なく、細胞系譜はよく研究されている 697 |
細胞死の経路が線虫で発見された 698 |
RNAiが線虫で発見された 698 |
キイロショウジョウバエDrosophila melanogaster 699 |
ショウジョウバエの生活環の周期は短い 699 |
最初のゲノム地図はショウジョウバエでつくられた 700 |
遺伝子モザイクを利用してハエ成体での致死遺伝子が解析できる 702 |
酵母のFLP組換え酵素は遺伝的モザイクを効率的につくり出す 703 |
外来DNAをもつ遺伝子導入ショウジョウバエは簡単につくれる 703 |
ハツカネズミ(マウス)Mus musculus 705 |
マウスの胚発生は幹細胞に依存する 706 |
マウス胚には簡単に外来DNAを導入できる 707 |
相同組換えによって個々の遺伝子を選択的に切除できる 707 |
マウスは後成的遺伝を示す 709 |
文献 711 |