プロローグ 祖先からのイコン-躍動する「生命の樹」 |
1 あれは偶然のことだったのか… 13 |
2 進化的思考-生物を遍く照らす光として 15 |
3 系統樹思考-「樹」は知の世界をまたぐ 19 |
4 メビウスの輪-さて、これから彷徨いましょうか… 28 |
第1章 「歴史」としての系統樹-科学の対象としての歴史の復権 33 |
1 歴史はしょせん闇の中なのか? 35 |
多様性をいかに体系化するか |
典型的な自然科学の五基準 |
歴史は科学ではない? |
科学の基準そのものを変える |
歴史を論じる科学は可能か? |
1 科学と科学哲学を隔てる壁、科学と科学を隔てる壁 48 |
「科学の基準」は一枚岩ではない |
「学問分類」と「学問系譜」とは異なる |
ローカルな科学哲学を求めて |
2 アブダクション:真実なき探索-歪んだガラスを覗きこむ 55 |
仮説の「真偽」は必ずしも判定できない |
推論様式としての「演繹」と「帰納」 |
データに照らして仮説を選ぶ |
第三の推論様式-アブダクション |
3 タイプとトークン-歴史の「物語」もまた経験的にテストされる |
ダーウィンはどんな本を読んでいたか |
「物語」としての説明 |
歴史はレトリックにすぎない? |
タイプとトークン |
天文物理学にも物語的説明はある |
あれも科学、これも科学… |
第2章 「言葉」としての系統樹-もの言うグラフ、唄うネットワーク 83 |
1 学問を分類する-図像学から見るルルスからデカルトまで 85 |
絶対的な学問分類はない |
図形言語としての「鎖」と「樹」 |
げにおそるべきは分類なり |
2 「古因学」-過去のできごととその因果を探る学 95 |
“歴史”研究の共通の方法論 |
ヒューウェルの「古因学」 |
3 体系学的比較法:その地下水脈の再発見-写本、言語、生物、遺物、民族… 104 |
歴史推定のための「比較法」 |
比較文献学から比較言語学へ |
時間的変化と空間的変化 |
4 「系統樹革命」-分類思考と系統樹思考、類型思考と集団思考 113 |
現代生物学がもたらした“思考法の変革” |
ブンゾウ・ハヤタの動的分類学 |
生きている科学理論とその系譜 |
系統樹思考と分類思考 |
系統樹革命のルーツ |
社会生物学論争における科学観の対立 |
インテルメッツォ 系統樹をめぐるエピソード二題 131 |
1 高校生が描いた系統樹-あるサイエンス・スクールでの体験 |
系統推進論への参道 |
系統樹を描く高校生 |
素朴な系統樹イメージ |
2 系統樹をとりまく科学の状況-科学者は「真空」では生きられない |
科学とは科学者がしていることである |
生物体系学の三学派 |
「舞台上」で-スポットライトを浴びるマイアー、ヘニック、ソーカル |
「舞台裏」で-重なるレイヤー、絡まるネットワーク |
マイアーのもくろみ |
実はすれちがっていただけ? |
第3章 「推論」としての系統樹-推定・比較・検証 161 |
1 ベストの系統樹を推定する-樹形・祖先・類似性 |
ベストの系統樹をどう見つけるか |
系統推定の手順 |
2 グラフとしての系統樹-点・辺・根 168 |
無根系統樹と有根系統樹 |
祖先子孫関係は原理的に不可知である |
データ=ある形質の形質状態 |
3 アブダクション、再び-役に立つ論証ツールとして 176 |
AI研究がアブダクションを磨いた |
はてしない推論連鎖 |
4 シンプル・イズ・ベスト-「単純性」の美徳と悪徳 |
目指すは“最良”の説明 |
伝言ゲームでまちがって伝えたのは誰? |
写本系図のつくり方 |
人間の基本的な思考形態に文理の区別なし |
5 なぜその系統樹を選ぶのか-真実なき世界での科学的推論とは? |
可能な系統樹の集合 |
最適化基準のもとでベストを決める |
乗り終えられない計算上の「壁」 |
しらみつぶしは無理 |
発見的探索 |
「系統樹の科学」に求められること |
第4章 系統樹の根は広がり続ける 209 |
1 ある系統樹的転回-私的回顧 211 |
“本を学ぶ”、“本で学ぶ”/読む以前に門前払い、そして… |
2 図形言語としての系統樹 217 |
ガレス・ネルソンのもたらしたもの |
系統樹の数学 |
3 系統発生のモデル化に向けて 233 |
ウェットな系統樹からドライな系統樹へ |
モデルとしての系統樹 |
系統推定のゆくえ |
4 高次系統樹-ネットワーク・ジャングル・スーパーツリー 232 |
ツリーは表現力に乏しい? |
ツリーか、ネットワークか |
ネットワーク推進の難しさ |
共進化の問題を系統ジャングルで解く |
系統スーパーツリーへ、さらにその先へ |
エピローグ 万物は系統のもとに-クオ・ヴァディス? 251 |
1 系統樹の木の下で-消えるものと残るもの 253 |
2 形而上学アゲイン-「種」論争の教訓、そして内面的葛藤 257 |
3 系統樹リテラシーと「壁」の崩壊 261 |
4 大団円-おあとがよろしいようで… 263 |
あとがき 267 |
さらに知りたい人のための極私的文献リスト 291 |
索引 294 |
プロローグ 祖先からのイコン-躍動する「生命の樹」 |
1 あれは偶然のことだったのか… 13 |
2 進化的思考-生物を遍く照らす光として 15 |
3 系統樹思考-「樹」は知の世界をまたぐ 19 |
4 メビウスの輪-さて、これから彷徨いましょうか… 28 |
第1章 「歴史」としての系統樹-科学の対象としての歴史の復権 33 |