1. 分子熱力学とは 1 |
1.1 熱力学・化学熱力学・分子熱力学 1 |
1.2 熱力学の特徴 2 |
1.3 ナノカロリメトリー 3 |
2. 熱容量とその測定法 6 |
2.1 熱容量から求められる熱力学諸量 7 |
2.2 熱容量に寄与するミクロな自由度 8 |
2.3 単原子分子固体の熱容量 9 |
2.3.1 アインシュタインモデル 10 |
2.3.2 ポルン-フォン・カルマンの格子振動理論 11 |
2.3.3 デバイモデル 12 |
2.4 多原子分子個体の熱容量 14 |
2.5 熱容量の測定法 15 |
2.5.1 断熱法による熱容量測定 15 |
2.5.2 緩和法による熱容量測定 18 |
2.5.3 交流法による熱容量測定(AC法) 19 |
2.5.4 示差走査熱容量測定(DSC) 20 |
引用文献 21 |
3. 相転移 23 |
3.1 相転移の次数 24 |
3.1.1 1次相転移 24 |
3.1.2 2次相転移 26 |
3.1.3 2次相転移における秩序度(秩序パラメーター) 27 |
3.1.4 臨界現象 29 |
3.2 正常熱容量の決定法 29 |
3.2.1 温度のべき級数による方法 30 |
3.2.2 対応状態の方法 30 |
3.2.3 デバイ関数とアインシュタイン関数の組み合わせによる方法 31 |
3.2.4 有効振動数分布法 32 |
3.2.5 2状態転移の場合の正常熱容量決定法 35 |
3.3 相転移に伴う熱力学諸量 36 |
3.4 相転移の種類 38 |
引用文献 40 |
4. 分子結晶と配向相転移 42 |
4.1 柔粘性結晶 42 |
4.1.1 四面体状分子:M(SCH₃)₄ 44 |
4.1.2 鼓形分子:ホルミルフェロセン 48 |
4.1.3 球状分子:フラーレンC₆₀ 51 |
4.2 フェロセン結晶 54 |
4.2.1 フェロセンの安定結晶相 54 |
4.2.2 フェロセン結晶の爆発的崩壊 61 |
4.3 フェロセンとチオ尿素の包接化合物 63 |
4.4 メタロセニウム塩 68 |
4.4.1 [Fe(C₅H₅)(C₅H₅)]PF₆ 68 |
4.4.2 [Fe(C₅H₅)₂]PF₆ 73 |
引用文献 76 |
5. 液晶における相転移 79 |
5.1 中間相としての液晶 79 |
5.1.1 室温液晶の発見 80 |
5.1.2 液晶の種類 81 |
5.1.3 分子構造と相系列 83 |
5.2 ガラス性液晶 86 |
5.2.1 ネマチック液晶のガラス状態 88 |
5.2.2 スメクチック液晶のガラス状態 90 |
5.3 円盤状分子からなるディスコチック液晶 94 |
5.3.1 棒状分子液晶とどこが違うか 94 |
5.3.2 アルキル側鎖の逐次融解 96 |
5.3.3 相転移エントロピーの奇偶効果 102 |
5.3.4 モルエントロピーの奇妙なペアリング 104 |
5.4 反強誘電性液晶 106 |
5.5 光学的に等方性のキュービック液晶 110 |
5.5.1 キュービック液晶性化合物の熱容量 111 |
5.5.2 溶媒の働きをするアルキル側鎖 117 |
5.5.3 相転移エントロピーの鎖長依存性と相系列の逆転 120 |
5.5.4キュービック相での分子の凝集構造 122 |
5.6 リオトロピック液晶 124 |
引用文献 126 |
6. 分子磁性体と磁気相転移 130 |
6.1 磁気的相互作用 130 |
6.2 格子次元と磁気熱容量 132 |
6.3 素励起としてのスピン波熱容量 135 |
6.4 ショットキー熱異常 136 |
6.5 常磁性クラスター 140 |
6.6 最初の強磁性錯体 144 |
6.7 有機ラジカル 148 |
6.7.1 最初の有機強磁性体:p-NPNN 148 |
6.7.2 TEMPO誘導体:MOTMP,AOTMP,MATMP,CATMP 150 |
6.7.3 ベンズイミダゾールラジカル:BABI 153 |
6.7.4 チアジルラジカル:BDTA 155 |
6.8 1次元分子磁性体 156 |
6.8.1 電荷移動デカメチルフェロセニウム塩 156 |
6.8.2 1次元集積型金属錯体 159 |
6.8.3 マンガン-ポルフィリン錯体 161 |
6.9 2次元集積型金属錯体 164 |
6.10 単分子磁性体 168 |
引用文献 171 |
7. スピンクロスオーバー現象と相転移 175 |
7.1 電子が直接的に関与する有機金属化合物の相転移 175 |
7.2 スピンクロスオーバー現象 179 |
7.3 最初のスピンクロスオーバー錯体 181 |
7.4 スピンクロスオーバーに及ぼす様々な要因 183 |
7.4.1 配位子 183 |
7.4.2 対イオン 184 |
7.4.3 結晶溶媒 184 |
7.4.4 結晶溶媒の重水素化 190 |
7.4.5 金属希釈効果 191 |
7.4.6 メカノケミカル効果 194 |
7.5 ドメインモデルと協同現象性 196 |
引用文献 201 |
8. 電荷移動による相転移 204 |
8.1 3核混合原子価錯体 204 |
8.2 2核混合原子価錯体 215 |
8.3 ハロゲン架橋白金複核錯体 223 |
8.4 集積型混合原子価錯体 228 |
8.5 集積型異種金属錯体 233 |
8.6 中性イオン性転移 236 |
引用文献 238 |
9. サーモクロミズム現象と相転移 243 |
9.1 配位子のパッカリング運動によるサーモクロミズム 244 |
9.2 配位子の秩序無秩序型運動によるサーモクロミズム 247 |
9.3 配位数の変化によるサーモクロミズム 249 |
引用文献 251 |
索引 253 |