0 化学の方法 |
0.1 化学とは何だろうか 2 |
0.2 化学はいかに創られたか 4 |
(1) 19世紀の化学-原子と分子 4 |
(2) 20世紀の化学-電子 6 |
(3) 21世紀の化学-原子核と電子分布 7 |
0.3 化学の理論とはどういうものなのか 9 |
(1) 電子配置(ボーア模型) 9 |
(2) 共有結合(原子価と電子対) 12 |
(3) 電気陰性度 15 |
(4) 水素結合 19 |
(5) 水分子の構造 22 |
0.4 有機化学をどう学んだらよいのだろうか 29 |
(1) 有機化学の学問構成-どんなことを学ぶのか 29 |
(2) 共鳴理論-何のために考えだされたのか 問題点は? 31 |
(3) 有機電子論-なぜ電子のことを学ぶのか 33 |
(4) 量子有機化学-量子力学が有機化学とどう関係するのか 39 |
1 有機化合物の結合と物性 |
1.1 波動方程式とオービタル 44 |
1.1.1 シュレーディンガーの波動方程式を解くことによってどうして電子の存在確率が求められるのか。波動方程式の正しいことはどうして証明されるのか 44 |
1.1.2 p軌道の交差部分はどうなっているのか 48 |
1.1.3 pオービタルにおいて,ひとつの電子が節面の上下に同時に存在するのはおかしいのではないか。また,どうやって電子は節面を横切るのか 50 |
1.1.4 pオービタルにつけられた符号は何を意味するのか 53 |
1.1.5 反結合性オービタルは何のために必要なのか 55 |
1.1.6 どうしたら混成オービタルを作ることができるのか 60 |
1.2 共有結合と分子構造 62 |
1.2.1 化学結合力の本質は何か。2つの原子オービタルが重なり合うと,どうして共有結合が形成されるのか 62 |
1.2.2 なぜπ電子はσ電子にくらべて‘動きやすい’のか 65 |
1.2.3 炭素-炭素四重結合はあるのか,ないのか 69 |
1.2.4 結合角・結合距離はどうやって決まるのか 72 |
1.2.5 ニトロ基の構造はどうなっているのか 74 |
1.2.6 カルボカチオンが平面型であるのに,なぜカルブアニオンはピラミッド型なのか 76 |
1.2.7 一酸化炭素やカルベンなどの炭素の原子価はどうなっているのか 78 |
1.2.8 シクロプロパンが開環反応をしやすいのはなぜか 84 |
1.3 結合エネルギーと分極性 88 |
1.3.1 原子の組み合わせが違うとなぜ結合エネルギーが違ってくるのか 88 |
1.3.2 C-C,C=C,C≡Cの順に結合距離が短くなり,結合エネルギーが増大するのはなぜか 92 |
1.3.3 過酸化物はなぜ不安定なのか 95 |
1.3.4 ハロゲン化水素の結合エネルギーは大きいのに,水に溶かすとなぜ容易に完全解離するのか 98 |
1.3.5 テフロンなどのように有機フッ素化合物は,他のハロゲン化物に比べて異常に安定なのはなぜか 99 |
1.3.6 置換基の電子供与性,電子吸引性はどうして決まるのか 101 |
1.4 共鳴理論と分子の安定性 104 |
1.4.1 共鳴するとなぜ分子は安定化するのか。共鳴エネルギーはどこから発生するのか 104 |
1.4.2 なぜ4n+2個のπ電子が共役した環状化合物だけが芳香族性を示すのか 107 |
1.4.3 シクロペンタジエニルアニオンは安定なのに,同じカチオンやラジカルがそれほど安定に存在しないのはなぜか 111 |
1.4.4 二重結合が1つおきにあるとなぜ共役が起こるのか 113 |
1.4.5 鎖状ポリエンにおいて共役系が長いほど,①非局在化エネルギーが大きく安定となるのはなぜか,②着色するようになるのはなぜか 118 |
1.4.6 超共役とはどういうことか 122 |
1.4.7 3級カルボカチオンが最も安定なのはどうしてか。カルブアニオンは電子吸引基によって安定化されるのはなぜか 129 |
1.4.8 アルキル基が多くついた内部アルケンはどうして安定なのか 末端アルケンはどうして内部アルケンより反応性に富むのか 135 |
1.5 酸性と塩基性 141 |
1.5.1 酸性物質のプロトン解離のしやすさは何によって決まるのか 141 |
1.5.2 なぜフェノールは酸性を示すのか 144 |
1.5.3 なぜカルボン酸はアルコールより酸性が強いのか 147 |
1.5.4 末端アセチレンの水素はなぜ活性なのか 151 |
1.5.5 アルコール・フェノールに比べてチオール・チオフェノールはなぜ酸性が強いのか 153 |
1.5.6 酸素化合物である水やエーテルに比べて,対応する窒素化合物であるアンモニアやアミンはなぜ塩基性が強いのか 156 |
1.5.7 なぜアニリンの塩基性はアルキルアミンより弱いのか 157 |
1.5.8 どういった化合物がルイス酸になるのか 160 |
1.6 立体化学と異性体 164 |
1.6.1 光学異性体だけが立体異性ではないのではないか 164 |
1.6.2 不斉炭素があるとどうして旋光性を示すのか 166 |
1.6.3 幾何異性体の物性はどうして違うのか 169 |
1.6.4 なぜ一般にエノール型はケト型より不安定なのか 171 |
2 有機化学反応の速度と機構 |
2.1 化学反応速度 176 |
2.1.1 反応速度の違いはどうして起こるのか 176 |
2.1.2 なぜすべての化学反応にエネルギー障壁(活性化エネルギー)を考えねばならないのか。また,反応座標とは何を表わしているのか 180 |
2.1.3 活性錯合体と遷移状態とは同じことなのか 184 |
2.1.4 多段階反応において律速段階の速度だけで全反応速度を議論してもほんとうによいのか 186 |
2.1.5 反応温度によって主生成物が異なることがあるのはなぜか 189 |
2.2 求核的置換反応 193 |
2.2.1 一分子だけで反応が始まるというSN1反応機構はおかしくないか 193 |
2.2.2 求核試薬の反応性(求核性)は何によって決まるのか。求核性と塩基性の違いは何か 196 |
2.2.3 求核試薬の求核性が高いほどSN2機構になりやすいのはなぜか。どのような基が置換反応の脱離基として有効か 198 |
2.2.4 ハロゲン化アルキルのアルキル基の種類によってSN2反応とE2反応で起こりやすさが逆になるのはなぜか 201 |
2.2.5 エノレートのC-アルキル化とO-アルキル化は何によって決まるのか 203 |
2.2.6 カルボン酸誘導体に対する求核的置換反応は,ハロゲン化アルキルに対する反応とどこが違うのか 207 |
2.2.7 カルボン酸誘導体の加水分解のしやすさ,反応性の順をきめているものは何か 209 |
2.2.8 アルドール縮合とエステル縮合における類似点と相違点はなにか 212 |
2.3 求電子的置換反応 215 |
2.3.1 芳香環は,求電子的な置換反応をしやすいのに付加反応しにくいのはなぜか 215 |
2.3.2 電気陰性基であるはずのNHやOHなどが,どうしてベンゼン環への求電子的置換反応を活性化し,オルト・パラ配向性を示すのか 218 |
2.3.3 クロロベンゼンは,なぜ求電子的置換の反応性が低下し,オルト・パラ配向性を示すのか 226 |
2.3.4 クロロベンゼンが他のハロベンゼンと違って反応性が高いのはなぜか? 229 |
2.3.5 芳香族化合物の置換反応は,オルト,メタ,パラの位置しか起こらないのか 234 |
2.3.6 ジアゾニウムのカップリングはどうしてα位ではなくてβ位の窒素で起こるのか。また,脱窒素して置換する場合もあるのはなぜか 238 |
2.3.7 アルカンを塩素と反応させるのになぜ光が必要なのか 241 |
2.4 付加反応と脱離反応 243 |
2.4.1 ハロゲン付加反応に関してC≡CよりC=Cの方が反応しやすいのはなぜか 243 |
2.4.2 アルケンに対する臭素付加反応において,どうしてカルボカチオンより環状のブロモニウムを経てトランス付加するのか 246 |
2.4.3 アルケンに対するHBrのラジカル付加だけが,どうして逆マルコニコフ型付加になるのか 248 |
2.4.4 1,3-ブタジエンはどうして1,4-付加物を生成するのか 252 |
2.4.5 E2型脱離反応においてもザイツェフ則が成り立つのはどうしてか? 257 |
2.4.6 第4アンモニウムの脱離反応は,どうしてザイツェフ則でなくホフマン則に従うのか 261 |
2.5 酸化反応と還元反応 264 |
2.5.1 C-H→C-Xとなることがどうして酸化反応になるのか 264 |
2.5.2 H付加は,どうして還元ではないのか。酸・塩基と酸化・還元はどこが違うのか 267 |
2.5.3 アルコールとチオールとでは,酸化反応の受け方が全く違うのはなぜか 269 |
2.5.4 NaBHはアルケンを還元しないのに,ジボランはアルケンをホウ水素化するのはどうしてか 271 |
参考文献 273 |
索引 279 |
読書ノート |
リービッヒ,“プロイセンにおける化学の状態”(1840) 52 |
“レオナルド・ダヴィンチの手記” 59 |
シェリング,“学問論”(1803) 106 |
ルクレーティウス,“物の本質について”(B.C.l) 146 |
ポアンカレ,“科学と仮説”,「実験および一般化の役割」(1902) 155 |
ボアンカレ,“科学と仮説”,「仮説の役割」(1902) 163 |
デュ・ボア・レイモン,“自然認識の限界について”(1881) 185 |
ポアンカレ,“科学と方法”(1908) 192 |
エンゲルス,“自然の弁証法”(1879) 245 |
化学史ノート |
化学者ファラデー 42 |
ケクレの夢 73,83 |
化学者エジソン 97,103 |
実験室ノート |
廃棄物は宝の山 143,150 |
ブランクの効用 174 |
理論と実験 200,211 |
熱拡散効果とメタンの化学 240,242 |
21世紀は腐植の時代 256,268 |