第1章 建物火災に対する安全 1 |
1.1 建物と火災 2 |
1.1.1 火 2 |
1.1.2 建物の材料・構造と火災 3 |
1.1.3 耐火構造建物の火災 4 |
1.1.4 建物の規模・形状と火災 5 |
1.1.5 建物用途と火災 5 |
1.1.6 火事と火災 7 |
コラム 火事の「臭」,「音」,「色」 8 |
1.2 建物によって異なる火災成長の状況 9 |
1.2.1 火災は時系列的な現象である 10 |
1.2.2 火災はどんな時や場所に発生しやすいか 11 |
1.3 建物の目的と火災に対する安全 12 |
1.3.1 建物の目的(快適性,利便性,美しさ) 12 |
1.3.2 我々の周りにあるさまざまな危険 13 |
1.3.3 火災から何を守るか 14 |
1.3.4 人間は火災に弱い 15 |
1.3.5 火災の被害-直接損害と間接損害 16 |
1.4 火災に対する安全の備え 17 |
1.4.1 火災に対する安全の備えのいろいろ 17 |
1.4.2 建築的および設備的な備え 18 |
1.4.3 保険などによる金銭的な備え 19 |
1.4.4 法律の役割と限界 20 |
1.5 火災に対する安全性能 21 |
1.5.1 火災の危険性は日々変化する 21 |
1.5.2 空間の使い方の変化と建物利用者の変化 21 |
1.5.3 材料や設備の安全点検と更新 23 |
1.5.4 火災の危険を自分の問題として考える 24 |
第2章 火災は意外と多い-火災の実態- 25 |
2.1 市街地大火の歴史-昔はまち全体が燃えた 26 |
2.1.1 都市の形成と大火の発生26 |
2.1.2 欧州における都市大火 27 |
2.1.3 米国における都市大火 28 |
2.1.4 明治までの日本の大火 29 |
2.1.5 大正から現在までの大火 31 |
2.1.6 これからの大火防止を考える 32 |
2.2 今でも火災は多い-火災統計 33 |
2.2.1 最近の火災の種類と特徴 34 |
2.2.2 ビル火災の特徴 34 |
2.2.3 住宅火災での死者発生 38 |
2.2.4 これからの火災の傾向と対策 40 |
2.3 放火による火災 45 |
2.3.1 放火やテロによる火災の特徴 46 |
2.3.2 放火を防ぐために 47 |
2.3.3 放火・防犯対策の一元化 47 |
2.4 建物の防火対策 48 |
2.4.1 防火対策の基本 49 |
2.4.2 防火安全を検証する 50 |
2.4.3 住宅の防火に努める 52 |
参考文献 53 |
第3章 ものが燃える,火が拡がる,熱が伝わる-火災の現象- 55 |
3.1 ものが燃える 56 |
3.1.1 火事のときの炎と「役に立つ」炎 56 |
3.1.2 火事のときの炎の大きさや形はどう決まるか 57 |
3.1.3 炎の高さと発熱量・燃焼物の大きさの関係 58 |
3.1.4 ものが燃えたときの発熱速度はどう測定するのか 60 |
3.1.5 炎と熱気流 61 |
3.1.6 着火 62 |
3.1.7 着火に至るまでの加熱の機構 63 |
3.1.8 着火しやすい材料,延焼させやすい加熱源とは 65 |
3.2 火が拡がる 66 |
3.2.1 可燃表面の燃え拡がり 66 |
3.2.2 空間の構成と燃え拡がりやすさ 67 |
3.2.3 フラッシュオーバー 68 |
3.2.4 バックドラフト 69 |
3.2.5 火盛り期の燃え方 70 |
3.2.6 窓からの噴出火炎 72 |
3.2.7 市街地火災 73 |
3.3 熱が伝わる 74 |
3.3.1 火災と伝熱 74 |
3.3.2 対流による伝熱 75 |
3.3.3 伝導による伝熱 76 |
3.3.4 放射による伝熱 77 |
参考文献 78 |
第4章 火災の被害を小さくするために-感知・消火- 79 |
4.1 火災の制御は早期発見から-火災の感知警報 80 |
4.1.1 建築物における状態-平常時と非常時 80 |
4.1.2 火災の感知と覚知 81 |
4.1.3 防火対策の作動時系列 83 |
4.2 火災の原理,身近な消火設備-消火の基礎 84 |
4.2.1 消火の原理 84 |
4.2.2 消火設備の種類と適用 85 |
4.2.3 消火設備の設置方法 87 |
4.3 消防が活動しやすいように-消防活動 88 |
4.3.1 消防隊の進入経路 88 |
4.3.2 消防隊用設備 89 |
4.4 いざという時に正常に作動させるためには-維持管理,予防・査察 90 |
4.4.1 防災設備の信頼性と維持管理 90 |
4.4.2 防火管理の重要性 91 |
4.4.3 消防による予防・査察 92 |
参考文献 93 |
第5章 火・煙から人をまもる-火災時の避難安全一 95 |
5.1 人を安全に避難させる 96 |
5.1.1 避難安全の考え方 96 |
5.1.2 避難経路の計画 97 |
5.1.3 救助活動や脱出手段の計画 98 |
5.2 人の動きを知る 99 |
5.2.1 避難者の特性と心理 99 |
5.2.2 在館者の密度と速さ 100 |
5.2.3 災害弱者への配慮 101 |
5.3 煙の怖さを知る 102 |
5.3.1 煙の人体への影響 102 |
5.3.2 煙中での視覚 103 |
5.3.3 煙中での行動 104 |
5.4 煙の動きを知る 105 |
5.4.1 煙層の形成・降下 105 |
5.4.2 天井を流れる煙 106 |
5.4.3 竪穴を上昇する煙 107 |
5.5 煙を制御する 108 |
5.5.1 煙制御の考え方 108 |
5.5.2 区画化 109 |
5.5.3 排煙 110 |
5.5.4 遮煙 111 |
5.6 避難安全性能を確かめる 112 |
5.6.1 避難安全性能の確認 112 |
5.6.2 避難開始時間 113 |
5.6.3 避難行動時間 114 |
5.6.4 避難限界時間 115 |
参考文献 116 |
第6章 火災の拡大を防ぐ-延焼防止- 117 |
6.1 火災が延焼拡大するとどんな危険があるか? 118 |
6.1.1 人命の危険と財産損害の増大 118 |
6.1.2 間接的損害の増大 119 |
6.2 火災は建物内をどのようにして延焼拡大していくか? 120 |
6.2.1 床や壁を越えて延焼拡大する 120 |
6.2.2 扉等を通して延焼拡大する 121 |
6.2.3 電線,配管やダクトの貫通部から延焼する 122 |
6.2.4 竪穴を介して延焼拡大する 122 |
6.2.5 建物外部から延焼する 123 |
6.3 延焼拡大を防ぐには-延焼拡大防止計画- 124 |
6.3.1 建築物の特徴に応じた対策が必要である 125 |
6.3.2 一定の床面積で区画する 126 |
6.3.3 鉛直方向の延焼や異種用途への延焼を防止する 127 |
6.3.4 延焼拡大防止設計法 128 |
6.4 具体的な延焼拡大防止対策(区画部材と性能評価) 130 |
6.4.1 床や壁の種類 130 |
6.4.2 床や壁に要求される性能 131 |
6.4.3 床や壁の遮熱性の評価方法 132 |
6.4.4 開口部材の種類 134 |
6.4.5 開口部材に要求される性能 135 |
6.4.6 開口部材の性能評価方法 136 |
6.4.7 区画貫通部の種類と要求される性能および性能評価方法 137 |
参考文献 138 |
第7章 火災に耐える建物をつくる-火災時の構造I性能- 139 |
7.1 火災に耐えるということ-耐火構造の役割- 140 |
7.1.1 耐火構造により防火区画を守る 140 |
7.1.2 耐火構造の種類はいろいろ 141 |
7.1.3 耐火性が要求される建物 142 |
7.2 鉄筋コンクリートは火に強いか-鉄筋コンクリート造の耐火性- 143 |
7.2.1 鉄筋コンクリート建物の火災事例 143 |
7.2.2 一様でないコンクリートの熱的性質 144 |
7.2.3 コンクリートも高温になると劣化する 145 |
7.2.4 火災を受けるコンクリート構造物に生じる力と変形 146 |
7.2.5 爆裂という破壊現象 147 |
7.2.6 鉄筋コンクリートでは断面積とかぶり厚さが効く 148 |
7.2.7 コンクリート表面にすすが残っていれば被害は小さい 149 |
7.3 鉄骨を断熱材料で被覆する-鉄骨造の耐火性- 150 |
7.3.1 火害を受けた鉄骨部材の変形 150 |
7.3.2 鋼材は400℃以降から急に弱くなる 151 |
7.3.3 梁の熱膨張変形にご用心 152 |
7.3.4 熱応力が消滅する理由 153 |
7.3.5 弱点となる接合部 154 |
7.3.6 柱の弓なり現象 155 |
7.3.7 鉄骨梁の崩壊温度 156 |
7.3.8 鉄骨部材を断熱材で被覆する 157 |
7.3.9 火害を受けた鉄骨造の診断と補修 158 |
7.4 燃えにくい木造とするために-木造建物の防耐火性能- 159 |
7.4.1 実大火災実験よりわかったこと 159 |
7.4.2 木材の着火と炭化速度 160 |
7.4.3 外壁と軒裏を不燃化する 161 |
7.4.4 大断面集成材の燃えしる設計 162 |
7.5 載荷加熱試験で確かめる-構造部材の耐火試験- 163 |
7.5.1 耐火試験方法は国際規格で定められている 163 |
7.5.2 部材単体で評価する 164 |
7.6 耐火設計をやってみよう-耐火設計- 165 |
7.6.1 建物の概要 165 |
7.6.2 柱と梁の崩壊温度 166 |
7.6.3 火災の見積もり 167 |
7.6.4 耐火被覆の決定 168 |
7.6.5 耐火設計の活用例 169 |
参考文献 170 |
索引 173 |