第Ⅰ部 ヒトの基礎 |
1章 生命科学はどのように誕生したか 10 |
1 生命科学の誕生 10 |
2 生物とは何か 10 |
3 地質時代と生物の変遷 12 |
4 生物の系統と系統樹 13 |
5 ヒトの起源と進化 14 |
6 自然科学とは何か 16 |
7 生命科学の発展 17 |
Column |
ウイルスは生物か? 12 |
DNAの塩基の変異はなぜ起こるか? 12 |
ネアンデルタール人のゲノム解析 15 |
進化と苦味受容 16 |
仮説と真理 17 |
2章 細胞からみたヒト 19 |
1 細胞の発見 19 |
2 細胞の大きさと多様性 19 |
3 ヒトの体の階層構造 20 |
4 細胞を構成する分子 21 |
水 |
タンパク質 |
脂質 |
糖 |
核酸 |
5 細胞内の役割分担-細胞内小器官 24 |
核 |
独自のDNAを含む細胞内小器宮 |
小胞輸送系 |
ペルオキシソーム |
細胞骨格 |
6 細胞の増殖 27 |
7 細胞の成り立ち-細胞系譜 27 |
線虫の細胞系譜 |
細胞の死 |
臓器移植と細胞移植 21 |
ミトコンドリア病 26 |
細胞内輸送の異常 27 |
3章 生命の設計図:ゲノム・遺伝子・DNA 30 |
1 遺伝学がたどってきた道 30 |
メンデル遺伝学:形質が次世代に伝わるということ |
ワトソンと夕リックの発見 |
正確な遺伝子複製のしくみ |
2 現代遺伝学 33 |
DNA二重らせん構造の発見以後 |
複製,転写,翻訳-DNA,RNA,タンパク質 |
遺伝子という言葉,ゲノムという概念 |
分断された遺伝子 |
ヒトゲノムの概要 |
3 ゲノムからみた生殖 36 |
父と母-さまざまな性の形態 |
性の起源 |
生殖細胞と減数分裂 |
人工的な遺伝子組換えと遺伝子治療 |
4 個人差と種差 38 |
個人差とゲノム |
種差:チンパンジーとヒトとの違い |
複製と変異の繰り返し:生命の多様性と進化 |
ヒトでみられるメンデルの法則 32 |
ゲノム配列がわかると生物をつくることができるか 35 |
性染色体と遺伝病 36 |
知る権利,知らないでいる権利 39 |
近親婚 40 |
ゲノムと社会生活 41 |
4章 氏も育ちも大切:遺伝子は何を支配するか 43 |
1 遺伝と環境のかかわり 43 |
親と子の似るところ,似ないところ |
疾患へのなりやすさと遺伝子の関係 |
多数の因子が重なる疾患の感受性 |
2 遺伝子のフィードバックによる制御 45 |
ゲノムに書かれた遺伝子の制御のしくみ |
さまざまな種類のフィードバック制御 |
周期性を生み出すフィードバック制御 |
3 ゲノムとエピゲノムの進化 49 |
分断された遺伝子がつくり出す多様性 |
新たな遺伝子が誕生するしくみ |
重複した遺伝子がつくり出す冗長性 |
生まれてから修飾されて変わるゲノム:エピゲノム |
ジャコブとモノーによる遺伝子制御のメカニズムの発見 46 |
毒にも薬にもなる化学物質 48 |
エピゲノムの異常と病気 52 |
DNAを巻きつけるヒストンタンパク質とエピゲノム 53 |
第Ⅱ部 ヒトの生理 |
5章 発生と老化 56 |
1 ヒトの初期胚発生 56 |
2 体の構造の形成-器官形成 56 |
3 細胞分化 59 |
4 動物の発生と進化 61 |
5 成長と老化 62 |
6 生殖細胞 62 |
7 哺乳類の生殖と発生 63 |
8 老化と寿命 64 |
9 クローン動物 64 |
10 幹細胞 64 |
11 再生医療 67 |
ホメオティック遺伝子 60 |
生殖医療 63 |
ヒトの寿命の限界を決めるテロメア 65 |
生物学と再生医療 66 |
6章 脳はどこまでわかったか 70 |
1 ヒトの脳の構造 70 |
2 大脳皮質 70 |
3 神経細胞 72 |
4 神経伝達 74 |
5 記憶と長期増強 75 |
6 脳機能の計測 76 |
fMRI |
PET |
X線CT |
その他の方法 |
7 認知症 77 |
ガルの骨相学 72 |
言語と遺伝子 73 |
うつ病はなぜ起こるのか 75 |
NMDA受容体と記憶力の関係 76 |
植物状態からの脳機能の回復 77 |
頭のよくなる薬? 79 |
7章 がん 81 |
1 がんとは 81 |
2 細胞のがん化 82 |
細胞増殖の抑制の異常 |
細胞増殖の促進の異常 |
3 発がんの要因,がん遺伝子,がん抑制遺伝子 85 |
遺伝子の傷 |
がん遺伝子,がん抑制遺伝子 |
多段階発がんモデル |
4 がんの診断と病理学 87 |
がん細胞であることの判断の基準 |
腫瘍組織 |
がん細胞の不均一性 |
5 がんの進行と転移 89 |
がんの進行 |
がん転移 |
6 がんに対する免疫応答 91 |
アポトーシス 82 |
タバコ 83 |
細胞のシグナル伝達 84 |
ウイルスとがん 85 |
がんの遺伝子診断 87 |
分子標的薬 88 |
がん体質・がん家系 89 |
がんと癌とガンの違い 90 |
たねと土の仮説 97 |
8章 食と健康 93 |
1 食べるとは 93 |
2 消化と吸収 94 |
3 消化管の共生微生物 96 |
4 ヒトの代謝と健康 97 |
代謝酵素とATP |
代謝の基本経路 |
エネルギーのバランス |
エネルギーバランスの乱れ |
メタボリックシンドローム |
なぜ消化器は消化されないか? 94 |
食品中のDNAの行方 95 |
いろいろな発酵と食品 96 |
蓄積するのはなぜ脂肪か? 99 |
倹約遺伝子仮説 100 |
肥満に関する参考指標 101 |
太った脂肪細胞,やせた脂肪細胞 102 |
BSE問題 103 |
9章 感染と免疫 104 |
1 人類と感染症の戦い 104 |
2 微生物と感染 104 |
感染とは |
細菌の感染 |
真菌の感染 |
ウイルスの感染 |
感染から症状発生へ至るしくみ |
3 免疫とは何か 111 |
免疫系の成り立ち |
免疫を担う細胞と組織 |
4 免疫応答のしくみ 113 |
免疫系が感染源の攻撃を感知して応答するしくみ |
体液性免疫と細胞性免疫 |
免疫応答の制御と自己免疫 |
抗生物質 106 |
結核 107 |
ヒトと鳥インフルエンザ 108 |
自己免疫疾患と感染症の間にあるもの 109 |
HIVの生き残り戦略 110 |
抗体 112 |
ヒト白血球抗原(HLA)と拒絶反応 114 |
花粉症 115 |
第Ⅲ部 ヒトと社会 |
10章 生命倫理 118 |
1 生命倫理とは何か 118 |
2 生命倫理成立の背景 118 |
3 生命倫理の原則 119 |
4 臨床研究と倫理委員会 120 |
5 生命倫理と宗教 121 |
6 生命倫理政策と統治形態 122 |
7 人体的自然の商品化 123 |
8 生命倫理と国際条約 124 |
インフォームド・コンセント 119 |
ヘルシンキ宣言 120 |
脳死と臓器移植 121 |
動物実験の意義と倫理原則 122 |
倫理的・法的・社会的問題(ELSI) 122 |
優生学の歴史と現在 123 |
生命科学研究と知的所有権 123 |
スイス憲法と生命倫理 124 |
11章 生命技術と現代社会 126 |
1 遺伝子技術 126 |
遺伝子組換えの歴史と発展 |
アシロマ会議 |
有用物質の生産 |
遺伝子組換え作物 |
遺伝子組換え動物 |
遺伝子診断の光と陰 |
遺伝子治療 |
ヒトゲノム計画 |
ヒトゲノム・遺伝子解析の倫理的課題 |
2 クローン技術と幹細胞技術 134 |
クローン羊 |
ヒトES細胞 |
日本のES細胞指針 |
ヒトクローン胚 |
IPS細胞 |
体性幹細胞 |
日本における遺伝子組換え食品 128 |
出生前診断と着床前診断 130 |
遺伝子組換えの倫理的問題 131 |
バイオバンク 132 |
微量のDNAを増幅させる技術:PCR 132 |
DNA鑑定 133 |
クローン規制法と特定胚指針 135 |
ヒトES細胞・クローン胚に対する各国の規制 136 |
ヒトES細胞捏造事件 137 |
12章 多様な生物との共生 139 |
1 環境への適応 139 |
さまざまな環境要因 |
環境への適応-自然選択の作用 |
2 生物間の相互作用と個体群の動態 140 |
個体群とは |
密度効果と世界の人□増加 |
種間競争とニッチ |
捕食作用 |
寄生と共生 |
3 生物群集と多様な種の共存 143 |
栄養段階と食物連鎖 |
群集を構成する多様な種の共存 |
非平衡共存説を支持する例 |
植生の遷移 |
4 生態系の構造と動態 147 |
食物網 |
生態系のエネルギー流 |
生態系の物質循環 |
5 生物多様性と地球環境の保全 149 |
生態系のバランスと環境保全 |
生息地の分断化と個体群の絶滅リスク |
生物多様性の保全 |
動物の血縁関係と社会性の進化 142 |
分解者としての土壌動物 145 |
熱帯林の保全 146 |
地球温暖化-「不都合な真実」とIPCCによるノーベル平和員受賞 150 |
外来生物 151 |
内分泌撹乱物質 152 |
レッドデータ 153 |
生物多様性国家戦略 153 |
索引 155 |
執筆者一覧 159 |