第1章 構造生物学とは 1 |
第2章 タンパク質構造の成り立ち 4 |
Ⅰ. タンパク質構造の階層性 4 |
Ⅱ. 1次構造 5 |
Ⅲ. 2次構造 6 |
Ⅳ. 3次構造 9 |
Ⅴ. フォールド 14 |
Ⅵ. 4次構造 14 |
第3章 核酸の構造と認識 18 |
Ⅰ. 核酸分子の基礎 18 |
Ⅱ. 核酸の構造生物学はX線繊維回折に始まる 19 |
Ⅲ. 核酸の構成要素の構造 19 |
Ⅳ. 核酸構造の基本となる二重らせん構造 21 |
Ⅴ. 二重らせんの大きな溝にもう1本の核酸の鎖がからみあい三重らせんを形成する 23 |
Ⅵ. 脊椎動物の染色体の末端は四重らせん構造を形成しているかもしれない 24 |
Ⅶ. 塩基の裏返り(flipping)による核酸の認識 25 |
Ⅷ. ジンクフィンガータンパク質はDNAもRNAも認識する 26 |
IX. 左巻きZ-DNAを認識するタンパク質 27 |
X. おわりに 29 |
第4章 構造決定法 30 |
Ⅰ. X線結晶構造解析 30 |
1. はじめに 30 |
2. タンパク質の結晶化 30 |
3. X線回折データの収集 33 |
4. 電子密度の計算 35 |
5. 分子構造モデルの構築および精密化 41 |
6. おわりに 44 |
Ⅱ. NMR 45 |
1. はじめに 45 |
2. パルス―フーリエ変換NMR測定の原理 46 |
3. NMRサンプルの調製 47 |
4. NMR測定とシグナルの帰属 47 |
5. NMRスペクトルと2次構造 58 |
6. 立体構造決定 65 |
7. 構造の評価 66 |
8. おわりに 67 |
第5章 基本的な2次構造をもつタンパク質 69 |
Ⅰ. はじめに 69 |
Ⅱ. 2次構造の組合せによる3種類の基本的な立体構造 69 |
1. α型 70 |
2. β型 75 |
3. α/β型,α+β型 77 |
Ⅲ. 金属結合タンパク質 78 |
Ⅳ. おわりに 80 |
第6章 酵素による基質認識 82 |
Ⅰ. はじめに 82 |
Ⅱ. ブロメライン阻害タンパク質 83 |
1. はじめに 83 |
2. ブロメイン6の特性 83 |
3. ブロメイン6の立体構造 84 |
4. ブロメイン6の酸性/中性域の解離基の解析 85 |
5. ブロメインの遺伝子構造 88 |
6. ブロメイン6の阻害機構 89 |
7. おわりに 91 |
Ⅲ. サーモライシンの基質認識機構 91 |
1. はじめに 91 |
2. サーモライシンとは 92 |
3. ホスホラミドンとの複合体の結晶構造解析 92 |
4. サーモライシン活性部位の構造活性相関 94 |
5. タンパク質性阻害物質SMPIとの複合体の結晶構造解析 97 |
6. まとめと今後の課題 98 |
Ⅳ. リゾチームの触媒機構 98 |
1. リゾチームとは 98 |
2. リゾチームと基質類似体との相互作用部位および触媒基の同定 99 |
3. リゾチームの触媒機構 100 |
4. 基質結合時のリゾチーム分子の内部運動 101 |
第7章 抗体および免疫細胞受容体の構造 104 |
Ⅰ. はじめに 104 |
Ⅱ. 抗体の基本構造 105 |
1. 全体構造 105 |
2. 各ドメインの構造 107 |
Ⅲ. 抗原-抗体相互作用 108 |
1. 抗原―抗体複合体の立体構造 108 |
2. 抗体の特異性を決定する因子 109 |
3. 抗体の親和性成熟 110 |
Ⅳ. 抗体分子の応用と構造解析の役割 112 |
Ⅴ. 免疫系の細胞表面受容体 113 |
1. MHCの構造 113 |
2. T細胞受容体(TCR)の構造 114 |
3. ナチュラルキラー(NK)細胞受容体 116 |
Ⅵ. 立体構造でみる疾病のメカニズム(インフルエンザを例として) 117 |
Ⅶ. おわりに 117 |
第8章 構造生物学と薬 120 |
Ⅰ. 血液凝固と薬 120 |
1. はじめに 120 |
2. 血液凝固反応の構造生物学 121 |
3. トロンビンの基質認識とトロンビン阻害剤 123 |
4. トロンビンは血液凝固を止めるはたらきもしている 127 |
5. へパリン結合コファクターⅡはトロンビンをどのように阻害するか? 128 |
6. 吸血ヒルから得られた抗血液凝固剤 130 |
7. フィブリン網を溶かす薬 131 |
8. おわりに 132 |
Ⅱ. HⅣプロテアーゼ 132 |
1. はじめに 132 |
2. HⅣプロテアーゼの3次元構造とダイナミクス 133 |
3. HⅣブロテアーゼ―阻害剤複合体の3次元構造と分子認識 133 |
4. HⅣプロテアーゼ阻害剤の作用機構 138 |
5. HⅣプロテアーゼ―KNI-529複合体における阻害剤の再配向挙動 139 |
6. おわりに 141 |
第9章 膜タンパク質の構造 143 |
Ⅰ. 膜タンパク質の特徴 143 |
1. 生体膜と膜タンパク質 143 |
2. 膜タンパク質の構造研究 143 |
3. 膜タンパク質の分類 145 |
Ⅱ. 膜タンパク質の構造研究手法とその解析法 146 |
1. はじめに 146 |
2. ハイドロパシー解析 146 |
3. 膜タンパク質の調製と結晶化 147 |
4. X線結晶構造解析以外の構造解析法 147 |
5. より生体膜に近い状態での膜タンパク質の構造解析 148 |
6. 7回膜貫通型タンパク質 148 |
Ⅲ. 光イオンポンプ 150 |
1. はじめに 150 |
2. 光イオンポンプ 150 |
3. 古細菌型ロドプシン:光イオンポンプと光センサー 151 |
4. 古細菌型ロドプシンの構造とフォトサイクル 152 |
5. バクテリオロドプシンのプロトンポンプ機構 154 |
6. 古細菌型ロドプシンの多量体構造 155 |
7. おわりに 156 |
Ⅳ. 呼吸鎖 156 |
1. はじめに 156 |
2. 複合体Ⅰ 157 |
3. 複合体Ⅱ 158 |
4. 複合体Ⅲ 158 |
5. 複合体Ⅲの反応機構 159 |
6. 複合体Ⅳ 161 |
7. 複合体Ⅴ 162 |
Ⅴ. 光合成 162 |
1. はじめに 162 |
2. 明反応と暗反応 162 |
3. 紅色光合成細菌 162 |
4. 青色細菌と植物 164 |
Ⅵ. 細胞接着分子カドヘリン 169 |
1. カドヘリンはカルシウム依存的な同種親和性の細胞間接着に関与する 169 |
2. カドヘリンスーパーファミリー 170 |
3. カドヘリンのドメイン構造 170 |
4. カドヘリンの細胞外ドメインの立体構造 170 |
5. カドヘリンの細胞質ドメインの相互作用 173 |
6. カドヘリンはさまざまなタンパク質と相互作用する 173 |
7. おわりに 174 |
第10章 計算機による構造予測法 176 |
Ⅰ. はじめに 176 |
Ⅱ. 1次構造の相同性 176 |
Ⅲ. 2次構造予測 182 |
1. Chou-Fasman法 182 |
2. GOR法 184 |
Ⅳ. 3次構造予測 186 |
1. 3D-1D法 186 |
2. スレッディング法 189 |
Ⅴ. おわりに 191 |
付録1 Chou-Fasmanにおける2次構造予測の概略 192 |
付録2 GOR法における4つの2次構造に対する指向性寄与スコア 196 |
付録3 3D-1D法における環境クラスに対するアミノ酸残基スコア 198 |
索引 199 |