第1章 人類の繁栄を支えて来たエネルギー |
1.1 無限から有限 1 |
1) 湯水のごとく 1 |
2) 二酸化炭素は何処から何処へ 3 |
2-1) 増加の原因 4 |
2-2) 地球上の二酸化炭素の収支 4 |
3) 気候変動と温暖化と二酸化炭素濃度 6 |
4) 1次エネルギー消費量と温暖化の功罪 7 |
5) マイナス分を最小化する 9 |
6) 火力発電とカルノー効率 9 |
7) 発電効率を1%改善する意味 11 |
7-1) 高温化で効率改善 11 |
7-2) 効率向上は倍返しの効果 12 |
1.2 大量消費のきっかけ 13 |
1) 産業革命前夜の農業革命 13 |
2) エネルギーの大量使用の始まり 14 |
2-1) コークスによる鉄精錬法 14 |
2-2) 蒸気力の利用 14 |
2-3) ワットのクランク機構 15 |
2-4) 大量輸送を可能にした汽車と汽船 16 |
3) 産業革命の拡がり 16 |
3-1) 産業革命の3要素 16 |
3-2) 流通基盤としての鉄道 17 |
4) 日本の産業革命 18 |
1.3 人類の増殖 21 |
1) 石炭から石油へ 21 |
2) 人口とエネルギー・環境との関わり 22 |
3) 人口の爆発的増加と産業革命 23 |
4) 近代工業化以前の日本の人口増加 24 |
4-1) 日本の人口の変遷 24 |
4-2) 近代化以前の人口の上限 25 |
1.4 エネルギーか食料か? 26 |
1) 生きていくに必要なもの26 |
1-1) 1945年夏の光景 26 |
1-2) 油断か食断か 27 |
2) 食糧確保と化学品の高騰の間のドミノ現象 28 |
2-1) 中国を誰が支えるか 28 |
2-2) 肥料とナイロン 29 |
3) バイオエタノールの自動車燃料化 29 |
3-1) ブラジルのエタノール車 29 |
3-2) 米国のエネルギー戦略 30 |
3-3) 日本のバイオエタノール導入策 31 |
4) バイオマス イコール 廃棄物 33 |
5) 食用植物がバイオエネルギーになる 34 |
5-1) バイオエタノールの製造法 34 |
5-2) バイオエタノールの生産量 35 |
6) 食料とエネルギーとの競合 37 |
6-1) 非食材部のエネルギー利用が重要 37 |
6-2) 食品の値上がり 37 |
1.5 自然生態系の食物連鎖 38 |
1) 食物連鎖 38 |
2) 生産者と分解者の共存が生物圏維持の源 39 |
3) 自然系から人工系連鎖への脱出平 40 |
1.6 衣食住プラス燃 41 |
1) 人工系の物質循環と環境負荷 41 |
2) 物質不滅則と炭素分のリサイクル 42 |
3) 鉄のリサイクル 43 |
4) アルミニウムのリサイクル 44 |
5) 衣食住ではなく衣食住燃 44 |
6) 燃との関係の始まり 45 |
6-1) 原人の登場 45 |
6-2) 新人の台頭と拡がり 47 |
6-3) 火への接近 48 |
6-4) 火力と脳力 48 |
1.7 日本が生き延びていくための術 50 |
1) エネルギー自給自足状態で日本の人口保有力 50 |
1-1) 1次エネルギー消費と自給率 50 |
1-2) 国内自給が可能なエネルギー 52 |
2) 食料自給自足状態で日本の人口保有力 53 |
1.8 0.01%の淡水の争奪 53 |
第1章の注釈 55 |
第2章 エネルギーとしての水素 |
2.1 有限なエネルギー資源 63 |
1) 定住化がもたらした最初のエネルギー危機 63 |
2) 人間社会維持には生命維持エネルギーの46倍必要 64 |
3) 石油危機(オイルショック)勃発は予測できた 66 |
3-1) 成長の限界 66 |
3-2) 持てない国の過敏症 68 |
4) 地球を構成する元素 69 |
5) 無限にあって有限な水素 70 |
6) 0次エネルギーと脱炭素化 77 |
7) 作られるクリーンエネルギー“水素” 72 |
8) それ故省エネルギー化の必要な水素製造 73 |
2.2 水素あれこれ 74 |
1) 水素はどこで作られた 74 |
2) 水素はどこに在る 74 |
3) 水素の性質 75 |
3-1) 水素の温暖化効果 75 |
3-2) 液化 76 |
3-3) 水素の化合物 77 |
第2章の注釈 79 |
第3章 水素を造る・貯める・運ぶ |
3.1 化石資源を使うカーボン依存の水素製造 84 |
1) 都市ガス(天然ガス)を原料とした水素製造 84 |
2) 製鉄用コークス炉ガス 86 |
3) メタノールを原料とした水素製造 86 |
4) サーモ・ニュートラルな水素製造 86 |
3.2 バイオマスを使うカーボン・ニュートラルな水素製造 88 |
1) カーボン・ニュートラルの概念 88 |
2) 超臨界水を利用した水素製造技術 90 |
2-1) 超臨界水の特徴 90 |
2-2) 超臨界水によるバイオマスのガス化 91 |
2-3) 油やポリマーのガス化 94 |
3) バイオ水素(発酵、光合成) 96 |
3.3 自然エネルギーを使う脱カーボンの水素製造(創工ネ) 97 |
1) 太陽エネルギーは毎秒420万t降る石油の雨に相当 97 |
2) 0次エネルギーとしての自然エネルギー 97 |
3.4 原子力を使うカーボン・フリーの水素製造(疑1次エネルギー) 100 |
1) 何故原子力なのか 100 |
2) 原子力エネルギーを利用した水素製造方法 101 |
2-1) 海洋ウラン 101 |
2-2) エネルギー輸送媒体としての水素 102 |
3) 核熱の水素への変換 102 |
4) 熱化学反応で水を分解する 103 |
5) 1970年代の熱化学法水素製造の研究 104 |
6) 熱化学水素製造への再挑戦 106 |
3.5 化学反応を利用する水素貯蔵・輸送 107 |
1) 水素を貯蔵する材料 107 |
2) 水素貯蔵用化学物質の候補 109 |
3) ケミカルハイドライドからの水素回収 111 |
3-1) 直列逐次型から並列同時処理型へ 111 |
3-2) “ル・シャトリエ”プロセス 112 |
第3章の注釈 114 |
第4章 進化する膜分離技術 |
4.1 ろ過から膜分離へ 118 |
4.2 膜分離発展の加速 118 |
1) 第1例 ウラン濃縮 119 |
1-1) ウランの分離法 119 |
1-2) 多孔質膜の利用 120 |
2) 第2例 細菌検出と海水の真水化 121 |
3) 非対称構造膜の発明 121 |
4.3 膜分離技術の現状 124 |
1) 海水淡水化(真水化) 125 |
2) 食品工業 127 |
3) 医療・製薬・健康 129 |
4) ソーダ工業 130 |
5) 半導体工業 131 |
6) 化学工業ほか 131 |
4.4 膜技術の展開(無機膜の台頭) 133 |
1) ゼオライト膜 134 |
2) パラジウム膜 134 |
2-1) 天然ガスからの水素製造反応の低温化 136 |
2-2) メンブレンリアクターによる低温水素製造 137 |
3) 多孔質セラミックス膜 138 |
3-1) 微小細孔(メソポーラス)膜 138 |
3-2) 極微小細孔(ミクロポーラス)膜 139 |
4.5 膜技術の進化の方向 141 |
第4章の注釈 141 |
第5章 水素分離と膜技術 |
5.1 水素の分離 145 |
1) 深冷分離法と液化 146 |
1-1) 水素の液化 146 |
1-2) 液化プロセス 147 |
1 -3) 液化水素の商業生産 148 |
2) 吸着分離法 148 |
3) 膜分離法 150 |
5.2 膜による気体分離性能を決めるパラメータ 152 |
5.3 多孔質膜材料 154 |
1) ガラス膜 154 |
2) カーボン膜 157 |
3) ゼオライト 158 |
4) ゾル-ゲル膜 161 |
5) 化学的気相蒸着(CVD) 162 |
6) 陽極酸化アルミナ膜 164 |
5.4 非多孔貿膜材料 165 |
1) 有機高分子膜 165 |
2) イオン伝導膜 166 |
2-1) 固体電解質 166 |
2-2) 混合伝導体 166 |
3) 金属膜 167 |
3-1) 材料 167 |
3-2) 薄膜化 169 |
5.5 気体分離膜の透過特性 174 |
1) 多孔質膜の気体透過 174 |
1-1) メソポーラス膜中の気体透過 176 |
1-2) ミクロポーラス膜中の気体透過 181 |
1-3) 支持体の透過性能 181 |
2) 有機高分子膜中の気体透過 181 |
3) パラジウムなど金属膜中の水素透過 182 |
3-1) 水素透過機構 182 |
3-2) パラジウムの水素溶解度と水素脆性 185 |
3-3) 水素脆化対策 187 |
3-4) 合金膜の水素透過性能 187 |
4) イオン伝導膜 189 |
4-1) 固体電解質 189 |
4-2) 混合イオン伝導膜 189 |
5.6 複合膜の性能 190 |
1) 複合膜化の意義 190 |
2) 多孔質複合膜の透渦性能 190 |
2-1) 気体透過速度式 190 |
2-2) 分離層の透過係数と厚さの影響 193 |
3) パラジウム複合膜 194 |
3-1) 水素透過速度式 195 |
3-2) 水素透過速度への操作圧の影響 195 |
4) セラミックスや金属膜の水素透過性と分離選択性 197 |
第5章の注釈 198 |
第6章 反応分離への膜の挑戦 |
6.1 分離を伴う反応 202 |
1) 分離を促進するための反応 202 |
2) 反応を促進するための分離 202 |
3) 反応と分離との結合 203 |
4) 膜の優位性 203 |
6.2 無機膜が反応を変える 204 |
6.3 水素が関わる化学反応におけるいくつかの課題 205 |
1) 反応平衡による限界 205 |
2) 反応選択性の向上 206 |
3) 反応活性種の生成 206 |
4) 反応物や生成物の精製 206 |
5) 反応熱供給と除去 206 |
6.4 膜の利用方法と効果 207 |
6.5 反応平衡を打破する(生成物分離型) 208 |
1) 反応平衡と平衡転化率 208 |
2) 反応平衡と既存の反応プロセス 211 |
3) 既存の反応プロセスとメンブレンリアクター利用プロセス 212 |
4) 実際の反応での水素分離効果 213 |
4-1) 単純な脱水素反応(シクロヘキサン脱水素) 213 |
4-2) 生成物阻害の強い脱水素反応(エチルベンゼン脱水素) 213 |
4-3) 反応開始剤として水素が関わる反応(n-ヘキサン改質反応) 214 |
4-4) 水蒸気改質による水素製造反応(メタノール、メタン) 215 |
4-5) 水素化物の分解反応 216 |
6.6 水素分離型メンブレンリアクターのモデル化と性能 217 |
1) 分離駆動力と反応操作法 217 |
1-1) 並流・向流操作による生成物の単純分離(スイープ法) 217 |
1-2) 加圧・減圧・真空法 218 |
1-3) 電圧印加法 218 |
2) 評価法 219 |
3) 並流、向流型および加圧・減圧・真空型メンブレンリアクターの比較 220 |
3-1) シミュレーションによる比較 220 |
3-2) 限界転化率 222 |
3-3) 試験結果の比較 224 |
4) 反応性スイープガスを用いた並流型メンブレンリアクター 225 |
5) 分離膜の選択性と膜反応器性能 227 |
5-1) 実用化が近づくメンブレンリアクター 227 |
5-2) 膜性能と反応成績 228 |
6.7 水素回収率向上のための反応操作条件 231 |
1) 反応温度 232 |
2) 限界水素回収率 232 |
3) 予備反応層 234 |
6.8 今後への期待 236 |
第6章の注釈 237 |
第7章 触媒膜反応への挑戦 |
7.1 触媒膜材料 241 |
1) パラジウムおよびその合金 242 |
2) 銀 243 |
3) 固体電解質 244 |
3-1) 酸素イオン伝導体 244 |
3-2) 水素イオン伝導体 245 |
4) リン酸(プロトン伝導体) 246 |
5) 混合伝導体 247 |
6) ゼオライト膜 248 |
6-1) 反応物規制による選択性 248 |
6-2) 生成物規制による選択性 250 |
6-3) 遷移状態規制による選択性 250 |
7) 触媒担持多孔質膜 250 |
7.2 触媒膜を利用した反応 252 |
1) パラジウム系膜による脱水素や水素化反応 252 |
1-1) 脱水素反応 252 |
1-2) 水素化反応 253 |
1-3) 2つの反応のカップリング 256 |
2) 銀膜による酸化反応 259 |
3) イオン伝導体による諸反応 260 |
3-1) 炭化水素の熱分解等 260 |
3-2) 水蒸気、二酸化炭素分解 260 |
3-3) 酸化脱水素反応 262 |
3-4) 部分酸化反応 263 |
3-5) メタンの二量化 264 |
3-6) メタンの部分酸化 264 |
4) ゼオライト膜による脱水と形状選択反応 265 |
5) 触媒担持多孔質膜による反応の高選択化 268 |
5-1) バナジウム担持多孔質アルミナ(対向流型) 268 |
5-2) ヘテロポリ固定化(生成物分離型) 270 |
5-3) ポリアクリル酸担持多孔質膜(ポア・スルー型) 277 |
6) 特殊な触媒膜反応(還元的酸化反応) 273 |
6-1) 現行のフェノール合成 273 |
6-2) ベンゼン直接酸化の原理の実証 276 |
6-3) 反応試験 276 |
7.3 触媒膜反応の設計 280 |
1) 触媒膜反応の決定因子 280 |
2) 触媒膜中の反応領域 281 |
7.4 触媒膜反応の課題と将来 283 |
第7章の注釈 284 |
巻末表 286 |
引用文献 292 |
索引 294 |