推薦のことば 弁護士弁理士 山上和則 |
はじめに |
改訂2版の発行にあたって |
改訂3版の発行にあたって |
第1章 発明の把握と発掘 1 |
1. 発明とは 3 |
(1) 発明の定義 3 |
(2) 反復可能性について 3 |
(3) 「天然物」と「情報」 4 |
a) 「天然物」と発明との関係 4 |
b) 「情報」と発明との関係 6 |
(4) 「技術」と「技術的思想」 8 |
2. 発明の類型 9 |
(1) 3つのカテゴリー 9 |
(2) 発明の類型と実施行為 10 |
(3) 発明の類型と利害得失 10 |
a) 「物の発明」と「方法の発明」との対比 10 |
b) 「単純方法の発明」と「物を生産する方法の発明」との対比 13 |
3. 発明の発掘 21 |
(1) 発明の発掘について 21 |
(2) 発明を把握する方法 21 |
(3) 発明把握の視点と学問的視点の違い 22 |
第2章 クレームの作成 23 |
1. クレームの表現 25 |
(1) 物の総括的表現 25 |
a) 一般式による特定 25 |
b) 包括的な特定表現 25 |
(2) 選択肢の表現 26 |
a) マーカッシュ形式(Markush) 26 |
b) 択一的表現 27 |
c) 及び/又は 28 |
d) 「及び」と「並びに」、「又は」と「若しくは」の違い 29 |
(3) 「からなる」、「含む」、「有する」 29 |
(4) ジェプソン形式 34 |
(5) 「特徴とする」形式 35 |
(6) プロダクト・バイ・プロセス・クレーム 36 |
2. 独立項と引用項 38 |
(1) 独立形式請求項 38 |
(2) 引用形式請求項 38 |
a) 引用の表現 38 |
b) 引用形式請求項の態様 38 |
c) 引用形式請求項における留意点 43 |
3. 発明の単一性 44 |
(1) 発明の単一性とは 44 |
a) 特許法第37条 44 |
b) 実務上の留意点 46 |
(2) 単一性の類型 51 |
a) 基本的な判断類型 51 |
b) 特定の関係にある場合の判断類型 52 |
4. 化学バイオ発明の特定 58 |
(1) 化学物質の一般的特定手段 58 |
a) 化合物名または化学構造式による特定 58 |
b) 物の有する作用、機能、性質又は特性による特定 59 |
c) 製造方法による特定 62 |
(2) 各種物質に特有な特定手段 63 |
a) 高分子物質の特定 63 |
b) 酵素の特定 64 |
c) 遺伝子の特定 64 |
d) 組換えタンパク質の特定 68 |
e) モノクローナル抗体の特定 69 |
f) 微生物の特定 69 |
(3) 製法の特定手段 71 |
a) 製法の表現 71 |
b) 製法記載時の留意事項 73 |
第3章 明細書の作成 75 |
1. 明細書の構成 77 |
a) 発明の名称 77 |
b) 技術分野 78 |
c) 背景技術 78 |
d) 発明が解決しようとする課題 80 |
e) 課題を解決するための手段 80 |
f) 背景技術、課題、解決手段の相互関係 81 |
2. 発明の効果の記載 84 |
(1) 発明の効果の記載と問題点 84 |
(2) 侵害訴訟における「発明の効果」の扱い 86 |
(3) 作用メカニズムについて 89 |
3. 発明を実施するための最良の形態の記載 91 |
(1) クレーム発明の説明 91 |
a) 全ての構成要件の説明 91 |
b) 構成要件の組み合わせの説明 91 |
c) 絶対量と相対量の記載 92 |
d) 実施可能要件からみた記載 93 |
e) 記載要件からみた記載 94 |
f) EPのプラクティスを考慮した記載 95 |
(2) 用語の説明 96 |
a) クレーム用語の段階的記載 96 |
b) 用語の定義 98 |
c) 用語の実施態様に関する多面的記載 107 |
d) 用語の解釈と他の出願との関係 108 |
e) 用語の解釈と優先権の基礎出願 110 |
f) 用語としての商標の問題 111 |
(3) 文章の表現 112 |
(4) 数値範囲とその選定理由 114 |
a) 数値範囲の多段的記載 114 |
b) 選定理由の記載方法 114 |
c) 積極的理由と消極的理由の利害得失 116 |
d) 選定理由の権利解釈への影響 119 |
(5) 各種発明における具体的留意事項 121 |
a) 化学物質の発明 121 |
b) 組成物の発明 122 |
c) 製造方法の発明 124 |
d) 医薬の発明 125 |
e) バイオ関連発明に特異的な記載事項 125 |
4. 実施例の記載 127 |
a) 実施例の記載の必要性 127 |
b) 実施例の記載程度 127 |
c) 実施例の記載方法と留意点 130 |
d) ペーパーイグザンプル(paper example)について 133 |
e) 比較例を記載する際の問題点 134 |
f) 併合明細書作成時の留意点 139 |
5. 明細書の作成と誤記の問題 140 |
6. 優先権からみた留意点 143 |
a) 優先権とは 143 |
b) 優先権の有効性の判断基準と各種留意点 144 |
c) 部分優先と複合優先 149 |
d) 優先権に関するEPの運用 151 |
e) 優先権を考慮した明細書の作成方法 152 |
第4章 特許要件(その1) 155 |
1. 発明の完成と発明未完成 158 |
2. 産業上の利用可能性(有用性) 160 |
(1) 産業上の利用可能性とは 160 |
a) 日本における産業上の利用可能性 160 |
b) 米国特許庁/欧州特許庁での運用 161 |
(2) 治療方法、診断方法の発明 163 |
a) 一般的原則 163 |
b) 各種の医療関連発明について 165 |
c) 医療行為発明に関する問題点 171 |
(3) バイオ関連発明について 172 |
3. クレームの記載に関する要件 174 |
(1) 記載要件(特許法第36条6項1号) 174 |
a) 「表現上の整合性」と「実質的な対応関係」 174 |
b) 記載要件の違反例 175 |
c) 判決例 178 |
d) 米国での記載要件との対比 182 |
(2) 明確性要件(特許法第36条6項2号) 184 |
a) 明確性要件の違反例 184 |
b) 明確性の要件と用語の定義 192 |
c) 明確性要件と権利範囲の明確性 192 |
(3) その他の要件(特許法第36条6項3号、4号) 194 |
4. 明細書の記載に関する要件 195 |
(1) 実施可能要件(特許法第36条4項1号) 195 |
(2) 実施をすることができない範囲 197 |
(3) 「how to make」の要件 200 |
a) 一般的留意点 200 |
b) バイオ分野における「how to make」の要件 207 |
(4) 「how to use」の要件 209 |
a) 一般的留意点 209 |
b) バイオ分野における「how to use」の要件 211 |
c) 医薬の発明における留意点 215 |
(5) 「当業者に期待しうる程度を超える試行錯誤や複雑高度な実験等」について 219 |
(6) 実施可能要件を考慮した明細書作成時の留意点 224 |
(7) 発明未完成との関係 226 |
第5章 特許要件(その2) 229 |
1. 新規性 231 |
(1) 新規性の判断手法 231 |
a) 新規性とは 231 |
b) 「請求項に係る発明」の認定方法 231 |
c) 引用発明の認定方法 233 |
d) 対比判断 245 |
(2) 新規性判断におけるポイント 252 |
(3) 選択発明について 253 |
2. 進歩性 258 |
(1) 進歩性の基本的な考え方 258 |
a) 進歩性の判断基準 258 |
b) 動機付け 259 |
c) 引用発明 266 |
d) 構成の類似とプロセスの容易 268 |
(2) 進歩性判断の一般的なフロー 269 |
a) 論理づけの手順・考え方 269 |
b) 論理づけの否定に役立つファクター 273 |
c) 請求項の構成要件に基づいた進歩性の主張 276 |
(3) 判決例 278 |
a) 容易推考な構成 278 |
b) 「合理的な成功の期待」と「強い動機づけ」 281 |
c) 取得プロセスの容易性 286 |
d) 阻害要因 290 |
e) 発明の効果 303 |
f) 契機となる記載 317 |
g) パラメータと動機づけ 318 |
(4) 数値限定発明における進歩性 319 |
a) 進歩性からみた3つの分類 319 |
b) 各タイプの進歩性 320 |
(5) 進歩性判断の現状 333 |
(6) 明細書作成時の留意点 336 |
3. 先願範囲の拡大 338 |
(1) 同一性の判断 338 |
(2) 判決例 339 |
a) 先願の発明未完成 339 |
b) 一般的、抽象的な開示と公知技術の参酌 341 |
c) 先願の数値範囲に包含される数値限定発明 342 |
(3) 特許法第29条の2の規定と出願戦略 344 |
4. 不特許事由 345 |
第6章 化学バイオに特有な発明 347 |
1. プロダクト・バイ・プロセス・クレーム 349 |
(1) プロダクト・バイ・プロセス・クレームの表現 349 |
(2) 権利解釈における問題点 350 |
(3) 米国およびドイツ国の判例 355 |
(4) 明細書作成時の留意点 357 |
2. 変化する発明 360 |
(1) 組成物発明における変化 360 |
a) クレームが製品組成として表現される場合 361 |
b) クレームが原料組成として表現される場合 363 |
(2) その他の各種変化 365 |
(3) 各種変化に関連する判例 367 |
a) 成分同士の反応による変化 367 |
b) 水溶液中の解離による変化 368 |
c) 製造工程中の変化 369 |
d) 製造後の変化 370 |
e) 使用による変化 371 |
(4) 明細書作成時の留意点 372 |
3. 用途発明 373 |
(1) 用途発明とは 373 |
(2) 用途限定の一般的な考え方 373 |
(3) 審査基準に記載の例 377 |
(4) 審査基準の例に関する補足 379 |
(5) 表現形式 381 |
(6) 医薬の発明 386 |
(7) 用途特許の効力 393 |
4. 数値限定発明 395 |
(1) 数値範囲の記載に関する留意点 395 |
a) 留意すべき用語 395 |
b) 不明瞭な記載 397 |
(2) 測定法および測定条件の記載に関する留意点 398 |
a) 測定法の記載 398 |
b) 測定条件の明確化と特定化 404 |
c) 数値限定と有効数字 405 |
(3) 数値限定発明における数値範囲のクレーム解釈 407 |
a) 数値範囲と誤差 407 |
b) 数値範囲と均等論 409 |
5. パラメータ発明 414 |
(1) パラメータ発明とは 414 |
(2) パラメータの選択 418 |
(3) パラメータ発明と明確性の要件/実施可能要件 419 |
a) 明確性の要件(特許法第36条6項2号) 419 |
b) 実施可能要件(特許法第36条4項1号) 423 |
c) パラメータの測定方法と測定条件 425 |
(4) パラメータ発明の実施例/比較例 428 |
a) パラメータを満たす実施例の記載 428 |
b) 比較例の記載 430 |
(5) 追試実験について 431 |
a) 追試実験の必要性 431 |
b) 追試実験における留意点 432 |
c) 実験成績証明書における生データの提出の必要性 435 |
第7章 バイオ関連発明の留意点 437 |
1. 遺伝子発明について 439 |
(1) ケースの概略 439 |
(2) 三極比較研究結果の要点 441 |
a) 有用性について 441 |
b) 実施可能要件について 443 |
c) 進歩性について 444 |
d) 総合的な結論 448 |
(3) 明細書の作成時の留意点 449 |
a) 産業上の利用可能性(有用性)、実施可能要件の点から 449 |
b) 進歩性の点から 453 |
2. 「リーチ・スルー」クレームについて 457 |
(1) 受容体の発明 457 |
(2) スクリーニング方法の発明 458 |
(3) スクリーニング方法により同定されたアゴニストの発明 459 |
(4) アゴニストの使用、治療方法、組成物の発明 460 |
(5) モノクローナル抗体の発明 461 |
3. 蛋白質の3次元構造関連クレームについて 462 |
(1) 3次元構造のデータ 462 |
(2) 新規な三次元構造により規定された公知タンパク質 463 |
(3) 公知タンパク質の新規な結晶 463 |
(4) 公知タンパク質の新規結合ポケットを含む単離精製分子 464 |
(5) 公知タンパク質の新規ドメインからなる単離精製ポリペプチド 465 |
(6) in silicoスクリーニング方法 465 |
(7) スクリーニング方法により同定された化合物 467 |
(8) ファーマコフォアで定義された化合物 467 |
第8章 出願戦略を考える 469 |
1. 侵害態様の点から 471 |
a) 文言侵害 471 |
b) 均等侵害 472 |
c) 間接侵害 474 |
2. 権利保護の点から 476 |
(1) 「明細書は権利書である」という視点から 476 |
a) 広い権利の取得 476 |
b) 訴訟に強い明細書 482 |
(2) 「発明の本質」を把握するという視点から 486 |
(3) 「審査、審判での応答を予測する」という視点から 490 |
(4) 「自社商品の権利保護」という視点から 490 |
(5) 「ライセンス、損害賠償など」と言う視点から 496 |
3. 学会発表の点から 497 |
(1) 学会等での発表と特許出願の関係 497 |
(2) 「新規性喪失の例外規定」の留意点 498 |
(3) 実務上の指針 500 |
4. 国内優先権主張出願又は外国出願と論文発表との関係 500 |
(1) 出願前、出願後にも論文発表がない場合 500 |
(2) 論文発表が出願前にある場合 502 |
(3) 論文発表が出願後にある場合 503 |
(4) 実務上の指針 504 |
5. 研究と出願戦略 505 |
(1) 各種要因を考慮した出願戦略 505 |
(2) 基本特許と周辺特許 507 |
第9章 明細書のチェックポイント 509 |
1. 実体的なチェックポイント 511 |
(1) クレームのチェック 511 |
(2) 明細書(一般説明)のチェック 511 |
(3) 明細書(実施例・比較例)のチェック 512 |
(4) 図面、表などのチェック 513 |
2. 形式的なチェックポイント 513 |
事項索引 514 |
判例索引 518 |