はじめに:なぜこの本を書いたか 4 |
第1部 生命とは何だろうか―彼を知る |
第1章 壮大な自然を眺望する─時間・サイズそして領域 12 |
・物質界の大域構造―人知はマダラ |
・時間の奥行き―“ビッグバン”に発する歴史的背景 |
・空間の拡がり―壮大な重層構造 |
・コラム1 生命の理解の仕方―要素還元論と全体論 |
・理解の領域性―自然はシームレスだが、知識はマダラ |
・「サイエンスの統合」しか道がない―シュレーディンガーの先見 |
・自然を眺望する―サイエンスグッズ「時空計算尺」 |
第2章 生命はなぜ不思議か─物質界の特区 33 |
・生命科学―その歴史から考える |
・生物は物質の特殊な状態―生気論は拒否 |
・物質?―でも、不思議だ |
・なぜ、不思議に見えるか―半端でない歴史性 |
・コラム2 生命の半端でない歴史性 |
・微小・繊細な構造―エンジニアリングでの微小化の極 |
・多岐・多様な種類―変化に適応できる者が生き延びる |
・生命のどこが特殊か―“分子の部品化”と“種の多様化” |
・遼遠な前途への第一歩―物理学者のチャレンジ |
・生物のなかで人間はどこが特別か―記録と教育 |
第3章 物質と生命の違い─情報と秩序の観点から─ 53 |
・秩序の“周期性”と“無周期性”―シュレーディンガーの洞察 |
・ゲノムの“意図”について―結果として生じた“意図せざる意図” |
・暗号文書の三つの顔―DNAの物理・化学・生物 |
・遺伝情報の流れは二つ―時間・空間への展開 |
・情報が生き延びるのだ―生物個体は仮の住まい |
・細かい描写は省略した―木より森を見る |
・生命を包含するエンジニアリング―ウェットウェアという概念 |
・オミック”スペース―生命を総合表現する空間 |
・生命情報の特徴―“絶対的な情報”と“相対的な情報” |
・ゲノム情報はどのようにして書かれたか?―人間の言語からの類推 |
・複雑のなかの単純―生物も? |
・多様性とその由来―変化に適応できる者が生き残るのだ! |
コラム3 変化に適応できる者 |
・生命の起源を想像する―「宇宙でたった一回」ではない |
第4章 人工機械と生命機械─比喩と解析 89 |
・“機械システム”をどう理解するか?―宇宙人のたとえで |
・人工機械と生命機械の違いは?―微小化は示唆する |
・人エナノエ学―エンジニアリングの新局面 |
・生命のロマンはどこへ?―歯ごたえのある美しさ |
・生命探究の「究極の目標」はなにか?―地球で生きつづける戦略の解明 |
第5章 設計書を開く─生命戦略の解明に向けて 109 |
・一九八〇年代初頭の高速自動解析の発想―人類の知の探究のシンボルに |
・私の興味―DNA二重らせんの構造安定性と遺伝情報の相関 |
・二十一世紀を予見する―遺伝情報の大量解析時代 |
・なぜ物理計測か―数理解析には電気信号が必要 |
・DNAファクトリー構想―独創的な技術開発戦略を積極的に展開しよう |
・いろいろあった低次元の反対―つぎの機会の反省の材料として |
・理研ゲノムセンターの設立―発端と経緯 |
・ライフサイエンスの変革―GSCの設立理念 |
・将来に向けての批判を歓迎する―批判なきところに進歩なし |
・ある経済学者の評価―日本のゲノム勝利 |
第2部 科学者の発想─己を知る |
第6章 探究⇒理解・納得─知のらせん階段 138 |
・独創へのステップ―モデル構築⇔実証 |
・サイエンスは厳しく制限された知である―無矛盾な形式知 |
・これだ!と思える“?”を見つける―想像は知識より大切 |
・“新しい知”の“真偽”はどうたしかめるか―観測事実が審判する |
・“なにがわからないか”を考える―解決できる問題を探せ |
・大河ドラマのストーリー性を―研究者の美意識に訴えよう |
・どのように探るか?―浅く広くか、狭く深くか |
・研究には二つの型がある―それらの融合が大切だ |
・寓話“落とした鍵を探す”―他人のしないことをしよう |
第7章 アイディアの湧出と紆余曲折─議論から理解へ 157 |
・アイディアはどんなときに湧く?―知識の探索レーダーを長距離レンジに |
・思い込みの効用―アイディアの強引なひねり出し |
・“のめり込み”が差をつける―アクの強さに欠ける日本人研究者 |
・知識・智恵・こころの相互刺激を―“アイディア”&“インセンティブ”空間 |
・勉強のコツはあるか?―知識・智恵の連係プレーを楽しめ |
・智恵者の頭の回転―「部分課題⇔部分解答」の切り出し |
・サイエンスの楽しみ―謎解き、自然の美、優れた人々 |
・好奇心―研究欲・モデル構築欲・システム構築欲に結びつけよう |
・探究心の高揚を!―気が乗れば実力以上のことができる |
・“サロン的雰囲気”で知の触発を―会話・議論・喧嘩そして理解・信頼 |
・学問の議論に遠慮は無用、感情は無益―ある爽やかな歴史のひとこま |
・“前向き”と“後向き”―得なタイプと損なタイプ |
・○○型人間―「天動説型」&「地動説型」ほか |
・永遠の課題“わからせる”―独りよがりの専門用語の乱用は不毛 |
・“拡大・縮小ゲーム”で臨場感を―実感できる身近なものへの比愉 |
.“サイエンスがわかっている”とは?―先を見通せること |
第8章 岐路と判断―科学者であることの醍醐味― 202 |
・サイエンスにおける“越境”のすすめ―同業者のいない沃野にいこう |
・生命と物質の国境を越えて―頭脳集団の醸し出す雰囲気に出会えた |
・生物物理における“物理度”―物理学の原理・法則への依存度 |
・“あたり前”と思い込む効用―自信をもて、ただし謙虚に |
・“あたり前”と思ってはいけない―その裏にある課題を掘りおこそう |
・発想の転換―先入観を捨てると世界が開ける |
・先入観にとらわれた大学者たち―彼らとて人間だ |
・領域横断研究の悩み―脳には限界がある |
・基礎・応用という分類は建設的でない―自分から学問の発展に首かせをはめるな |
・技術は基礎科学の基礎―泥臭い応用から美しい学理が生まれた例は少なくない |
・理系と文系、どこが違う?―形式知化への意欲か? |
・研究者の世代交代―次世代が現世代を越えなければ、ジリ貧になる |
第9章 元気を出そう─日本人は科学者・技術者になる資質をもっている─ 234 |
・日本は世界の三極の一極―光り輝いている |
・ペリー提督の慧眼―日本人は世界にも稀な人たちだ |
・三〇年前の「ネイチャー」の賞賛―日本は西欧より先をいっている |
・その源流―江戸時代のすばらしい教育システム |
・円周率と日本-日本人本来の創造力 |
・ある“進取”の精神―生きた機械“長州ファイブ” |
・反省もしなければ―ベルッの批判「日本人はサイエンスを誤解している」 |
・「判断」と「勇気」―戦史に学ぶ |
・リーダーシップ―安心してついていける人 |
・大志を抱いて研究を!―人間としてするべきことを成し遂げるために |
おわりに 260 |
付録1 ゲノム科学総合研究センター(GSC)設立まで─「和田昭允日記」抜粋 283 |
付録2 わが国で革新的な研究をするときの問題点─小柴カミオカンデと和田DNAの比較 269 |
はじめに : なぜこの本を書いたか 4 |
第1部 生命とは何だろうか―彼を知る |
第1章 壮大な自然を眺望する─時間・サイズそして領域 12 |
・物質界の大域構造―人知はマダラ |
・時間の奥行き―“ビッグバン”に発する歴史的背景 |
・空間の拡がり―壮大な重層構造 |