第Ⅰ部 序論 |
1.細胞とは何か? 3~22 |
1.1 序論 3 |
1.2 生命は自己複製のできる構造体として始まった 5 |
1.3 原核細胞は単一の区画からなる 6 |
1.4 原核生物は多岐にわたる条件下での生存に適応している 7 |
1.5 真核細胞には膜で仕切られた区画が数多く存在する 7 |
1.6 膜によって細胞質の各区画では異なる環境が保たれている 8 |
1.7 核は遺伝物質を含有し核膜に囲まれている 9 |
1.8 細胞は細胞膜によってホメオスタシスを維持している 10 |
1.9 細胞の中の細胞:エンベローブに区切られている細胞小器官は内共生によって生じた可能性がある 12 |
1.10 DNAは細胞の遺伝物質であるが,他の形態の遺伝情報も存在する 13 |
1.11 細胞はDNAの損傷を修復する機構を必要とする 14 |
1.12 ミトコンドリアはエネルギー工場である 14 |
1.13 葉緑体は植物細胞に動力を供給する 15 |
1.14 細胞小器官はタンパク質の特異的な局在化機構を必要とする 15 |
1.15 タンパク質は膜に輸送される場合も,膜を通って輸送される場合もある 16 |
1.16 タンパク質はタンパク質輸送により小胞体およびゴルジ体を通って輸送される 17 |
1.17 タンパク質のフォールディングとアンフォールディングはすべての細胞でみられる欠くことのできない特徴である 18 |
1.18 細胞骨格が真核細胞の形を決めている 18 |
1.19 細胞構造体の局在化は重要である 20 |
1.20 シグナル伝達経路は所定の応答を遂行する 20 |
1.21 すべての生物に成長し,分裂を行う細胞が存在する 21 |
1.22 分化により最終分化細胞を含む特殊化した細胞型が形成される 22 |
第Ⅱ部 膜と輸送 |
2.イオンと低分子の膜透過輸送 25~74 |
2.1 序論 25 |
2.2 膜輸送を行うおもなタンパク質にはチャネルとキャリアーがある 26 |
2.3 チャネルを介したイオン透過は水和の影響を受ける 28 |
2.4 膜電位は膜を介したイオンの電気化学勾配によってつくられる 28 |
2.5 K+チャネルは選択的で速やかなイオンの透過を駆動する 30 |
2.5 K+チャネルのゲート開閉は,さまざまな活性化/不活性化機構で制御される 33 |
2.7 電位依存性Na+チャネルは膜の脱分極によって活性化され,電気シグナルを伝える 35 |
2.8 上皮性Na+チャネルはNa+の恒常性を調節する 37 |
2.9 細胞膜のCa2+チャネルはさまざまな細胞機能を活性化する 39 |
2.10 C1-チャネルは多様な生体機能にかかわる 41 |
2.11 アクアポリンは水を選択的に膜透過する 43 |
2.12 活動電位は数種のイオンチャネルに依存した電気シグナルである 45 |
2.13 心筋や骨格筋の収縮は興奮収縮関連によってひき起こされる 47 |
2.14 一部のグルコース輸送体は単輸送体である 49 |
2.15 共輸送体と対向輸送体は共役輸送を行う 50 |
2.16 膜を介したNa+の電気化学勾配は多くの輸送体の機能に必須である 52 |
2.17 一部のNa+輸送体は細胞内外のpHを調節する 55 |
2.18 Ca2+-ATPaseはCa2+を細胞内の貯留部位に輸送する 57 |
2.19 Na+/K+-ATPaseは細胞膜を介したNa+とK+の濃度勾配を維持する 59 |
2.20 F1F0-ATPaseはH+輸送と共役してATPの合成や加水分解を行う 61 |
2.21 V-ATPaseは細胞質からH+を汲み出す 62 |
2.22 次なる問題は? 64 |
2.23 要約 64 |
2.24 補遺:ネルンストの式の誘導と応用 65 |
2.25 補遺:ほとんどのK+チャネルは整流性をもつ 66 |
2.26 補遺:嚢胞性繊維症は陰イオンチャネルの変異によってひき起こされる 67 |
3.タンパク質の膜透過と局在化 75~120 |
3.1 序論 75 |
3.2 タンパク質は小胞体膜を透過することによって分泌経路へと入る(概要) 77 |
3.3 タンパク質はシグナル配列によって小胞体に標的化ざれ膜透過する 79 |
3.4 シグナル配列はシグナル認識粒子によって認識される 80 |
3.5 シグナル認識粒子とその受容体との相互作用によってタンパク質は小胞体膜と結合する 80 |
3.6 膜透過装置はタンパク質を透過させる親水性のチャネルである 82 |
3.7 ほとんどの真核生物の分泌タンパク質と膜タンパク質の翻訳は膜透過と共役している 84 |
3.8 いくつかのタンパク質の標的化と膜透過は翻訳後に行われる 86 |
3.9 ATP加水分解が膜透過を駆動する 87 |
3.10 膜貫通タンパク質は膜透過チャネルから脂質二重層へ排出される 88 |
3.11 膜貫通タンパク質の配向は膜へ組込まれながら決定される 90 |
3.12 シグナル配列はシグナルペプチダーゼによって除去される 92 |
3.13 いくつかの膜透過されたタンパク質にはGPI脂質が付加される 93 |
3.14 膜透過中の多くのタンパク質には糖が付加される 94 |
3.15 シャペロンは新たに膜透過されたタンパク質の折りたたみを助ける 95 |
3.16 タンパク質ジスルフィド異性化酵素はタンパク質折りたたみの過程で正しいジスルフィド結合を形成させる 96 |
3.17 カルネキシン/カルレティキュリンによるシャペロン系は糖鎖による修飾を認識する 98 |
3.18 タンパク質の複合体形成は監視されている 98 |
3.19 小胞体内で最終的に誤って折りたたまれたタンパク質は,分解されるために細胞質ゾルに戻される 99 |
3.20 小胞体と核の間の情報伝達が小胞体内腔の折りたたまれていないタンパク質の蓄積を阻害する 101 |
3.21 小胞体は細胞の主要リン脂質を合成する 103 |
3.22 脂質は小胞体から他の細胞小器官の膜に移されなければならない 104 |
3.23 膜の二つの層は多くの場合脂質組成が異なる 105 |
3.24 小胞体は形態的にも機能的にも細かく分けられる 105 |
3.25 小胞体はダイナミックな細胞小器官である 107 |
3.26 シグナル配列は,他の細胞小器官への標的化にも利用される 109 |
3.27 ミトコンドリアヘの膜透過は,外膜でのシグナル配列の認識から始まる 110 |
3.28 ミトコンドリアタンパク質の膜透過に外膜と内膜の複合体が協力する 110 |
3.29 葉緑体に取込まれるタンパク質も二つの膜を横切らなければならない 112 |
3.30 ペルオキシソームヘはタンパク質が折りたたまれてから膜透過する 113 |
3.31 次なる問題は? 114 |
3.32 要約 114 |
4.タンパク質の膜交通 121~162 |
4.1 序論 121 |
4.2 エキソサイトーシス経路の概要 124 |
4.3 エンドサイトーシス経路の概要 126 |
4.4 小胞輸送の基本概念 129 |
4.5 タンパク質輸送におけるシグナル選別とバルク移動の概念 131 |
4.6 COPⅡ被覆小胞は小胞体からゴルジ体への輸送に働く 132 |
4.7 小胞体からもれ出た小胞体タンパク質は回収される 134 |
4.8 COPⅠ被覆小胞はゴルジ体から小胞体への逆行輸送に働く 135 |
4.9 ゴルジ体層板内の順行輸送には二つのモデルがある 136 |
4.10 ゴルジ体でのタンパク質の残留は膜貫通領域によって決定される 137 |
4.11 Rab GTPaseと繋留タンパク質が小胞の標的化を制御する 138 |
4.12 SNAREタンパク質は小胞と標的膜の融合に働いている 140 |
4.13 クラスリン被覆小胞が介在するエンドサイトーシス 142 |
4.14 アダプター複合体はクラスリンと膜貫通積荷タンパク質を結びつける 146 |
4.15 受容体には,初期エンドソームからリサイクルするもの,リソソームで分解されるものがある 147 |
4.16 初期エンドソームは成熟によって後期エンドソームとリソソームになる 150 |
4.17 リソソームタンパク質の選別はトランスゴルジ網で起こる 151 |
4.18 極性上皮細胞は頂端部と側底部の細胞膜にタンパク質を選別輸送する 153 |
4.19 分泌のためにタンパク質を貯蔵する細胞がある 155 |
4.20 次なる問題は? 156 |
4.21 要約 156 |
第Ⅲ部 核 |
5.核の構造と輸送 165~203 |
5.1 序論 165 |
5.2 核の外観は細胞の種類や生物種によって異なる 167 |
5.3 染色体はそれぞれ別の領域を占める 168 |
5.4 核は膜に囲まれない小区画をもつ 169 |
5.5 反応によっては別々の核内領域で起こるものもあり,基盤構造を反映しているかもしれない 170 |
5.6 核は核膜によって取囲まれている 172 |
5.7 核ラミナは核膜の基盤となる 173 |
5.8 大きな分子は核と細胞質間を能動的に輸送される 174 |
5.9 核膜孔複合体は対称的構造の通路である 175 |
5.10 核膜孔複合体は,ヌクレオポリンとよぶタンパク質でできている 177 |
5.11 タンパク質は核膜孔を通して選択的に核内に輸送される 179 |
5.12 核局在化配列によってタンパク質は核内に移行する 180 |
5.13 細胞質に存在する核局在化シグナル受容体が核タンパク質輸送を担う 181 |
5.14 タンパク質の核外輸送も受容体によって担われる 182 |
5.15 Ran GTPaseは核輸送の方向性を制御する 184 |
5.16 核膜孔通過のメカニズムに関して多数のモデルが提唱されている 186 |
5.17 核輸送は制御される 187 |
5.18 多種類のRNAが核から輸送される 188 |
5.19 リボソームサブユニットは,核小体で集合し,エクスポーチン1で核外輸送される 190 |
5.20 tRNAは,専用のエクスポーチンによって核外輸送される 191 |
5.21 mRNAはRNA-タンパク質複合体として核外輸送される 192 |
5.22 hnRNPはプロセシングの場所から核膜孔複合体まで移動する 193 |
5.23 mRNA輸送には数種の特異的因子が必要である 194 |
5.24 UsnRNAは核外輸送され,修飾を受け,複合体に集合して核内輸送される 196 |
5.25 マイクロRNAの前駆体は核から輸送され細胞質でプロセシングを受ける 196 |
5.26 次なる問題は? 197 |
5.27 要約 199 |
6.クロマチンと染色体 |
6.1 序論 205 |
6.2 クロマチンは,ユークロマチンとへテロクロマチンに分けられる 207 |
6.3 染色体にはバンドパターンがある 207 |
6.4 真核細胞のDNAはループ構造をとり,足場構造に結合した領域がある 209 |
6.5 DNAは特定の配列によって分裂間期の核マトリックスに結合している 210 |
6.6 セントロメアは,染色体分離に必須である 211 |
6.7 出芽酵母では,セントロメアは短いDNA配列をもっている 212 |
6.8 セントロメアはタンパク質複合体に結合する 212 |
6.9 セントロメアは反復配列DNAを含む 213 |
6.10 テロメアは特殊なメカニズムで複製される 213 |
6.11 テロメアは染色体末端を封印する 214 |
6.12 ランプブラシ染色体は伸展する 215 |
6.13 多糸染色体はバンドを形成する 216 |
6.14 多糸染色体は遺伝子が発現している場所で膨張する 217 |
6.15 ヌクレオソームはクロマチンの基本単位である 218 |
5.16 DNAはヌクレオソームに巻きついている 219 |
6.17 ヌクレオソームには共通の構造がある 220 |
6.18 DNA構造はヌクレオソーム表面で変化している 221 |
6.19 ヒストン八量体の構築 223 |
6.20 クロマチン繊維の中のヌクレオソーム 225 |
6.21 クロマチンを再構築するにはヌクレオソームが集合する必要がある 226 |
6.22 ヌクレオソームは特別な位置にできるのか? 229 |
6.23 ドメインとは活性化している遺伝子を含む領域のことである 231 |
6.24 転写されている遺伝子はヌクレオソームが構築されるのか? 232 |
6.25 ヒストン八量体は転写によって取除かれる 233 |
6.26 ヌクレオソームの除去と再構築には特別な因子が必要である 234 |
6.27 DNase高感受性部位がクロマチン構造を変換する 235 |
6.28 クロマチン改築は活性化反応である 237 |
6.29 ヒストンのアセチル化は遺伝的活性と関係がある 240 |
6.30 へテロクロマチンは一つの凝集反応から拡大する 242 |
6.31 へテロクロマチンはヒストンとの相互作用に依存する 243 |
6.32 X染色体は全体的な変化をする 245 |
6.33 染色体凝集はコンデンシンによって誘導される 247 |
6.34 次なる問題は? 249 |
6.35 要約 249 |
第Ⅳ部 細胞骨格 |
7.微小管 |
7.1 序論 259 |
7.2 微小管の一般的な機能 261 |
7.3 微小管はαチューブリンとβチューブリンからなる極性重合体である 263 |
7.4 精製チューブリンサブユニットは重合して微小管になる 265 |
7.5 微小管の形成と脱重合は動的不安定性という独特な過程によって進行する 267 |
7.6 GTP-チューブリンサブユニットのキャップが動的不安定性を制御する 268 |
7.7 細胞は微小管形成の核として微小管形成中心を用いる 270 |
7.8 細胞内における微小管の動態 272 |
7.9 細胞にはなぜ動的な微小管が存在するのか 274 |
7.10 細胞は微小管の安定性を制御するために複数のタンパク質を用いる 276 |
7.11 微小管系モータータンパク質 279 |
7.12 モータータンパク質はどのようにして働くか 282 |
7.13 積荷はどのようにしてモーターに積まれるのか 285 |
7.14 微小管の動態とモーターが結びつくことによって細胞の非対称的な構成が生み出される 286 |
7.15 微小管とアクチンの相互作用 289 |
7.16 運動構造としての繊毛と鞭毛 290 |
7.17 次なる問題は? 294 |
7.18 要約 295 |
7.19 補遺:チューブリンがGTPを加水分解しないとどうなるか 295 |
7.20 補遺:光退色後蛍光回復法 295 |
7.21 補遺:チューブリンの合成と修飾 296 |
7.22 補遺:微小管系モータータンパク質の運動測定系 297 |
8.アクチン |
8.1 序論 301 |
8.2 アクチンは普遍的に発現している細胞骨格タンパク質である 303 |
8.3 アクチン単量体はATPとADPを結合する 303 |
8.4 アクチンフィラメントは極性構造をもった重合体である 303 |
8.5 アクチン重合は多段階の動的な過程である 305 |
8.6 アクチンサブユニットは重合後ATPを加水分解する 306 |
8.7 アクチン結合タンパク質はアクチンの重合と組織化を調節する 308 |
8.8 アクチン単量体結合タンパク質は重合に影響を与える 309 |
8.9 核形成タンパク質は細胞内でのアクチン重合を調節する 309 |
8.10 キャッピングタンパク質はアクチンフィラメントの長さを調節する 311 |
8.11 切断タンパク質や脱重合タンパク質はアクチンフィラメントの動態を調節する 311 |
8.12 架橋タンパク質はアクチンフィラメントの束化やネットワークの形成を促す 312 |
8.13 アクチンとアクチン結合タンパク質は協同で働き細胞の遊走をひき起こす 313 |
8.14 低分子量Gタンパク質はアクチン重合を調節する 314 |
8.15 ミオシンは多くの細胞内過程で重要な役割を担うアクチン系分子モーターである 315 |
8.16 ミオシンは三つの構造ドメインをもつ 317 |
8.17 ミオシンによるATP加水分解は多段階の反応である 320 |
8.18 ミオシンモーターの速度論的性質はその細胞内での機能に適したものになっている 321 |
8.19 ミオシンはナノメートルの歩幅で歩き,ピコニュートンの力を出す 321 |
8.20 ミオシンは複数の機構により調節される 322 |
8.21 ミオシンⅡは筋収縮で働く 324 |
8.22 次なる問題は? 326 |
8.23 要約 327 |
8.24 補遺:重合体の形成が力を発生する仕組みの二つのモデル 327 |
9.中間径フィラメント |
9.1 序論 333 |
9.2 6種の中間径フィラメントタンパク質は似た構造をもつが,発現は異なる 334 |
9.3 中間径フィラメントで最大のグループはⅠ型ケラチンとⅡ型ケラチンである 337 |
9.4 ケラチンの変異は上皮細胞を脆弱にする 339 |
9.5 神経,筋,結合組織の中間径フィラメントはしばしば重なり合って発現する 340 |
9.6 ラミン中間径フィラメントは核膜を強化する 342 |
9.7 ほかと大きく違うレンズフィラメントタンパク質さえも進化上保存されている 343 |
9.8 中間径フィラメントのサブユニットは高い親和性をもって集合し,引っ張りに抗する構造をとる 341 |
9.9 翻訳後修飾が中間径フィラメントタンパク質の構造を制御する 345 |
9.10 中間径フィラメントと結合するタンパク質は必須ではないが,場合によっては必要とされる 347 |
9.11 後生動物の進化全体を通じて,中間径フィラメント遺伝子が存在する 347 |
9.12 次なる問題は? 349 |
9.13 要約 350 |
第Ⅴ部 細胞分裂・アポトーシス・がん |
10.細胞分裂 |
10.1 序論 355 |
10.2 細胞分裂はいくつかの行程を経て進行する 358 |
10.3 細胞分裂には,紡錘体とよばれる新しい構造体の構築が必要である 360 |
10.4 紡錘体が形成し機能するためには,動的な性質をもつ微小管とこれに結合したモータータンパク質が必要である 361 |
10.5 中心体は微小管の形成中心である 363 |
10.6 中心体はDNA複製とほぼ同じ時期に複製される 364 |
10.7 分離しつつある二つの星状体が相互作用することによって紡錘体の形成が始まる 366 |
10.8 紡錘体の安定化には染色体が必要であるが,紡錘体は中心体がなくても“自己構築”することができる 369 |
10.9 動原体を含むセントロメアは,染色体中の特別な部位である 370 |
10.10 動原体は前中期のはじめに形成され,微小管依存性モータータンパク質を結合している 371 |
10.11 動原体は微小管を捕獲し,結合した微小管を安定化させる 372 |
10.12 動原体と微小管の不適切な結合は修正される 375 |
10.13 染色体運動には,動原体に結合した微小管の短縮や伸長が必要である 376 |
10.14 染色体を極方向へ動かす力は,二つの機構によって生み出される 377 |
10.15 染色体の集結には動原体を引く力が必要である 378 |
10.16 染色体の集結は,染色体腕部全体に働く力と,娘動原体が生み出す力によって制御されている 379 |
10.17 動原体は中期から後期への移行を制御する 381 |
10.18 分裂後期は2種類の運動で進行する 382 |
10.19 分裂終期に細胞内で起こる変化によって,細胞は分裂期を脱出する 384 |
10.20 細胞質分裂によって細胞質は二つに分けられ,新しい二つの娘細胞が生まれる 385 |
10.21 収縮環の形成には,紡錘体とステムボディーが必要である 387 |
10.22 収縮環は細胞を二つにくびり切る 389 |
10.23 核以外の細胞小器官の分配は,確率の法則に従う 390 |
10.24 次なる問題は? 390 |
10.25 要約 391 |
11.細胞周期の制御 |
11.1 序論 395 |
11.2 細胞周期の解析に用いられる実験系には複数の種類がある 397 |
11.1 細胞周期においては,さまざまな現象が協調して行われなければならない 399 |
11.4 細胞周期はCDK活性の周期である 400 |
11.5 CDK-サイクリン複合体はさまざまな方法で制御される 402 |
11.6 細胞は,細胞周期から出ることも細胞周期に再び進入することもある 405 |
11.7 細胞周期への進入は厳密に制御されている 406 |
11.8 DNA複製にはタンパク質複合体が秩序正しく集合することが必要である 408 |
11.9 細胞分裂は,複数のプロテインキナーゼによって総合的に制御されている 410 |
11.10 細胞分裂では,数多くの形態的変化が起こる 412 |
11.11 細胞分裂時の染色体の凝縮と分離はコンデンシンとコヒーシンに依存している 414 |
11.12 分裂期からの脱出にはサイクリンの分解以外の要因も必要である 416 |
11.13 チェックポイント制御によってさまざまな細胞周期の現象が協調されている 417 |
11.14 DNA複製チェックポイントとDNA損傷チェックポイントはDNAの代謝状態の欠損を監視している 419 |
11.15 紡錘体形成チェックポイントは染色体と微小管の結合の欠陥を監視している 422 |
11.16 細胞周期制御の乱れはがんに結びつく場合がある 424 |
11.17 次なる問題は? 425 |
11.18 要約 426 |
12.アポトーシス |
12.1 序論 431 |
12.2 カスパーゼは特異的な基質を切断することでアポトーシスを主導する 433 |
12.3 実行カスパーゼは切断されることによって活性化し,開始カスパーゼは二量体化することによって活性化する 434 |
12.4 アポトーシスの阻害タンパク質(IAP)はカスパーゼを阻害する 436 |
12.5 ある種のカスパーゼは炎症作用に機能する 436 |
12.6 アポトーシスの細胞死受容体経路は細胞外シグナルを伝達する 437 |
12.7 TNFR1によるアポトーシスのシグナル伝達は複雑である 439 |
12.8 アポトーシスのミトコンドリア経路 440 |
12.9 Bc1-2ファミリーのタンパク質はMOMPに介在してアポトーシスを制御する 441 |
12.10 多領域Bc1-2タンパク質であるBaXとBakはMOMPに必要である 442 |
12.11 BaXとBakの活性化は他のBc1-2ファミリータンパク質によって制御される 443 |
12.12 シトクロムcはMOMPによって放出されてカスパーゼの活性化を誘導する 443 |
12.13 MOMPで放出されるタンパク質はIAPを阻害する 444 |
12.14 アポトーシスの細胞死受容体経路はBH3オンリータンパク質Bidの切断を介してMOMPをひき起こす 445 |
12.15 MOMPによってカスパーゼ非依存性の細胞死がひき起こされることがある 446 |
12.16 ミトコンドリアの透過性の転移がMOMPをひき起こす 447 |
12.17 アポトーシスに関する多くの発見が線虫においてなされた 447 |
12.18 昆虫のアポトーシスには哺乳類や線虫のアポトーシスとは異なる性質がある 448 |
12.19 アポトーシス細胞の除去には細胞間相互作用が必要である 449 |
12.20 アポトーシスはウイルス感染やがんなどの病気にも関係している 450 |
12.21 アポトーシス細胞は消えてなくなるが忘れ去られるわけではない 451 |
12.22 次なる問題は? 452 |
12.23 要約 452 |
13.がん:発生の原理と概要 |
13.1 腫瘍は単一細胞に由来する細胞集団である 455 |
13.2 がん細胞には数多くの特徴的な表現型がある 456 |
13.3 がん細胞はDNAに損傷を受けた後に生じる 459 |
13.4 がん細胞はある種の遺伝子が変異したときに生じる 459 |
13.5 細胞のゲノムには多くのがん原遺伝子が含まれている 461 |
13.6 がん抑制活性が失われるには2回の変異が必要である 462 |
13.7 腫瘍は複雑な過程を経て発生する 463 |
13.8 細胞の成長と分裂は増殖因子によって活性化される 465 |
13.9 細胞は増殖阻害を受けて細胞周期から外れることがある 467 |
13.10 がん抑制因子は細胞周期への不適切な進入を防いでいる 468 |
13.11 DNA修復や維持に関係する遺伝子の変異によって細胞の突然変異率が全体として上昇する 469 |
13.12 がん細胞は不死化している 470 |
13.13 がん細胞の生存維持に必要な物質の供給は血管新生によって与えられる 471 |
13.14 がん細胞は体内の新たな部位に侵入する 472 |
13.15 次なる問題は? 472 |
13.16 要約 473 |
第Ⅵ部 細胞コミュニケーション |
14.細胞のシグナル伝達 |
14.1 序論 477 |
14.2 細胞のシグナル伝達のおもな要素は化学的な反応である 479 |
14.3 受容体は多岐にわたる刺激を感知するが,そこから始まる細胞のシグナルのレパートリーは多くはない 479 |
14.4 受容体は触媒であり,増幅作用をもつ 480 |
14.5 リガンド結合によって受容体のコンホメーションが変化する 481 |
14.6 複数のシグナルがシグナル伝達経路とシグナル伝達ネットワークによって分類・統合される 482 |
14.7 細胞のシグナル伝達経路は生化学的な論理回路とみなすことができる 483 |
14.8 足場タンパク質はシグナル伝達の効率を高め,シグナル伝達の空間的な組織化を促進する 485 |
14.9 独立な領域モジュールがタンパク質-タンパク質間,相互作用の特異性を決定する 486 |
14.10 細胞のシグナル伝達には高度の順応性がある 488 |
14.11 シグナル伝達タンパク質には複数の分子種がある 489 |
14.12 活性化反応と不活性化反応はそれぞれ別の反応であり,独立に制御されている 491 |
14.13 シグナル伝達にはアロステリック制御と共有結合修飾が用いられる 491 |
14.14 セカンドメッセンジャーは情報伝達に拡散可能な経路を与えている 491 |
14.15 Ca2+シグナル伝達はすべての真核生物でさまざまな役割を担っている 493 |
14.16 脂質と脂質由来の化合物はシグナル伝達分子である 494 |
14.17 PI 3-キナーゼは細胞形態と増殖・代謝機能の活性化を制御する 496 |
14.18 イオンチャネル受容体を介したシグナル伝達は速い伝達を行う 496 |
14.19 核内受容体は転写を制御する 498 |
14.20 Gタンパク質のシグナル伝達モジュールは広く用いられ,順応性が高い 499 |
14.21 へテロ三量体型Gタンパク質はさまざまなエフェクターを制御する 501 |
14.22 へテロ三量体型Gタンパク質はGTPaseサイクルによって制御されている 501 |
14.23 低分子量単量体型GTP結合タンパク質は多用途スイッチである 503 |
14.24 タンパク質のリン酸化/脱リン酸は細胞の主要な制御機構である 504 |
14.25 二成分リン酸化系はシグナルのリレーである 506 |
14.26 プロテインキナーゼの阻害薬剤は疾病の研究と治療に用いられる可能性がある 506 |
14.27 プロテインホスファターゼはキナーゼの作用を打ち消す効果をもち,キナーゼとは異なる制御を受けている 507 |
14.28 ユビキチンとユビキチン様タンパク質による共有結合修飾はタンパク質機能を制御するもう一つの様式である 508 |
14.29 Wnt経路は発生過程の細胞の運命や成体のさまざまな過程を制御している 509 |
14.30 チロシンキナーゼはさまざまなシグナル伝達を制御している 509 |
14.31 Srcファミリーのプロテインキナーゼは受容体型チロシンキナーゼと協調して作用する 511 |
14.32 MAPKはさまざまなシグナル伝達経路の中心に位置する 512 |
14.33 サイクリン依存性プロテインキナーゼは細胞周期を制御する 513 |
14.34 チロシンキナーゼを細胞膜に移行させる受容体にはさまざまな種類がある 513 |
14.35 次なる問題は? 517 |
14.36 要約 517 |
15.細胞外マトリックスおよび細胞接着 |
15.1 序論 523 |
15.2 細胞外マトリックスの研究史の概要 525 |
15.3 コラーゲンは組織に構造的基盤を与える 526 |
15.4 フィブロネクチンは細胞をコラーゲンを含むマトリックスと連結する 528 |
15.5 弾性繊維が組織に柔軟性を与えている 530 |
15.6 ラミニンは細胞の接着性の基質となる 532 |
15.7 ピトロネクチンは血液凝固の際に標的細胞の接着を促進する 533 |
15.8 プロテオグリカンは組織を水和させる 534 |
15.9 ヒアルロン酸は結合組織に豊富に存在するグリコサミノグリカンである 537 |
15.10 へパラン硫酸プロテオグリカンは細胞表面の補助受容体である 538 |
15.11 基底層は特殊化した細胞外マトリックスである 540 |
15.12 プロテアーゼは細胞外マトリックス成分を分解する 541 |
15.13 大部分のインテグリンは細胞外マトリックスタンパク質の受容体である 544 |
15.14 インテグリン受容体は細胞シグナル伝達に関与している 545 |
15.15 インテグリンと細胞外マトリックスは発生において主要な役割を果たす 549 |
15.16 密着結合は選択的な透過性をもつ細胞間障壁を形成する 550 |
15.17 無脊椎動物の中隔結合は密着結合と類似している 553 |
15.18 接着結合は隣り合った細胞を連結する 554 |
15.19 デスモソームは中間径フィラメントを基盤とする細胞結合複合体である 556 |
15.20 へミデスモソームは上皮細胞を基底層に接着させている 557 |
15.21 ギャップ結合により隣り合った細胞間で直接分子のやりとりを行うことができる 558 |
15.22 カルシウム依存性のカドヘリンが細胞間接着を担っている 550 |
15.23 カルシウム非依存性の神経細胞接着因子(NCAM)は神経細胞間の接着を担っている 562 |
15.24 セレクチンは循環している免疫細胞の接着を制御する 563 |
15.25 次なる問題は? 564 |
15.26 要約 565 |
第Ⅶ部 原核細胞・植物細胞 |
16.原核細胞の生物学 |
16.1 序論 573 |
16.2 微生物の進化を理解するため,分子系統発生学の手法が用いられる 575 |
16.3 原核細胞は多様なライフスタイルをとる 576 |
16.4 アーキアは真核細胞に似た性質をもつ原核生物である 577 |
16.5 原核細胞のほとんどは,多糖に富む莢膜とよばれる層をもつ 579 |
16.6 バクテリアの細胞壁はぺプチドグリカンの入り組んだ網目構造を含む 580 |
16.7 グラム陽性菌の細胞皮膜はユニークな特徴をもつ 583 |
16.8 グラム陰性菌は外膜とペリプラズム空間をもつ 586 |
16.9 細胞質膜は分泌における選択的バリアーとなっている 587 |
16.10 原核生物は複数の分泌経路をもつ 588 |
16.11 線毛と鞭毛はほとんどの原核生物の細胞表面に付加器官として存在する 590 |
16.12 原核生物のゲノムは染色体と可動DNAエレメントを含む 592 |
16.13 バクテリアの核様体と細胞質は高度に秩序だっている 593 |
16.14 バクテリアの染色体は専用の複製工場で複製される 595 |
16.15 原核細胞の染色体分離は紡錘体なしで起こる 596 |
16.16 原核細胞の分裂は複雑な分裂リングの形成を伴う 597 |
16.17 原核生物は凌稚な発生変化を伴いストレスに応答する 600 |
16.18 ある種の原核生物のライフサイクルでは発生変化が必須の要素となっている 604 |
16.19 ある種の原核生物と真核生物は共生関係にある 605 |
16.20 原核生物は高等生物に集落をつくり病気を起こすことがある 606 |
16.21 バイオフィルムは高度に組織化された微生物のコミュニティーである 608 |
16.22 次なる問題は? 609 |
16.23 要約 609 |
17.植物の細胞生物学 |
17.1 序論 615 |
17.2 植物の成長 616 |
17.3 分裂組織が成長のためのモジュールを連続的に供給する 617 |
17.4 細胞の分裂方向が秩序だった組織形成に重要である 619 |
17.5 細胞の分裂面は,細胞分裂が始まる前から細胞質中の構造から予測できる 620 |
17.6 植物の細胞分裂に中心体は必要ない 622 |
17.7 細胞質分裂装置が前期前徴小管束の位置に新たな細胞板を形成する 624 |
17.8 細胞板は分泌により形成される 625 |
17.9 植物細胞間は原形質連絡によりつながっている 626 |
17.10 液胞が膨張することにより細胞の伸長が起こる 627 |
17.11 高い膨圧とセルロース微繊維からなる細胞壁の強度が桔抗している 628 |
17.12 細胞の成長には細胞壁の緩みと再構築が必要である 630 |
17.13 細胞内で合成され分泌される他の細胞壁成分と異なり,セルロースは細胞膜上で合成される 631 |
17.14 細胞壁成分の配向には表層微小管がかかわると考えられている 632 |
17.15 表層微小管の配向は非常にダイナミックに変化する 633 |
17.16 細胞質中に散在するゴルジ体が,細胞の成長に必要な物質を運ぶ小胞を細胞表面へと輸送する 635 |
17.17 アクチンフィラメントのネットワークが物質輸送のための経路として機能する 636 |
17.18 道管細胞の形成には大規模な分化が必要である 637 |
17.19 細胞からの突起形成は先端成長により行われる 639 |
17.20 植物細胞には植物特異的な細胞小器官である色素体が存在する 641 |
17.21 葉緑体が大気中の二酸化炭素を原料に食料生産を行う 642 |
17.22 次なる問題は? 643 |
17.23 要約 644 |
Protein Data Bank引用一覧 649 |
用語解説 651 |
索引 665 |