1章 分子生物学の骨格とその構成要素 13 |
1. 分子遺伝学と分子生物学【田村隆明】 14 |
分子生物学が取り組む課題 14 |
分子生物学の材料 14 |
分子生物学の歴史 15 |
2. 生命の基本単位:細胞【田村隆明】 18 |
生物の系譜 18 |
細胞の機能と構造 20 |
3. 情報高分子【田村隆明】 22 |
DNA,RNAの構成成分:ヌクレオチド 22 |
線状分子としての核酸の構造 22 |
RNAの構造と機能 25 |
アミノ酸 26 |
ペプチドとタンパク質 27 |
2章 遺伝情報の保持と伝達 29 |
1. DNAの複製【多田周右/榎本武美】 30 |
複製の原則 31 |
DNA鎖伸長反応 32 |
DNA複製開始機構 35 |
2. 転写機構【大熊芳明】 38 |
RNAポリメラーゼ 39 |
プロモーター 41 |
基本転写因子 42 |
転写開始後の過程 46 |
オペロン 46 |
3. 翻訳【渡辺公綱/鈴木 勉/姫野俵太】 48 |
遺伝暗号(コドン) 49 |
アミノアシルtRNA 50 |
ペプチド鎖合成反応 52 |
4. 変異と修復【花岡文雄】 57 |
変異原と変異の種類 58 |
DNA損傷の修復機構 60 |
複製時における修復 62 |
5. 遺伝子組換え【篠原 彰】 65 |
組換えの種類 66 |
相同組換えの分子機構 67 |
減数分裂期組換え 71 |
非相同組換え 72 |
その他の組換え 72 |
3章 原核生物の遺伝要素 75 |
1. ゲノムとその発現【柳原克彦/仁木宏典】 76 |
原核細胞の基本構造 77 |
原核細胞のゲノム構造 77 |
ゲノムの遺伝子配置 78 |
染色体分配と凝縮 79 |
染色体外因子 80 |
細胞分裂と細胞骨格タンパク質 81 |
2. バクテリオファージ【米崎哲朗】 83 |
バクテリオファージの多様性 83 |
バクテリオファージの生活環・溶菌過程 84 |
テンペレートファージ:溶原化機構 85 |
遺伝子水平伝搬役としてのファージ 86 |
3. プラスミド【加納康正】 87 |
プラスミドの機能 87 |
プラスミド複製 89 |
その他のプラスミド 89 |
プラスミドの取り扱い 90 |
4章 真核生物の遺伝子とその構造 91 |
1. ゲノムの構造【木南 凌】 92 |
染色体のなかの遺伝子 93 |
反復するDNA配列 95 |
2. クロマチン【伊藤 敬】 99 |
ヌクレオソーム構造 99 |
ヌクレオソーム形成 100 |
クロマチン再構築 101 |
ヒストン翻訳後修飾とクロマチン構造変化 103 |
3. エピジェネティクス【中尾光善】 105 |
エピジェネティクスとは 105 |
DNAのメチル化 106 |
ヒストンの修飾 108 |
クロマチンの形成 109 |
エピジェネティックな生命現象とヒト疾患 110 |
4. 転写制御機構【柳澤 純】 112 |
真核生物の転写制御 113 |
配列特異的転写制御因子 114 |
刺激応答の視点から捉える転写因子 115 |
クロマチン転写の活性化と転写補助因子 117 |
5. 転写後調節【石黒 亮/中村義一】 123 |
mRNAの修飾 124 |
mRNAのスプライシング 124 |
mRNAのエディティング 125 |
RNAの輸送 127 |
mRNAの翻訳調節 128 |
mRNAの分解と翻訳制御 130 |
ncRNAによる制御 131 |
rRNAの修飾 131 |
tRNAの転写後調節 132 |
6. タンパク質の制御【水島 昇/大隅良典】 135 |
分子シャペロン 135 |
タンパク質トラフィックの制御 136 |
翻訳後修飾 137 |
タンパク質分解 138 |
5章 RNAバイオロジー 141 |
1. 新しいトランスクリプトーム像【石山晃博/林良英】 142 |
従来のトランスクリプトーム像 143 |
RNA新大陸の発見 143 |
新しいトランスクリプトーム像 144 |
non-coding RNA 144 |
mRNA型non-coding RNA 145 |
2. 非コード低分子RNA【古野正朗】 147 |
非コード低分子RNAの概要 147 |
スプライシングにかかわる核内低分子RNA 148 |
RNAの修飾にかかわる核小体低分子RNA 148 |
遺伝子発現抑制にかかわる低分子RNA 150 |
その他の非コード低分子RNA 150 |
3. RNAによる遺伝子サイレンシング【西田知訓/塩見美喜子】 152 |
RNAサイレンシング 152 |
RNAi 153 |
miRNAによる翻訳抑制 154 |
piRNAを介した遺伝子発現抑制 158 |
4. RNAがかかわる生理機能と疾患【安田 純】 159 |
RNAがかかわる生理機構 159 |
RNA異常が関与する疾病 161 |
6章 真核細胞の機能 165 |
1. 細胞接着【永渕昭良】 166 |
細胞間接着 166 |
細胞基質間接着 169 |
細胞接着の多彩な機能 172 |
2. 細胞骨格【孤嶋慎一郎/馬渕一誠】 175 |
細胞骨格の種類と基本的な性質 175 |
細胞運動と細胞骨格 179 |
細胞分裂と細胞骨格 180 |
3. 細胞内物質輸送 181 |
細胞内輸送【中山和久】 182 |
モータータンパク質【豊島陽子】 187 |
核膜輸送【浅利宗弘/米田悦啓】 191 |
7章 真核細胞の増殖と死 197 |
1. 細胞刺激と受容体【遠田悦子/松島綱治】 198 |
主な受容体の諸相 198 |
微生物感染にかかわる受容体 200 |
多様なリガンドに応答するための2つのストラテジー 202 |
臨床応用 202 |
マイクロドメイン/ラフト 204 |
2. シグナル伝達【後藤由季子】 205 |
シグナル伝達のストラテジー 205 |
シグナル伝達の進化的保存と多様性 213 |
3. 細胞周期【野島 博】 215 |
真核生物の細胞周期制御 215 |
細胞周期エンジン 216 |
細胞周期のブレーキ 219 |
M期制御とタンパク質分解酵素系 220 |
細胞周期のチェックポイント制御 222 |
M期キナーゼと中心体成熟の制御 225 |
4. アポトーシス【田沼靖一】 226 |
アポトーシスの特性 227 |
アポトーシスの事象 229 |
アポトーシスの分子機構 229 |
DNA修復とアポトーシス 231 |
アポトーシスの意義 232 |
5. 細胞の癌化と個体レベルの発癌【渋谷正史】 234 |
癌遺伝子群と増殖シグナル伝達 235 |
癌抑制遺伝子の発見 236 |
癌抑制遺伝子による細胞周期・アポトーシスの制御 238 |
癌の微小環境と腫瘍血管の問題 240 |
8章 高次生命現象 243 |
1. 免疫系による認識と反応の分子機構【渡邊 武】 244 |
自然免疫と獲得免疫(適応免疫) 245 |
自然免疫系と獲得免疫系との相互作用 246 |
獲得免疫系の多様性 247 |
免疫グロブリンの多様性の源であるAID 250 |
主要組織適合系複合体(MHC)遺伝子群と組織適合抗原の多型性 252 |
MHC抗原と抗原提示 253 |
胸腺内でのT細胞分化と正の選択,負の選択 255 |
免疫細胞の活性化と補助刺激分子 255 |
クラススイッチ,抗体機能の多様性の獲得 255 |
サイトカインと免疫応答の多様性 257 |
CD4陽性ヘルパーT細胞(TH)のサブセットとその機能 259 |
CD8陽性キラーT細胞(TC)による生体防御 260 |
2. 発生の制御機構【浅島 誠/駒崎伸二】 261 |
ホメオボックス遺伝子 262 |
母性因子と体軸形成 262 |
中胚葉形成と原腸胚形成 265 |
神経管の形成 266 |
器官形成 268 |
3. 神経系の分化,形成,再生【田賀哲也/鹿川哲史/清水健史/福田信治】 269 |
神経幹細胞の未分化性維持 269 |
神経幹細胞の自己複製機構 270 |
胎生の進行に伴うニューロン分化シグナルとグリア分化シグナルの優位性の変遷 271 |
神経幹細胞の分化制御シグナル間における相互抑制的作用 272 |
アストロサイト分化シグナルを増幅する2つのシグナルループ 273 |
神経系の再生に向けた試み 274 |
4. 老化【石井直明】 276 |
ヒトの老化の過程 276 |
老化関連遺伝子とその働き 277 |
9章 生命システムへの挑戦 283 |
1. システムズバイオロジー 284 |
概日時計【南 陽一/上田泰己】 284 |
細胞シグナリングの情報処理機構【久保田浩行/黒田真也】 289 |
バイオインフォマティクス【宮野 悟】 294 |
2. ゲノム医学【高橋祐二/辻 省次】 298 |
「ゲノム医学」とは 298 |
ゲノム医学の進歩 298 |
ゲノム医学の支柱~バイオインフォマティクスとELSI 300 |
ゲノム医学の実際 301 |
ゲノム医学のこれから~パーソナルゲノム時代の到来 304 |
3. 分子標的薬の開発 306 |
抗体医薬【大田信行】 306 |
RNA医薬【宮川 伸/藤原将寿/中村義一】 312 |
ケミカルバイオロジー【萩原正敏】 317 |
4. 幹細胞生物学・再生医学 321 |
ES細胞【吉田進昭】 321 |
組織幹細胞とiPS細胞【八代嘉美/中内啓光】 325 |
再生医学【中畑龍俊】 329 |
5. 植物バイオテクノロジーと遺伝子組換え食品【本瀬宏康/渡辺雄一郎】 335 |
植物への遺伝子導入法 335 |
アグロバクテリウムの感染機構 337 |
バイナリーベクターの開発 337 |
アグロバクテリウムの感染による遺伝子導入法 339 |
基礎研究と実用作物における応用例 341 |
索 引 342 |