注:CO[2]の[2]は下つき文字 |
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はしがき i |
プロローグ 宇沢弘文 1 |
序章 地球温暖化と異常気象の発生 細田裕子 15 |
1. はじめに 15 |
2. 異常気象と自然災害 16 |
2.1 近年の異常気象(2002~05年) 16 |
2.2 異常気象とは 21 |
2.3 異常気象の長期的変化 24 |
2.4 異常気象と自然変動 27 |
2.5 近年の自然災害から見た被害状況について 29 |
3. 海洋と雪氷の長期変化と影響 37 |
3.1 海洋の長期変化 38 |
3.2 海水・氷床の融解 39 |
3.3 山河氷河の後退 43 |
3.4 海面水位上昇の影響 47 |
4. おわりに 50 |
第Ⅰ部 地球温暖化と森林の再生 |
第1章 森林にしのびよる地球温暖化の影響 守田敏也 55 |
1. 古木が茂る芦生の森 55 |
1.1 「原生林」と呼ばれる森 55 |
1.2 森の中のドラマ 58 |
1.3 クマハギに彩られた針葉樹の林 59 |
2. 森にしのびよる温暖化 61 |
2.1 温度変化の影響を受けやすい芦生の森 61 |
2.2 垂直分布における植生のあり方 64 |
2.3 ブナの正常種子の減少 65 |
3. 芦生の森が壊れていく 67 |
3.1 ミズナラの集団枯損 67 |
3.2 雪害の進行 69 |
3.3 シカによる食害の拡大とクマの異常行動 70 |
4. 芦生は全国の明日を予兆している 71 |
4.1 花の咲く時期が変わる 71 |
4.2 崩れる共生関係 74 |
4.3 森からの声に耳を傾けて 75 |
第2章 アジアの森から考える温暖化対策関 関 良基 79 |
1. はじめに 79 |
2. アジアの森林とCO[2] 82 |
2.1 森林部門に期待されること 82 |
2.2 森林の増える国均と減る国向 84 |
2.3 アジアにおける造林事業の性格 88 |
3. 資本主義的造林事業の問題点 91 |
3.1 在来種が植わらず早生樹種ばかりが植わる 91 |
3.2 植林する必要性のない場所が選択される 92 |
3.3 本来植えるべき場所で植わらない 94 |
4. 社会主義的造林事業 96 |
4.1 一律基準による造林地の設定 98 |
4.2 造林地から農民を排除する 99 |
4.3 農民の要求を無視した苗木の配布 103 |
5. 造林事業の改善政策の提起 105 |
5.1 資本主義的造林の改善策 105 |
5.2 社会主義的造林の改善策 106 |
6. 結語 108 |
第3章 地球温暖化とベトナムの森林政策 緒方俊雄 111 |
1. 地球温暖化とIPCC 111 |
2. ベトナムの気候と生態系 113 |
2.1 ベトナムの地形 113 |
2.2 モンスーン気候と地球温暖化 114 |
2.3 森林生態系とモンスーン林 116 |
2.4 ベトナム戦争と枯葉剤被害 117 |
3. ベトナムの森林政策 118 |
3.1 森林と土地政策 118 |
3.2「プログラム327(1992-1998)」 121 |
3.3「プログラム661(1998-2010)」 122 |
4. 「コモンズの森」の再生とCDMの役割 124 |
4.1 地球温暖化と「京都議定書」 124 |
4.2 排出源CDMと吸収源CDM 125 |
4.3 森林の持続可能性と「エコビレッジ(生態村)」の形成 127 |
第Ⅱ部 地球温暖化の経済理論 |
第4章 地球温暖化と持続可能な経済発展 宇沢弘文 135 |
1. 自然環境と経済発展 135 |
2. ジョン・スチュアート・ミルの『経済学原理』と定常状態 137 |
3. 地球温暖化 138 |
4. 地球温暖化の勤学モデル 143 |
5. 大気中のCO[2]の帰属価格(imputed price) 147 |
6. 森林と地球温暖化 149 |
7. 多数の国々を含む一般的な勤学モデル 151 |
8. 比例的炭素税と大気安定化国際基金 153 |
第5章 持続可能な発展と環境クズネッツ曲線 内山勝久 159 |
1. はじめに 159 |
2. 地球温暖化と効率性・衡平性 161 |
2.1 効率性 161 |
2.2 世代内衡平性 162 |
2.3 世代間衡平性 165 |
3. 温暖化問題と経済発展の関係 167 |
3.1 環境クズネッツ曲線とは 167 |
3.2 先行研究(1)―理論的研究 171 |
3.3 先行研究(2)―実証的研究 172 |
3.4 環境クズネッツ曲線の問題点 176 |
4. 環境クズネッツ曲線からの示唆 179 |
5. 結びにかえて―ジョン・スチュアート・ミルの定常状態に向けて 180 |
第6章 地球環境と持続可能性 大沼あゆみ ―強い持続可能性と弱い持続可能性― 185 |
1. はじめに 185 |
2. 経済と地球環境とのかかわり 187 |
3. 持続可能な経済と持続可能な発展 187 |
4. 資本ストック間の代替可能性と持続可能性 190 |
5. 強い持続可能性と弱い持続可能性のどちらが望ましいのか 192 |
6. 弱い持続可能性の経済学 193 |
7. 弱い持続可能性は実現可能か―強い持続可能性の経済学 197 |
7.1 定常経済と環境容量―デイリーの主張 198 |
7.2 レジリアンスと撹乱―アロウらの主張 200 |
8. 弱い持続可能性から強い持続可能性へ 202 |
9. おわりに 208 |
第Ⅲ部 温暖化対策の効力と展望 |
第7章 気候変動は抑制可能か 赤木昭夫 ―道筋と選択― 215 |
1. 事態の緊急性の認識―2035年か2050年か 216 |
2. 排出量取引か炭素税か―削減誘導策の選択 218 |
3. 世代間の衡平性―低い割引率 222 |
4. 持続可能性―究極の判断基準 226 |
5. 戒め―彌縫策の矛盾が集中する排出量取引 230 |
6. 排出量取引市場の構造と動向 231 |
第8章 排出権取引制度の射程 岡 敏弘 ―2010年代に向けての機能と限界― 237 |
1. はじめに 237 |
2. 学説 237 |
3. 現実の制度 239 |
4. EU排出権取引制度 242 |
5. 理想的な制度 244 |
6. 一国排出権取引制度 246 |
7. 世界排出権取引制度 252 |
8. むすび 253 |
第9章 環境保全型社会の構築と環境税 日引 聡 257 |
1. はじめに―地球環境問題の現状 257 |
2. 加害者はだれか? 260 |
3. 汚染ゼロは最適か? 261 |
4. なぜ環境は守られないのか?―外部費用の存在と市場の失敗 263 |
5. 環境税を導入した社会システム構築の必要性 268 |
6. おわりに 271 |
第10章 地球温暖化問題と技術革新 有村俊秀 ―政府と市場の役割― 273 |
1. はじめに 273 |
2. 温暖化対策技術 274 |
2.1 エネルギー需要に関する技術―省エネルギー技術 274 |
2.2 エネルギー供給に関する技術―再生可能エネルギーを中心として 277 |
2.3 CO[2]回収・貯留技術 280 |
3. 温暖化対策技術の革新と政府の役割―技術政策 281 |
3.1 研究開発と政府の役割 282 |
3.2 技術の普及と政府の役割 284 |
4. 温室効果ガス排出抑制策と技術革新 288 |
4.1 温室効果ガス排出抑制策と技術の普及 288 |
4.2 温室効果ガス排出抑制策と研究開発 288 |
5. 結論 291 |
第11章 比例的炭素税と大気安定化国際基金 宇沢弘文 ―京都会議を超えて― 295 |
1. 排出権取引市場の虚構 295 |
2. 反社会的,非倫理的,そして実効性の全くない京都会議の結論 297 |
3. 京都会議に何が期待され,求められていたか 298 |
4. 社会的共通資本としての大気を守る 299 |
5. 比例的炭素税と持続可能な経済発展 301 |
6. 大気安定化国際基金 303 |
エピローグ 宇沢弘文・細田裕子 307 |
執筆者紹介 310 |