はじめに iii |
序章 変身を重ねるRNA像[菊池洋] 1 |
はじめに 1 |
RNAに関する最初のノーベル賞 2 |
遺伝暗号の解読の中で 3 |
RNAの小さな逆襲 4 |
主役への道-第一幕 4 |
ひのき舞台から未来へ 6 |
DNAとRNAの化学入門 7 |
第1章 はじめてのRNA合成[菊池洋] 12 |
1959年度ノーベル医学生理学賞:Severo Ochoa |
1.1 はじめに 12 |
1.2 オチョアとRNA合成への道 13 |
1.3 ポリヌクレオチドホスホリラーゼ 14 |
1.4 ポリヌクレオチドホスホリラーゼによる分子生物学の発展 17 |
1.5 真の転写酵素の発見 18 |
1.6 ポリヌクレオチドホスホリラーゼのいま 19 |
第2章 遺伝暗号の解読とタンパク質合成[高井和幸] 22 |
1968年度ノーベル医学生理学賞:Robert W. Holley, H.Gobind Khorana, Marshall W. Nirenberg |
2.1 研究の背景 22 |
2.2 ホリーの研究 25 |
2.2.1 ホリーの研究の背景 25 |
2.2.2 酵母tRNAの分画と精製 26 |
2.2.3 ヌクレオチド配列の決定 26 |
2.2.4 ホリーの研究の意義 27 |
2.3 ニーレンバーグの研究 29 |
2.3.1 ニーレンバーグの研究の背景 29 |
2.3.2 無細胞タンパク質合成系での合成RNA依存的翻訳 30 |
2.3.3 トリプレット依存的リボソーム結合実験 31 |
2.3.4 ニーレンバーグの研究の意義 31 |
2.4 コラーナの研究 33 |
2.4.1 コラーナの研究の背景 33 |
2.4.2 ポリヌクレオチドの合成と遺伝暗号の解読 33 |
2.4.3 コラーナの研究の意義 36 |
2.5 遺伝暗号解読とタンパク質合成機構の解明の意義 36 |
2.6 その後の研究の発展 37 |
2.6.1 tRNAの立体構造 37 |
2.6.2 遺伝子の合成 37 |
2.6.3 核酸合成化学の発展 37 |
2.6.4 ヌクレオチド配列決定法の進歩とゲノム科学 38 |
2.6.5 遺伝暗号の普遍性と可変性 39 |
2.6.6 無細胞タンパク質合成と遺伝暗号の拡張 40 |
2.6.7 遺伝子とmRNAの構造 41 |
2.6.8 翻訳のメカニズムと翻訳因子 41 |
2.6.9 翻訳のバリエーション 43 |
2.6.10 tRNAの構造と識別 44 |
2.6.11 翻訳伸長反応の正確さと効率 45 |
2.6.12 リボソーム上の反応のより詳細な解析 46 |
2.6.13 タンパク質合成にはわからないことがまだたくさんある 47 |
第3章 逆転写酵素の発見[田中照通] 50 |
1975年度ノーベル医学生理学賞:Howard M. Temin, Devid Baltimore |
3.1 はじめに 50 |
3.2 セントラルドグマ 51 |
3.3 受賞した3人 52 |
3.4 RNA腫瘍ウイルス 55 |
3.5 テミンとボルティモアの実験 58 |
3.6 再びセントラルドグマ 61 |
3.7 逆転写酵素反応の利用 62 |
第4章 レトロウイルスのがん遺伝子は細胞起源[村松知成] 64 |
1989年度ノーベル医学生理学賞:J. Michael Bishop, Harold E. Varmus |
4.1 はじめに 64 |
4.2 がんはどのようにして発生するか? 65 |
4.3 がん発生における環境的要因 67 |
4.4 レトロウイルスの研究 68 |
4.5 がん遺伝子の発見 69 |
4.6 がん遺伝子は細胞起源であった 71 |
4.7 c-srcに関するさらなる証拠 75 |
4.8 がん遺伝子とは何であったのか? 78 |
4.9 がん発生のメカニズムは複雑 79 |
4.10 おわりに 81 |
第5章 RNA酵素の発見[白石英秋] 84 |
1989年度ノーベル化学賞:Sidney Altman, Thomas R. Cesh |
5.1 RNA酵素の発見の背景と概要 84 |
5.2 テトラヒメナのrRNAイントロンの自己スプライシング 87 |
5.2.1 テトラヒメナrRNA遺伝子のイントロン 87 |
5.2.2 rRNA前駆体の試験管内でのスプライシング 89 |
5.2.3 イントロンの自己触媒反応の証明 93 |
5.3 リボヌクレアーゼPのRNAサブユニットの触媒活性 95 |
5.3.1 タンパク質-RNA複合体酵素,リボヌクレアーゼP 95 |
5.3.2 リボヌクレアーゼPのRNAサブユニットの触媒活性 99 |
5.4 その後の研究の発展 101 |
5.4.1 RNAワールド仮説 101 |
5.4.2 新しいRNA酵素の創出と応用 103 |
第6章 分断された遺伝子の発見[赤間一仁] 105 |
1993年度ノーベル医学生理学賞:Phillip A. Sharp, Richard J. Roberts |
6.1 はじめに 105 |
6.2 分断された遺伝子の発見に至る研究背景 106 |
6.2.1 真核細胞RNAの予期せぬ構造 106 |
6.2.2 分断遺伝子の発見に至るまでのシャープとロバーツの道のり 106 |
6.2.3 真核生物のモデルとしてのアデノウイルス 108 |
6.2.4 シャープの実験 109 |
6.3 分断遺伝子発見の発表と反響 112 |
6.4 分断遺伝子発見の意義 113 |
6.5 分断遺伝子発見後の研究の展開 114 |
6.5.1 RNAスプライシングの分子機構の解明 114 |
6.5.2 生物進化とイントロンの起源 118 |
6.5.3 遺伝子疾患 119 |
6.5.4 イントロンにより分断されたtRNA遺伝子の発見 120 |
6.6 分断遺伝子をめぐる現在の研究 120 |
6.7 おわりに 123 |
第7章 真核生物の転写の分子機構[大熊芳明] 126 |
2006年度ノーベル化学賞:Roger D. Kornberg |
7.1 はじめに 126 |
7.2 PolⅡ結晶化に至る背景 128 |
7.3 結晶化PolⅡの解剖 129 |
7.4 PolⅡによる転写開始の機構 131 |
7.4.1 PolⅡの転写する遺伝子のプロモーター 131 |
7.4.2 転写開始複合体 133 |
7.4.3 TFⅡDによるコアプロモーターの認識 134 |
7.4.4 TFⅡBによる転写開始点の決定 134 |
7.4.5 TFⅡFによるPolⅡの転写開始点への着地 135 |
7.4.6 TFⅡEによるTFⅡHのリクルートによる複合体形成の完了 136 |
7.4.7 TFⅡHは巨大複合体で3つの酵素活性を有してPOlⅡを活性化する 136 |
7.5 PolⅡの側から見た転写開始までの構造変化 138 |
7.5.1 PolⅡはさまざまな因子の結合によりプロモーター上で構造を変化させる 139 |
7.5.2 PolⅡのCTDリン酸化は核内情報の協調的制御の中心である 140 |
7.6 転写開始から伸長への移行の機構 141 |
7.7 転写とクロマチン制御の中心であるメディエーター複合体の発見 142 |
7.7.1 メディエーター複合体は真核生物で保存されている 142 |
1.7.2 メディエーター複合体の核内情報伝達への関与 144 |
7.8 おわりに 145 |
第8章 RNA干渉の発見[浴 俊彦] 148 |
2006年度ノーベル医学生理学賞:Andrew Z. Fire, |
8.1 はじめに 148 |
8.2 RNAi発見に至る研究背景 149 |
8.3 RNAiの発見 152 |
8.4 RNAi発見の意義 156 |
8.5 RNAiをめぐる新たな研究の展開 158 |
8.5.1 抗ウイルス機能 158 |
8.5.2 トランスポゾン転移の抑制 161 |
8.5.3 マイクロRNAによる翻訳抑制 162 |
8.5.4 ゲノムのヘテロクロマチン化 163 |
8.5.5 新たなRNAi関連タンパク質の発見と生物種間の相違 165 |
8.5.6 遺伝子機能研究へのインパクト 166 |
8.6 RNAiを利用した創薬研究 167 |
8.7 おわりに 169 |
あとがき 171 |
索引 173 |