口絵 i |
はじめに v |
第1章 個体群から群集へ -新たな漁業管理の視点(松田裕之・森 光代) 1 |
1 漁業管理の古典理論とその限界 2 |
(1)最大持続収穫量(MSY)理論 2 |
(2)MSY理論への批判 3 |
(3)被食者捕食者系の環境収容力と再生産力 6 |
(4)多魚種系の最大持続生産量 8 |
2 生態系を考慮した漁業管理-生態系アプローチ 9 |
(1)生態系を考慮した漁業管理とは何か 9 |
(2)鯨類をめぐる生態系アプローチ-全生態系モデルと多種動態モデル 13 |
(3)鯨類などにおける生態系管理の試み 16 |
(4)生態系管理の今後の展望 18 |
3 多魚種管理の新たな理論 21 |
(1)変動する海洋生態系に適した生態系管理とは? 21 |
(2)海洋保護区 22 |
(3)スイッチング漁獲 24 |
第2章 森林の管理と再生 -生物群集の考え方から(日野輝明) 27 |
1 はじめに 28 |
2 樹種多様性を考慮した森林のゾーニング 29 |
(1)土地生産力と土地安定性に基づく森林のゾーニング 29 |
(2)Hustonの種多様性の動態平衡モデル 30 |
(3)動態平衡モデルに基づく森林の分類 34 |
(4)動態平衡モデルに基づくゾーニング 36 |
3 生物多様性を考慮した森林管理 38 |
(1)階層構造の多様化 38 |
(2)種組成の多様化 40 |
(3)林分配置の多様化 41 |
(4)自然攪乱を模倣した森林管理 43 |
4 生物間相互作用を利用した森林管理 44 |
(1)草食獣の採食による下刈り 44 |
(2)共生微生物による定着・生育促進 48 |
5 シカとササの相互作用の動態に基づく森林生態系管理 51 |
(1)シカとササの相互作用の動態 51 |
(2)シカとササの相互作用に基づく森林再生 55 |
(3)シカとササの相互作用と動物群集 58 |
6 おわりに 61 |
第3章 害虫管理の新展開 -群集生態学の視点から(安田弘法) 63 |
1 はじめに 64 |
2 第2次世界大戦以降の害虫防除 65 |
(1)農薬万能時代と農薬により生じた問題 66 |
(2)総合的害虫管理 66 |
3 害虫と天敵の相互作用 69 |
(1)天敵の食性とギルド内捕食 69 |
(2)天敵の種数と害虫の抑制効果 70 |
(3)天敵を介した害虫間の見かけの競争 75 |
4 作物と害虫と天敵の相互作用 77 |
(1)天敵から作物への間接効果 78 |
(2)作物と害虫と天敵の間接相互作用網 80 |
(3)作物の揮発物質を介した害虫と天敵の相互作用 81 |
(4)作物・害虫・天敵の相互作用における土壌微生物の役割 84 |
5 害虫管理への新たな提言 87 |
6 今後の課題と展望 89 |
(1)生物多様性の役割 90 |
(2)群集生態学と応用生態学の連携 93 |
第4章 外来種問題と生物群集の保全(大河内勇・牧野俊一) 95 |
1 はじめに 96 |
2 外来種はいかに群集に定着するか-おもに種間競争と天敵から 98 |
(1)種間競争 99 |
(2)天敵 102 |
3 見えない外来種にどう対応するか-マツ材線虫病を例として 104 |
(1)病原微生物の侵入 104 |
(2)外来種としてのマツノザイセンチュウ 105 |
(3)マツ材線虫病の感染メカニズム 105 |
(4)宿主転換によるマツノザイセンチュウの繁栄 107 |
(5)マツ材線虫病の根絶 109 |
4 送粉共生系への外来種の影響 110 |
(1)外来ハナバチがもたらす影響 110 |
(2)小笠原の送粉系に起きている変化 115 |
5 小笠原に侵入した外来種の制御を目的とした群集理論の適用 117 |
(1)小笠原の外来種 117 |
(2)外来種が更なる外来種の侵入を促進する 117 |
(3)小笠原における外来種の制御が群集に及ぼす影響 120 |
(4)外来種対策をどう進めるべきか 123 |
6 おわりに 126 |
第5章 農業生態系の修復-コウノトリの野生復帰を旗印に(内藤和明・池田 啓) 129 |
1 はじめに 130 |
2 生物多様性と群集の安定性 130 |
(1)ミレニアム生態系評価と生態系サービス 130 |
(2)生物多様性が群集の安定を促進する 131 |
(3)里地・里山の生物多様性の危機 132 |
3 コウノトリを核にした食物網の復元 133 |
(1)自然再生事業と生物群集の再生 133 |
(2)コウノトリを核にした自然再生 135 |
(3)水田生態系の現状と改善の方策 138 |
(4)「コウノトリ育む農法」の広がり 140 |
(5)冬期湛水と水田の生物群集 141 |
(6)減農薬・無農薬と生物多様性 142 |
(7)中干し延期によるカエル類の増加 143 |
(8)一時的水域の役割-水田と河川 144 |
(9)小規模水田魚道の設置 145 |
(10)河川改修による浅場創出 147 |
4 生物群集の視点に立った環境修復 149 |
(1)法律の改正や組織の再編が後押しした自然再生 149 |
(2)社会的合意の重要性 150 |
(3)実践的な研究の蓄積と順応的管理 151 |
(4)修復目標を明らかにする 152 |
(5)食物網の全体像は複雑 154 |
(6)生息地の構造変化が群集の変化をうながす 155 |
(7)昔の生物群集に戻せばよいとは限らない 156 |
(8)環境修復における群集生態学の重要性 157 |
(9)地域の環境保全学としての自然再生 158 |
コラム 絶滅の連鎖が起こるとき-群集ネットワークを保全する(近藤倫生) 159 |
1 連鎖絶滅と生物群集の保全 160 |
2 生物群集の脆弱性を評価する 162 |
3 生物群集のアキレス腱を見つける 166 |
4 さらなる理解に向けて 168 |
終章 応用群集生態学への展望(椿 宜高・大串隆之・近藤倫生) 173 |
1 生物群集が提供する生態系サービス 176 |
2 生物群集といかにつきあうか 178 |
3 新たな応用群集生態学の課題 181 |
引用文献 185 |
索引 209 |
口絵 i |
はじめに v |
第1章 個体群から群集へ -新たな漁業管理の視点(松田裕之・森 光代) 1 |
1 漁業管理の古典理論とその限界 2 |
(1)最大持続収穫量(MSY)理論 2 |
(2)MSY理論への批判 3 |