本書の刊行に寄せて (飯山敏道) |
はしがき |
序章 地球化学への道 11 |
自然科学への目覚め―みのむしの研究 13 |
挫折と苦悩―大学と自然科学への失望 15 |
地殻深部でのマグマとウラン 18 |
カナダでのウラン探査 18 |
実験室でマグマを作る 24 |
ウランの研究をしていてよいのか? 26 |
第1章 炭質物とウラン 27 |
ウランの地球科学 29 |
フランスへ 29 |
「鉱物と合成と化学の研究室」 33 |
デビッドとの出会い 35 |
石炭によるウランの吸着実験 37 |
亜炭試料の採取 41 |
室温での亜炭によるウランの錯体化の機構 42 |
亜炭によるウランの錯体化と還元 46 |
亜炭によるウラニルイオンの還元機構 50 |
元素組成 50 |
官能基分析 51 |
X線光電子分光法 52 |
電子スピン共鳴分光 52 |
研究所の仲間たち 54 |
ウランを還元した犯人 56 |
亜炭によるウランの還元反応の速度 59 |
反応次数の決定 59 |
活性化エネルギーの計算 62 |
炭化度の低いアルジュザンクス亜炭(亜炭A)の場合のウランの還元機構と速度 64 |
亜炭の脱水素反応の速度 66 |
単純有機物による反応のシミュレーション 66 |
非水溶媒中の反応 68 |
水溶液中での反応 72 |
天然条件への応用例 74 |
フランスでの生活費と文化活動 74 |
オルレアン大学での授業 77 |
博士論文最後の章―熱力学的アプローチ 78 |
亜炭G-0.1MUO2Cl2系の平衡 79 |
天然の条件への応用 82 |
まとめ 82 |
博士論文の提出 83 |
就職活動 86 |
第2章 土の中の物質移動 89 |
留学を終えて 91 |
放射性廃棄物の地層処分 91 |
放射性廃棄物の海洋底下処分 93 |
海底堆積物中の物質の拡散 93 |
拡散実験方法 94 |
堆積物中の拡散とすきまの多さ 96 |
堆積物中の拡散と粒の粗さ 97 |
拡散の方程式 (フィックの法則) 98 |
拡散経路の曲がりくねり方 (屈曲度 ) 98 |
堆積物中での拡散係数と間隙率,粒度,屈曲度との関係 99 |
堆積物中での拡散と間隙水の構造 100 |
堆積物中での拡散距離 101 |
海底堆積物中の放射性物質の動きを妨げるもの 101 |
拡散の遅れ 101 |
深海底堆積物の黒い斑点 102 |
珪藻の黄鉄鉱化 104 |
黄鉄鉱化した珪藻による放射性物質の吸着? 105 |
バイオテクノロジーと放射性廃棄物 106 |
海底堆積物間隙水中のウランとフルボ酸 107 |
悩めるウランの友 107 |
海底堆積物間隙水中でのウランと腐植酸との関係 107 |
海底堆積物から間隙水を現場で抽出する装置の開発 111 |
海底の現場で温度・圧力・酸化還元環境等を変えないで間隙水を抽出する 111 |
駿河湾での1号機の試験 112 |
船上での海底土色測定 113 |
結局,清水港で試験 114 |
海底堆積物中の水と物質の移動 116 |
放射性廃棄物の海洋底下処分処分と水の流れ 116 |
海底堆積物中での水の流れの測定方法 117 |
放射性物質の海洋での循環の研究へ 118 |
第3章 石の中の物質移動 121 |
石の中のものの動き 123 |
結晶中の拡散実験 123 |
様々な地球科学的物質内での拡散 124 |
岩石間隙水中での拡散実験方法 127 |
有効拡散係数と保持因子 129 |
岩石間隙水中での拡散実験容器 130 |
花崗岩と凝灰岩間隙水中でのヨウ素の拡散 131 |
様々な間隙率の岩石を探す 134 |
様々な岩石の間隙水中でのヨウ素の拡散 136 |
拡散の速さによる違い 138 |
岩石のすきまの大きさを測る―狭い通路では拡散が遅い? 139 |
岩石中のつながっているすきまが拡散を決める? 141 |
岩石のすきまのつながりかたを測る 143 |
岩石中の通路を可視化する 146 |
岩石中の通路の曲がりくねり方 149 |
第4章 割れ目とフラクタル 151 |
フラクタル幾何学とは 153 |
フラクタルとの出会い 153 |
自然の造形と自己相似性 154 |
フラクタルの共同研究者 158 |
花崗岩の割れ目とフラクタルとものの動き 160 |
稲田花崗岩の微小割れ目のフラクタル 160 |
稲田花崗岩の拡散経路の屈曲度 165 |
フラクタルと屈曲度 167 |
第5章 石と土の色 169 |
色をはかる 171 |
海底土の色を記載するのはつらい!? 171 |
色を数値ではかる器械 172 |
色の知覚 173 |
色の定着的表現L*a*b*色空間 176 |
花崗岩の色と鉄さび 178 |
赤くなった花崗岩 178 |
岩石の鉄さびと放射性廃棄物 180 |
花崗岩の風化と鉄さび―石もさびる? 182 |
花崗岩の風化と黄褐色の原因 186 |
花崗岩の弱い風化度の定量化 190 |
花崗岩の風化の際の鉄の挙動 193 |
花崗岩の鉄さびは何年でできるか 194 |
鉄さびの沈澱実験 197 |
花崗岩の鉄さびの広がり―風化と変質のフロント 199 |
花崗岩の割れ目周辺の放射性物質の動き 206 |
海底土の色 208 |
海底土の色をはかる 208 |
深海底堆積物の色と鉄,マンガン,有機物 212 |
野外での色測定 215 |
石の色に魅せられて 215 |
犬山のチャートの色 216 |
犬山チャートの色はもともとの色か?―人工風化の実験 220 |
チャートの色を再現する 221 |
再び犬山のチャートの色-混色実験の怪? 222 |
岩石・鉱物の色のデータベース 223 |
フィールド・ジオセンター 225 |
第6章 顕微可視・赤外分光 227 |
顕微可視・赤外分光装置の開発 229 |
新しい顕微分光装置の開発へ 229 |
鉱物の顕微可視分光装置の変遷 230 |
顕微赤外分光装置 231 |
赤外光はまわりこまないか?面分析と線分析で確かめる 233 |
マルチ顕微分光計の開発 235 |
基本に戻った顕微可視分光計 237 |
ウラニル鉱物の分光化学系列? 241 |
顕微可視分光計の改造―イメージングへ 242 |
顕微近赤外イメージング分光器へ 243 |
人にやさしい顕微赤外分光計 244 |
マグマのその場赤外観測 245 |
地殻での水の循環と岩石流動 248 |
地球表層の岩石中での水の分布と循環 248 |
変成岩中の水 248 |
低変成度の変成岩からチャートへ 252 |
めのうの脱水実験 253 |
中央構造線沿いの変成岩 (マイロナイト)中の水とマイロナイト兄弟? 254 |
粒界の水,拡散と石のひずむ速さ 257 |
海外のレオロジストとの交流 260 |
その他の顕微分光測定と地球化学 262 |
第7章 ウランの地球化学的循環 263 |
ウランからみた地球史と資源環境問題 265 |
ウランの地球における分布とウラン鉱床 266 |
過去のウランの地球化学サイクル 266 |
初期地球表層部の酸素と鉄・ウラン・生命 267 |
地殻の進化とウラン 269 |
有機物の進化とウラン 270 |
地球表層でのウランの短期的サイクル 273 |
放射性廃棄物の地層内処分問題 276 |
新しい研究手法 278 |
エピローグ (地球の過去と未来における地球科学の役割) 279 |
文献 280 |
あとがき |