出版にあたって iii |
第0章 序論 |
0.1 はじめに 1 |
0.1.1 固体電解質の進歩 1 |
0.1.2 電極の進歩 1 |
0.1.3 本書のねらい 2 |
0.2 実験を始めるにあたって 3 |
0.2.1 原料の調達 3 |
0.2.2 機械的混合 3 |
0.2.3 粉体の成形 3 |
0.2.4 加熱方法 4 |
0.2.5 温度の測定と制御 4 |
0.2.6 雰囲気の制御 5 |
0.2.7 雰囲気のモニタリング 6 |
0.2.8 るつぼの選び方 6 |
0.3 熱力学を使って反応の進行を予測する際の注意 7 |
文献 8 |
第1章 熱力学計算の基礎 |
1.1 はじめに 9 |
1.2 相律と相平衡 9 |
1.3 独立な変数(成分)の決め方 10 |
1.4 化学平衡 12 |
1.4.1 質量作用の法則 12 |
1.4.2 エリンガム図 13 |
1.4.3 温度-ポテンシャル図 15 |
1.4.4 熱力学データの利用法 17 |
1.5 溶体の熱力学 25 |
1.5.1 自由エネルギー-組成線図(free energy-composition diagram) 25 |
1.5.2 溶体の熱力学と欠陥化学 26 |
1.5.3 欠陥の統計熱力学的取り扱い方 27 |
1.6 多成分系の相平衡 29 |
1.6.1 例題1:M-C(炭素)二元系(等温,等圧) 29 |
1.6.2 ポテンシャル状態図と組成状態図(三元系の相平衡:等温,等圧) 33 |
1.6.3 再び相律について(よく間違える例)例題:CaCO3の解離平衡 35 |
1.7 おわりに 37 |
文献 37 |
第2章 組成状態図の作製法 |
2.1 はじめに 39 |
2.2 構成成分のとり方と相律 39 |
2.3 粉末X線回折分析を用いた固相間の相境界組成の決め方 41 |
2.3.1 ベガード則と相律 41 |
2.3.2 二元系 41 |
2.3.3 三元系 43 |
2.3.4 立方晶系以外の結晶構造を有する生成相について 44 |
2.3.5 測定法と試料について 44 |
2.3.6 準安定相の生成 44 |
2.4 液相線と不変反応温度 46 |
2.4.1 全率固溶型の二元系 46 |
2.4.2 共晶反応型の二元系 47 |
2.4.3 包晶反応型の二元系 49 |
2.4.4 熱分析における冷却速度 50 |
2.5 二元系状態図の作製 50 |
2.5.1 相律から導かれる二元系状態図での規則 50 |
2.6 三元系状態図の作製 51 |
2.6.1 作製の前に 51 |
2.6.2 三元系状態図作製に必要な知識 51 |
2.6.3 固溶体生成領域が狭い三元系状態図作製 53 |
2.6.4 固溶体生成領域が広い相を含む三元系状態図作製 54 |
2.7 おわりに 56 |
文献 56 |
第3章 金属酸化物の格子欠陥 |
3.1 はじめに 57 |
3.2 酸化物(MO)の欠陥構造 57 |
3.2.1 ショットキー欠陥とフレンケル欠陥 57 |
3.2.2 電子的欠陥 61 |
3.2.3 電子的欠陥と不定比性 61 |
3.2.4 原子価制御 64 |
3.2.5 Brouwer図 65 |
3.3 複合酸化物における格子欠陥 67 |
3.3.1 単一相領域におけるBrouwer図 67 |
3.3.2 2相領域におけるBrouwer図 70 |
3.4 おわりに 72 |
文献 73 |
第4章 拡散 |
4.1 固体の中で起こるさまざまな拡散現象 74 |
4.1.1 金属の高温腐食 74 |
4.1.2 マーカー法とKirkendall効果 75 |
4.1.3 複化合物生成 76 |
4.1.4 拡散現象のさまざまな応用 78 |
4.2 拡散はどのようにして起こるのか:ミクロな拡散機構 80 |
4.2.1 化学結合と結晶内イオン拡散の考え方 80 |
4.2.2 イオン拡散と格子欠陥 81 |
4.2.3 結晶格子内イオン拡散以外の拡散経路:固体表面,界面,細孔を介した拡散 86 |
4.3 ミクロな拡散機構を巨視的なさまざまな拡散現象に結びつける:拡散現象の定式化 88 |
4.3.1 格子イオンの移動の一般的な考え方:酔歩理論と自己拡散係数 88 |
4.3.2 場による拡散:絶対反応速度論からのアプローチ 89 |
4.3.3 電気化学ポテンシャルと拡散係数,フィックの第1法則 91 |
4.3.4 導電率,ネルンスト-アインシュタインの式 92 |
4.3.5 固体電気化学系での拡散と電導の基礎式 93 |
4.4 種々の拡散現象の測定法と各種拡散係数 94 |
4.4.1 イオン導電率σiと自己拡散係数Di,欠陥拡散係数Dd 94 |
4.4.2 同位体拡散係数D*と不純物拡散係数Dx 95 |
4.4.3 欠陥拡散係数と同位体拡散係数,相関係数 101 |
4.4.4 欠陥移動の頻度計測:格子緩和の計測 102 |
4.4.5 化学拡散 102 |
文献 107 |
第5章 固体化学のための合成法 |
5.1 はじめに 108 |
5.2 理論から見る固体間反応 109 |
5.2.1 全率固溶体生成 109 |
5.2.2 1種類の複合酸化物が生成する擬二元系 110 |
5.2.3 粉体における固体間反応モデル 113 |
5.2.4 数種類の複合酸化物が存在する擬二元系 114 |
5.3 試料合成 116 |
5.3.1 試料合成前の情報収集 116 |
5.3.2 使用する装置類 116 |
5.4 代表的な試料合成法 117 |
5.4.1 固相反応法 117 |
5.4.2 液相を介した合成法 118 |
5.5 焼結 122 |
5.6 液相を介した合成プロセスを用いた薄膜作製法 123 |
5.6.1 ゾル-ゲル法 123 |
5.6.2 塗布熱分解法 124 |
5.7 おわりに 124 |
文献 124 |
第6章 結晶構造解析 |
6.1 はじめに:固体材料化学における結晶構造解析の意義 126 |
6.2 結晶についての基礎的なこと 126 |
6.2.1 結晶の分類 126 |
6.2.2 格子方向,格子面,ミラー指数 127 |
6.3 実際のX線回折測定について 129 |
6.4 X線回折パターンの解析方法 133 |
6.4.1 回折パターンの前処理 133 |
6.4.2 データベースとの比較による解析方法 134 |
6.4.3 回折パターンの指数付け 135 |
6.4.4 シグナルの位置からの情報 格子定数の精密化 136 |
6.4.5 シグナルの相対強度からの情報 構成原子の位置の最適化 137 |
6.5 中性子回折について 142 |
6.5.1 中性子回折パターンの特徴 143 |
6.5.2 中性子回折装置について 145 |
6.6 電子回折,特に収束電子回折について 146 |
6.6.1 電子回折パターンの特徴 146 |
6.6.2 収束電子回折 147 |
6.7 おわりに 148 |
文献 148 |
第7章 固体の熱分析 |
7.1 熱分析とは 149 |
7.2 熱重量測定 150 |
7.2.1 熱重量測定の原理と装置 150 |
7.2.2 TG曲線の意味 151 |
7.2.3 測定の注意点 153 |
7.2.4 固体反応速度の解析法 154 |
7.3 示差熱分析 158 |
7.3.1 示差熱分析の原理と装置 158 |
7.3.2 DTA曲線の意味 159 |
7.3.3 測定の注意点 163 |
7.3.4 定量DTA 164 |
7.3.5 活性化エネルギーの算出 164 |
7.4 示差走査熱量測定 165 |
7.4.1 示差熱分析(DTA)と示差走査熱量測定(DSC)の共通点と相違点 165 |
7.4.2 示差走査熱量測定の原理と装置 165 |
7.4.3 DSC曲線の解析法 167 |
7.4.4 測定の注意点 169 |
7.5 雰囲気制御 170 |
7.5.1 単純気体混合法 170 |
7.5.2 緩衝気体混合法 170 |
7.5.3 そのほかの系について 171 |
文献 172 |
第8章 イオン導電体/混合導電体の導電率測定 |
8.1 はじめに 173 |
8.2 導電率測定を始める前に 173 |
8.2.1 固体内の荷電粒子の輸送 173 |
8.2.2 全導電率,部分導電率 174 |
8.2.3 電極電位の意味 174 |
8.2.4 電極近傍での化学平衡 175 |
8.3 全導電率の測定 177 |
8.3.1 全導電率測定の考え方 177 |
8.3.2 全導電率測定の実際 178 |
8.4 部分導電率の測定 187 |
8.4.1 均一化学ポテンシャル条件での測定 187 |
8.4.2 選択的輸送測定 188 |
8.4.3 化学ポテンシャル勾配下での起電力とイオン輸送量の測定 191 |
8.5 おわりに 195 |
文献 197 |
第9章 リチウム二次電池実験法入門 |
9.1 はじめに 198 |
9.2 リチウム二次電池の動作原理 199 |
9.2.1 電極反応 199 |
9.2.2 電池の用語説明 200 |
9.2.3 電気量とインターカレーション量 201 |
9.2.4 容量密度 202 |
9.2.5 エネルギー密度 203 |
9.3 リチウム二次電池の構成要素 203 |
9.3.1 電池の構成要素 203 |
9.3.2 正極材料 204 |
9.3.3 負極材料 205 |
9.3.4 電解質 207 |
9.4 実験法 210 |
9.4.1 充放電試験とリチウム二次電池特性評価 210 |
9.4.2 電気化学セル 210 |
9.4.3 セルの構成 212 |
9.4.4 グローブボックス 214 |
9.4.5 充放電試験装置 214 |
9.4.6 充放電試験条件 214 |
9.5 電池反応の解析 218 |
9.5.1 電池反応の解析の必要性 218 |
9.5.2 サイクリックボルタンメトリーによる電気化学反応の解析 218 |
9.5.3 X線回折法による電気化学反応の解析 219 |
9.5.4 そのほかの解析法 220 |
9.6 おわりに 220 |
文献 221 |
第10章 固体電解質燃料電池の電極反応的測定法 |
10.1 固体酸化物燃料電池(SOFC)の概要 223 |
10.1.1 電解質(YSZ) 224 |
10.1.2 アノード(燃料極)(Ni-YSZサーメット) 225 |
10.1.3 カソード(空気極)((La,Sr)MnO3) 225 |
10.1.4 インターコネクタ/セパレータ(LaCrO3系酸化物) 225 |
10.2 固体電解質上の電極での分極に関する考え方 226 |
10.3 分極測定の実際 227 |
10.3.1 測定装置 228 |
10.3.2 電極の形状と配置 229 |
10.3.3 ガスシール 229 |
10.3.4 測定雰囲気のコントロール 230 |
10.4 分極データの解析 231 |
10.4.1 直流分極測定 231 |
10.4.2 交流インピーダンス計測 231 |
10.5 おわりに 232 |
文献 233 |
索引 235 |