はじめに 1 |
流れの世界 4 |
I 完全流体の力学 |
1.基礎方程式と基礎原理 28 |
1.1 基礎方程式 28 |
a.流れの記述法 28 |
b.流れを記述する未知変数は何か 29 |
1.2 実質微分・実質加速度 30 |
1.3 オイラーの運動方程式 33 |
1.4 オイラーの連続の方程式 36 |
1.5 流体運動における変位と変形 38 |
a.流体における変形と応力 38 |
b.運動の基本要素 39 |
c.変位・変形運動の基本要素による表示 41 |
d.渦度のベクトル表示 43 |
1.6 過度と渦 45 |
a.渦とうず巻き 45 |
b.ランキン渦モデル 46 |
c."うず"に見えない渦 47 |
d.渦なし流れと速度ポテンシャル 48 |
1.7 循環と渦度 48 |
a.循環の定義 48 |
b.循環と渦度 49 |
c.クッタージューコフスキーの定理 50 |
1.8 渦度方程式 53 |
2.ベルヌーイの定理および運動量保存則とその応用 57 |
2.1 ベルヌーイの定理 57 |
a.運動方程式の積分によるベルヌーイの定理の導入 59 |
b.圧力方程式 ベルヌーイの定理II 62 |
c.二つのベルヌーイの定理の比較と注意 63 |
2.2 ベルヌーイの定理の応用 66 |
a.トリチェリーの定理 66 |
b.ピトー管 67 |
c.ベンチュリー管 68 |
d.管のくびれ部の圧力 69 |
2.3 運動量保存則 70 |
a.流体における運動量保存則 70 |
b.運動量方程式の一般的な導き方 71 |
c.運動量束とフロー・フォース 72 |
2.4 運動量保存則の応用 73 |
a.平板に衝突する噴流 73 |
b.曲管部に働く力 74 |
c.管の急拡部での損失 74 |
d.物体に働く抗力と運動量束 75 |
e.底面に低い盛上りをもつ開水路流 77 |
3 流関数と速度ポテンシャル 80 |
3.1 流線と流関数 80 |
a.流線の定義 80 |
b.流関数 82 |
3.2 速度ポテンシャル 86 |
a.速度ポテンシャルの定義 86 |
b.速度ポテンシャルの満たすべき式 ラプラスの方程式 86 |
c.速度ポテンシャルの存在条件 91 |
d.非圧縮性流れの速度ポテンシャルについての考察 93 |
3.3 流線と等ポテンシャル線 94 |
a.流線と等ポテンシャル線の直交性 94 |
b.速度成分の積分とφおよびψ 95 |
4.二次元ポテンシャル流れ 98 |
4.1 複素速度ポテンシャル 98 |
a.複素平面 98 |
b.複素速度ポテンシャル 99 |
c.コーシーリーマンの関係式 複素関数の微分と正則関数 100 |
d.速度ベクトル 101 |
4.2 等角写像 101 |
a.等ポテンシャル線と流線の直交条件 101 |
b.フロー・ネット 102 |
c.等角写像 102 |
4.3 複素関数で表される基本的な流れ 104 |
a.一様流 104 |
b.角を回る流れ 105 |
c.渦糸 110 |
d.湧出し 112 |
e.二重湧出し 112 |
f.循環と湧出し 114 |
4.4 完全流体中の円柱 115 |
a.一様流中の円柱 115 |
b.循環を伴う円柱まわりの流れ 116 |
c.静止した完全流体中を運動する円柱 118 |
4.5 ミルンートムソンの円定理 120 |
4.6 円柱に働く力 122 |
a.定常流中の円柱の場合 123 |
b.非定常流中の円柱あるいは加速度運動をしている円柱に働く力 124 |
4.7 平板まわりの流れ 126 |
a.平板に斜めにあたる流れ 126 |
b.循環をもつ平板に斜めにあたる流れ 128 |
4.8 シュバルツークリストッフェルの定理 130 |
a.定理の発見的誘導 131 |
b.壁面に湧出しをもつ水路内の流れ 134 |
c.ダム下の砂礫層内の地下水流 136 |
4.9 自由流線をもつ流れ 140 |
a.スリットからの不連続流 141 |
b.平板に衝突する噴流 146 |
5.渦(うず) 149 |
5.1 渦線・渦管・渦糸 149 |
5.2 ケルビンの循環不変定理 151 |
5.3 ヘルムホルツの渦定理 152 |
5.4 不連続面と渦層 156 |
5.5 翼に働く揚力と渦 158 |
5.6 渦の誘導する速度 160 |
5.7 二次元の渦糸群の運動 161 |
a.二本の渦糸の運動 162 |
b.一本の渦糸列の安定性 163 |
c.渦糸群の運動の一般法則 164 |
5.8 カルマン渦列 166 |
5.9 プラウドマンーテイラーの定理 169 |
6.波 172 |
6.1 波の運動方程式 172 |
6.2 微小振幅の進行波 173 |
a.微小振幅波の基礎方程式 173 |
b.微小振幅波の速度ポテンシャル 174 |
c.波の分類 176 |
d.水粒子の軌道 178 |
6.3 微小振幅波のエネルギーと群速度 180 |
a.波のエネルギー 180 |
b.群速度 181 |
6.4 重複波 184 |
a.重複波の波形 184 |
b.重複波の軌道 185 |
c.容器内の静振波 187 |
6.5 有限振幅の波 189 |
a.ストークス波 189 |
b.ゲルストナーのトロコイド波 190 |
c.KdV方程式 191 |
問題 194 |
II 粘性流体の力学 |
7.粘性流体の基礎方程式 200 |
7.1 ナビエーストークスの方程式 200 |
a.粘性係数 200 |
b.応力記号と応力テンソル 201 |
c.ナビエーストークスの方程式の導入 202 |
7.2 レイノルズ数およびレイノルズの相似則 207 |
a.レイノルズ数 207 |
b.レイノルズの相似則 209 |
8.ナビエーストークス方程式の厳密解 213 |
8.1 平行流 213 |
8.2 平行平板間のクエットーポアズイユ流 214 |
8.3 管内流・ハーゲンーポアズイユ流れ 215 |
8.4 瞬間的に運動を始めた平板上の流れ レイリーの問題 219 |
8.5 振動平板による流れ 224 |
9.低いレイノルズ数域の流れ 229 |
9.1 球のまわりの遅い流れ 線型近似解 229 |
a.ストークス近似 230 |
b.オセーン(Oseen)近似 235 |
9.2 ストークス近似とオセーン近似の意味と比較 236 |
a.CDおよび流線に対するレイノルズ数の影響 237 |
b.流線のパターン 237 |
c.オセーンの伴流 238 |
d.ストークスのパラドックス 239 |
9.3 粘性の作用についての一般的考察 240 |
a.粘性の拡散作用 240 |
b.粘性のエネルギー消散作用 241 |
c.粘性流体とポテンシャル流 245 |
10.層流境界層 253 |
10.1 境界層概念の成立 253 |
10.2 プラントルの境界層方程式の導出 255 |
10.3 プラントルの境界層方程式への変換が意味する流れの性質の変化 258 |
11.平板に沿う層流境界層方程式のブラジウス解 261 |
11.1 境界層方程式の解析解 261 |
11.2 境界層方程式の数値解 268 |
11.3 境界層厚さ 269 |
11.4 壁面に働く粘性摩擦力 271 |
12.境界層の運動量方程式 275 |
12.1 境界層方程式の積分 275 |
12.2 相似流速分布を仮定する場合の運動量方程式 277 |
12.3 平板に沿う境界層の近似解 278 |
12.4 計算例 279 |
13.境界層の剥離 285 |
13.1 楔形を過ぎる流れ 285 |
13.2 境界層の剥離 286 |
問題 288 |
III 乱流および乱流拡散 |
14.乱流におけるレイノルズ応力 294 |
14.1 乱流の発生とレイノルズ応力 294 |
a.レイノルズの実験 294 |
b.レイノルズ応力 296 |
c.レイノルズ方程式 297 |
14.2 レイノルズ応力に関する仮説 298 |
a.ブシネスクの渦動粘性係数 298 |
b.プラントルの混合距離 299 |
c.カルマンの力学的相似の仮説 299 |
d.乱れのエネルギー方程式に基づく方法 300 |
15.管路の乱流 301 |
15.1 滑らかな管路 301 |
a.管の流入部の流れと十分に発達した流れ 301 |
b."壁法則"と"速度欠損則" 302 |
c.流速分布 302 |
d.粘性底層の厚さと普遍定数の意味 306 |
e.流速分布の領域区分 306 |
15.2 円管路の摩擦抵抗 309 |
15.3 粗い管路 311 |
a.流速分布 311 |
b.壁面の粗滑 312 |
c.粗い管の摩擦抵抗 313 |
15.4 ベキ乗流速分布式プラジウスの抵抗公式 316 |
15.5 まとめ 317 |
16.乱流境界層 318 |
16.1 平板に沿う乱流境界層流れ 318 |
a.乱流への遷移 318 |
b.乱れの間欠性 319 |
c.乱流境界層の流速分布 319 |
16.2 滑面平板に沿う乱流境界層の発達と抵抗則 323 |
a.1/7乗則による抵抗則 323 |
b.対数則による抵抗則 325 |
16.3 粗面平板の抵抗則 328 |
17.噴流と後流 330 |
17.1 壁面のない境界層としての噴流と後流 330 |
a.境界層方程式 331 |
b.渦動粘性係数 331 |
17.2 二次元噴流 332 |
17.3 二次元後流 336 |
a.後流の形成 336 |
b.後流の流速分布 337 |
18.乱流の発生 342 |
18.1 なぜポアズイユ流れの理論式が成立しないか? 342 |
18.2 平板に沿う層流境界層の安定問題 343 |
a.オアーゾンマーフェルトの方程式 343 |
b.レイリーの変曲点不安定定理 345 |
c.平板に沿う層流境界層の安定問題 347 |
18.3 乱流への遷移 348 |
a.平板境界層の乱流への遷移 350 |
b.後流の乱流への遷移 353 |
18.4 ケルビンーヘルムホルツの安定問題 356 |
18.5 テイラー渦とゲルトラー渦 357 |
19.乱流の統計理論 363 |
19.1 乱流の定義と表現 363 |
a.乱流の定義 363 |
b."渦"と"波" 363 |
c.相関係数 365 |
d.スペクトル 366 |
e.ウィナーヒンチンの定理 369 |
19.2 等方性乱流 370 |
a.相関係数テンソル 371 |
b.最小渦径と平均渦径 373 |
c.相関係数の伝播方程式 374 |
19.3 乱流におけるエネルギーの移行過程 375 |
19.4 コルモゴロフの局所等方性の理論 377 |
a.エネルギー・スペクトルに関するコルモゴロフの-5/3乗則 377 |
b.慣性小領域におけるその他の物理量のスペクトル 379 |
c.二次元乱流の慣性小領域のエネルギー・スペクトル 380 |
20.非等方性乱流 381 |
20.1 円管流の乱れ 381 |
a.軸対称流れのレイノルズ方程式 381 |
b.円管乱流の乱れの分布 383 |
c.乱れエネルギーの生産 384 |
d.乱れのエネルギー方程式 385 |
20.2 壁に沿う乱流境界層 386 |
20.3 噴流および後流 388 |
21.乱流の組織構造 391 |
21.1 乱流の実態 391 |
a.組織構造発見の発端 392 |
b.実験・解析手法 395 |
21.2 壁面領域の乱流構造 組織構造の多重性 398 |
a.バッファー域の低速縞 398 |
b.イジェクションとスウィープ 398 |
c.外層(対数 後流域)の組織構造 400 |
d.内層域と外層域の関係 402 |
e.低圧域と高圧域 402 |
21.3 開水路流の縦渦とボイル 402 |
21.4 自由剪断流の乱流構造 404 |
a.混合層流れ 404 |
b.軸対称噴流 408 |
21.5 乱流の予測と制御 409 |
22.乱流拡散 413 |
22.1 フィックの拡散方程式 413 |
a.拡散におけるフィックの法則 413 |
b.乱流拡散の方程式 415 |
c.ロバートの解 416 |
d.勾配型表示の限界 417 |
22.2 テイラーの拡散理論 417 |
a.乱流拡散とラグランジュ相関 417 |
b.テイラーの拡散理論式の変形 Kampe de Ferietの表示 420 |
c.広がり幅・拡散係数と距離の関係 テイラーの拡散理論の解 421 |
d.乱流拡散のスペクトルによる表現 423 |
e.濃度と観測時間 425 |
22.3 相対拡散 426 |
a.相対拡散への乱れ成分の寄与 426 |
b.慣性小領域の相対拡散 427 |
22.4 拡散における蛇行運動 430 |
a.テイラー型拡散と相対拡散 430 |
b.瞬間濃度と平均濃度の比 流下距離との関係 432 |
22.5 分散 433 |
問題 438 |
流体力学をきずいた人々 441 |
参考文献 443 |
問題のヒントと解答 455 |
索引 459 |