はじめに |
第一章 :様々な「日本人」像の追求 3 |
1. 問題:曖昧な「日本」「日本人」理解 3 |
アイデンティティ(自己同一性)の基礎 |
ヒト集団・民族・国籍・国家・国民・地域 |
日本列島内部の二つの相の多様性の区別 |
2. 学際研究の発展 7 |
「日本人」に関する学際研究の進展 |
DNA多型分析・形質人類学・ウイルス学・言語学 |
3. 本書の目的と構成 10 |
本書の目的 |
本書の構成 |
4. 第一章 のまとめ 11 |
第二章 :成人T細胞白血病ウイルス研究の貢献 13 |
1. ウイルス学と人類学 13 |
ヒトとウイルスの共進化 |
RNA型レトロウイルス |
2. 成人T細胞白血病ウイルス分布の地理的偏り 14 |
成人T細胞白血病と成人T細胞白血病ウイルス |
HTLV-Iキャリアの分布 |
HTLV-I亜型の分布 |
HTLV-I研究の人類学における意義 |
3. ウイルス学から「日本人」の起源へ 20 |
日沼氏の「多集団共存モデル」(1986) |
埴原氏の「二重構造モデル」(1991)による追認 |
DNA多型分析による日沼モデルの追認 |
4. 第二章 のまとめ 23 |
第三章 :DNA多型によるヒト集団の分類 25 |
1. DNAという導きの糸 25 |
DNA情報の単純さ |
骨・タンパクの分析からDNA分析へ |
2. ミトコンドリアDNA 27 |
ミトコンドリアDNAの系統樹 |
ミトコンドリアDNAの亜型分布 |
3. Y染色体 30 |
Y染色体の系統樹 |
Y染色体の亜型分布 |
4. 第三章 のまとめ 38 |
第四章 :日本列島におけるDNA多型 39 |
1. 日本列島に特徴的なY染色体亜型 39 |
日本列島内部のヒト集団の多様性 |
日本列島内における3大グループ・主要5系統 |
3大グループ・主要5系統の近親グループ |
2. 日本列島内部における地理的偏り 47 |
北海道(アイヌ) |
琉球(北部琉球・南部琉球) |
中間部三島(本州・九州・四国) |
3. 第四章 のまとめ 55 |
第五章 :人類の移動の歴史 57 |
1. 人類の誕生 57 |
人類発祥の地アフリカ |
人類誕生の年代推定 |
2. アフリカにおけるDNA多型と出アフリカ 60 |
アフリカに固有の集団、アフリカ外と共通の集団 |
アフリカに留まった集団、出て行った集団、戻った集団 |
出アフリカのルート |
3. ユーラシア南部におけるDNA多型 66 |
ユーラシア南部(南アジア)おけるヒト集団 |
南アジアにおけるDE系統およびC系統の分布 |
南アジアにおけるFR系統の分布 |
南アジアにおけるKR系統の分布 |
南アジアにおけるPR系統の分布 |
4. オセアニア・オーストラリアにおけるDNA多型 73 |
ニューギニアおよびオーストラリアにおける先住系ヒト集団 |
メラネシア、ミクロネシア、ポリネシアにおけるDNA多型 |
オセアニア・オーストラリアヘのヒトの移動(まとめ) |
5. ユーラシア西部におけるDNA多型 82 |
アナトリアにおけるDNA多型 |
ヨーロッパ・地中海世界におけるDNA多型 |
6. 中央アジア、シベリア、アメリカにおけるDNA多型 92 |
中央アジアにおけるDNA多型 |
シベリアにおけるDNA多型 |
アメリカ大陸へのヒトの移動 |
7. ユーラシア東部におけるDNA多型 104 |
日本列島周辺の民族と言語 |
ユーラシア東部(東南アジア、東北アジア)におけるDNA多型 |
ユーラシア東部におけるD系統の分布 |
ユーラシア東部におけるC系統の分布 |
ユーラシア東部におけるO系統の分布 |
ユーラシア東部におけるR系統、N系統、K系統の分布 |
朝鮮半島におけるDNA多型 |
8. ヒト集団の移動の歴史(まとめ) 112 |
C系統 |
DE系統 |
FR系統 |
KR系統 |
PR系統 |
9. 第五章 のまとめ 117 |
第六章 :日本列島内の様々なヒト集団の歴史 119 |
1. 日本列島へのヒト集団の移動 119 |
日本列島内のルーツを異にする様々なヒト集団 |
C3系統 |
D2系統 |
C1系統 |
O系統(O2b系統、O3系統) |
その他の系統 |
2. 日本列島の先住系ヒト集団 128 |
先住系遺伝子プールと古代における先住系民族 |
エミシ |
ツチグモ |
ハヤト |
3. 第六章 のまとめ 133 |
第七章 :DNA多型から見た日本列島諸言語の歴史 135 |
1. DNA多型と言語との関連 135 |
DNA多型と言語との乖離 |
DNA多型と言語との相関例 |
2. 言語学的方法論の有効性と問題点 137 |
系統樹モデルの前提条件とその制約 |
地域伝播モデルによる言語変化 |
タイポロジーに基く言語学的方法論 |
系統か?地域か? |
3. 日本列島諸言語と近隣諸言語との接触 148 |
ヒト集団の歴史的推移と言語接触 |
有史以前に接触した可能性 |
歴史時代以降に現れた影響 |
4. 日本列島諸語の地域ごとの成立史 157 |
アイヌ語 |
日本語諸語 |
琉球語諸語 |
5. 第七章 のまとめ 162 |
第八章 :結論と今後の展望 165 |
1. 結論 165 |
2. 残された問題 168 |
3. 今後の課題 169 |
4. 第八章 のまとめ 170 |
あとがき 173 |
参考文献 175 |