まえがき 高岡健 1 |
第一章 社会の変容に精神がしてきたこと 11 |
オウム真理教事件から見た日本社会の病 15 |
新しい消費資本主義の登場による倫理の混乱と解体 20 |
心身のコントロールがうまくできない時代の到来 24 |
オウム真理教事件を親鸞的に解釈すると 28 |
必要なのはこれまでとは違うモラルの構築 31 |
転換点としての一九七〇年代-バーチャル・リアリティの出現 35 |
時代に対する拒否反応としての子どもたちの登校拒否 40 |
エディプス理論を超える新しい治療と思想の必要性 43 |
無意識という概念に起こっている変化 46 |
精神医学の新しい課題-バーチャル・リアリティとしての無意識 50 |
第二章 社会を変えようとした若者、若者を変えてしまった社会 55 |
全共闘運動を弾圧した当時のリベラル派教授たちのバックグラウンド 57 |
安保ブントの島成郎が対峙した時代 66 |
六〇年安保闘争は後始末がたいへんだった 68 |
一九六〇年は政府や政権に反抗する最後のチャンス 73 |
全共闘運動を体験した高校はいい学校になっている 77 |
いい面でも悪い面でも全共闘運動は社会を先取りしていた 82 |
普遍性より特殊性が問われる時代 85 |
全共闘と三島由紀夫の共通点・相違点 88 |
生き神様主義は日本固有の考え方 95 |
日本社会の独自性を見極める必要がある 101 |
思想で重要なことは真理にどれだけ近いかということ 104 |
超資本主義社会に追いついていない日本の機構や体制 107 |
フリーターに見られる社会に対する積極的な意味性 110 |
九〇年以降に見られる若者の差異化強迫の思考と行動 114 |
子どもの時間と大人の時間には流れの相違がある 117 |
少年法の刑罰適用範囲の年齢を下げることの問題点 122 |
技術が進歩しても変わらない精神の部分がたいせつ 128 |
第三章 いい時代をつくるための精神をどう養うか 137 |
六〇年安保の時代死としての岸上大作 140 |
敗戦直後の時代死としての原口統三 146 |
時代病は社会の変化に対応できない精神に起こる 155 |
女が男になりたがっているいまの時代は過渡期である 159 |
「個人的な自己」と「社会的な自己」がはっきりと自分の中で分離されていない 164 |
日本の古臭い資本主義を刺激した堀江ライブドア 168 |
共同幻想の変容が引き起こしている年三万人の自殺 174 |
「主役は女性」時代の到来と問題点 181 |
追い詰めると「人間力=人間が描きうる可能性」が残ることがマルクスの偉大さ 187 |
必要なのは「人間力」を殺さない社会、そして時代 191 |
注解 |
オウム真理教と連合赤軍 18 |
消費資本主義と無意識の変容 23 |
登校拒否と引きこもり 39 |
安保闘争と全共闘運動 64 |
島成郎と森山公夫 72 |
三島由紀夫と村上一郎 92 |
原口統三と岸上大作 152 |
フェミニズムと上野千鶴子 162 |
病と老人問題 196 |
(注解・高岡健 作成) |
あとがき 吉木隆明 200 |