はしがき [松下和夫] i |
第Ⅰ部 なぜ今環境ガバナンスか |
第1章 環境ガバナンス論の新展開 [松下和夫・大野智彦] 3 |
1 なぜ今環境ガバナンスか 3 |
2 ガバナンスの意味 4 |
3 これまでの主要なガバナンス概念 5 |
4 コモンズ論,社会関係資本論と環境ガバナンス論 9 |
4-1 コモンズ論の潮流 10 |
4-2 コモンズ論とガバナンス論 11 |
4-3 社会関係資本論の潮流 12 |
4-4 環境ガバナンス論と社会関係資本論 14 |
5 持続可能な都市と環境ガバナンス 15 |
5-1 都市の環境ガバナンスの重要性 15 |
5-2 都市の環境ガバナンス論の課題 17 |
6 地球環境ガバナンスの構築と強化 17 |
7 環境ガバナンス論の課題 21 |
第2章 環境ガバナンスの分析視角 [武部隆] 33 |
1 はじめに : 環境ガバナンスの四つの分析視角 33 |
2 契約論的な視点に立った環境ガバナンス 34 |
2-1 完備契約・不完備契約とインセンティブ 34 |
2-2 煤煙防止投資と生産量の決定 35 |
3 社会関係資本の視点に立った環境ガバナンス 38 |
3-1 社会関係資本の充実 38 |
3-2 事例 : 公益法人制度改革 40 |
3-3 非営利法人論からみた考察 41 |
4 リスク分析の視点に立った環境ガバナンス 43 |
4-1 リスクに関する知識別・受容性別にみた各種環境問題 43 |
4-2 事例 : 牛海綿状脳症(BSE)の場合 45 |
5 環境効率性の視点に立った環境ガバナンス 49 |
5-1 環境効率性の向上 40 |
5-2 インセンティブからみた排出削減技術の採用 50 |
6 むすび : 環境ガバナンス論の構築に向けて 51 |
第3章 真のエコテクノロジーを生む技術ガバナンス [内藤正明] 55 |
1 いま技術のガバナンスがなぜ問題か? 55 |
2 技術がもたらした功罪 56 |
2-1 現代の科学・技術の経緯 56 |
2-2 科学・技術のもたらした副作用とは 57 |
3 技術の副作用がなぜ生じたか 59 |
4 技術の新たなガバナンスの試み 61 |
4-1 新たなガバナンスを模索する試み 61 |
4-2 新たなガバナンスを目指す試みの頓挫 63 |
4-3 真のエコテクノロジー開発のためのガバナンスの萌芽 64 |
5 これからの技術ガバナンス主体としての市民 65 |
5-1 市民技術の提案 65 |
5-2 事例 : 中国の自立型バイオエネルギー生産と環境保全技術 66 |
6 市民技術による持続可能な地域社会の形成 69 |
6-1 持続可能社会の定義 69 |
6-2 持続可能社会の具体的な目標 70 |
6-3 持続可能社会の二つの選択肢 71 |
6-4 〈もう一つの技術〉で支えられる持続可能社会 72 |
7 我が国の持続可能社会像を目指す事例 74 |
7-1 丹後・持続可能な地域づくり : 「手づくりエコトピアヘの挑戦」 74 |
7-2 滋賀県の持続可能社会像づくり 78 |
8 技術ガバナンスのこれから 81 |
第Ⅱ部 非政府アクターと環境ガバナンスの構造変革 |
第4章 地球環境ガバナンスの変容とNGOが果たす役割 : 戦略的架橋 [松本泰子] 85 |
1 はじめに : 地球環境ガバナンスの変容とNGO 85 |
2 分析視角 : 戦略的架橋とは 87 |
3 事例 : 国際環境NGOのノンフロン冷蔵庫キャンペーンと企業の意思決定 88 |
3-1 議論の前提 88 |
3-2 問題の背景と経過 : HFCと環境問題 91 |
3-3 各アクターはどう振る舞ったか 94 |
3-4 日本とドイツの比較 106 |
4 むすび 109 |
第5章 企業と持続可能社会 : CSRの役割 [小畑史子] 113 |
1 はじめに 113 |
2 CSRの現状 114 |
2-1 過去の議論と現在の議論 114 |
2-2 国際的な動きとわが国の動き 115 |
3 環境のグローバル及びローカルな側面とCSR 118 |
3-1 「環境」の重視 118 |
3-2 受益者以外のステークホルダーヘの説明責任 120 |
4 国家法とCSR 122 |
4-1 コンプライアンスとCSR 122 |
4-2 環境法政策とCSR 123 |
4-3 ステークホルダーのアクションとしての公益通報 126 |
5 むすび 127 |
第6章 環境リスクコミュニケーションにおける共有知識の役割 [吉野章] 129 |
1 はじめに 129 |
2 環境リスクとリスクコミュニケーション 131 |
2-1 開発をめぐる力のゲーム 131 |
2-2 環境リスク情報の不完全性とリスク認知の多様性 133 |
3 開発をめぐる対立と不信 135 |
3-1 開発者にとっての開発計画開示の意味 135 |
3-2 住民にとっての開発計画開示の意味 137 |
3-3 不信の醸成と固定化 138 |
4 合意形成におけるリスクコミュニケーションの可能性 140 |
4-1 共有知識の理論 140 |
4-2 開発をめぐる対立と不信の共有知識による理解 144 |
4-3 共有知識の形成 146 |
5 むすび 148 |
第Ⅲ部 ガバナンスから流域管理を考える |
第7章 流域連携とコースの自発的交渉 [浅野耕太] 153 |
1 はじめに 153 |
2 流域の外部経済モデル 154 |
3 コースの自発的交渉 159 |
4 流域連携を妨げるもの 163 |
第8章 流域ガバナンスを支える社会関係資本への投資 [大野智彦] 167 |
1 はじめに 167 |
2 社会関係資本形成と公共政策 170 |
2-1 社会関係資本形成と公共政策に関する既存の議論 170 |
2-2 社会関係資本の類型 172 |
3 なぜ流域連携が必要か 174 |
3-1 流域のガバナンスの転換 174 |
3-2 協働型ガバナンスを支える社会関係資本 175 |
3-3 実際の河川政策における社会関係資本への着目 176 |
4 流域連携支援の実際 178 |
4-1 施設の概要 178 |
4-2 これまでの支援内容 179 |
5 「支援」の効果 : 聞き取り調査から 181 |
5-1 団体の概要 182 |
5-2 形成された団体間ネットワーク 182 |
5-3 利用の契機 185 |
5-4 期待される支援のあり方 187 |
5-5 利用の契機,施設への要望と新たに形成されたネットワーク 188 |
6 考察 189 |
第9章 流域水管理における主体間の利害調整 : 矢作川の水質管理を素材として [太田隆之] 197 |
1 はじめに 197 |
2 矢作川の水質汚濁と矢水協 198 |
2-1 矢作川の水質汚濁問題 198 |
2-2 矢水協 200 |
3 矢水協を検証するための理論的フレームワーク 202 |
4 矢水協の結成と活動による費用負担問題 206 |
4-1 組織形成とインセンテイブ 206 |
4-2 費用負担問題とその克服 213 |
5 むすび 221 |
第Ⅳ部 都市のガバナンスを改善する |
第10章 サスティナブル・シティづくりのためのガバナンス [吉積巳貴] 227 |
1 はじめに227 |
2 サスティナブル・シティづくりの潮流 229 |
2-1 サスティナブル・シティの概念 229 |
2-2 サスティナブル・シティづくりの取り組み : 欧州の取り組みを事例に 232 |
3 サスティナブル・シティづくりのための政策統合 235 |
3-1 政策統合の意義 235 |
3-2 欧州の環境政策統合 236 |
3-3 多治見市の環境政策統合の取り組み 240 |
4 サスティナブル・シティのための市民参加 241 |
4-1 サスティナブル・シティづくりにおける市民参加の意義 241 |
4-2 市民参加の形態 242 |
4-3 ヨーロッパにおける市民参加の取り組み 244 |
4-4 西宮市の市民参加の取り組み 246 |
4-5 サスティナブル・シティづくりに必要な市民参加のあり方 250 |
5 おわりに 250 |
第11章 途上国の都市の環境ガバナンスと環境援助 : タイのLA21プロジェクトを素材として [礪波亜希・森晶寿] 253 |
1 なぜLA2lプロジェクトに注目するのか 253 |
2 なぜ持続可能性が求められるようになったのか 254 |
3 LA21作成支援プロジェクトの背景 : 地方分権化と補完性原則 256 |
4 LA21作成支援プロジェクトとその成果 258 |
4-1 概要 258 |
4-2 LA21における住民参加 262 |
4-3 LA21の具現化 264 |
5 LA21を通じた都市の環境ガバナンス改善と対外援助への示唆 270 |
第Ⅴ部 環境ガバナンスの戦略的課題 |
第12章 環境ガバナンス論の到達点と課題 [松下和夫] 275 |
1 はじめに 275 |
2 なぜ今環境ガバナンスか 276 |
3 非政府アクターと環境ガバナンスの構造変革 279 |
4 ガバナンスから流域管理を考える 282 |
5 都市のガバナンスを改善する 284 |
6 環境ガバナンス論の到達点と課題 286 |
第13章 環境政策の欠陥と環境ガバナンスの構造変化 [植田和弘] 291 |
1 はじめに 291 |
2 現代環境問題の特質 292 |
3 環境政策の欠陥と環境ガバナンスの課題 295 |
3-1 環境政策の欠陥 295 |
3-2 政府の失敗と環境ガバナンスの課題 297 |
4 持続可能な発展の重層的環境ガバナンス 302 |
4-1 持続可能な発展 302 |
4-2 持続可能な地域社会から重層的環境ガバナンスヘ 304 |
5 おわりに 306 |
あとがき 309 |
索引 311 |
はしがき [松下和夫] i |
第Ⅰ部 なぜ今環境ガバナンスか |
第1章 環境ガバナンス論の新展開 [松下和夫・大野智彦] 3 |