1 はじめに 1 |
1.1 化学と環境のいま 1 |
1.2 環境保護の歩み 3 |
市民意識の高まり 3 |
薄めれば汚染もなくなる 6 |
“命令と規制”方式 6 |
汚染を防ぐ 7 |
グリーンケミストリー 8 |
1.3 科学者の役割 8 |
2 グリーンケミストリーとは 11 |
2.1 定義 11 |
2.2 なぜグリーンケミストリーに注目するのか 12 |
2.3 なぜグリーンケミストリーを目指すのか 13 |
2.4 過去を振り返る 16 |
2.5 従来の限界、そしてグリーンケミストリーへ 17 |
3 化学合成で注目するところ 21 |
3.1 新しい原料 21 |
3.2 新しい反応試薬 24 |
3.3 新しい溶媒 25 |
3.4 新しい目標分子 25 |
3.5 プロセス計測化学 26 |
3.6 新しい触媒 26 |
4 グリーンケミストリーの12箇条 29 |
4.1 廃棄物は“出してから処理”ではなく、出さない 29 |
4.2 原料をなるべくむだにしない形の合成をする 32 |
転位反応 32 |
付加反応 33 |
置換反応 33 |
脱離反応 33 |
4.3 人体と環境に害の少ない反応物、生成物にする 33 |
4.4 機能が同じなら、毒性のなるべく小さい物質をつくる 35 |
安全な化学物質の設計とは 35 |
安全な物質のデザイン法 35 |
4.5 補助物質はなるべく減らし、使うにしても無害なものを 36 |
化学合成の補助物質 36 |
溶媒の心配なところ 36 |
溶媒と環境 37 |
超臨界流体を使う 38 |
溶媒を使わない 38 |
水を溶媒に使う 39 |
溶媒を固定化する 39 |
4.6 環境と経費への負荷を考え、省エネを心がける 39 |
化学産業のエネルギー消費 39 |
エネルギーの使いかた 40 |
反応促進のための加熱 40 |
反応制御のための冷却 41 |
分離に使うエネルギー 41 |
マイクロ波の利用 41 |
超音波の利用 41 |
反応の最適化とは省エネだと心得る 42 |
4.7 原料は、枯渇性資源ではなく再生可能な資源から得る 42 |
再生可能な原料と枯渇性の原料 42 |
持続可能性(サステイナビリティー) 43 |
環境への直接影響 43 |
環境への関節影響 43 |
供給不足の生むコスト面の圧力 43 |
石油と政治 44 |
生物系原料の不安要因 44 |
4.8 途中の修飾反応はできるだけ避ける 45 |
多用される修飾反応 45 |
保護基を使う 45 |
塩にして扱いやすくする 45 |
いずれ外す官能基をつける 46 |
4.9 できるかぎり触媒反応を目指す 46 |
4.10 使用後に環境中で分解するような製品を目指す 47 |
現状 47 |
環境中の残留 48 |
4.11 プロセス計測を導入する 49 |
4.12 化学事故につながりにくい物質を使う 49 |
5 毒性と環境影響を考える 51 |
5.1 人体に対する毒性 51 |
5.2 野生生物に対する毒性 53 |
5.3 地域環境への影響 54 |
5.4 地球環境への影響 55 |
6 反応の原料を考える 57 |
6.1 原料はどこから 57 |
6.2 再生可能な資源か、枯渇性の資源か 58 |
6.3 有害か、無害か 58 |
6.4 原料は後の工程をどう左右するか 59 |
7 反応のタイプを考える 61 |
7.1 化学変化にはどんな種類があるか 61 |
転位反応 62 |
付加反応 62 |
置換反応 64 |
離脱反応 66 |
ペリ環状反応 68 |
酸化還元反応 69 |
7.2 反応を進める条件はどうか 70 |
ほかの試薬も必要か 70 |
廃棄物は出るか 71 |
8 安全な分子をデザインする 73 |
8.1 作用メカニズムを調べる 74 |
8.2 構造-活性相関を利用する 76 |
8.3 毒性につながる官能基を除く 76 |
8.4 生体への取込みを最小限にする 77 |
8.5 余計な物質はなるべく使わない 78 |
9 実例でみるグリーンケミストリー 79 |
9.1 合成の原料 79 |
多糖類をポリマーに 79 |
グルコースを汎用化学品に 80 |
廃バイオマスを化学品に 80 |
9.2 合成の反応 83 |
アトムエコノミーと均一触媒 83 |
ハロゲン化物イオンを使わない芳香族アミンの合成 83 |
ストレッカー合成の改良 85 |
9.3 反応に使う試薬 86 |
ホスゲンを使わないイソシアナート合成 86 |
ジメチルカーボネートを使う選択的メチル化 87 |
炭酸ジフェニルを使う無定型ポリマーの固相重合 87 |
遷移金属錯体を使う酸化 88 |
液相酸化の反応器 88 |
9.4 溶媒と反応条件 89 |
超臨界流体を溶媒に使う 89 |
水を溶媒に使う 92 |
溶媒を固定化する 92 |
光反応を利用する 93 |
9.5 最終製品 94 |
ニトリルの改良デザイン 95 |
ローム&ハース社の生物付着防止剤 “シー・ナイン” 96 |
ローム&ハース社の殺虫剤 “コンファーム” 96 |
ドンラー社のポリアスパラギン酸 97 |
ポラロイド社の複合体型現像主薬 97 |
10 未来へ 101 |
10.1 酸化反応の試薬と触媒 101 |
10.2 生体に学ぶ多機能分子 102 |
10.3 コンビナトリアル・グリーンケミストリー 103 |
10.4 環境を汚さず、環境浄化にもつながる反応 103 |
10.5 溶媒を使わない反応 104 |
10.6 エネルギーへの配慮 104 |
10.7 共有結合を使わない反応 105 |
まとめの問題 107 |
文献 111 |
監訳のことば 117 |
訳者あとがき 119 |
索引 121 |