まえがき 3 |
第1章 都市の「持続可能性」を定式化する 15 |
1.持続可能性という言葉にこめられた思い 15 |
2.定常性とサスティナビリティ 16 |
a.石ころモデル 16 |
b.ポリバケツ・モデル 17 |
c.都市の動的均衡としての維持可能性 19 |
c-1.自然環境の維持可能性 19 |
c-2.都市活動水準の維持可能性 20 |
3.安定性とサスティナビリティ 21 |
a.中華鍋モデルー少々バランスを失っても戻れる 21 |
b.都市の安定均衡としての維持可能性 22 |
4.閉鎖系とサスティナビリティ 23 |
a.牧草地のポニー・モデル 24 |
b.都市の循環構造と維持可能性 28 |
5.確率的変動とサスティナビリティ 30 |
a.各人の自由と偶然 30 |
b.集団双六モデル 31 |
c.確率的均衡としての維持可能性 34 |
6.土地利用のサスティナビリティ 35 |
第2章 建築・都市パターンとエネルギー 39 |
1.検討の目的 39 |
2.省資源・省エネルギー型市街地形成のための「定石」 40 |
3.面的エネルギー対策の検討例 44 |
4.都市計画制度の運用に期待されること 46 |
4-1 ゾーニングの手法 46 |
4-2 マスタープランの手法 47 |
4-3 地区計画の手法 49 |
4-4 転換期の都市計画制度 50 |
第3章 自動車利用と持続可能性 53 |
商業開発コントロール制度を考える |
1.商業立地と自動車利用 53 |
商業開発の郊外化と持続可能性 53 |
自動車利用の抑制を視野に入れた商業開発のコントロール 54 |
2.商業開発コントロール制度を整理する視点 56 |
自動車利用削減という目標の浸透 56 |
開発の規模やセンターの性格,駐車場の水準に関する広域調整 56 |
規制の方法と開発の可否の判断 57 |
3.イングランドの事例 ケンブリッジシャー都市圏 58 |
ケンブリッジシャー都市圏の概要 58 |
計画の体系 59 |
自動車利用削減という目標の浸透 61 |
開発の規模・センターの性格に関する広域調整 62 |
駐車場水準に関する広域調整 64 |
規制制度と開発の可否の判断基準 65 |
提出が求められる情報 66 |
4.アメリカ・オレゴン州の事例 ポートランド都市圏 68 |
ポートランド都市圏の概要 68 |
計画の体系 69 |
自動車利用削減という目標の浸透 70 |
開発の規模・センターの性格に関する広域調整 71 |
駐車場水準に関する広域調整 72 |
規制制度と開発の可否の判断基準 74 |
提出が求められる情報 76 |
5.わが国に欠けているものは何か? 76 |
上位政府レベルにおける自動車利用削減という目標の設定 77 |
施策としての土地利用コントロールの認知 77 |
広域調整のしくみ 78 |
開発を適切にコントロールできる土地利用規制制度 79 |
開発を許可する段階での交通問題の考慮 80 |
第4章 人口の安定性と都市地域 83 |
1.「持続可能性(サステイナビリティ)」の多義性と都市の人口 83 |
2.東京圏の人口分布変化と「人口安定地区」 86 |
3.「安定地区」の特性と類型 91 |
(1)年齢コーホート変化率 91 |
(2)教育状態・労働力状態 93 |
(3)入居時期・前住地 95 |
(4)通勤・通学 95 |
(5)住宅関係 96 |
4.他地域との比較 100 |
5.今後の展開に向けて 105 |
第5章 都市社会の持続可能性 109 |
鎌倉市の環境運動に焦点をあてて |
1.持続可能な都市と市民参加 109 |
1-1.環境問題の普遍化と市民参加 109 |
1-2.環境運動の意義 111 |
2.鎌倉市における環境運動 112 |
2-1.環境運動の展開 112 |
2-2.市民参加の流れと鎌倉市総合計画 115 |
3.2 つの環境運動 117 |
3-1.谷戸の開発反対運動 117 |
3-2.三大緑地の保全運動 123 |
4.環境の共有 126 |
4-1.環境運動の根拠~環境の共同占有権という考え方 126 |
4-2.「環境」の定義をめぐって 127 |
5.市民社会は形成されるか 129 |
第6章 団地建て替えと「心」の持続可能性 137 |
1.都市の団地とそこで生活する人々の特性 137 |
地域の概況と住民の特性~団地の老朽化と住民の高齢化 138 |
行政の取り組み 140 |
地区の実態・課題 143 |
生活・健康上の心配、不安 144 |
理想の地域のイメージ 145 |
サービス・情報提供に関する評価と課題 145 |
問題解決のための対策と課題 146 |
団地建て替えに伴う不安 147 |
2.団地建て替えと「心」の期待と不安 151 |
住民同士の「心」の触れ合い・交流 151 |
生活・健康上の問題 153 |
地区のサポートシステム 154 |
3.「心」と「環境」のバリアフリー化 157 |
住環境変化への適応と支援 157 |
4.地域のネットワークづくりと「心」の持続可能性 157 |
地区のネットワークのイメージ 157 |
ネットワークの構築と機能を拡充するための方策 159 |
5.今後の展開 160 |
第7章 持続可能なまちづくり 163 |
スマート・コミュニティ形成の戦略 |
1.持続可能なまちづくり 163 |
2.まちづくりへの生態系の視点の導入の系譜 165 |
3.生物における持続可能性 167 |
4.人間社会の持続可能性 168 |
5.コミュニティをとりまく制度的環境の変化 171 |
6.持続可能なコミュニティの「かたち」の選択肢 173 |
7.持続可能性なコミュニティの機能 175 |
8.資源動員論の戦略化 177 |
1)資源動員論 177 |
2)戦略的選択アプローチ 178 |
9.「地域力」を高めることがまちづくり 180 |
1)社会資本の構築 180 |
2)キャパシティ・ビルディング 182 |
10.社会移行の可能なプロセスの条件 182 |
11.形態生成的なプロセスの原則 183 |
1)コンヴィヴィアリティ 183 |
2)戦略的選択 184 |
3)政策執行力の重視 185 |
4)継続的なアイデンティティ確認 185 |
第8章 広義の「経済」と都市の持続可能性 189 |
1.「エコノミック」の二つの意味と広義の経済学 189 |
(1)カール・ポランニーによる問題提起 189 |
(2)玉野井芳郎による広義の経済学の提唱 192 |
2.生命系と地球環境問題 193 |
(1)エントロピーの「処理」 193 |
(2)有機的生産と機械的生産 194 |
(3)地球環境問題とエコロジカル・フットプリント 196 |
(4)地球環境協力のあり方 199 |
3.地域主義とグローバル・エコノミー 200 |
(1)地域社会と市場経済 200 |
(2)地域主義のヨーロッパ 202 |
(3)ローカルな地域,リージョナルな地域 203 |
(4)地域間関係とグローバル・エコノミー 204 |
4.持続可能な都市 207 |
(1)生活世界としての都市 207 |
(2)諸地域のネットワークと都市 208 |
(3)都市の持続可能性と地域通貨 210 |
第9章 ゴミ・公害・土地 215 |
循環型社会推進の根底 |
1.循環型社会推進のため 215 |
(1)問題の経過 215 |
(2)生産の規制 216 |
(3)消費者の購入志向 217 |
(4)商品購入時に廃棄コストを上乗せ 217 |
(5)処理・処分の負担を最小に 217 |
2.江東ゴミ戦争と土地問題 218 |
(1)1970年代の新公害問題 218 |
(2)江東ゴミ戦争の勃発 220 |
(3)杉並清掃工場問題 221 |
3.ゴミ問題とリサイクル 223 |
(1)町田市環境問題研究会 223 |
(2)分別収集に当たり-宅地所有規模 224 |
(3)リサイクル実現の隘路 225 |
4.戦前東京の土地所有と経営 227 |
(1)旧武家地の転用 227 |
(2)地主の不動産経営 230 |
(3)頻発する火災と高額家賃 231 |
5.戦後の土地所有 235 |
(1)終戦後の財産税 235 |
(2)1970年代以後の宅地所有 236 |
6.土地所有の諸案・諸形式 238 |
(1)土地公有案(中国都市の国有化) 238 |
(2)幻の宅地改革案と近況 239 |
7.持続可能な都市をめざして 241 |