刊行にあたって |
まえがき |
1. 好熱菌の魅惑 1 |
1.1 生命生存の温度限界 1 |
好熱生物の発見 |
高温下生物の種類 |
1.2 高温下生物学 4 |
イエローストンの好熱生物 |
日本の温泉生物 |
高温下生化学 |
1.3 好熱菌研究の目指すもの 8 |
食品保存と好熱菌 |
好熱菌研究の動機 |
好熱菌の進化 |
好熱菌の起原 |
生物の温度順化 |
好熱菌による生体反応の解析 |
好熱菌の利用 |
好奇心こそ動機 |
2. 好熱菌:その単離と性質 16 |
2.1 好熱菌の定義と分類 16 |
分類 |
用語 |
高度好熱菌 |
分類学上の地位 |
中等度好熱菌 |
B.stearothermophilus |
特殊な好熱菌 |
好酸性好熱菌 |
自然変種 |
2.2 好熱菌の分離 30 |
温泉からの分離例 |
高熱環境 |
太陽光 |
発酵熱 |
温泉 |
ボイラー |
3. 好熱菌の酵素の性質 37 |
3.1 研究の総括 37 |
3.2 あつ湯好きかガマン強い酵素か 38 |
動的平衡説 |
耐熱性と生育温度 |
熱安定という用語のあいまいさ |
変性の追跡法 |
3.3 好熱菌酵素の比較生化学 43 |
相同 |
分子の大きさ |
触媒活性の強さ |
アロステリック酵素 |
好熱菌のアロステリック酵素 |
高温下のアロステリズム |
3.4 構造と耐熱性の関係 50 |
内部構造 |
好熱菌酵素の変性剤耐性 |
有機溶媒による活性化 |
塩とpHの影響 |
S-S結合 |
安定化と化学結合 |
疎水性 |
安定性と二次構造含量 |
アミノ酸組成の偏り |
Cysは嫌い? |
安定化と微妙な構造変化 |
4. 好熱菌の核酸:構造, 機能と耐熱性 63 |
4.1 DNA 63 |
G-C対含量 |
アミノ酸組成との関係 |
DNAのコンフォメーション |
G+C 含量と変異 |
4.2 転移 RNA 68 |
tRNA のTm |
好熱菌のtRNA は格好の研究材料 |
tRNA のCDと塩基対 |
tRNA の耐熱化, その1 |
G-C対含量とTm |
高度好熱菌のメチオニン tRNA |
好熱菌 tRNAの塩基配列 |
tRNA の耐熱化, その2 |
チオ化と Tm |
物理化学的測定 |
マグネシウムの影響 |
カギ握るG-C対と修飾塩基 |
修飾による安定化は普遍的か |
生命の温度限度 |
分子進化 |
4.3 好熱菌のメッセンジャー RNA 88 |
5. 核タンパク質とファージの安定性 89 |
5.1 リゾソーム 89 |
変性温度 |
rRNA |
rRNA の一次構造 |
リボソームタンパク質 |
5.2 好熱菌のバクテリオ・ファージ 99 |
中等度好熱菌のファージ |
高度好熱菌のファージ |
ファージの熱安定 |
好熱菌ファージのこれから |
6. タンパク合成反応 108 |
6.1 好熱菌の無細胞タンパク合成反応 108 |
好熱菌の特長 |
中等度好熱菌の無細胞系 |
忠実度 |
高度好熱菌の無細胞系 |
高度好熱菌系の忠実度 |
ポリアミン要求性 |
6.2 ポリアミン:神秘の生理活性物質 115 |
自然界のポリアミン |
ポリアミンの役割 |
作用点を探る |
好熱性との関係 |
6.3 新ポリアミンの宝庫 123 |
ポリアミン組成 |
新ポリアミン |
新ポリアミンの生理的意義 |
新ポリアミンの分布 |
7. 細胞膜 130 |
7.1 細胞膜の分析 130 |
表層構造 |
スフェロプラスト膜 |
膜脂質の組成 |
相転移 |
流動性 |
膜物性と変異体 |
膜物性と生育温度限界 |
7.2 好熱菌 PS-3 の膜機能の解析 139 |
PS-3 |
膜結合性ATPase |
リン酸化 |
膜機能の耐熱性 |
7.3 好酸性好熱菌の膜 144 |
耐酸性機構 |
好酸性好熱菌の膜脂質 |
好酸性好熱性ファージ |
8. 好熱菌の戦略:耐熱性をどう獲得したか 148 |
8.1 耐熱機構の分類 148 |
内在性機構 |
外因性機構 |
複合型熱安定化機構 |
変性温度は培養温度で変わるか |
8.2 内在性機構の物理化学的解析 154 |
X線解析 |
反応の活性化エネルギー |
変性の活性化エネルギー |
熱力学からみた熱安定化機構 |
8.3 耐熱性は移せるか 160 |
好熱菌のポリメラーゼ |
形質転換 |
参考書 165 |
索引 166 |