においの感覚世界への招待 嗅覚系の分子神経生物学 |
はじめに 4 |
第1章 自然科学における研究と教育の実態-科学社会学 7 |
文化活動としての科学 8 |
科学者は自然の神を崇拝する 9 |
科学者は権威の崇拝者であることも多い 10 |
基礎科学的知識は役に立たなくてもよい 11 |
基礎科学的知識の価値はその楽しみにある 13 |
科学者の社会的責任と社会的貢献 14 |
現代科学者の生活 16 |
科学のスタイルの変還 18 |
最近の業績評価 20 |
真のクリエイティヴとは 21 |
思想と歴史の重要性 22 |
第2章 生物学の考え方-生物科学哲学 25 |
自然科学としての生物学 26 |
モデル生物の変還 27 |
実験系の限定 29 |
生物学における還元論 30 |
自然界の階層原理 31 |
単一性と多様性 34 |
WHAT・HOW・WHYに答える 36 |
生物学における科学革命 38 |
第3章 量子仮設から構造生物学まで-歴史的展望(1) 41 |
歴史的理解の重要性 42 |
古典物理学の世界 42 |
エネルギーという概念 44 |
プランクとアインシュタインによる量子論 45 |
ラザフォードとボーアの原子模型からド・プロイの電子派まで 47 |
シュレーディンガー方程式とハイゼンベルグの不確定性原理 48 |
量子力学は哲学的革命でもある 51 |
量子化学の誕生 52 |
量子化学から生体巨大分子へ 54 |
第4章 分子神経生物学の誕生-歴史的展望(2) 57 |
ダーウィンとウォレスの進化論の誕生 58 |
メンデルの法則の発見と細胞学の発展 60 |
ミーシャによる核酸の発見 62 |
アベリーの先駆的研究 63 |
ハーシーとチェイスの実験 65 |
シャルガフ則からワトソンとクリックの二重らせん構造まで 66 |
DNAの分子構造モデルをめぐる人間模様 69 |
ポーリングの分子病の概念 71 |
セントラル・ドグマの提唱 72 |
オペロン説の多大なインパクト 73 |
分子生物学の独自性 76 |
方法論としての分子生物学の発展 77 |
ホジキンとハクスレーの業績 79 |
分子神経生物学の誕生 80 |
第5章 分子神経生物学の基礎知識 83 |
生命現象の基本単位としての細胞 84 |
細胞の起源 : 細胞膜と自己複製分子の共生 85 |
原核細胞からの進化 : 細胞内共生説 87 |
真核細胞の特徴としての膜構造 88 |
細胞膜の分子構造 90 |
すべての生物は遺伝物質としてDNAを使っている 91 |
蛋白質の構造と機能 93 |
遺伝情報はDNA→RNA→蛋白質として発現される 94 |
遺伝子組換えとクローニング 97 |
遺伝子操作動物の炸裂 98 |
遺伝子操作と生命倫理 100 |
細胞内外のイオン分布の制御 : ナトリウム・ポンプ 101 |
膜電位の発生機構 103 |
膜電位の測定法 105 |
神経細胞は情報伝達用の特種な細胞 108 |
シナプスの構造と機能 111 |
フェロモンとホルモン 112 |
第6章 感覚受容とその受容体分子 113 |
感覚研究の歴史的背景 114 |
感覚世界の重要性 114 |
感覚系の種類 115 |
化学受容系としての臭覚系 117 |
受容体分子とは 118 |
感覚受容体分子の種類 120 |
G蛋白質共役受容体の多様性 121 |
G蛋白質共役受容体を介した細胞内情報伝達経路 122 |
G蛋白質共役受容体の特性 124 |
G蛋白質のスイッチ機能 125 |
G蛋白質共役受容体の構造と機能の関係 126 |
イントロン不在、糖鎖の付加、ジスルフィド結合 128 |
G蛋白質共役受容体の分類 129 |
におい受容体分子のアミノ酸配列 130 |
におい受容体配列の偶然性と必然性 130 |
感覚系に共通の特徴 131 |
化学受容としての光受容 132 |
網膜の組織構造 135 |
味物質の受容 : におい物質の受容との比較 136 |
味覚の受容の分子論 136 |
嗅覚の単純さと複雑さ 138 |
嗅覚系の順応と感度 139 |
第7章 嗅覚系の組織と細胞 141 |
におい認識の生物学的重要性 142 |
嗅覚系は生殖活動に必須 143 |
嗅覚系の分子神経生物学 144 |
嗅上皮の組織・細胞レベルの構造 146 |
嗅神経細胞の構造 148 |
支持細胞の特徴 150 |
基底細胞の特徴 151 |
嗅球の組織・細胞レベルの構造 153 |
嗅神経層・糸球体層の特徴 154 |
外部叢状層・僧帽細胞層・内部叢状層の特徴 156 |
顆粒細胞層・副内辺層の特徴 157 |
嗅球からの出力を受ける嗅皮質 157 |
におい情報の伝達経路の概観 159 |
副嗅覚系の機能 159 |
鋤鼻器の構造 161 |
副嗅球の構造 162 |
ヒトの副嗅覚系は存在するか 163 |
第8章 におい受容の分子的基盤 165 |
嗅覚系における重要な問題 166 |
におい受容のしくみに関する仮設 167 |
におい受容体遺伝子のクローニング 168 |
無脊椎動物のにおい受容体 170 |
受容体分子を介しないしくみ 172 |
哺乳類では一つの嗅神経細胞は一種の受容体のみを発現している 173 |
嗅上皮と嗅球の四つの区域 174 |
受容体遺伝子の数と糸球体の数 175 |
フェロモン受容体 177 |
フェロモン受容体遺伝子のクローリング 178 |
第9章 におい受容体の機能解析 181 |
嗅神経細胞内の情報伝達経路 182 |
もう一つの経路 183 |
OMPという変わりもの 184 |
推定上のにおい受容体 185 |
におい受容体の機能解析の難しさ 187 |
におい受容体分子の機能的証明 : I7とオクタナール 188 |
多数の受容体に対処できる実験系 191 |
さらなる機能解析 192 |
嗅上皮の機能地図 192 |
嗅球の機能地図 193 |
第10章 におい分子と受容体の相互作用 195 |
教科書的な記述と理解は誤解を招く 196 |
におい分子の存在様式 196 |
横方向認識経路の存在 198 |
におい受容体の存在様式 201 |
ラフトの存在 201 |
受容体に認識された後のにおい分子の行方 203 |
におい物質結合蛋白質と支持細胞の役割 203 |
嗅神経細胞同士の相互作用 205 |
もう一つのにおい受容体 206 |
何がわかっていて何がわかっていないのか 207 |
第11章 嗅覚系の発生過程 209 |
嗅上皮と嗅神経細胞の発生過程 210 |
発生段階で発現される遺伝子 211 |
嗅球の発生過程 212 |
出生後の発生と神経活動の関係 214 |
嗅覚投射地図の形成に重要な細胞表面分子と細胞外基質分子 215 |
嗅神経細胞における投射の問題 216 |
におい受容体の精子での発現 220 |
におい受容体の心臓・膵臓・脊系での発現 221 |
におい受容体の大脳での発現 222 |
発生機能を持つにおい受容体 223 |
におい受容体・嗅覚受容体という言葉 224 |
ショウジョウバエのにおい受容体の発現 225 |
第12章 におい受容体の遺伝子発現調節 227 |
ゲノム全体の遺伝子発現調節 228 |
オペロン説 : 遺伝子発現調節のパラダイム 229 |
多様性を生み出すための免疫グロブリン遺伝子の発現 230 |
光受容体遺伝子の発現調節 231 |
におい受容体の遺伝子の発現調節 233 |
推測されるにおい受容体遺伝子の発現調節のしくみ 235 |
エリア・コード仮設 237 |
第13章 におい受容体のゲノム生物学 239 |
ゲノム・プロジェクトの歴史と背景 240 |
におい受容体のゲノム生物学 241 |
線虫のにおい受容体遺伝子 243 |
昆虫のにおい受容体 244 |
哺乳類のにおい受容体遺伝子 246 |
嗅神経細胞からのクローン・マウスが誕生 248 |
DNA組換え仮設を反証する 248 |
第二の論文の意義 249 |
動物クローニング技術 250 |
遺伝子ターゲッティングを駆使したクローニング 251 |
クローン・マウスが残したもの 252 |
補章1 におい受容体の発見にノーベル賞! 254 |
補章2 さらに知りたい方のために 261 |
おわりに 265 |
出典一覧 266 |
においの感覚世界への招待 嗅覚系の分子神経生物学 |
はじめに 4 |
第1章 自然科学における研究と教育の実態-科学社会学 7 |