はしがき 1 |
I 歴史を変えた異常気象 11 |
1.有史以前の気候変動 |
(1)氷河期と間氷期 11 |
コラム(1)重水素比(δD)と酸素同位体比(δ^18 O) 14 |
コラム(2)代替(プロキシ)データ 14 |
(2)氷河期の成因とミランコビッチの説 15 |
参考文献 18 |
2.中世の温暖期と小氷期 18 |
参考文献 20 |
3.テムズ川まで凍った異常低温とマウンダー黒点極小期 20 |
参考文献 22 |
4.天明の飢饉と浅間山の大噴火 23 |
(1)噴火の状況 23 |
(2)浅間山噴火とラキ火山の噴火 25 |
(3)天明3年前後の気候 26 |
(4)天明大飢饉の惨状 27 |
参考文献 28 |
5.クラカトア火山の噴火と異常低温 28 |
(1)小さな島が吹っ飛んだ大噴火 28 |
(2)吹き上げられた噴煙と気象異変 29 |
(3)インドネシアの運命を変えたクラカトア火山噴火 32 |
参考文献 33 |
6.昭和初期の東北の大冷害 33 |
(1)東北地方の冷害 33 |
(2)昭和6年の凶冷時の天気図と気温分布 34 |
(3)昭和9年、10年の凶冷とヤマセ 37 |
(4)東北地方および北海道の凶冷の原因 39 |
(5)昭和東北大凶作と軍国主義の台頭 39 |
参考文献 40 |
7.エルニーニョとラニーニャ 41 |
(1)エルニーニョ・ラニーニャと南方振動 41 |
(2)テレコネクション 43 |
(3)エルニーニョと異常気象 45 |
参考文献 46 |
II 異常気象が増えているー全般的な状況 47 |
1.異常高温が増え、異常低温は激減 47 |
参考文献 50 |
2.異常多雨も異常少雨も増える 50 |
3.ヒートアイランドが強まる 52 |
III 集中豪雨や竜巻など激しい気象現象による異常気象 57 |
1.都市化と重なった集中豪雨 57 |
コラム(3)大気の静的安定度 60 |
参考文献 64 |
2.竜巻やダウンバーストなど 64 |
3.スーパー低気圧 66 |
コラム(4)傾圧不安定 68 |
参考文献 73 |
IV 熱波、寒波など長時間続く以上現象 75 |
1.2003年8月のブロッキングと西ヨーロッパの熱波と日本の冷夏 75 |
(1)西ヨーロッパの熱波 75 |
(2)日本の冷夏 77 |
(3)2003年夏の異常気象とブロッキング 78 |
参考文献 80 |
2.「平成20年8月末豪雨」(2008年8月26~31日) 80 |
参考文献 83 |
3.強い台風5個がほぼ同じコースをとって日本列島に上陸した 83 |
V なぜ温暖化すると異常気象が増えるのか 89 |
1.温暖化に伴って大気の鉛直安定度が悪くなり、激しい気象現象が増える 89 |
参考文献 92 |
2.日本のゾンデ観測による大気の鉛直安定度 93 |
(1)秋田の例 93 |
(2)稚内、館野、福岡の例 96 |
参考文献 98 |
3.ブロッキングと異常気象 98 |
コラム(5)大規模な運動とコリオリの力 100 |
参考文献 104 |
VI 放射平衡と温室効果 105 |
1.放射平衡─なぜ地球の地上気温の平均はほぼ15℃か 105 |
参考文献 107 |
2.温室効果と大気の鉛直構造 107 |
参考文献 110 |
3.温室効果ガスと地球温暖化 110 |
参考文献 113 |
4.地球大気は地球上に誕生した生物によってつくられた 113 |
Column 〈IPCC〉 115 |
VII 地球温暖化の現状と予測 117 |
1.産業革命以後の温室効果ガスの急増 117 |
2.気温、海面水位、積雪面積はどう変化してきたか 120 |
3.過去50年の温暖化は人為的なもの 122 |
参考文献 126 |
4.21世紀末の平均地上気温の予測結果 126 |
5.21世紀末のその他の気候予測 128 |
参考文献 130 |
6.温暖化は生態系をはじめ人間社会にどんな影響を与えるか 130 |
7.ツバル、モルジブなど小島嶼国はなくなる 131 |
参考文献 135 |
8.二度ともとに戻れない現象─非可逆的現象が起こる 135 |
9.深層海流が止まるかも 137 |
参考文献 140 |
VIII 温暖化時代の異常気象と災害 141 |
1.異常気象と災害のリスク 141 |
参考文献 142 |
2.竜巻など激しい突風の予測 142 |
参考文献 144 |
3.局地的な大雨に対する予測 144 |
参考文献 147 |
4.熱中症と猛暑日 147 |
参考文献 149 |
5.台風の将来予測 149 |
参考文献 151 |
6.異常気象の発生確率を減らす 151 |
(1)わが国の二酸化炭素の排出量 151 |
(2)省エネはクリーン発電 153 |
(3)石炭火力を最新鋭の発電方式に変えると温室効果ガスをどれだけ削減できるか 154 |
参考文献 156 |
Column 〈狛江1号増田邸太陽光発電所〉 158 |
IX 異常気象学の展望と問題点 159 |
1.異常気象学の主なテーマ 159 |
(1)なぜ温暖化すると異常気象が増えるのか、そのメカニズムの解明 159 |
(2)異常気象の実態の把握 160 |
(3)災害と社会的条件 161 |
参考文献 161 |
2.異常気象学を発展させる上での問題点 162 |
参考文献 164 |
X 気象事業の再生と防災 165 |
1.減り続ける気象庁の定員と予算 165 |
参考文献 167 |
2.先駆的だった気象庁 168 |
(1)“本日は晴天なり” 168 |
(2)富士山頂の通年観測 169 |
(3)気象台独自の飛行機観測 171 |
(4)海洋観測船の運航 171 |
(5)日本最初の大型電子計算機の導入 172 |
(6)富士山レーダー 173 |
(7)アメダスの展開 174 |
参考文献 174 |
3.気象事業の再生を目指して 175 |
(1)科学の論理を貫く 175 |
(2)最先端の機械と人間力の組み合わせで 176 |
(3)地球物理現象すべてを対象に 178 |
参考文献 181 |
Column 〈増田酸性雨測定〉 182 |
あとがき 183 |
索引 187 |