はじめに -注目される太陽光発電- 1 |
期待が高まる太陽光発電 |
洞爺湖サミットと福田ビジョン、そして「グリーンニューディール」 |
合言葉は「グリッド・パリティ」 |
日本メーカー、首位奪還を日指して |
本書執筆の動機と狙い |
本書の構成 |
第1章 日本における太陽光発電の議論 20 |
第1節 普及が進む太陽電池 20 |
1. 日常化する太陽光パネルの風景 20 |
太陽光発電と日常 |
太陽光パネルを取り付ける動機 |
2. 様々な用途に使われる太陽光発電 23 |
電卓と薄膜 |
曲がる電池と建造物一体型 |
シースルーと建材一体 |
コミュニティ電力の担い手‥途上国、産油国での期待 |
第2節 環境意識への依存を超えて 29 |
系統電力並みコスト低下を目指して |
政策支援の復活‥東京都 |
政策支援の復活‥政府 |
第3節 東京都の挑戦 -日本のカリフォルニアを目指して- 33 |
1. 温暖化ガス削減目標と太陽エネルギーの活用 33 |
太陽エネルギー利用に着目 |
太陽光とクリーン電力証書 |
太陽熱とグリーン熱証書 |
2. 東京都の排出権取引制度 38 |
太陽エネルギー普及を担保する排出権取引 |
東京都の排出権取引の実際 |
地方の再生可能エネルギー開発にも寄与 |
第4節 目本で一層拡大するための課題 43 |
1. 環境対策の目玉として再浮上 43 |
福田ビジョンと新エネ部会緊急提言 |
2. コストをどのように負担するか 44 |
余剰電力買取りとRPS制度 |
自家消費とグリーン電力証書 |
再生可能エネルギーのグリーン価値 |
サステナブルではない余剰電力買取り |
表に出るバックアップ電源対策 |
インフラ投資かバッテリー設置か‥系統への影響にどう対応するか |
原子力か再生可能エネルギーか |
第2章 太陽光発電をめくる最近の動向-激しさを増す国際競争と開発が進む薄膜系- 54 |
第1節 太陽光発電の需給動向-世界一の座を降りる日- 54 |
(1)国別の太陽光発電の導入量・生産量の推移 55 |
フィードインタリフ制度の導入で欧州での需要が爆発 |
生産シェアを大幅に落とした日本 |
(2)太陽電池メーカーの生産量動向 59 |
象徴的なシャープの一位転落 |
Qセルズ‥スピードある正攻法を取るドイツの代表企業 |
サンテックモデルで続々登場の中国勢 |
ファースト・ソーラー‥世界が恐れる低コスト実現ベンチャー |
第2節 太陽電池向けシリコンの需給動向-二〇一〇年頃には逼迫感解消か- 66 |
1. 原料シリコンの需給逼迫と価格上昇 66 |
多結晶シリコンの設備投資状況 |
多結晶シリコンの製造技術 |
太陽電池メーカーによるシリコン不足への取り組み |
2. 鍵を握る結晶シリコンの生産と供給 70 |
容易ではないシリコン精錬技術 |
強まるシリコン価格低下予想 |
第3節 太陽電池の種類と代表的な事業者 74 |
1. 結晶系(ハルクシリコン系) 77 |
結晶系の特徴とプレーヤー |
大きいコスト削減余地 |
2. 薄膜系 80 |
(1)薄膜系の特徴 80 |
多様なメリット |
変換効率引上げが課題 |
(2)薄膜系の種類 83 |
① シリコン系薄膜 |
② 化合物系薄膜 |
(3)第三世代‥有機系と色素増感 87 |
色素増感太陽電池 |
有機薄膜太陽電池 |
第4節 活発化する薄膜系太陽電池の開発 89 |
薄膜系の概要 |
1. シリコン系の薄膜太陽電池(省シリコン) 90 |
(1)シリコン系薄膜の技術開発 92 |
アモルファスシリコン(単層)の開発 |
タンデムの開発‥変換効率向上を目指して |
タンデムからトリプルヘ |
(2)シリコン系薄膜をリードする日本メーカー 98 |
カネカ‥世界最大の変換効率を誇る |
三菱重工‥技術力と資金力で事業機会を伺う |
シャープ |
2. シリコンを使用しない(化合物系)薄膜太陽電池 102 |
(1)C-GSとカドテル 103 |
ファースト・ソーラーのカドテル |
日本メーカーの薄膜開発とC-GS |
日米で開発を競うC-GS |
(2)日米のC-GS開発事業者 106 |
①米国のC-GSベンチャー |
シリコンバレーベンチャーとグローバル・ソーラー |
多様なC-GS技術 |
②日本のC-GS |
昭和シェル石油 |
ホンダ・ソルテック |
第3章 太陽光発電の今後の動向-カギを握る投資戦略‥能力増か効率性向上か- 114 |
第1節 国内市場の動向と当面の見通し 114 |
1. 国内導入の推移とその増減要因 114 |
減少に転じた国内設置 |
補助金復活とその背景 |
プロパガンタの重要性 |
技術ロードマップの現状と見直し |
2. 二〇〇九年以降の国内市場を占う要因 120 |
補助金復活と環境ブームが内需を後押し |
景気悪化の影響が懸念材料 |
3. 今後の見通し -日本メーカーが生き延びる途- 125 |
不透明感の残る国内需要喚起策 |
膨大な海外需要を積極的に取りに行け! |
第2節 各国の現状と政府の取り組み状況 128 |
1. 環境政策で世界をリードするEU 129 |
二〇二〇年までに二〇%のEU |
フィードインタリフで需要爆発を牽引 |
2. オバマ政権で一躍主役の座を窺う米国 130 |
投資負担軽減策の米国‥柱は連邦減税、州も積極的 |
オバマ政権の主要政策に‥高まる再生可能エネルギーヘの期待 |
3. 注目されるアジア 134 |
(1)活かせるか半導体の成功体験‥韓国と台湾 134 |
環境産業振興に熱心な韓国 |
製造能力で日本と肩を並べる台湾 |
台湾半導体メーカーが薄膜に続々参入 |
(2)岐路に立つ中国とインド 139 |
危機に直面する中国 |
インド‥軌道にのるかモザーベアの薄膜 |
(3)ソーラー産業で国家振興を図る 142 |
産業誘致に成功‥シンガポールとマレーシア |
代替エネルギーとしての利用‥中近東 |
4. 世界の市場で長期的な成長が続く 144 |
第3節 太陽電池メーカーの能力増強の動き 145 |
積極的な設備投資‥メガからギガの世界へ |
足元不透明なるも着実な増加が見込まれる需要 |
当面は供給過多で業界再編の可能性 |
第4章 ベンチャーの活躍と限界‥米国と中国 151 |
第1節 実力を発揮し始めた米国太陽光発電 151 |
1. 米国の太陽光ベンチャー 152 |
(1)商業化を進めるC-GSベン二チャー -二〇〇九年はC-GSの年?- 153 |
①グローバル・ソーラー社 |
登場したファースト・ソーラーヘの対抗馬 |
柔軟材基盤を利用し用途拡大 |
②ソリンドラ社 |
(2)実現したら凄い!‥IPOはいつか? 158 |
①ナノソーラー |
②ミアソール |
(3)斬新な発想で低コスト化を目指す 164 |
①オールインワン技術の登場 -光と熱を同時に利用- |
②MITのベンチャー -光ファイバー技術でシンプルに集光- |
MITの開発した集光設備 |
MIT技術のポイント |
メリットと課題 |
2. 度肝を抜く巨大メガソーラーの相次ぐ導入‥カリフォルニアの挑戦 171 |
(1)ユーテリティスケールのメガソーラーを導入するPG&E 171 |
八〇〇メガの太陽光発電事業との契約 |
スケールメリットによりコストは大幅に低下 |
実現に向けた課題 |
メガソーラー支援開始のインパクト |
先行した大規模太陽熱発電事業 |
(2)商業ピルの屋上を利用するSCE 179 |
第2節 中国と太陽光発電 181 |
1. 急速な拡大をみた中国勢 181 |
クリーンテクノロジーブームに乗る |
明暗を分けた経営判断 |
代替エネルギーとしての中国の判断‥風力が先行 |
太陽光、シリコン事業への期待 |
2. 中国太陽光事業に係る陥穿 186 |
(1)原料の海外依存 187 |
シリコン供給‥産業構造と供給予想の難しさ |
さらに難しいシリコン需給予想 |
(2)販路の極端な海外依存 190 |
供給過剰の懸念‥不透明になった政策需要の予想 -FITを見直しする国も- |
ソーラーセル供給過剰の懸念 |
容易ではない国内需要創出 |
現実化しつつある中国メーカーの苦境 |
(3)望まれる技術力の引上げ 197 |
中途半端なイメージからの脱却 |
第5章 太陽光発電の将来と勝者 200 |
第1節 フルターンキーは太陽光発電の推進役となるか 200 |
1. フルターンキーとメガソーラー 201 |
2. フルターンキー(FTK)の象徴、アプライド・マテリアル社 205 |
3. 日本の半導体装置メーカーの追随 207 |
4. フルターンキーの課題と懸念 -装置メーカー主導の限界?- 208 |
効率性の限界 |
安定運転、長期使用への懸念 |
5. フルターンキー(FTK)のもう一つの可能性‥韓国、台湾による技術改良 212 |
6. 装置メーカーとセルメーカーの連携 213 |
第2節 グリッド・パリティの実現を目指して 214 |
1. ソーラー産業のターニングポイント‥政策需要を供給が上回るとき 214 |
2. 最大のキーワード「グリッド・パリティ」 216 |
グリッド・パリティが急がれる背景 |
グリッド・パリティ(GP)実現は二〇一二年頃? |
最初に到達する事業者はどこか |
3. 勝ち残る会社はどこか 224 |
用途別、技術別に競争 |
ユーテリティ需要爆発とファースト・ソーラー社が秩序を崩すか |
第6章 オバマ政権のグリーン・ニューディールと太陽光発電 227 |
1. オハマ政権のエネルギー戦略 227 |
目的は環境、雇用、セキュリティ |
柱は再生可能エネルギーとPHEV |
注目を集める環境インフラ、スマートグリッド |
2. セキュリティの担い手としての再生可能エネルギー 231 |
(1)国産エネルギー活用が基本戦略となった米国 231 |
中東石油依存からの脱却とバイオ燃料 |
電気自動車と石炭の活用 |
(2)エネルギー安全保障に傾斜するEU 234 |
ロシア・ウクライナガス紛争の衝撃 |
域内資源としての再生可能エネルギー |
(3)パラダイムシフト 235 |
省エネ意識が芽生えた米国民 |
産業構造激変の予感‥自動車と電力 |
国内農業支援に理解を示し始めた日本 |
3. 待ったなしの新しい産業創造 239 |
空洞化する製造業のネクストを探せ |
環境産業としてのエネルギーに集まる期待 |
4. 持続的な成長が見込まれる太陽光発電 243 |
終わりに 244 |
はじめに -注目される太陽光発電- 1 |
期待が高まる太陽光発電 |
洞爺湖サミットと福田ビジョン、そして「グリーンニューディール」 |