序 |
まえがき |
序章 放射性廃棄物処分と地質科学 課題と展望 1 |
I 日本列島のテクトニクス |
第1章 日本列島の地質特性と地層処分 5 |
1.1 はじめに 5 |
1.2 日本の地質特質 6 |
1.3 岩種・岩質 8 |
1.3.1 岩種 8 |
1.3.2 岩質 11 |
1.4 地殻変動 12 |
1.5 活断層 14 |
1.6 火山活動 17 |
1.7 おわりに 19 |
第2章 活断層の浅~深部地下構造 20 |
2.1 はじめに 20 |
2.2 開始された活断層の地下構造研究 21 |
2.2.1 サンアンドレアス断層系 21 |
2.2.2 中央構造線 25 |
2.3 活断層研究の新しい段階へ 34 |
2.3.1 地下活構造マップの試み 34 |
2.3.2 浅層高分解能反射法地震探査による3次元サイスミック・トレンチング 35 |
2.3.3 求められる新しい研究スタイル 36 |
II 地下水流動と地化学特性 |
第3章 表層における地下水流動 39 |
3.1 はじめに 39 |
3.2 地下水の循環と循環場に関する基本的事項 40 |
3.2.1 表層部での地中水の存在 40 |
3.2.2 降下浸透過程 44 |
3.2.3 地下水の流向流速 49 |
3.2.4 表層地下水と深層地下水の連絡 51 |
3.3 地下水流動に関する計測と評価 53 |
3.3.1 室内トレーサー試験 53 |
3.3.2 野外トレーサー試験 56 |
3.4 調査事例 61 |
3.4.1 調査地域の概況 61 |
3.4.2 硝酸性窒素,炭酸物質にもとづく地下水流動機構の推定 62 |
3.4.3 同位体分析にもとづく地下水流動機構の推定 65 |
第4章 深層を含む広域地下水流動 69 |
4.1 はじめに 69 |
4.2 立坑掘削に伴う地下水流動の影響 69 |
4.2.1 場の理解について 71 |
4.2.2 水理地質構造のモデル化 73 |
4.2.3 地下水流動の予測と解析 75 |
4.2.4 長期観測との比較によるモデルの検証とまとめ 77 |
4.3 深部地下水の調査 78 |
4.3.1 表層水理の調査 81 |
4.3.2 深層水理の調査 87 |
4.3.3 水理地質構造のモデル化 94 |
4.3.4 地下水流動の解析と検証 99 |
4.3.5 まとめ 101 |
第5章 地層処分に関する岩盤割れ目系と浸透流解析 104 |
5.1 はじめに 104 |
5.2 割れ目の形成,再動の未来予測の重要性 106 |
5.3 地質現象のリアリティの再現と浸透流解析モデル 108 |
5.4 Don-Chanモデル 110 |
5.5 地質構造とチャンネル 115 |
5.6 今後,必要とされる地質技術 120 |
第6章 地下水の地化学特性 123 |
6.1 はじめに 123 |
6.2 水質の形成と変化 123 |
6.3 地下水の同位体地球化学 128 |
6.3.1 地下水のδDおよびδ18O 129 |
6.3.2 降水,河川水,地下水の研究例 130 |
6.3.3 溶存化学成分の同位体比 135 |
6.4 東濃ウラン鉱山地下水の地化学特性 139 |
第7章 地下水・熱水移行シナリオとナチュラルアナログ研究 147 |
7.1 はじめに 147 |
7.2 地下水移行シナリオ 148 |
7.2.1 従来の研究 148 |
7.2.2 今回の研究 149 |
7.3 変動シナリオ(熱水の影響) 151 |
7.4 ナチュラルアナルグ研究 154 |
7.4.1 熱水移行シナリオに対する研究 155 |
7.4.2 地下水移行シナリオに対する研究 157 |
7.5 まとめ 160 |
III 岩石と水の相互作用 |
第8章 岩盤割れ目のセルフシーリング 165 |
8.1 はじめに 165 |
8.2 シリカの溶解度,沈澱速度,および安定性に関する従来の研究 167 |
8.3 シリカの沈澱実験 169 |
8.3.1 実験装置 169 |
8.3.2 試料および実験条件 170 |
8.3.3 採水および水の化学分析・岩石の走査型電子顕微鏡観察 172 |
8.3.4 実験結果 173 |
8.4 シリカの沈澱挙動とpHおよび流速との関係 175 |
8.5 割れ目内流れにおけるシリカの沈殿挙動 177 |
8.6 処分場周辺条件における岩盤割れ目のシーリング 179 |
8.7 おわりに 181 |
第9章 岩石中の物質移動と岩石・水反応機構 186 |
9.1 はじめに 186 |
9.2 岩石中の物質移動の定量的表現 187 |
9.3 岩石・堆積物中の物質の移動速度と移動経路 190 |
9.3.1 多孔質媒体中での拡散現象の定式化 190 |
9.3.2 海底堆積物中の拡散と間隙率,粒度,屈曲度 193 |
9.3.3 岩石間隙水中の拡散と間隙率,間隙孔径分布 195 |
9.3.4 岩石間隙の連続性 198 |
9.3.5 岩石中の物質移動経路の屈曲度 200 |
9.4 岩石/水相互作用の地球化学反応経路と速度 204 |
9.4.1 岩石/水相互作用における鉄とアクチノイドの挙動 205 |
9.4.2 天然有機物と放射性元素の相互作用 211 |
9.4.3 地球化学的反応速度論 217 |
9.5 岩石中での放射性元素の挙動の予言 218 |
第10章 熱水系における岩石-水相互作用の数値シミュレーション 226 |
10.1 はじめに 226 |
10.2 地熱地帯に見られる熱水の特徴 227 |
10.2.1 地化学温度計の視点から 227 |
10.2.2 熱水一相の化学平衡計算の基本 228 |
10.2.3 分離した蒸気の補正 232 |
10.2.4 鉱物の飽和度および活動度-活動度図 232 |
10.3 水と岩石の相互作用 236 |
10.3.1 熱水-鉱物間の化学平衡(多相平衡)の基本 236 |
10.3.2 反応経路計算の原理 237 |
10.4 数値実験のためのモデル化と実験 239 |
10.5 計算結果 241 |
10.6 考察 246 |
10.7 結びおよび今後の課題 248 |
第11章 地質時代における大規模天水循環 252 |
11.1 はじめに 252 |
11.2 Skaergaard貫入岩に伴う熱水循環 254 |
11.3 Lake Cityカルデラにおける熱水循環 257 |
11.4 浜田コールドロンの熱水循環 263 |
11.5 濃飛流紋岩類における熱水変質 267 |
11.6 おわりに 273 |
第12章 地下深部における岩石の変質 276 |
12.1 はじめに 276 |
12.2 変質作用の種類と成因 277 |
12.2.1 埋没続成作用 277 |
12.2.2 熱変成作用 281 |
12.2.3 熱水変質作用 282 |
12.2.4 その他の変質作用 286 |
12.3 日本列島の続成変質域 287 |
12.3.1 先新第三系の続成変質域 287 |
12.3.2 新第三系の続成変質域 288 |
12.4 日本列島の熱変成域 291 |
12.4.1 先新第三系の熱変成域 291 |
12.4.2 新第三系の熱変成域 292 |
12.5 日本列島の熱水変質域 292 |
12.5.1 先新第三系の熱水変質域 292 |
12.5.2 新第三系の熱水変質域 294 |
12.5.3 活地熱地帯の熱水変質域 297 |
12.6 日本列島のカルデラ型ゼオライト変質域 301 |
12.6.1 先新第三系のカルデラ型ゼオライト変質域 301 |
12.6.2 新第三系のカルデラ型ゼオライト変質域 301 |
12.7 日本列島の白亜系・第三系の変質区 301 |
12.7.1 地表と地下の変質作用 301 |
12.7.2 変質区 302 |
12.8 おわりに 304 |
IV 地下処分の現状 |
第13章 欧米諸国における研究の動向と地質環境 309 |
13.1 はじめに 309 |
13.2 放射性廃棄物処理に関する内外諸国の動き 310 |
13.2.1 日本 310 |
13.2.2 アメリカ合衆国 314 |
13.2.3 カナダ 316 |
13.2.4 スイス 316 |
13.2.5 ドイツ 317 |
13.2.6 ベルギ 318 |
13.2.7 スウェーデン 318 |
13.2.8 フランス 319 |
13.2.9 イギリス 320 |
13.2.10 国際的な動き 320 |
13.3 地層処分地域の地質学的環境 321 |
13.3.1 先カンブリア時代の花崗岩質基盤岩類 322 |
13.3.2 変動帯の花崗岩質基盤(スイスアルプス) 327 |
13.3.3 古第三紀の粘土層(ベルギー) 330 |
13.3.4 岩塩(メキシコ湾岸の岩塩ドーム) 332 |
13.4 おわりに 336 |
第14章 動力炉・核燃料開発事業団における地層処分研究 341 |
14.1 はじめに 341 |
14.2 高レベル放射性廃棄物の性質と研究開発の基本的な考え方 342 |
14.3 地層処分研究開発の特徴と地層科学研究 345 |
14.4 地層処分の研究体制と進め方 348 |
14.5 地層処分研究開発の現状 349 |
14.5.1 わが国におけるシナリオ解析 349 |
14.5.2 ニアフィールド環境に関する研究 352 |
14.5.3 ファーフィールド環境に関する研究 356 |
14.6 地層科学研究の現状 358 |
14.6.1 日本列島の地質単元とその特徴に関する研究 359 |
14.6.2 地層科学研究の課題 360 |
14.6.3 地質環境の長期安定性に関する調査研究 369 |
14.6.4 地層科学研究にかかわる国際共同研究 377 |
14.7 今後の研究課題 379 |
索引 383 |