緒言 神沼克伊 |
1 地震予知と火山噴火予知の研究者の役割 神沼克伊 |
1.1 はしがき 1 |
1.2 地震・火山と研究者の役割 2 |
1.3 研究成果の発表の場 3 |
1.4 有珠山と三宅島の噴火活動 4 |
1.4.1 有珠山の噴火活動の経過 4 |
1.4.2 筆者がみる反省点 5 |
1.4.3 三宅島の噴火活動の経過 6 |
1.4.4 筆者がみる反省点 7 |
1.5 問題点のまとめ 9 |
1.5.1 防災対応 9 |
1.5.2 地元への顔 9 |
1.5.3 予知連への意見統一 10 |
1.5.4 噴火活動中の発言 10 |
1.5.5 学会活動の発表 11 |
1.5.6 筆者の主張のまとめ 12 |
1.6 討論 13 |
1.6.1 地震予知はできるとの誤解 13 |
1.6.2 情報は多いほうがよい 13 |
1.6.3 社会の成熟度 14 |
1.6.4 予知の専門家はいない 14 |
1.6.5 タイムスケール 14 |
1.6.6 真実に対するジレンマ 15 |
1.7 追補 地震予知と火山噴火予知 16 |
文献 18 |
2 地震予知と社会 溝上 恵 |
2.1 地震情報に関するいろいろな問題 19 |
2.1.1 複雑な問題をはらむ「地震予知」 19 |
2.1.2 地震情報を社会に還元する時につきまとう問題とは 21 |
2.2 地震火災 22 |
2.2.1 「大地震はいつどこで起きるかわからない」を前提にした地震防災計画 22 |
2.2.2 先進的な地震学者、今村明恒の業績 24 |
2.2.3 巨大地震の切迫性を想定した防災計画 26 |
2.3 東海地震 33 |
2.3.1 東海地震の直前短期予知と「いわゆる予知」との違い 33 |
2.3.2 「前兆滑り」に伴う地殻変動の早期検知 34 |
2.3.3 GPS、歪み計による異常検出から判定会召集までのシナリオ 36 |
2.3.4 東海地方およびその周辺における最近の異常変動 40 |
2.4 まとめ 45 |
3 地震予知の可能性・現実性 島村英紀 |
3.1 地震予知の可能性 47 |
3.1.1 地震はなぜくり返す 47 |
3.1.2 パークフィールドでの教訓 48 |
3.1.3 物理学としての地震予知ができる条件と現状 52 |
3.2 地震の前兆現象 54 |
3.2.1 前兆への希求が数々の報告を生む 54 |
3.2.2 報告された前兆に客観性があるかどうかが問題 58 |
3.3 地震予知研究とその体制 61 |
3.3.1 破壊現象としての地震の解明は非常に困難 61 |
3.3.2 国家プロジェクトとなった「予知大国」日本の研究体制 64 |
3.3.3 阪神・淡路大震災以後の体制の変化 66 |
3.3.4 縄張り意識がもたらした伊東沖噴火時の対応 69 |
3.4 備えあれば災害は減る 72 |
参考文献 74 |
4 地方自治体から見た地震予知と地震防災対策 杉原英和 |
4.1 地震対策の目標とする地震 75 |
4.2 地震対策の目標と地震予知 78 |
4.3 地方防災から見た地震予知の今昔と対策 79 |
4.3.1 昭和40年代 79 |
4.3.2 昭和50年代 81 |
4.3.3 昭和60年代 81 |
4.3.4 阪神・淡路大震災以降 82 |
4.4 短期的予知情報への混乱 82 |
5 地震予知と「成熟した社会」 泊 次郎 |
5.1 なぜ、いい加減な地震予知情報が出回るのか 86 |
5.1.1 地震予知情報の実例 86 |
5.1.2 地震予知に高まる期待 86 |
5.1.3 地震学者の責任 87 |
5.1.4 ジャーナリズムの責任 88 |
5.1.5 防災リテラシー、合理的・科学的思考の不足 89 |
5.2 地震予知にどれだけのメリットがあるか 90 |
5.2.1 地震予知についての科学的検証の必要性 90 |
5.2.2 地震予知の不確実性 91 |
5.2.3 前兆と警戒宣言 91 |
5.2.4 地震予知ができた場合のメリット 92 |
5.2.5 地震予知のマイナス効果 93 |
5.3 リスクと「成熟した社会」 94 |
5.3.1 自然災害防止の新しい流れ 94 |
5.3.2 危険情報は生かされているか 98 |
5.3.3 「成熟した社会」をめざすには 99 |
6 全体討論 |
6.1 地震予知の現状をめぐって 神沼克伊・合庭 淳・溝上 恵・保坂直紀・高岩義信・井口春和・平田光司・磯部琇三・柴崎文一・永山國昭・島村英紀 |
6.1.1 予知と予測の使い分けはあるのか 100 |
6.1.2 東海地震の判定会の流れ 102 |
6.1.3 「直前予知」の段階で情報が発信される 106 |
6.1.4 判定の最終責任者と行政責任 108 |
6.1.5 判定会の判断が与える社会への影響 110 |
6.1.6 天気予報のデータ開示体制を地震に応用する可能性 111 |
6.1.7 歪み計の観測体制とコスト 114 |
6.1.8 前兆現象と地震の物理学 116 |
6.1.9 地震の物理学とデータとの関係 119 |
6.1.10 必要なのは、研究体制、人員、予算の拡充か 121 |
6.1.11 曖昧な領域を扱う社会科学 123 |
6.1.12 地震予知に関する基本的なバックグラウンドとは 125 |
6.2 確率と地震対策 神沼克伊・平田光司・泊 次郎・井口春和・林 衛・高岩義信 |
6.2.1 なぜ地域の実情に応じた地震対策がとれないのか 129 |
6.2.2 地震確率の根拠は、地形学、地質学 131 |
6.3 成熟した社会での地震予知 神沼克伊・高岩義信・泊 次郎・平田光司・林 衛・井口春和・今井直子・杉原英和・中橋徹也・福島佐紀子 |
6.3.1 地震予知の実現可能性をめぐる意識 133 |
6.3.2 成熟した社会における科学者と社会の関係 135 |
6.3.3 保険料率、危険度など地域の実情に応じた情報発信を 138 |
6.3.4 耐震・耐久性の高い住宅で社会全体の防災コストを低減 141 |
7「地震予知と社会」へのとりくみ 平田光司 |
7.1 総合研究大学院大学の共同研究 144 |
7.2 「地震予知と社会」のまとめ 145 |
緒言 神沼克伊 |
1 地震予知と火山噴火予知の研究者の役割 神沼克伊 |
1.1 はしがき 1 |
1.2 地震・火山と研究者の役割 2 |
1.3 研究成果の発表の場 3 |
1.4 有珠山と三宅島の噴火活動 4 |