1.分子生物学の普遍性 1 |
1.1 分子生物学的なアプローチ 1 |
1.2 物質的な普遍性 : 低分子から高分子へ,高分子から分子複合体へ 3 |
1.2.1 原子から巨大分子まで 3 |
1.2.2 低分子 4 |
1.2.3 高分子 4 |
1.2.4 分子間相互作用 6 |
1.2.5 タンパク質合成系,自己形成能とシャペロン,分解系 6 |
1.3 システムとしての普遍性細胞小器官から細胞へ 7 |
1.3.1 細胞構造 7 |
1.3.2 細胞小器官と細胞骨格 8 |
1.4 遺伝(伝承)システムとしての普遍性遺伝子と染色体 9 |
1.4.1 ゲノムDNAの解析 9 |
1.4.2 細胞の自己複製と子孫への遺伝的継承 10 |
1.4.3 染色体,紡錘体,核膜 10 |
1.5 個体系としての普遍性生活史と多細胞系システム 11 |
1.5.1 生殖と性 11 |
1.5.2 生活環 11 |
1.6 多細胞体制,高等生物を対象とする分子生物学 12 |
2.細胞学的知見の普遍性 13 |
2.1 動物細胞 13 |
2.1.1 細胞核 13 |
2.1.2 細胞質 14 |
2.1.3 原形質膜 15 |
コラム ミトコンドリア内膜に存在する電子伝達系 15 |
2.1.4 細胞内の繊維状構造 16 |
2.1.5 細胞外マトリックス 17 |
2.1.6 動物細胞の研究法 18 |
2.2 植物細胞 22 |
2.2.1 植物細胞の基本構造―動物細胞との比較 22 |
2.2.2 色素体のダイナミズム 24 |
コラム 細胞壁の除去と液胞の除去 24 |
コラム 両性遺伝 28 |
2.2.3 液胞とミクロボディのダイナミズム 29 |
2.2.4 細胞壁と植物細胞の分裂,成長様式 29 |
3.構造生物学の意義と役割 31 |
3.1 構造生物学とは何か 31 |
3.2 タンパク質と核酸の立体構造解析方法 32 |
3.2.1 X線結晶解析 32 |
コラム シンクロトロン 33 |
3.2.2 NMR 34 |
コラム NMRと安定同位体 34 |
3.2.3 電子顕微鏡 35 |
3.2.4 三つの方法の比較 36 |
3.3 タンパク質の構造と機能 36 |
3.4 核酸の構造と機能 39 |
3.5 タンパク質の分子分類学 40 |
3.6 いろいろなタンパク質ドメイン 43 |
3.7 タンパク質の相互作用 43 |
3.8 タンパク質と核酸の相互作用 44 |
3.9 超分子複合体の構造解析の方法と意義 44 |
3.10 構造に関連するバイオインフォマティクス 45 |
3.11 構造生物学の将来 45 |
4.遺伝物質(DNA) |
4.1 遺伝物質としてのDNA 46 |
4.2 DNA複製 46 |
4.2.1 DNAの複製 46 |
4.2.2 半保存的なDNA複製―DNA複製の基本原理 47 |
4.2.3 DNAポリメラーゼ 47 |
4.2.4 DNAポリメラーゼ以外の複製因子 50 |
4.2.5 DNA複製のプロセス 52 |
4.3 DNA修復機構 53 |
4.3.1 DNA損傷と修復機構 53 |
4.3.2 塩基の修飾の逆反応による修復 54 |
4.3.3 除去修復 54 |
4.3.4 組換え修復 56 |
4.3.5 突然変異 56 |
4.3.6 点突然変異の機構 57 |
4.3.7 突然変異率とホットスポット 57 |
4.4 組換え 57 |
4.4.1 相同組換え 58 |
4.4.2 部位特異的組換え 60 |
5.遺伝子発現とその調節(RNA) |
5.1 はじめに 61 |
5.2 遺伝子発現における分子基盤 61 |
5.3 遺伝子DNAの情報を写し取る転写反応 62 |
5.3.1 転写反応からの合成産物 62 |
5.3.2 転写の機構と制御 62 |
5.3.3 転写の機構にかかわる因子と因子間相互作用 64 |
5.4 RNAの成熟化 71 |
5.4.1 RNA成熟化での修飾反応と修飾産物 71 |
5.4.2 RNA成熟化機構と制御 72 |
5.4.3 RNA成熟化での因子と因子間相互作用 74 |
5.5 翻訳反応の理解に向けて 76 |
5.5.1 翻訳反応でのRNAの役割と合成産物 76 |
5.5.2 翻訳反応の機構と制御 77 |
5.5.3 翻訳反応での因子と分子間相互作用 80 |
5.6 おわりに 82 |
6.原核生物の分子遺伝学 |
6.1 原核生物 84 |
6.2 原核生物の細胞構造と多様性 84 |
6.3 ゲノム編成から見た細胞システム 86 |
6.4 原核細胞に見られる種々の増殖性因子 86 |
6.4.1 ファージ 86 |
6.4.2 トランスポゾン 87 |
6.4.3 プラスミド 87 |
6.5 大腸菌の特性およびその分子遺伝学の基本知識 88 |
コラム ファージによる形質導入 91 |
6.6 細胞増殖機構 92 |
6.6.1 複製と分配 92 |
6.6.2 組換え 93 |
6.6.3 修復 93 |
6.6.4 転写 94 |
6.6.5 翻訳とtRNA 95 |
6.7 代謝系のいろいろ 98 |
6.7.1 代謝拮抗物質(代謝阻害剤) 98 |
6.7.2 フィードバック阻害とアロステリック効果 99 |
6.7.3 リプレッサーによる転写制御 99 |
6.8 これからの原核生物の研究 102 |
7.分子生物学を支える基礎技術 |
7.1 核酸の物理化学的特性 109 |
7.1.1 DNAの特徴 109 |
7.1.2 RNAの特徴 110 |
7.2 核酸の単離法 111 |
7.3 遺伝子工学の原理 111 |
7.3.1 プラスミド 111 |
7.3.2 遺伝子工学の目的 111 |
7.3.3 DNAのための“はさみ”と“のり” 112 |
7.3.4 組換えDNA実験のデザイン 113 |
7.3.5 電気泳動でDNAを見る 114 |
7.3.6 DNA断片のリガーゼ処理 115 |
7.3.7 DNAを大腸菌に戻して増やす 116 |
7.3.8 プラスミドを取出す 117 |
7.3.9 ハイブリダイゼーションによる希少DNAのクローニング 117 |
7.3.10 バクテリオファージベクター 117 |
7.3.11 その他のベクター 118 |
7.3.12 DNAライブラリー 118 |
7.4 PCR法の原理 120 |
7.5 電気泳動および関連技術 120 |
7.5.1 核酸の電気泳動 120 |
7.5.2 タンパク質の電気泳動 121 |
7.5.3 その他の電気泳動 121 |
7.5.4 ブロッティング 121 |
コラム サンガー法(ジデオキシ法) 122 |
7.6 タンパク質の発現 124 |
コラム ブロッティング法の産みの親は? 124 |
7.7 cDNAライブラリーの応用 125 |
7.8 部位特異的突然変異誘発 125 |
7.9 融合遺伝子 126 |
7.10 トランスフェクション 127 |
7.11 ノックアウトとノックダウン 127 |
7.12 タンパク質間相互作用の解析 128 |
7.12.1 免疫沈降法 128 |
7.12.2 ツーハイブリッドシステム 128 |
7.13 遺伝的多型の解析 128 |
7.14 マイクロアレイを用いたゲノム解析技術 129 |
7.15 質量分析を用いたタンパク質解析技術 130 |
7.16 バイオインフォマティクス 132 |
7.16.1 配列検索とデータベース 132 |
コラム 次世代シーケンサー 132 |
7.16.2 網羅的解析ヒバイオインフォマティクス 133 |
7.16.3 比較ゲノム学 133 |
8.タンパク質の動態 |
8.1 細胞小器官とそのトポロジー 134 |
8.2 タンパク質のフォールディング 135 |
8.2.1 タンパク質の構造形成 135 |
8.2.2 タンパク質合成初期過程におけるフォールディング 136 |
8.3 翻訳後修飾 137 |
8.3.1 タンパク質のプロセシング 137 |
8.3.2 ジスルフィド結合(S-S結合) 138 |
8.3.3 糖鎖付加(グリコシル化) 138 |
8.4 細胞内輸送 139 |
8.4.1 核輸送 140 |
8.4.2 中央分泌系 140 |
8.5 エンドサイトーシスとエキソサイトーシス 145 |
8.5.1 エキソサイトーシス 145 |
8.5.2 エンドサイトーシス 146 |
8.6 ミトコンドリアへの輸送 147 |
8.7 タンパク質の分解 147 |
8.7.1 ユビキチン依存型経路 147 |
8.7.2 その他のプロテアーゼ 148 |
8.7.3 タンパク質品質管理機構 148 |
9.細胞周期の制御と染色体 |
9.1 真核生物の細胞分裂周期とは何か : 四つの異なるステージ 151 |
9.2 真核生物における細胞周期の普遍性 153 |
9.3 卵成熟因子の発見 155 |
9.4 細胞周期制御遺伝子の同定 156 |
9.4.1 サイクリン 156 |
9.4.2 Cdc25ホスファターゼとWeelキナーゼ 156 |
9.4.3 CDKインヒビター 157 |
9.5 ユビキチン分解系の重要性 157 |
9.6 チェックポイント制御の存在 158 |
9.7 真核生物の染色体 159 |
9.7.1 凝縮染色体の視覚化 159 |
9.7.2 複製起点 160 |
9.7.3 テロメア 161 |
9.7.4 動原体 162 |
9.7.5 姉妹染色分体間の結合 163 |
9.8 染色体の分配と細胞周期制御 164 |
10.ウイルスとがん |
10.1 分子腫瘍学研究の流れ 165 |
10.1.1 実験動物を用いたがん研究の時代 165 |
10.1.2 培養細胞を用いたがんウイルス研究の時代 165 |
10.1.3 発がんの分子機構に関する仮説 168 |
10.1.4 分子レベルでのがん研究の黎明 168 |
10.1.5 がん遺伝子の時代 171 |
10.1.6 がん抑制遺伝子の時代 172 |
10.1.7 ゲノムサイエンスに基づくがん研究の時代 173 |
10.1.8 遺伝子の探索から診断・治療へ 174 |
10.2 DNA腫瘍ウイルス 175 |
10.2.1 はじめに 175 |
10.2.2 ゲノム構造およびその転写 175 |
10.2.3 発がん機構 177 |
10.3 レトロウイルス 183 |
10.3.1 レトロウイルスゲノムの構造 183 |
10.3.2 プロウイルスの合成 184 |
10.3.3 プロウイルスの組込み 186 |
10.3.4 レトロウイルスの遺伝子発現と粒子形成 186 |
10.3.5 欠損ウイルスと内在性ウイルス 187 |
10.3.6 レトロウイルスベクター 188 |
10.3.7 その他のレトロポゾン 189 |
11.シグナル伝達 |
11.1 細胞間コミュニケーション 191 |
11.2 シグナル因子 192 |
11.3 受容体 194 |
11.4 細胞内シグナル伝達因子 195 |
11.5 がん遺伝子 197 |
11.6 各種のシグナル伝達経路 197 |
11.6.1 三量体型Gタンパク質共役型受容体を介したシグナル伝達 198 |
11.6.2 酵素内在型受容体を介したシグナル伝達 202 |
11.6.3 酵素共役型受容体を介したシグナル伝達 206 |
11.6.4 イオンチャンネル型受容体 208 |
11.7 今後の展望 209 |
12.多細胞体制の分子生物学 |
12.1 単細胞生物・群体・多細胞生物210 |
12.2 組織の分化 211 |
12.2.1 ショウジョウバエの体節の形成 211 |
コラム プログラムされた細胞死 213 |
12.2.2 アフリカツメガエルの初期発生 214 |
12.2.3 組織分化の一般性 215 |
コラム Pax6 215 |
12.2.4 植物組織の分化 216 |
12.3 細胞の選択的接着 216 |
12.3.1 細胞接着分子 217 |
12.3.2 細胞外基質接着分子 218 |
12.3.3 細胞骨格 220 |
コラム がんと細胞接着 220 |
12.3.4 細胞接着装置 221 |
コラム βカテニン 222 |
12.3.5 植物細胞の細胞壁および細胞間結合 223 |
12.4 多細胞生物の形態形成に関与するその他の因子 224 |
12.4.1 分泌型シグナル伝達因子 224 |
12.4.2 細胞の極性 225 |
12.4.3 細胞外基質とマトリックスメタロプロテアーゼ 225 |
12.4.4 植物の形態形成 226 |
12.5 おわりに 226 |
13.脳・神経 |
13.1 脳・神経系の働きと進化 227 |
13.2 神経細胞の構造と機能 228 |
13.3 脳・神経解剖学 229 |
13.4 神経系の発生・分化と回路網形成 231 |
13.5 神経活動の分子的基礎 232 |
13.5.1 細胞膜内外のイオン分布と細胞内電位 232 |
13.5.2 神経伝達物質と受容体 235 |
13.6 学習と記憶 237 |
13.6.1 学習と記憶 237 |
13.6.2 高次機能 239 |
14.モデル生物の分子生物学 |
14.1 酵母 240 |
14.1.1 モデル系としての二つの酵母―sacharomyces と Schizosaccharomyces 240 |
14.1.2 なぜ酵母がモデル系となるのか 241 |
14.1.3 酵母を用いた研究が注目される分野 241 |
コラム ツーハイブリッドシステム 243 |
14.1.4 酵母研究の現在と未来 244 |
14.2 線虫 244 |
14.2.1 なぜ線虫か 244 |
14.2.2 C. elegans とは 245 |
14.2.3 C. elegans のゲノム情報とゲノム生物学 245 |
14.2.4 発生と細胞系譜 245 |
14.2.5 神経系と行動 247 |
14.3 ショウジョウバエ 248 |
14.3.1 パターン形成研究の代表的モデル生物 248 |
14.3.2 前後軸方向のボディープランの決定機構ホメオボックスの発見 249 |
14.3.3 翔のパターン形成 : 分泌性シグナルタンパク質による位置情報の創出 249 |
14.3.4 神経発生における細胞運命決定機構 : 側方抑制と非対称分裂 250 |
14.3.5 モデル生物としての将来 250 |
14.4 マウス 251 |
14.4.1 はじめに 251 |
14.4.2 トランスジェニックマウス 251 |
14.4.3 遺伝子ターゲッティング 252 |
14.4.4 マウスリソースの開発 254 |
14.5 アラビドプシス(シロイヌナズナ) 255 |
14.5.1 モデル植物としてのアラビドプシス 255 |
14.5.2 花の形態形成のABCモデル 255 |
14.5.3 植物の多様性とモデル植物の研究 258 |
14.6 その他のモデル生物 259 |
14.6.1 モデル生物研究の意義 259 |
14.6.2 比較ゲノム学と遺伝子の進化 259 |
14.6.3 分子生物学の広がりとモデル生物の多様性 260 |
15.ヒトの分子生物学 |
15.1 ヒトの分子生物学とは,その目指す方向と意義 261 |
15.1.1 複雑系としてのヒト 261 |
15.1.2 病気を理解するための共通言語としての分子生物学の役割 261 |
15.2 ヒトの分子生物学の研究対象 262 |
コラム マラリアに抵抗性を示す鎌状赤血球貧血へテロ接合体 262 |
15.3 ヒ卜を対象とした分子生物学的な研究手段と成果 264 |
15.3.1 白血病の基本概念化に向けて 264 |
15.3.2 遺伝病の基本形態について 265 |
15.3.3 神経変性疾患の基本概念化に向けて 266 |
コラム リピート伸長病 268 |
15.4 ヒトのゲノム解析と再生医療 269 |
15.5 医学との接点 : 診断,治療における分子生物学的なアプローチの実際 270 |
15.5.1 鋭敏な検出手段としてのPCR 271 |
15.5.2 分子生物学的なアプローチによってつくりだされた疾患モデル 271 |
15.5.3 治療薬としてのリコンビナントタンパク質とその可能性 272 |
15.6 将来の展望 273 |
索引 274 |
1.分子生物学の普遍性 1 |
1.1 分子生物学的なアプローチ 1 |
1.2 物質的な普遍性 : 低分子から高分子へ,高分子から分子複合体へ 3 |