はじめに 3 |
第1章 免疫システムと人生の試練-借り物でない自己の確立- 13 |
免疫とは「自分とは何か?」を規定すること 13 |
免疫とは「敵」ではなく「非自己」を排除する仕組み 15 |
「自己・非自己」は実社会でも重要なテーマ 18 |
自己は演繹ではなく帰納で定義される 18 |
演繹はスマートで帰納は力仕事のイメージ 20 |
企業発展の原動力は帰納法? 22 |
免疫の主役は非自己を攻撃する抗体と、それを生産するB細胞 24 |
抗体の驚くべき多様性 26 |
なぜ抗体は、非自己にのみ反応するのか?-帰納法の活用 27 |
自己成長=免疫システムの確立 32 |
2度感染なしの仕組みと、人生での自己確立の類似 33 |
成長する人、成長しない人 36 |
人生は、借り物の自己から始まる 38 |
価値観の空白を乗り越えよう 40 |
借り物はしょせん借り物 43 |
この章のまとめ 45 |
第2章 「敵対的買収」をする生命-進化の背景にあるダイナミズム- 47 |
我々は「デーモン」である!? 48 |
ミトコンドリアと葉緑体は独立した生物だった 49 |
真核生物と原核生物 50 |
ミトコンドリアはエネルギー生産工場 52 |
ミトコンドリアが生まれた日 54 |
生命の合体の不思議、その未来 57 |
ミトコンドリアは自分のDNAを持つ 58 |
何重もの合体、現在進行中の合体 60 |
進化は「あみだくじ」図で表される 61 |
企業の吸収合併(M&A)も同じ原理 63 |
遺伝子は種を超えて水平に移動する! 64 |
ウィルスと大腸菌の間での遺伝子の水平移動 67 |
人間も、細菌やウィルスからの遺伝子水平移動の産物 70 |
「ヘッドハンター」はウィルスか? 73 |
ダイナミズムが活力源 75 |
この章のまとめ 76 |
第3章 意図的な細胞死アポトーシス-見直される「消去法」- 79 |
意図的な細胞死アポトーシス 81 |
手の5本指構造は消去法の産物 81 |
2002年のノーベル生理学・医学賞はアポトーシスの研究 84 |
なぜ消去法なのか? 87 |
消去法は効率が良い 88 |
消去法でしかできないことがある 90 |
企業戦略のコツも消去法? 92 |
人間への進化の道のりも消去法だった 94 |
人間までの進化の英雄伝は疑問視され始めた 94 |
消去法による人間までの進化、「イーストサイド・ストーリー」 96 |
進化とは、消去法そのもの 98 |
適者生存=不適者排除 100 |
窮地こそ最大のチャンス 101 |
ミクロの消去がマクロでの発展を生む 104 |
この章のまとめ 106 |
第4章 超保守的な遺伝子の革新性-不変と変革が織りなすモザイク- 109 |
生命=自己複製するもの 110 |
自己複製の難易度はウルトラC級 111 |
自己複製の3ステップ 112 |
遺伝子の記述は、デジタル方式で不変を実現 114 |
遺伝子DNAは「4文字」で記述されている 115 |
デジタル的複製でまずは不変を実現 116 |
複製にビルトインされた変革のメカニズム 119 |
DNAの読み取り方の驚くべき保守性 121 |
設計図(DNA)から部品(アミノ酸)へ 123 |
コドン表は全ての生物で共通 125 |
結果ではなく原因に、不変の軸足を置く 127 |
変革と不変は対立概念ではない 129 |
生命は肉体構造レベルでも、徹底した保守性と大胆な変革を併せ持つ 132 |
この章のまとめ 138 |
第5章 遺伝子の雑音イントロン-混沌から引き出されるすごい価値- 141 |
創世記が投げかける「混沌」の意義 142 |
我々の遺伝子は雑音だらけ 143 |
遺伝子内の「雑音」、イントロンとは? 144 |
イントロン(雑音)を取り除く過程、スプライシング 146 |
イントロンの短期的役割、選択的スプライシング 148 |
イントロンの長期的役割、エキソン・シャッフリング 152 |
イントロンを持たない生命は発展しない 156 |
イントロンは、本来敵対的(利己的)な存在 157 |
秩序か混沌か自体に正解はない 159 |
秩序から価値を生むのは容易だが、混沌から価値を生むのは困難 160 |
もうひとつの混沌、「性」 165 |
性は実は不要 166 |
性は恐るべき混沌 167 |
性による遺伝子混ぜ合わせ効果 169 |
「2倍体」によりさらに効果的な混ぜ合わせを実現 173 |
生殖のプロセスも混沌なら、その結果も混沌 174 |
混沌からの価値引き出しの決め手は「自然淘汰」 175 |
混沌から価値を引き出すもうひとつのコツ 177 |
この章のまとめ 178 |
第6章 命の回数券ヘイフリック限界-「死」をポジティブにとらえる- 181 |
死は意図的に起きる 182 |
テロメアという回数券が尽きたら「意図的な死」が待っている 185 |
命の回数券の再購入能力は意図的に封印されている 187 |
「事故死」「すり切れ死」「わざと死」の3パターン 188 |
生命の進化と死の獲得 189 |
性の発明が死を呼び込んだ 192 |
「事故死」にもポジティブな意味がある 196 |
老化死の多くは「わざと死」か? 198 |
空間(部分と全体)の視野を広げる 201 |
時間の視野を広げる 204 |
企業の「事故死」「わざと死」 205 |
企業の死を看取る「ホスピス」の必要性 206 |
この章のまとめ 208 |
第7章 揺れ動く進化論-偶然か、はたまた必然か- 211 |
生物進化は偶然か必然か 212 |
正統派進化論の復習 213 |
葬り去られた古い学説たち 214 |
必然を信じたくなる事例の数々 217 |
精緻な生命の登場も「偶然」で説明できる 219 |
すべてが偶然だとしたら 224 |
自己組織化という必然のメカニズムも存在 226 |
収斂進化における必然 229 |
平行放散進化 232 |
エピジェネティクスという新しいテーマ 234 |
我々の存在は偶然であり必然でもある 236 |
この章のまとめ 237 |
第8章 生命は利己的な遺伝子の乗り物?-絶対的なあきらめの先の希望- 241 |
分子生物学が呼び覚ますニヒリズム 242 |
ベジタリアンは殺生をしない人か 243 |
なぜ人を殺してはいけないか 245 |
チンパンジーと人間の共通の祖先は殺してもよいか 246 |
生命には目的がない 248 |
DNAは読めるが、その意味は簡単にはわからない 249 |
生命とは自分のコピーを後世に残すこと、目的は存在しない 250 |
生命は遺伝子の乗り物にすぎない? 254 |
利他行動を説明する群淘汰理論 254 |
利他行動は、「利己的な遺伝子」でも説明できる 256 |
親のまま子殺しも「利己的な遺伝子」なら説明できる 258 |
我々は遺伝子の乗り物に過ぎないのか 259 |
絶対的なあきらめの先に希望がある 260 |
この章のまとめ 261 |
あとがき 264 |
参考文献 267 |
索引 278 |
はじめに 3 |
第1章 免疫システムと人生の試練-借り物でない自己の確立- 13 |
免疫とは「自分とは何か?」を規定すること 13 |
免疫とは「敵」ではなく「非自己」を排除する仕組み 15 |
「自己・非自己」は実社会でも重要なテーマ 18 |
自己は演繹ではなく帰納で定義される 18 |