1 変動帯日本列島の成り立ちと編年 1 |
1-1 日本列島と周辺海域の大地形と地質構造 2 |
(1)日本列島と周辺の大地形 2 |
1)島弧-海溝系としての日本列島 2 |
2)日本列島周辺でのプレートの沈み込みと衝突 5 |
(2)日本列島の基盤 6 |
1)大陸縁辺の時代と岩石 6 |
2)付加体がつくる帯状構造 7 |
3)関東以北の日本列島の基盤 9 |
(3)島弧時代における日本列島の地形特性 10 |
1)島弧の構造区 10 |
2)衝突してまとまった北海道 12 |
3)外弧内弧の接合している東北地方 12 |
4)3つの弧が重複・衝突している中部日本 12 |
5)フィリピン海プレートに面した西南日本 12 |
1-2 日本列島の地形の概観 13 |
(1)日本列島の地形の概観 13 |
(2)各地域ごとの地形配列 14 |
1)北海道 15 |
2)東北日本 16 |
3)フォッサマグナ周辺地域 17 |
4)西南日本内帯 19 |
5)西南日本外帯 21 |
6)南西諸島 21 |
(3)日本列島周辺の海底地形 22 |
1-3 日本列島の気候とその変化 22 |
(1)現在の日本列島の気候特性 23 |
1)積雪 24 |
2)降雨強度 24 |
3)雨による山崩れと土石流 25 |
4)洪水 26 |
5)周氷河作用 26 |
(2)氷期の日本列島の気候特性あるいは気候地形帯の移動 27 |
1)雪線と森林限界の平行性 27 |
2)氷期の雪線および森林植生帯の推定 29 |
3)氷期の周氷河現象の南限 50 |
4)氷期の台風・梅雨の北限 31 |
1-4 地形と環境の編年 32 |
(1)大地形形成編年の基本的枠組み 32 |
1)地形単位の大きさで異なる編年法 32 |
2)山地・平野などの中地形の形成史の編年 33 |
(2)第四紀の気候環境変化と中小規模の地形形成の編年 37 |
1)グローバル・セミグローバル・ローカルな変化 38 |
2)ローカルな地形面と地層層序の編年 39 |
(3)中期更新世における気候変化と地形形成環境 40 |
1)気候変化の特徴 40 |
2)中期更新世の地形面と地層 42 |
(4)中期および後期更新世の気候イベント 42 |
1)気候変化史研究に果たす指標テフラの役割 43 |
2)テフラの年代と水域・陸域の気候記録の対比 44 |
2 変動帯を特色づける山地・平野・火山の形成史 47 |
2-1 鮮新世以降の地殻変動による隆起域と沈降域の出現 48 |
(1)日本列島の地殻応力場とその起源 48 |
1)現在の地殻応力場 48 |
2)応力場の起源 49 |
3)日本列島は圧縮性の変動帯である 49 |
(2)造構応力場と撓曲・断層 50 |
1)造構応力場 50 |
2)撓曲変形と不調和な山地 50 |
3)東北地方と中部地方の違い 51 |
(3)日本の山地・低地の形成速度 51 |
1)変位基準と変位量 51 |
2)変位地形の形成速度 52 |
3)累積変位量と日本の地形の起源 53 |
(4)鮮新世以降の地形発達 53 |
1)島弧としての日本列島の出現 54 |
2)東北日本の外弧・古い陸地の地形-北上・阿武隈山地 57 |
3)東北日本内弧-海から低地・山地への道筋 58 |
4)フォッサマグナ地域の山地・低地の生い立ち 61 |
5)中部地方の山地の形成と分化 65 |
6)西南日本の山地と低地 66 |
2-2 更新世中期以降における変動地形の形成 70 |
(1)活断層分布の地域性 71 |
(2)横ずれ断層による変位地形と変位の累積 72 |
1)横ずれ断層の特色 72 |
2)横ずれ断層に伴う上下変位 73 |
(3)縦ずれ断層による変位地形と地形の分化 75 |
1)縦ずれ断層 75 |
2)逆断層による変位地形-近畿三角帯の例 75 |
3)活動を続ける摺曲と副次的逆断層 77 |
4)正断層 80 |
(4)活断層と古地震の復元 80 |
(5)旧汀線高度に基づく海岸域の地殻変動 81 |
1)MIS 5eの旧汀線高度と変動様式および隆起速度の地域性 81 |
2)完新世海成段丘の旧汀線高度 83 |
3)完新世海成段丘の細分と地震性地殻変動 84 |
2-3 火山活動の変遷と地形 86 |
(1)日本海開裂から弧状列島形成時の火山活動 86 |
(2)火山地形とその活動史 89 |
(3)変化に富んだ第四紀火山 91 |
1)富士山・箱根山 91 |
2)雲仙・大山・赤城火山など-安山岩質マグマの大型複成火山 93 |
3)鹿児島地溝の大カルデラ-姶良・鬼界カルデラを中心に 94 |
3 第四紀における気候・海面変化に伴う地形変化 99 |
3-1 気候変化の影響を受けた地形 100 |
(1)中期更新世以降の氷期の環境で生じた地形 100 |
1)氷河地形 100 |
2)周氷河地形 105 |
(2)気候変化の影響を受けた河川段丘地形 105 |
1)後期更新世における河川の堆積と下刻史 105 |
2)最終氷期終焉期~完新世における河川の変化 107 |
3)河成段丘形成に影響した地殻変動 109 |
(3)中期更新世以降の間氷期に生じた地形 109 |
(4)最終氷期以降の古地理の変化 111 |
3-2 第四紀後期の海面変化に関連する沿岸部の地形発達 113 |
(1)間氷期,後氷期における海進と海成段丘の形成 113 |
1)海成段丘とその分布 115 |
2)間氷期・亜間氷期の海進と段丘形成 114 |
3)後氷期海進と完新世の海成段丘および海面変化 118 |
(2)南の島々を縁取るサンゴ礁とサンゴ礁段丘 120 |
1)サンゴ礁の種類と分布 120 |
2)サンゴ礁段丘の地形の特色 121 |
3)サンゴ礁段丘の形成史-異なる環境で形成されたサンゴ礁段丘の比較 121 |
4)後氷期海進と完新世段丘 123 |
3-3 大陸棚および大陸斜面の地形と海水準変化・地殻運動 124 |
(1)大陸棚の地形 124 |
(2)大陸斜面の地形 127 |
4 変化しつつある日本の地形 151 |
4-1 山地斜面と谷地形の変化 132 |
(1)山崩れと地すべり,地すべり性崩壊 132 |
(2)大規模土石流堆積物が埋めた河谷で起こった地形変化 134 |
(3)山崩れ発生の反復性と頻度 136 |
(4)斜面削剥の履歴 137 |
4-2 河川による地形変化 138 |
(1)河川地形の形成 138 |
(2)河川縦断形 139 |
(3)開放系としての河川システム 140 |
(4)河成段丘の形成 141 |
1)海面変化 141 |
2)供給土砂量および粒度組成と流量(降水量)の変化 142 |
(5)信濃川の縦断形と合流点の流域地形計測 142 |
(6)合流という自然実験 145 |
4-3 沖積低地の発達と変化に富んだ海岸線 146 |
(1)沖積低地の発達 146 |
1)沖積低地146 |
2)沖積低地の層相区分とシークエンス層序 148 |
(2)変化に富んだ長い海岸線 148 |
1)最終氷期以降の海面上昇に伴う海岸線の変化 148 |
2)砂浜海岸と岩石海岸 150 |
3)砂丘の発達 153 |
5 自然災害と地形の人工改変 155 |
5-1火山活動に伴う災害 156 |
(1)火山活動の規模と頻度 156 |
(2)先史時代の大規模火山活動と災害 157 |
1)九州の縄文文化を直撃した鬼界大噴火 157 |
2)伝説に残る集落を埋没した十和田湖の噴火 159 |
3)富士山の大崩壊 160 |
(3)有史時代の火山活動と災害 160 |
(4)防災・減災の基礎 162 |
5-2地震に伴う災害 162 |
(1)地震断層と災害 162 |
(2)地震による振動と関連する広域にわたる災害 165 |
(3)海岸地域の災害と津波 168 |
5-3 豪雨,暴浪・高潮などに伴う災害 170 |
(1)豪雨に伴う災害 170 |
(2)高潮災害と内水氾濫 172 |
5-4 地形の人工改変 172 |
(1)砂防や河川改修 172 |
(2)ゼロメートル地帯と高潮対策 174 |
(3)海岸侵食対策 175 |
(4)干拓の進展 177 |
(5)失われた自然を取り戻す試み 177 |
6 未来の地形と地形学の未来 179 |
6-1 日本における第二次世界大戦後の地形研究の潮流 180 |
6-2 第四紀学における予測と地形学における予測 182 |
6-3 地形発達シミュレーション 183 |
6-4 地形変化モデルのパラメータ値と具体的な研究課題 184 |
6-5 シミュレーションの外部独立条件-気候・海面変化,地殻運動 184 |
6-6 シミュレーションと地形学の課題 185 |
引用文献 187 |
索引 199 |
執筆分担一覧 204 |