第1章 核分裂の発見そしてエネルギー源へ |
1 物質の核への探求 2 |
1-1 原子探求の長い歴史 2 |
1-2 X線の発見 3 |
1-3 放射性元素の発見 4 |
1-4 放射線の探求から 5 |
2 20世紀の新しい物理学 6 |
2-1 原子核構造の解明へ 6 |
2-2 中性子の発見 8 |
2-3 核分裂の発見 9 |
2-4 プルトニウムの発見 12 |
3 第二次大戦のさなかに 13 |
3-1 亡命科学者たち 13 |
3-2 初めての原子炉実験 15 |
3-3 極秘の原子爆弾開発計画 17 |
4 平和利用への努力 20 |
4-1 平和利用への模索 20 |
4-2 原子炉開発の努力 22 |
4-3 原子力発電の時代へ 25 |
4-4 各国の道のり 28 |
4-5 日本の原子力開発 32 |
第2章 地球環境問題と原子力 |
1 持続可能な発展とエネルギー 36 |
1-1 トリレンマ問題への挑戦 36 |
1-2 エネルギーの歴史的発展 36 |
1-3 文明の選択としてのエネルギー問題 39 |
1-4 地球環境問題の登場 41 |
1-5 地球温暖化に関する科学的知見 45 |
2 地球温暖化問題への挑戦と原子力 47 |
2-1 地球温暖化対策の基本戦略 47 |
2-2 持続可能な発展を支える原子力 48 |
第3章 新エネルギーと原子力 |
1 わが国のエネルギー供給構造の弱点と新エネルギー 52 |
2 新エネルギーとは 54 |
2-1 導入見通し 54 |
2-2 利点 55 |
2-3 導入の課題 56 |
3 大量電力消費社会 59 |
3-1 何で支えるか 59 |
3-2 温暖化抑制と原子力 61 |
3-3 技術進歩による改善効果 63 |
4 発電システムのリスク比較 65 |
5 多様な方法を模索して 68 |
第4章 放射線の性質と防護 |
1 放射線と放射能 72 |
1-1 放射線、放射能とは 72 |
1-2 放射線の種類 72 |
1-3 原子の構成と原子核の壊変 73 |
1-4 放射線と物質との相互作用 75 |
1-5 放射線の性質と特徴 77 |
2 放射線・放射能に関わる単位 78 |
2-1 放射能の単位 78 |
2-2 放射線量の単位 78 |
3 身の回りの放射線 80 |
3-1 自然放射線と人工放射線 80 |
3-2 自然放射線による被ばく 83 |
3-3 人工放射線による被ばく 86 |
4 放射線の人体への影響 86 |
4-1 放射線影響の発生のしくみと現れ方 87 |
4-2 確定的影響 88 |
4-3 確率的影響(がん・遺伝への影響) 88 |
4-4 胎児への影響 90 |
4-5 原子力発電所事故の影響 90 |
4-6 放射線ホルミシス 91 |
5 放射線防護 91 |
5-1 被ばくの限度 91 |
5-2 原子力施設周辺公衆の放射線防護 92 |
5-3 放射線業務従事者の放射線防護 95 |
5-4 原子力施設事故時の公衆の防護対策 96 |
6 放射線・放射能の測定 97 |
6-1 放射線測定の原理 97 |
6-2 測定方法といくつかの便宜 98 |
第5章 放射線のいろいろな分野への応用 |
1 放射線利用の原理 102 |
2 工業への利用 104 |
2-1 物理的特性を利用する技術 104 |
2-2 化学作用を利用する技術 107 |
2-3 生物効果を利用する技術 114 |
2-4 トレーサーとしてのRI利用 115 |
3 農業分野における利用 116 |
3-1 品種改良 116 |
3-2 害虫駆除 119 |
3-3 食品照射 121 |
3-4 トレーサー利用 125 |
4 医学への利用 126 |
4-1 放射線診断 126 |
4-2 放射線治療 131 |
5 分析分野における利用 135 |
5-1 放射化分析 135 |
5-2 X線分析 137 |
6 天然の放射性元素を用いた年代測定 139 |
第6章 原子力発電所と安全確保 |
原子力発電所 142 |
1-1 軽水型原子力発電所の構成 142 |
1-2 燃料と炉心 145 |
1-3 ウラン235核分裂と炉心の発熱 145 |
2 原子炉のしくみ 147 |
2-1 核分裂の連鎖反応の成立条件 147 |
2-2 体系の大きさ 149 |
2-3 臨界 149 |
3 原子炉の制御 151 |
3-1 制御棒 151 |
3-2 原子炉の起動 152 |
3-3 中性子のふるまいと遅発中性子 152 |
3-4 制御棒による臨界の維持 153 |
3-5 制御棒のスクラム動作 154 |
3-6 異常状態の検知 155 |
4 原子炉の炉心設計の考え方 156 |
4-1 燃料に対する温度制限 156 |
4-2 炉心設計の手続き 159 |
5 軽水炉の固有の安全特性 160 |
5-1 原子爆弾と原子力発電所 160 |
5-2 負の反応温度係数 162 |
6 安全性を確保するには 164 |
6-1 安全確保のしくみ-放射能放出に対する多重障壁 164 |
6-2 安全確保のしくみ-多重防護と設計基準事故 166 |
6-3 耐震設計 168 |
6-4 阪神大震災に照らして 168 |
6-5 原子力発電所の立地の考え方 171 |
7 原子力発電所の事故 173 |
7-1 スリーマイル島原子力発電所2号機の事故 173 |
7-2 チェルノブイリ原子力発電所4号機の事故 177 |
7-3 わが国における原子力発電所の事故例 180 |
7-4 アクシデント・マネジメントの導入 182 |
7-5 セイフティ・カルチャーの醸成 182 |
7-6 国際原子力事象評価尺度(INES)の導入 183 |
第7章 リサイクルして生まれる新燃料 |
1 核燃料を再利用するとは 188 |
2 軽水炉と核燃料サイクル 191 |
2-1 ウランの採鉱・製錬から原子炉燃料まで 191 |
2-2 使用済み燃料の再処理から回収プルトニウム等の利用まで 197 |
2-3 再処理とプルトニウム利用の今後 202 |
3 高速炉と核燃料サイクル 204 |
3-1 高速炉とは 204 |
3-2 高速炉技術の現状と将来 208 |
3-3 高速炉時代に向けての核燃料サイクル 210 |
4 核燃料サイクルの展望と課題 213 |
4-1 核燃料サイクルの必然性 213 |
4-2 核燃料サイクルを推進する上での課題 213 |
第8章 放射性廃棄物の処理処分 |
1 放射性廃棄物とは 218 |
2 放射性廃棄物の安全とその分類 218 |
3 低レベル放射性廃棄物の処理処分 222 |
3-1 処理処分の概要 222 |
3-2 わが国の現状 222 |
3-3 海外での処分状況 225 |
4 高レベル放射性廃棄物の処理処分 226 |
4-1 特徴 226 |
4-2 処理処分 226 |
4-3 世界の処理処分計画と新しい試み 228 |
5 安全性の確保 229 |
5-1 どのように閉じ込めるか(多重防護体系) 229 |
5-2 放射性廃棄物処理施設の事故例 230 |
6 地球科学の観点からの検討 233 |
7 地球環境からの視点 235 |
8 社会科学的な視点 236 |
8-1 廃棄物(ゴミ)の処理処分問題 236 |
8-2 平和利用と軍事利用 237 |
第9章 原子力利用と開発の現状 |
1 原子力利用と開発を論じる視点 240 |
2 エネルギー源としての原子力の特徴 241 |
3 世界の原子力利用と開発 243 |
3-1 世界の原子力発電利用の現状 243 |
3-2 原子力発電を選択するいろいろな事情 247 |
4 日本の原子力利用と開発 249 |
4-1 原子力基本法と原子力委員会 249 |
4-2 動力炉開発 250 |
4-3 原子力開発利用長期計画 251 |
4-4 日本原子力学会の活動 252 |
4-5 大学の原子力教育・研究 253 |
4-6 産業界の現状 255 |
4-7 各種団体・研究所の役割 257 |
5 国際情勢と国際協力 258 |
5-1 原子力平和利用と核兵器拡散の防止 258 |
5-2 国際原子力機構(IAEA) 259 |
5-3 核拡散防止条約(NPT) 260 |
5-4 経済協力開発機構-原子力機関(OECD-NEA)と国際エネルギー機関(IEA) 262 |
5-5 二国間協定 263 |
5-6 東欧およびアジア諸国との協力 263 |
5-7 研究開発のための国際協力 264 |
6 動力炉の開発と炉型選択 264 |
6-1 原子炉の炉心 265 |
6-2 黒鉛炉 265 |
6-3 軽水炉 267 |
6-4 重水炉 271 |
6-5 高速増殖炉 272 |
6-6 その他の原子炉 275 |
6-7 発電以外の動力炉 276 |
6-8 発電所の高度化 277 |
6-9 寿命を迎えた施設の後片づけ 277 |
6-10 原子炉開発の歴史から学ぶ 279 |
第10章 原子力科学技術の将来 |
1 20世紀に生まれた先端的科学技術 282 |
2 学際性と波及性 283 |
2-1 電子計算機発明へのヒント 284 |
2-2 モンテカルロ法の開発と超大型計算 285 |
2-3 認知科学、人工知能、そしてロボット 286 |
2-4 極限材料の開発 286 |
2-5 開発と安全評価 287 |
3 これからの課題は何か 288 |
3-1 エネルギー問題と原子力発電 288 |
3-2 量子ビーム科学 294 |
3-3 核融合炉 299 |
4 明日の社会をひらく若者 301 |
4-1 エネルギー、環境、そして先端科学技術 301 |
4-2 大きく広がる活躍の場 302 |
〔参考資料、参考図書〕 305 |
〔本書制作に参加された方々〕 308 |