材料学シリーズ刊行にあたって |
「材料における拡散」によせて |
まえがき iii |
第1章 拡散の現象論 1 |
1.1 フィックの第1,第2法則 1 |
1.2 拡散方程式の解 3 |
1.3 3次元座標における拡散方程式 9 |
1.4 種々の結晶系における拡散係数 10 |
1.5 拡散研究の歩み 13 |
第2章 拡散の原子論I-ランダム・ウォークと拡散 25 |
2.1 ランダム・ウォークと拡散 25 |
2.2 フィックの式の適用限界 28 |
2.3 平均二乗変位 30 |
2.4 3次元結晶の拡散係数 32 |
第3章 拡散の原子論II-拡散の機構 39 |
3.1 いろいろな拡散機構 39 |
3.2 熱活性化過程と活性化エネルギー 41 |
3.3 駆動力がある場合の原子の移動 46 |
3.4 トラッピング効果 49 |
3.5 ブロッキング効果 52 |
3.6 パーコレーション 54 |
第4章 純金属および合金における拡散 61 |
4.1 空孔機構による拡散 61 |
4.2 格子間機構による拡散 71 |
4.3 金属中での不純物原子の高速拡散 76 |
4.4 高水素圧雰囲気での超多量空孔の生成と拡散の促進 79 |
第5章 拡散による擬弾性-侵入型原子の拡散- 85 |
5.1 侵入型不純物原子の拡散係数の表式 85 |
5.2 音叉の振動持続時間 88 |
5.3 炭素原子を含む鉄の変形挙動 90 |
5.4 固体のモデル表現 92 |
5.5 固体の力学的振動と減衰 94 |
5.6 「内部摩擦」という用語とその意味 98 |
5.7 標準擬弾性固体の周期的応力下での変形挙動 99 |
5.8 炭素原子を含む鉄の緩和現象 102 |
5.9 ねじり振り子法 107 |
第6章 拡散における相関効果 113 |
6.1 完全にランダムなウォークと相関のあるウォーク 113 |
6.2 相関係数 115 |
6.3 空孔機構による拡散の相関係数 115 |
6.4 希薄合金-2次元六方格子 118 |
6.5 希薄合金-面心立方格子(5ジャンプ振動数モデル) 119 |
6.6 同位体効果と相関係数 123 |
第7章 ランダム・ウォーク理論の基礎 127 |
7.1 格子におけるランダム・ウォーク 128 |
7.2 相関効果に関する応用 136 |
7.3 ランダム・ウォーク理論の化学反応速度論への応用 140 |
第8章 濃度勾配下での拡散 147 |
8.1 ボルツマン-マタノの方法 147 |
8.2 相互拡散係数と固有拡散係数 150 |
8.3 カーケンドール効果 152 |
8.4 拡散現象の一般的な定式化 154 |
8.5 流れの駆動力とフィックの第1法則 157 |
8.6 相互拡散と熱力学的因子 158 |
8.7 「拡散流は化学ポテンシャル勾配に比例する」 161 |
第9章 高速拡散路-粒界・転位・表面-に沿った拡散 163 |
9.1 粒界拡散 163 |
9.2 転位拡散 175 |
9.3 表面拡散 176 |
第10章 さまざまな物質における拡散 185 |
10.1 イオン結晶 185 |
10.2 酸化物 193 |
10.3 超イオン伝導体 195 |
10.4 半導体 198 |
10.5 金属間化合物 206 |
第11章 電場および温度勾配下での拡散 219 |
11.1 静電場による力と伝導電子による摩擦力 219 |
11.2 純金属中のエレクトロマイグレーション 221 |
11.3 侵入型原子のエレクトロマイグレーション 222 |
11.4 集積回路におけるエレクトロマイグレーション 223 |
11.5 精製法としての応用 229 |
11.6 サーモマイグレーション 232 |
第12章 多相系における拡散 237 |
12.1 拡散領域に形成される相と相界面 237 |
12.2 拡散対の試料形態と出現する相 239 |
12.3 層成長の速度論 240 |
12.4 シリコンと金属薄膜の拡散対における化合物形成過程 241 |
12.5 核形成に関連する現象 242 |
第13章 析出と粗大化の速度論 245 |
13.1 無限媒体中の拡散方程式の解 245 |
13.2 析出粒子の成長 246 |
13.3 マトリックス中の溶質濃度の低下 247 |
13.4 Wert-Zenerの解析 248 |
13.5 粗大化の理論 249 |
付録1 3次元座標系における拡散方程式 260 |
付録2 指数関数の積分 262 |
付録3 スターリングの公式の導出 264 |
付録4 固体の力学模型 267 |
A4.1 結合側 267 |
A4.2 2要素模型 267 |
A4.3 3要素模型 268 |
付録5 標準擬弾性固体の自由減衰振動 270 |
付録6 平均二乗変位と相関係数 273 |
付録7 不純物拡散の相関係数の計算 276 |
付録8 化学ポテンシャルについて 280 |
A8.1 ポテンシャルとは何か? 280 |
A8.2 理想気体の化学ポテンシャル 280 |
A8.3 化学ポテンシャルの定義 281 |
A8.4 粒子1個当たりの化学ポテンシャル 281 |
付録9 2元合金の正則溶体モデル 283 |
A9.1 自由エネルギーの表式の導出 283 |
A9.2 固溶体の化学ポテンシャル 285 |
A9.3 溶質原子の活量と活量係数 286 |
付録10 核形成過程の基本概念 287 |
A10.1 エンブリオの形成 287 |
A10.2 準安定相中のエンブリオ濃度 288 |
A10.3 核形成速度とその温度依存性 289 |
A10.4 誤解しやすい点二三 290 |
付録11 球対称の場における拡散方程式の解 292 |
演習問題の解答あるいはヒント 295 |
拡散に関する書籍,データ集など 303 |
索引 307 |