はじめに 2 |
序章 激動の世を生き抜く知恵 16 |
一 かつてない危機に見舞われる世界と日本 17 |
二 「ピンチをチャンスに変える」好機とする 20 |
三 今の苦境を脱け出す「知恵」とは 24 |
四 欧米の知恵の限界を突破する現代版「和魂洋才」 29 |
第一部 日本の伝統社会が保持していた持続性の知恵 41 |
第一章 八項目にまとめられる日本の知恵 42 |
一 モノへの執着より精神的な豊かさや心の平安を重視していた (モノより心) 46 |
二 自然と同化し、自然との共生の精神を基盤としていた (自然との共生) 49 |
三 「足るを知る」自足の心と、「もったいない」精神をもっていた (足るを知る) 54 |
四 輪廻、循環思想が根づいていた (循環思想) 57 |
五 調和を大切にし、家族や地域などの集団の存続を重視していた (調和を保つ) 60 |
六 精神の自由を尊ぶ気風があった (精神の自由) 64 |
七 先祖崇拝や、先人を大切にすることで命や暮らしをつないでいた (先人を大切にする) 66 |
八 教育の価値を認め、次世代を愛し育てることに熱心だった (次世代を愛し育てる) 68 |
第二章 持続性の知恵を育んだもの 70 |
一 学びのなかの持続性の知恵 71 |
(1)江戸の学びに見る持続性の知恵 71 |
(2)江戸時代の学びの概要 76 |
(3)労働の場での学び 84 |
(4)地域や家庭での学び 86 |
二 風土と暮らしに見る持続性の知恵 89 |
(1)日本人の感性や価値観を育んだ風土 89 |
(2)風土で育まれてきた日本人の「暮らし」 94 |
1 街づくりに見る日本人の知恵 94 |
2 コミュニティに見る日本の知恵 100 |
(3)日本の風土や暮らしに見る持続性の知恵 105 |
第二部 伝統的知恵と近代との葛藤 107 |
第三章 江戸時代生まれの代表的知識人は西洋文明にどう向き合ったか 108 |
一 西洋文明の流入 110 |
二 福沢諭吉(一八三五~一九〇一年)の場合 118 |
(1)開化期の最も秀でた西洋文明の解説者・導入者 118 |
(2)諭吉は西洋文明に何を見たか 121 |
(3)なぜ、西洋文明を日本が進むべき文明のモデルとしたのか 126 |
(4)日本の伝統的教養の価値をどう評価したか 128 |
三 田中正造(一八四一~一九一三年)の場合 131 |
(1)封建時代から近代への脱皮に生涯を捧げた男 131 |
(2)正造は西洋に何を見たか 137 |
(3)正造は伝統的知恵をどう見たか 140 |
二 夏目漱石(一八六七~一九一六年)の場合 143 |
(1)西洋と日本の違いを問い続けた作家 143 |
(2)漱石は西洋文明に何を見たか 147 |
(3)漱石は日本の文明開化をどう批判したか 150 |
(4)漱石は日本の伝統文化をどう評価していたか 152 |
第三部 今こそ知恵を活かした社会へ 155 |
第四章 現代に息づく日本の知恵 156 |
一 企業経営に生きる先人の知恵 157 |
二 もっと早くに真剣に受け止めるべきだった賢人の知恵 163 |
第五章 現代に生きる伝統の知恵 168 |
一 モノより心 172 |
(1)長野県伊那市長谷地区における中尾歌舞伎復活の場合 172 |
四〇年ぶりに復活した伝統歌舞伎 |
今でも息づく農村歌舞伎 |
「より豊かな生活」から「よりよく生きる」へ |
(2)心の豊かさと不便性の追求-森ファームサービスの場合 179 |
消費者と向き合う直接販売 |
”生命産業”としてのこだわり農法と合理的経営とリサイクル農業 |
不便性の追求 |
森ファームサービスに生きる八つの知恵 |
二 自然との共生 186 |
(1)コウノトリとともにはばたく豊岡市民の場合 186 |
コウノトリが生息できる農村づくり |
コウノトリとの共生を市全体の施策に |
コウノトリと共生する農業の再生 |
命をつなぐ大切さを肌で感じた小学生たち |
コウノトリをシンボルにした |
商店街の取り組みと地場商品の普及 |
「コウノトリと共生するまちづくり」がもたらすもの |
(2)佐渡の伝統的放牧の場合 197 |
佐渡で蘇る「夏山冬里」の放牧 |
佐渡の発展と密接にかかわる牛飼養の歴史 |
思いが叶える伝統的放牧と、その成果と未来 |
三 足るを知る 204 |
利益より持続性を求める-向山塗料の場合 204 |
利益だけを追わない経営が経費節減にもつながる |
足るを知るGESM経営 |
グローバル経済下で「足るを知る」を実現 |
四 循環思想 212 |
「循環」の精神と近代技術の場合-川崎エコタウンの場合 213 |
世界からも注目を集める域内リサイクルの仕組み |
タウン内での活発な副産物のやりとり |
五 調和を保つ 219 |
エコヴィレッジ運動の実践-小舟木エコ村プロジェクトの場合 219 |
エコヴィレッジ運動と伝統的知恵 |
「小舟木エコ村」における自然と調和した暮らし |
周囲の地域と調和した街づくり |
「エコ村」誕生の経緯 |
越えるべきハードルと未来への歩み |
六 精神の自由 228 |
からくり技術を現在に活かす-NECアクセステクニカの場合 228 |
日本の伝統社会で育まれたものづくりの知恵 |
社内における「ムダ排除」の思想 |
作業現場に見られるムダ排除 |
自由な精神が活きる現場 |
七 先人を大切にする 235 |
家康公に学ぶコンパクトな街づくり-静岡市の場合 235 |
生活に必要な施設がコンパクトに集中 |
「及ばざるは過たるよりまされり」の思想を受け継ぐ街 |
今住んでいる街を持続可能な街へ |
八 次世代を愛し育てる 241 |
(1)子供たちの心に「地域への誇り」を耕す-伊那市長谷学校給食での地場産物の活用 242 |
第一回「全国学校給食甲子園」で優勝 |
人間形成の場としての学校給食 |
「麦わら帽子の会」による地元野菜の提供 |
生産者と生徒との交流 |
子どもは宝 |
(2)日立プラントテクノロジーの技能五輪への挑戦 249 |
技術や技能の継承と技能五輪 |
世界の若者が技を競う技能五輪国際大会 |
CNCマシニング部門・金メダリストの挑戦 |
技能五輪がもたらすもの |
終章 現代に活かす三つのキーワード 256 |
心の豊かさ-生きることを楽しむ 257 |
つながり-他との関係を取り戻す 258 |
理に沿う-地球が有限なことを忘れない 260 |
おわりに 262 |