第Ⅰ部 タンパク質構造構築の基本原理 1 |
1 構成単位 3 |
タンパク質はポリペプチド鎖である 4 |
遺伝コードで20種類のアミノ酸側鎖が決まる 4 |
システインはジスルフィド架橋を形成できる 5 |
ペプチド単位はタンパク質構造の構成単位である 8 |
グリシン残基のとるコンホメーションは多様である 9 |
側鎖のコンホメーションにもエネルギーの面でとりやすいものがある 10 |
多くのタンパク質は固有の金属原子を含む 11 |
結論 12 |
精選図書 12 |
2 タンパク質構造のモチーフ 13 |
タンパク質の内部は疎水性である 14 |
αへリックスは二次構造の重要な要素である 14 |
αへリックスは双極子モーメントをもつ 16 |
αへリックスに適したアミノ酸がある 16 |
βシートは通常, 平行または逆平行のβストランドをもつ 19 |
ループ領域はタンパク質分子の表面にある 21 |
タンパク質の模式図により二次構造がよくわかる 22 |
トポロジー図はタンパク質構造の分類に有用である 23 |
二次構造の連結で簡単なモチーフができる 24 |
ヘアピンβモチーフはタンパク質構造中に多く存在する 26 |
ギリシャキー・モチーフは逆平行βシート中に存在する 27 |
β-α-βモチーフには平行βストランドが2本ある 27 |
タンパク質の分子構造は階層的に構築されている 28 |
大きなポリペプチド鎖は折りたたまれて数個のドメインを形成する 29 |
ドメインは構造モチーフから構築されている 30 |
単純なモチーフが組み合わされて複雑なモチーフを形成する 30 |
タンパク質構造は3つの主な種類に分けられる 31 |
結論 32 |
精選図書 33 |
3 αドメイン構造 35 |
コイルドコイルαへリックスは7個のアミノ酸からなる反復配列をもつ 35 |
4本へリックスの束構造はαタンパク質に共通のドメイン構造である 37 |
αへリックス・ドメインは大きく複雑にもなる 39 |
グロビン型折りたたみはミオグロビンとヘモグロビン中に存在する 40 |
幾何学的特徴がαへリックスの充填を決定する 40 |
1本のαへリックスの縁が隣のへリックスの溝にはまる 40 |
グロビン型折りたたみは進化の過程で保存されている 41 |
疎水性内部は保存される 42 |
へリックスが動いて内部の側鎖の変異に適応する 43 |
鎌状赤血球ヘモグロビンがマラリアに対する耐性をもたらす 43 |
結論 45 |
精選図書 45 |
4 α/β構造 47 |
平行βストランドはバレル状かシート状に配列する 47 |
α/βバレルはさまざまな酵素に存在する 48 |
分枝した疎水性側鎖がα/βバレルのコアで主要な役割を演じる 49 |
ピルビン酸キナーゼは数個のドメインからなり, その1つはα/βバレルである 51 |
二連バレルをもつ構造は遺伝子融合によってできた 52 |
活性部位はα/βバレルの一端にあるループで構成されている 53 |
α/βバレルは新しい酵素活性の進化の例となる 54 |
ロイシン・リッチ・モチーフはα/β蹄鉄型折りたたみを形成する 55 |
α/βのねじれたオープン・シート構造ではそのβシートの両側にαへリックスがある 56 |
オープンβシート構造のトポロジーは多様である 57 |
α/β構造では活性部位を予想することができる 57 |
チロシル-tRNA合成酵素には2種のドメイン (α/β + α) がある 59 |
カルボキシペプチダーゼは混合βシートをもつα/βタンパク質である 60 |
アラビノース結合タンパク質には2つのα/βドメインがある 62 |
結論 63 |
精選図書 64 |
5 β構造 67 |
アップ・ダウン・バレルの簡単なトポロジー 68 |
レチノール結合タンパク質はアップ・ダウンβバレルの内部にレチノールを結合する 68 |
アミノ酸配列はβ構造を反映している 69 |
レチノール結合タンパク質はタンパク質構造のスーパーファミリーの1つに属す 70 |
ノイラミニダーゼはアップ・ダウンβシートに折りたたまれる 70 |
折り重ねモチーフがノイラミニダーゼのプロペラ様構造をつくる 71 |
活性部位はプロペラの片側の中央にある 72 |
ギリシャキー・モチーフは逆平行β構造によく現れる 72 |
γ-クリスタリン分子にはドメインが2つある 74 |
ドメイン構造のトポロジーは簡単である 74 |
2つのギリシャキーがドメインをつくる 74 |
2つのドメインのトポロジーは等しい 75 |
2つのドメインは類似の構造をもっている 76 |
γ-クリスタリンのギリシャキー・モチーフは進化的に関連している 76 |
ギリシャキーはゼリーロール・バレルをつくる 77 |
ゼリーロール・モチーフはバレルのまわりを包む 77 |
ゼリーロール・バレルは通常2つのシートに分けられる 78 |
赤血球凝集素の機能するサブユニットは2本のポリペプチド鎖をもつ 79 |
サブユニット構造は幹と先端に分けられる 79 |
受容体結合部位はゼリーロール・ドメインで形成されている 80 |
赤血球凝集素は膜融合素として働く 80 |
赤血球凝集素の構造はpH変化に影響される 81 |
平行βへリックス・ドメインは新しい折りたたみをつくる 84 |
結論 85 |
精選図書 87 |
6 折りたたみと柔軟性 89 |
球状タンパク質はかろうじて安定なだけである 90 |
折りたたみには速度論的な因子が重要である 91 |
モルテングロビュールは折りたたみの中間体である 92 |
疎水性の側鎖を埋めこむのは重要な問題である 93 |
折りたたみ過程は, 単一の場合と複数の場合とがある 93 |
折りたたみの過程で, 酵素がジスルフィド結合を正しくつくらせる 96 |
プロリン残基の異性化はタンパク質の折りたたみの律速段階になる 98 |
タンパク質はシャペロニンの内部で構造を変える 99 |
GroELは円筒形の構造で, 中央にあるチャネルに新しく合成されたポリベプチド鎖が結合する 100 |
GroESは円筒状のGroELの一端をふさぐ 102 |
GroEL-GroES複合体はATPに依存して, 新たに合成されたポリペプチド鎖と結合・解離を繰り返す 102 |
折りたたまれた状態は柔軟な構造である 104 |
タンパク質キナーゼのコンホメーション変化は細胞周期の調節にかかわる 105 |
カルモジュリンにペプチドが結合するとドメイン間に大きな動きが生じる 109 |
セルピンは, ばねじかけの安全装置に似た機構によってセリンプロテアーゼを阻害する 110 |
エフェクター分子はアロステリックタンパク質の状態をRからTに切り替える 113 |
ホスホフルクトキナーゼのアロステリックな性質がX線構造解析により見える 114 |
結論 117 |
精選図書 119 |
7 DNAの構造 121 |
A型DNAとB型DNAでは, 二重らせんが異なる 121 |
DNAらせんには主溝と副溝がある 122 |
Z型DNAはジグザグパターンである 123 |
B型DNAの構造はin vivoに適している 124 |
B型DNAの特定の塩基配列が認識される 124 |
結論 125 |
精選図書 126 |
第Ⅱ部 タンパク質の構造, 機能, 改変 127 |
8 原核生物のDNA認識を受け持つへリックス-ターン-へリックス・モチーフ 129 |
遺伝子制御の分子機構 129 |
リプレッサーとCroは原核生物の遺伝子のスイッチ領域を制御する 130 |
λファージCroの全体構造はX線解析で明らかになっている 131 |
λファージ・リプレッサーのDNA結合ドメイン構造はX線解析で明らかになっている 132 |
λファージのCroとリプレッサーはともに特殊なDNA結合モチーフをもつ 133 |
モデル作製によってCro-DNA結合様式が予測できる 134 |
遺伝学研究の結果は構造モデルと一致する 135 |
434ファージのCroやリプレッサーとDNAの複合体のX線解析でタンパク質とDNAの結合の新たな特徴が明らかになった 136 |
434ファージCroと434リプレッサーのDNA結合ドメイン構造はよく似ている 137 |
複合体ではタンパク質がB型DNAを的確にゆがめる 138 |
タンパク質-DNA間の配列特異的相互作用がオペレーター領域を認識する 138 |
タンパク質-DNA骨格の相互作用がDNAの全体構造を決定する 139 |
リプレッサーとCroが種々のオペレーターDNA領域を区別して結合するにはDNAの構造変化が重要である 140 |
リプレッサーとCroの重要な性質 141 |
DNAとの結合はアロステリックな変化による調節を受けている 142 |
trpリプレッサーはHTHモチーフをもつ 142 |
コンホメーション変化が機能性スイッチの働きをする 142 |
lacリプレッサーはDNAの主溝と副溝に結合してDNAを鋭く屈曲させる 143 |
CAPが引き起こすDNAの屈曲が転写を活性化する可能性がある 146 |
結論 147 |
精選図書 148 |
9 真核生物の転写因子によるDNAの認識 151 |
転写はタンパク質どうしの相互作用によって活性化される 152 |
TATAボックス結合タンパク質はあらゆる細胞に存在する 153 |
TBP-TATAボックス複合体の三次元構造が解明されている 154 |
TBPのDNA結合部位はβシートで構成される 154 |
TBPはDNAの副溝に結合して構造を大きく変化させる 155 |
TBPとTATAボックスの接触領域は大部分が疎水性である 157 |
TBPによるDNAのゆがみの機能的意味 158 |
TFIIAとTFIIBはTBPとDNA両方に結合する 159 |
ホメオドメインタンパク質は多くの真核生物の発生に関与する 159 |
ホメオドメインタンパク質の単量体はHTHモチーフを介してDNAに結合する 160 |
ホメオドメイン転写因子のin vivoでの特異性は他のタンパク質との結合によって決まる 162 |
POU領域は縦列した2個のHTHモチーフでDNAに結合する 164 |
in vivoでのホメオドメインの機能についてはまだまだ解明すべきことが多い 166 |
腫瘍形成につながる変異の解明 166 |
p53単量体のポリペプチド鎖は3つのドメインに分かれている 167 |
オリゴマー形成ドメインは四量体となる 167 |
p53のDNA結合ドメインは逆平行βバレルである 168 |
p53のループ領域2つとαヘリックス1本がDNAに結合する 169 |
腫瘍形成につながる変異はDNA結合にかかわる3か所の領域に起こることが多い 170 |
結論 172 |
精選図書 172 |
10 いくつかのファミリーにまとめられる特異な転写因子 175 |
Znを含むモチーフにはいくつか種類がある 176 |
古典的ZnフィンガーはDNAのの主溝に沿って縦列に並んで結合する 177 |
古典的Znフィンガー・モチーフでDNAと結合するのはフィンガー領域である 178 |
糖質コルチコイド受容体では2つのZnフィンガーが1個のDNA結合ドメインを形成している 181 |
糖質コルチコイド受容体は二量体としてDNAと結合する 183 |
第一のZnモチーフの中のαヘリックスが特異的なタンパク質-DNA結合をもたらす 184 |
認識ヘリックスの3個の残基がDNAと配列特異的に結合している 184 |
レチノイドX受容体は異種二量体を形成してさまざまな間隔で並んだ縦列反復配列を認識する 185 |
酵母の転写因子GAL4のDNA結合ドメインには2核Znクラスターがある 187 |
GAL4のZnクラスター領域はエンハンサー配列の両端に結合する 188 |
連結領域もDNA結合に役立っている 189 |
C6-Znクラスター・ファミリーに属する転写因子ではDNA結合部位の特異性は連結領域で決まる 190 |
Znを含んだ転写因子ファミリーのDNA結合様式は数種類ある 191 |
真核生物の転写因子のいくつかはロイシン・ジッパーによって二量体を形成する 191 |
GCN4塩基性領域ロイシン・ジッパーは,2個の連続αヘリックスの二量体となってDNAに結合する 193 |
GCN4は,特異的結合、非特異的結合両方でDNAと結合する 194 |
同種二量体,異種二量体の結合にはHLHモチーフがかかわっている 196 |
b/HLHモチーフのαヘリックスの塩基性領域はDNAの主溝に結合する 198 |
b/HLH/zipファミリーの転写因子は,二量体形成モチーフとしてHLHとロイシン・ジッパーの両方をもつ 199 |
MaxとMyoDはDNAのHLH共通配列を認識するが,その特異的結合は異なっている 201 |
結論 201 |
精選図書 203 |
11 酵素触媒反応:セリンプロテアーゼを例として 205 |
プロテアーゼはその機能から4つのファミリーに分類できる 205 |
酵素の触媒反応にかかわる性質はkmとkcatで示す 206 |
酵素は化学反応の活性化エネルギーを低下させる 206 |
セリンプロテアーゼは四面体型遷移状態をつくってペプチド結合を切断する 208 |
セリンプロテアーゼの触媒作用には4つの構造的特徴が必要である 209 |
収斂進化の結果,同じ触媒機能をもつ2種類のセリンプロテアーゼが生じた 210 |
キモトリプシンの構造は2つの逆平行βバレル型ドメインをもつ 210 |
活性部位はドメインごとに2つのループ領域が集まってできている 211 |
キモトリプシン分子は遺伝子の重複によってできたのだろうか 212 |
基質特異性ポケットをつくる側鎖が選択的切断に関係する 212 |
基質特異性ポケットをタンパク質工学的に改変すると触媒反応の速度が変化する 213 |
トリプシンのAsp189→Lys変異体では基質特異性に思いがけない変化が起こっている 215 |
セリンプリテアーゼの1つ,ズブチリシンの構造はα/β型である 215 |
ズブチリシンとキモトリブシンの活性部位はよく似ている 216 |
ズブチリシンの変則的構造は機能的な帰結である 217 |
ズブチリシンの遷移状態の安定化はタンパク質工学で詳しく調べられた 217 |
触媒反応は触媒トライアードがなくても起こる 217 |
基質依存型触媒反応では基質分子が触媒基を提供する 218 |
結論 219 |
精選図書 220 |
12 膜タンパク質 223 |
膜タンパク質は結晶化が難しい 224 |
新たな結晶化法が開発されつつある 224 |
膜タンパク質の二次元結晶は電子顕微鏡で調べられる 225 |
バクテリオロドプシンには膜貫通αヘリックスが7本ある 226 |
バクテリオロドプシンは光駆動性プロトンポンプである 227 |
ポーリンはβストランドによって膜貫通チャネルをつくる 228 |
ポーリンチャネルは逆平行β構造からなるβバレルでできている 229 |
ポーリン分子はそれぞれ3つのチャンネルを持っている 230 |
イオンチャネルはイオン選択性と高レベルのイオン透過性を結びつけている 232 |
K +チャネルは四量体分子で、4つのサブユニットの間にイオン孔が1つある 232 |
イオン孔はせまいイオン選択フィルターをもつ 233 |
細菌の光合成反応中心は4本のポリペプチド鎖と多くの色素からなる 234 |
サブユニットL,M,Hには膜貫通αヘリックスがある 236 |
光合成色素はサブユニットLとMに結合している 237 |
反応中心は膜を通過する電子の流れによって光エネルギーを電気エネルギーに変換する 239 |
アンテナ色素タンパク質は集光性粒子の多量体へと会合する 240 |
集光性複合体LH2中でクロロフィル分子は環状構造を形成する 241 |
反応中心は16個のアンテナタンパク質からなる環状の集光性複合体LH1に取り囲まれている 242 |
膜貫通αヘリックスはアミノ酸配列から予測できる 244 |
疎水性尺度で、異なるアミノ酸側鎖の疎水性の程度を測る 245 |
ハイドロパシー図で膜貫通ヘリックスを同定する 245 |
反応中心のハイドロパシー図は結晶構造データと一致する 246 |
膜脂質は膜貫通αヘリックスと特異的な相互作用をしない 246 |
結論 247 |
精選図書 248 |
13 シグナル変換 251 |
Gタンパク質は分子増幅器である 252 |
Rasタンパク質とG αの触媒ドメインの三次元構造は似ている 254 |
G αは3か所のスイッチ領域でコンホメーションが変化すると活性化される 257 |
GTPアーゼでは、水分子の求核攻撃によってGTPを加水分解する 259 |
G βサブユニットは,7個のWD反復単位からなる7枚羽根のプロペラ型折りたたみをとっている 261 |
G αβγ三量体では,G αのGTPアーゼ・ドメインがG βに結合している 263 |
ホスデューシンは網膜桿体での明順応を調節している 265 |
ホスデューシンとG βγの結合により,G βγとG αの結合が阻害される 265 |
ヒト成長ホルモンは,対応する受容体の二量体化を引き起こす 267 |
成長ホルモン受容体の二量体化は逐次的に起こる反応である 268 |
成長ホルモンはプロラクチン受容体にも結合する 269 |
受容体チロシンキナーゼは重要な酵素連結型受容体である 270 |
小型のタンパク質モジュールがシグナル伝達網のアダプターとなる 272 |
SH2ドメインは標的分子のホスホチロシンを含む領域に結合する 273 |
SH3ドメインは標的分子のプロリンに富む領域に結合する 274 |
Srcチロシンキナーゼには,チロシンキナーゼに加えてSH2とSH3ドメインがある 275 |
不活性状態のキナーゼの2つのドメインは,調節ドメインの集合により閉じたコンホメーションをとるように折りたたまれる 277 |
結論 278 |
精選図書 280 |
14 繊維状タンパク質 283 |
コラーゲンは3本の平行でとても長い左巻きの超らせんである 284 |
コイルドコイルは繊維状タンパク質や球状タンパク質のオリゴマー形成によく見られる 286 |
アミロイド原繊維は連続したβシートヘリックスでできているらしい 288 |
クモの糸は天然の高性能繊維である 289 |
筋繊維は筋収縮の際にたがいに滑るミオシンとアクチンを含む 290 |
ミオシン頭部はアクチンフィラメントとミオシンフィラメントの間に架橋をつくる 291 |
カエルの筋肉の時分割X線回折から架橋の動きが確認された 292 |
アクチンとミオシンの構造は決定されている 293 |
ミオシンの構造は首振り説を支持する 295 |
筋収縮におけるATPの役割はGタンパク質活性化におけるGTPの役割に相当する 296 |
結論 297 |
精選図書 298 |
15 免疫系による非自己分子の識別 299 |
抗体のポリペプチド鎖は数個のドメインからなる 300 |
抗体の多様性を生む機構は複数ある 302 |
免疫グロプリン・ドメインの三次元構造はすべて似ている 303 |
2つの平行βシートがたがいに強く会合して免疫グロブリン型折りたたみ構造を形成する 304 |
超可変領域は可変ドメインの一端にあるループ内に集中している 305 |
重鎖と軽鎖の両超可変領域がさらに会合することによって抗原結合部位が形成される 306 |
抗原結合部位はそのくぼみでハプテンに結合し,平坦な大きな表面でタンパク質性の抗原と結合する 308 |
重鎖のCDR3を除いて,CDRループのコンホメーションには一定の制約がある 311 |
IgG分子のコンホメーションには何段階かの柔軟性がある 312 |
MHC分子の構造はT細胞活性化の分子的機構を明らかにした 312 |
MHC分子は抗原結合ドメインと免疫グロブリン様ドメインとでできている 313 |
MHC分子による抗原の認識は免疫グロブリンとは異なっている 314 |
ペプチドの結合はMHCクラスI分子とクラスII分子とで異なっている 315 |
T細胞受容体は,免疫グロブリンの可変ドメインと定常ドメインと超可変領域をもつ 316 |
MHC-ペプチド複合体はT細胞受容体のリガンドである 318 |
細胞表面受容体には免疫グロブリン様ドメインをもつものが多い 318 |
結論 320 |
精選図書 321 |
16 球状ウイルスの構造 325 |
球状ウイルスのタンパク質殻は正二十面体対称になっている 327 |
正二十面体の対称性は高い 327 |
最も単純なウイルスの殻は60個のタンパク質サブユニットからなる 328 |
複雑な球状ウイルスは非対称単位中に複数のポリペプチド鎖をもつ 329 |
構造の融通性のおかげでT=3植物ウイルスではつめこみ様式が疑似等価になる 331 |
タンパク質サブユニットは殻内部のRNAの特異的部分を認識する 332 |
ピコルナウイルスのタンパク質キャプシドは4本のポリペプチド鎖を含む 333 |
ピコルナウイスルには4つの異なる構造タンパク質がある 334 |
ピコルナウイルスの殻のサブユニット配列はT=3植物ウイルスの配列と類似している 334 |
球状の植物および動物ウイルスのコートタンパク質は,進化的関連を示唆する類似のゼリーロール・バレル構造をもっている 335 |
ライノウイルスの構造から風邪薬が設計できるかもしれない 337 |
バクテリオファージMS2は異なるサブユニット構造をもつ 339 |
MS2サブユニット二量体はRNAの構築シグナルを認識する 339 |
アルファウイスルのコアタンパク質はキモトリプシン型に折りたたまれる 340 |
SV40とポリオーマウイルスの殻は,非等価につめこまれるがほぼ等価に結合するコートタンパク質五量体から構築される 341 |
結論 343 |
精選図書 344 |
17 タンパク質構造の予測,改変,設計 347 |
相同なタンパク質は構造や機能もたがいに類似している 348 |
相同タンパク質どうしでは構造中のコア部分は保存され,ループ領域が変化している 349 |
二次構造に関する知識は三次構造の予測に必要不可欠である 350 |
複数の相同なタンパク質の配列を比較する複数配列同時比較法を行うと二次構造予測に役立つ 351 |
類似の三次元構造をとるアミノ酸配列は多数ある 352 |
アミノ酸配列からのタンパク質の構造予測は未解決の問題である |
折りたたみスクリーニング法を使ってアミノ酸配列を既知の三次元折りたたみに当てはめる 353 |
タンパク質を改変すれば,もっと安定にすることができる 354 |
ジスルフィド架橋はタンパク質を安定化する 354 |
安定性に対する影響はグリシンとプロリンで相反している 356 |
αヘリックス双極子を安定化するとタンパク質の安定性が増大する 357 |
疎水性コアの空洞を埋める変異はT4リゾチームを安定化しない 358 |
タンパク質は組合せ法を使って改変できる 358 |
ファージディスプレイ法はタンパク質ライブラリとDNAを結びつける 359 |
ファージ提示を使った,プロテアーゼ阻害物質の親和性と特異性の最適化 361 |
機能を変えることなく骨格構造を小さくできる 363 |
ランダム化したペプチドライブラリをファージに提示することでエリトロポエチン受容体のアゴニストを突き止めた 364 |
DNAの混ぜ合わせにより遺伝子の進化を加速できる 365 |
タンパク質の構造は折りたたみスクリーニング法によって設計できる 367 |
配列の半分を変えるだけでβ構造をα構造に変換できた 368 |
結論 370 |
精選図書 371 |
18 タンパク質構造の決定 373 |
タンパク質分子の構造を研究する技術はいろいろある 373 |
タンパク質の結晶を成長させるのは難しい 374 |
X線源には単色と多色がある 376 |
X線データはイメージングプレートやX線検出器によって記録する 377 |
回折はブラッグの法則に従う 378 |
位相の決定は結晶学における大きな問題である 379 |
位相の情報は多波長異常散乱実験からも得られる 381 |
モデルの作製には構造化学的な解釈が必要である 381 |
初期モデルに存在する誤りは精密化によって除くことができる 383 |
最近の技術の進歩はタンパク質結晶学に大きな影響を与えた 383 |
X線回折は結晶だけでなく繊維の構造研究にも使える 384 |
生体高分子の構造は繊維回折を用いて研究される 386 |
NMR法は原子核の磁気的性質を利用する 387 |
タンパク質の二次元NMRスペクトルは連続帰属法で解釈する 389 |
タンパク質分子がとりうる構造を導くには距離制限を用いる 390 |
生化学的研究と分子構造から,機能に関する相補的な情報が得られる 391 |
結論 391 |
精選図書 392 |
wwwで見るタンパク質の構造 393 |
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索引 425 |