第Ⅰ部 物質拡散問題 |
1章 沿岸域における混合拡散 3 |
1.1 海洋変動の予測 3 |
1.2 沿岸域での拡散過程 3 |
1.3 拡散場の一表現法 6 |
2章 乱流拡散とシア拡散 9 |
2.1 せん断流による拡散過程 9 |
2.1.1 有界な海洋域におけるシア拡散 9 |
2.1.2 有界でない海洋域におけるシア拡散 12 |
2.2 恒流の成因 14 |
2.2.1 潮汐残差流 14 |
2.2.2 潮汐残差流の発生機構 14 |
2.2.3 風に起因する恒流系 18 |
3章 湾内水循環の機構 20 |
3.1 湾内水循環の要因 20 |
3.2 湾内水循環の数学モデル 21 |
3.2.1 河口域における流れの基礎方程式 21 |
3.2.2 河口域の流速と潮汐混合に対する風の影響 23 |
4章 沿岸海域の拡散希釈能力 27 |
4.1 拡散実験 27 |
4.2 沿岸海洋での水平乱流拡散 28 |
4.2.1 4/3乗則に従う水平拡散過程 28 |
4.2.2 拡散係数と濃度分布 30 |
4.2.3 崩壊・生成を伴う物質拡散 33 |
4.3 瞬間・連続放出による乱流拡散 34 |
4.3.1 瞬間点源放出 34 |
4.3.2 連続点源放出 37 |
4.4 風浪および波による混合 40 |
4.5 密度成層海域における拡散 41 |
4.5.1 小スケール乱流拡散に対する混合長理論 41 |
4.5.2 乱流交換に及ぼす密度成層の影響 42 |
5章 海中放流管による希釈効果 46 |
5.1 排水の希釈混合過程 46 |
5.2 重力噴流(プルーム)の希釈特性 49 |
5.2.1 重力噴流の拡散形態 49 |
5.2.2 基礎方程式 49 |
5.2.3 解析結果と考察 52 |
5.3 水中放流方式による温排水温低減効果 53 |
6章 海域における流動モデル 58 |
6.1 流動解析モデルの概要 58 |
6.2 海域における流動の駆動力 59 |
6.3 力学モデルの概要 59 |
6.4 力学モデルの適用の考え方と手順 61 |
6.5 モデルの適用例(1)―東京湾の流れの解析 63 |
6.5.1 束京湾内の流れ 63 |
6.5.2 流動モデルの概要 64 |
6.5.3 流動計算 65 |
6.5.4 まとめ 70 |
6.6 モデルの適用例(2)―伊勢湾奥部の下層水湧昇現象 70 |
6.6.1 概要 70 |
6.6.2 現地観測概要 70 |
6.6.3 沿岸と沖合の水温・塩分分布 71 |
6.6.4 数値計算 72 |
6.6.5 沿岸湧昇 75 |
7章 湾内における潮汐密度流モデル 77 |
7.1 潮汐密度流モデル 77 |
7.2 基礎方程式 77 |
7.3 境界条件と他諸条件 81 |
7.4 深さ方向の平均化した流れの式系 86 |
7.5 モデルの適用例―東京湾における貧酸素水塊の湧昇現象 88 |
7.5.1 貧酸素水塊の湧昇現象の把握 88 |
7.5.2 現地観測結果 90 |
7.5.3 流動計算の条件 91 |
7.5.4 モデルの高度化に係わる検討 93 |
7.5.5 貧酸素水塊の湧昇計算 95 |
7.5.6 考察 96 |
8章 ボックスモデルによる流動解析 99 |
8.1 ボックスモデルとは 99 |
8.2 基礎方程式 100 |
8.3 3つの保存方程式の解法 101 |
8.4 数学的定式化 102 |
8.5 モデルの適用例―東京湾の水質改善 104 |
8.5.1 概要 104 |
8.5.2 ボックスモデルによる流動解析 105 |
8.5.3 データの処理 105 |
8.5.4 流動解析結果 106 |
8.5.5 水質の現況再現計算 107 |
8.5.6 河川負荷量の削減に伴う水質改善効果 111 |
8.5.7 おわりに 116 |
9章 内湾の水質浄化 117 |
9.1 生態系モデル化の試み 117 |
9.2 流れを再現するモデル 118 |
9.3 生態系モデルの基本概念 118 |
9.4 既存生態系モデル 119 |
9.5 水質モデル 120 |
9.6 生態系モデルの有効性と困難性 123 |
9.7 モデルの適用例―三河湾における水質改善 123 |
9.7.1 概要 123 |
9.7.2 三河湾の海洋環境 124 |
9.7.3 外海水導入による水質浄化対策 125 |
9.7.4 発電所冷却水取放水による水質改善方策 127 |
9.7.5 発電所取放水口近傍における水質改善効果 133 |
10章 放射性核種の海洋拡散 137 |
10.1 影響評価の考え方 137 |
10.2 核種拡散の基本的な考え方 139 |
10.3 スキャベンジングを考慮した核種拡散モデル 139 |
10.4 セディメントモデル(Sediment model) 141 |
10.5 放射性物質の拡散計算モデル 142 |
10.6 セディメントモデルと海底層モデル 143 |
10.7 懸濁物質に関するパラメータ 145 |
10.8 セディメントモデルに用いるパラメータ 146 |
10.9 感度解析(IAEA1998) 147 |
10.10 モデルの適用例(1)―北極海における放射能拡散 151 |
10.10.1 北極海水の密度構造 151 |
10.10.2 北極海全域の放射性廃棄物の濃度解析 155 |
10.11 モデルの適用例(2)スキャベンジングの例―ダム排出土砂の河口域での挙動 158 |
10.11.1 概要 158 |
10.11.2 ダム貯水池の堆砂対策 159 |
10.11.3 排出土砂の海域での挙動 161 |
10.11.4 河口前面海域での流れの解析 165 |
10.11.5 考察 170 |
11章 太平洋循環流計算 173 |
11.1 概要 173 |
11.2 使用データ 174 |
11.3 基礎式,境界条件,パラメータ,計算条件 174 |
11.4 計算手法 177 |
11.5 計算結果 178 |
11.6 モデルの適用例―COの海洋隔離の可能性 184 |
11.6.1 地球環境問題の意味するもの 184 |
11.6.2 地球温暖化の予測は正しいのか 185 |
11.6.3 CO抑制策と隔離技術 186 |
11.6.4 二酸化炭素を海洋隔離する可能性の追求 187 |
11.6.5 CO濃度予測 188 |
12章 沿岸域工コテクノロジー 194 |
12.1 持続可能な開発とは 194 |
12.2 河川のエコテクノロジー 196 |
12.2.1 河川環境の創造 196 |
12.2.2 河川工学と生態学の組合せ 198 |
12.3 海岸・内湾域のエコテクノロジー 198 |
12.3.1 湾内の水質管理 198 |
12.3.2 海の新しい環境創造 200 |
12.4 おわりに 204 |
第Ⅱ部 温排水の環境影響評価法 |
1章 温排水問題の背景 209 |
1.1 温排水とは 209 |
1.2 温排水の規制に関する行政の現状 209 |
1.3 汽力発電所の排熱量と冷却水使用水量 210 |
1.4 排熱冷却方法の分類 212 |
1.5 冷却塔方式の概要 214 |
1.6 問題点の背景 215 |
2章 復水器上昇温度(⊿T)の問題 216 |
2.1 概要 216 |
2.2 取水温に対する最適復水器上昇温度 216 |
2.2.1 検討条件 216 |
2.2.2 ⊿Tの検討結果 218 |
3章 冷却水取水の設計 220 |
3.1 概要 220 |
3.2 風の吹送による水温鉛直分布の安定性 221 |
3.3 風による水温躍層面の低下量 225 |
3.4 風の効果を考慮に入れた冷却水取水構造物の設計例 227 |
4章 海象調査と観測データの評価法 231 |
4.1 概要 231 |
4.2 流動調査 231 |
4.3 水温調査 233 |
4.4 海域の流れと乱れの区別 234 |
4.5 海洋環境変動予測のための手段 236 |
4.6 本邦沿岸での流れと拡散の特性 239 |
4.7 流動の短周期変動と拡散係数の推定 244 |
5章 外海域での水理現象と観測データ評価 246 |
5.1 外海域での流動と分散特性 246 |
5.2 沿岸流の長周期変動 246 |
5.3 福島県浜通り海域の長周期変動特性 249 |
5.4 砕波帯内の分散特性 253 |
5.5 水温変動の特性 255 |
6章 温排水の拡散・冷却過程 258 |
6.1 温排水拡散現象の実態 258 |
6.2 温排水の拡散過程 260 |
6.3 放水口近傍での下層水の連行現象 261 |
7章 遠方領域での拡散予測 264 |
7.1 概要 264 |
7.2 基礎方程式 264 |
7.3 温排水の拡散予測 266 |
7.3.1 温排水排出による流動と熱拡散の数値モデル 267 |
7.3.2 沿岸流(潮汐流を含む)の流速算定 270 |
7.3.3 水温分布の算定 270 |
7.4 拡散予測解析例 271 |
7.4.1 外海における拡散過程 271 |
7.4.2 内海における拡散過程 273 |
7.4.3 湾内における拡散過程 274 |
7.4.4 流動特性が往復流と不規則流の中間に属する海域 276 |
7.5 シミュレーション解析手法の適用上の問題点 278 |
8章 放水口近傍の拡散予測 280 |
8.1 概要 280 |
8.2 数理モデルの内容 280 |
8.2.1 平均流モデル 280 |
8.2.2 乱流モデル 283 |
8.3 3次元モデルの妥当性 284 |
8.3.1 計算条件 284 |
8.3.2 平均流モデルの適用性 285 |
8.3.3 準3次元モデルの適用性 288 |
8.3.4 乱流モデルの適用性 290 |
9章 海面と大気間の熱収支過程 296 |
9.1 概要 296 |
9.2 大気―海面間における熱交換係数 297 |
9.3 近藤の輸送係数を用いた熱交換係数の算定式 297 |
9.3.1 海面における物理量交換とバルク輸送係数 297 |
9.3.2 Ryan&Stolzenbachによる熱交換係数の算定式 300 |
9.3.3 熱交換係数の算定および実測値との比較 300 |
10章 水中放水 303 |
10.1 水中放水に対する温排水拡散モデル 303 |
10.2 水中放流拡散予測モデル 305 |
10.2.1 3次元平均流モデル 305 |
10.2.2 3次元乱流モデル 309 |
10.3 3次元モデルによる解析 310 |
10.3.1 高流速で放射状に水中放流を行った例(I発電所) 310 |
10.3.2 表層放水と水中放水を併用した例(G発電所) 314 |
10.3.3 沖合で水中放流した例(T発電所) 316 |
10.4 数値モデルによる拡散範囲の妥当性 318 |
むすび 322 |
参考文献 322 |
索引 325 |